2009年1月24日土曜日

74.渋谷区広尾 広尾湯

一週間、仕事で疲れた体を癒す。

今日は広尾にある広尾湯だ。
清心女子大のすぐ側、広尾駅からも徒歩30秒ほど。
交通の便は最高だ。

広尾湯はマンション銭湯。
銭湯マップには80余年も営業してあると書いてある。
そんな前からマンション銭湯が存在しているとも思えないし、昔は破風造りの立派な銭湯だったのであろう(勝手な憶測)。

銭湯に入る前に数軒駅寄りにある中華料理屋「太楼」で腹ごしらえ。
名前は仰々しいがとても入りやすいお店。
レバニラ炒めを食した。
味は濃いめなので好みは分かれるところかも。自分は好きな味だ。

さて広尾湯へ。
暖簾は牛乳石鹸。牛の柄だ。

下足入れは松竹錠の木の札の物。
引戸は半自動になっており、中に入るとフロントが正面に。
右手には休憩所とソファ、テレビがあり4人ほどが休憩できるスペースになっている。

右手が男湯。
今日は奥さんも一緒なのでここで別れる。
奥さんは以前、高田馬場の金泉湯で常連客に注意されて以来、銭湯が苦手となっているが今日さらに何か良くないことが起きた場合、一緒に銭湯に行くこともなくなるかもしれない。

どうなることだろう。
男湯は左手。
フロントの親父さんは接客はとてもよろしい。丁寧である。
男湯のみ、ロッカーキーを受け取る形だ。

脱衣場はフロントが食い込んだ形になっている。
容易に過去番台形式であったことが見て取れる脱衣場である。
天井はなかなか高く、格天井ではないが天井扇がなんと二つも付いている。女湯にも二つ。
残念ながら回転はしてないが、スイッチが入ってないだけのように見える。今にも動き出しそうな雰囲気を感じるのだ。

体重計は丈の低いアナログの物。
浴室との境にある窓に裸婦のすりガラスあり。
これは確か幡ヶ谷の仙石湯にもあったんじゃないだろうか。

あと和式のトイレ。スイッチはなぜか通路を挟んで反対側の壁に付いている。
大抵は扉の側の壁面を探してしまう物だが、常識を持って臨むと昭和銭湯では痛い目を見るのである。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室はマンション銭湯とは思えぬ広大な空間。
天井はかまぼこ型で、オレンジと白のストライプである。
そして背景はチップタイルのヨーロッパな湖水地方のもの。建物はくすみが表現されており、湖面に映る建物の影も素晴らしい。まさにアート。

桶には「廣尾湯」と書かれている。
島カランは一列。外壁より7-6-6-4。立ちシャワーはカーテン付きで三基。
カランの配置はゆったりで、広々としている。
お客は一人のみ。
女湯からは仲間同士話をする声が聞こえてくる。10名近くは入っているように思える。

体をしっかり洗い浴槽へ。
二槽式となっており、広い浅風呂は手すりで区切られ座ジェット二基水枕付きと、ミクロバイブラ。深風呂はバイブラが多少ボコボコと泡を噴出し続けている。

まずは座ジェットへ。
湯温は42℃ほど。
ジェットの勢いは強く、手すりに手をやらない場合前に体が押し出されるほどである。
水枕は残念ながら機能しておらず冷たくない。
となりのミクロバイブラの勢いも激しく、最高バイブラ到達点は25cmほど。
真上であぐらをかいて辛抱してみるが、どうにも定位置をキープすることができない。
泡はきめ細かく心地の良い湯だ。
しかしこの浴槽はどこを見ても泡、泡、泡なので、のんびりゆったりというわけにはいかない。常に流れと戦う必要がある。

さて立ちシャワーでクールダウンし、深風呂へ。
こちらは泡の勢いも収まり、そして隅の丸みに背をあて、両手をヘリに載せ極楽の湯を味わうことができる。
釜場への扉がすぐ側にあるが、そちらから薪の香が漂ってくる。
鼻孔からアロマテラピーの如く脳へと癒しの香を運んでくれる。なんと素晴らしい香であろうか。
つい、木の浴槽、木の桶、木のイスを探してしまうほどのはっきりとした香である。

さて十分に温まり湯から上がる。
休憩所には自販機があり、ファンタグレープを飲みながら奥さんを待つ。
しばらくの後、奥さんがやって来た。
お客の数を聞くと、カランはほぼ全て埋まっていたそうだ。
となると20人はお客がいたということか。
広尾湯は女性客が多い銭湯と言うことだろうか。
清心女子大の学生かどうか聞いてみたが、ほとんどがおばあさまであったとのこと。
背景には白鳥が描かれていたそうだ。男湯にはいなかった。

何か嫌なことはなかったかと聞くと、今回はなかったそうだ。
初めに常連客にこんにちはと声をかけたそうだが、優しく空きカランを案内して頂いたりしてもらったとのこと。大切なのは挨拶。それを実感したようである。
男湯ではそこまで気にすることもないのだが、女性はそうも行かないだろう。
女性はよく群れる生き物である・・・。

さて表に出る。
この近くの松の湯はすでに廃業リストに掲載されていた。
広尾駅近く、この町並みの中で銭湯が生き残っていくのも難しいとは思うがこの先何年も存続していってもらえればありがたい。ぜひまた訪れたい銭湯であった。


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1 件のコメント:

  1. 広尾湯をおもってくれてありがとうございます!

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