仕事を終え、帰り道目黒の方までクルマを飛ばす。
目指すは目黒区の亀の湯。
すぐ側にコインパーキングがあり、22時までは一時間300円とのこと。
亀の湯はマンション銭湯。
二階の部屋の位置はやや高めにあるので、銭湯部分の天井は高めに設定されている模様だ。
入口の暖簾は牛乳石鹸のシンプルなもの。
左右に自販機を従えている。
暖簾をくぐると正面に傘立て。
なぜか10本以上の傘が収まったまま。そのまま長い年月を経ているようで、中に入った傘が朽ち果てている。
男湯は左手。
番台形式なのだが、引戸を開けて番台を見ると改装されてフロントのような趣になっている。つまり木の番台ではない。
おばさまがお座りになられており、挨拶の後、湯賃をお渡しする。
控えめな接客であるがとても笑顔が清々しい。
サウナ料金は200円のようだ。今日のところは銭湯のみ利用しよう。
脱衣場は天井高く、格子ではないがマンション銭湯とは感じられないほどの高さ。
デジタル体重計があり、クラシカルなローラー式マッサージ機、外壁側には庭もある。
植木がいくつかあり、そのすぐ側に大きなはしごが横たわっている。
女湯境の壁の上に表彰状が飾られている。
浴場が表彰されたようだ。新宿余丁町の弁天湯にもあった。
少し高さがあるので何で表彰されたのかはよくわからないが。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
中にはお客が一人もいらっしゃらない。
眼前に広がるは大きな風車、洋風のアーチブリッジ。
天井は脱衣場と同じ高さでほほフラット。やや女湯境に向けて下っていっている。逆への字型。かなり剥げかけている天井のペンキである。
それがまたこの浴場のくたびれ感を醸し出しており、そこはかとなく佇んでいて心地よい。
カランは4-4-5-5-5。島カラン二列である。
立ちシャワーは二基。
しっかり体を洗い、さて浴槽を攻めようかという時にお客さんが一人浴室へいらっしゃった。
浴槽は3つあり、外壁に浅風呂、中央に座ジェット。女湯側には深風呂である。
まずは浅風呂から。
湯温は・・・これがまたかなりのアツ湯。
久々に来た。とても価値のあるアツ湯浴場である。
湯温は47℃はあるだろうか。
ガリウム石の檻があり、湯が流れ込んで来ている。
またこの浴槽はタイルが黒色の為、黒湯ではないかと一瞬勘違いしてしまう。
湯はヒリヒリと肌に刺激を加えてくる。
薪で沸かしてはいないのだろう湯の当たりである。しかし、地下水を沸かしているようである。
心地よいアツ湯。
数分で体が熱くなる。
立ちシャワーでクールダウンし、続いて座ジェットへ。
ここでお客が浅風呂に入り、水をドバドバ埋め始める。
確かに埋める気持ちも分からないでもない湯の熱さではあるが、入浴されている5分の間、常に水を埋め続けており、湯守ではないかと思うほど湯の温度に敏感でおられるようだ。
座ジェットも湯温は変わらず。
さらにジェットの勢いで体感温度は上昇している。
超音波も出ているという札があるが、冷静に読んでいられる状態ではない。
立ちシャワーでクールダウン。
水の温度がぬるめで、これがもっと冷たければと少し残念に思う。
さて、深風呂へ。
こちらも湯温は変わらず。
深い部分の湯温はさらに熱く、まさに修行である。
田町の万才湯、御徒町の燕湯の深風呂を思い出させる。
ストイックな気分に浸るも、壁は洋風。
どこへこの気持ちを修めればいいのかとしばし途方に暮れる。
湯から上がりほてった体を縁側でクールダウン。
この縁側は浴場の外にまで広がっている。さすがに奥までは行く気にはならないが、外へ出て先まで続いていると少し「おっ」と思うものである。
アツ湯を楽しめる目黒区のストイックな銭湯。
水風呂があればなお良し。
女々しい自分に喝を入れたくなった時、また生ぬるい自分を鍛え直したい時にまた来ようと思う。
大きな地図で見る
0 件のコメント:
コメントを投稿