2009年11月21日土曜日

135.大田区萩中 小町湯

二週間ぶりの銭湯。
その間は内風呂を使っている訳だが、やはりどこか満たされないものがある。
広々とした空間に反響する湯の流れる音に、桶の音、湯客の話し声に、カランの音。そして柔らかく温かい湯。
のどの渇きを水で潤すかのように、渇いた心を温かい湯で潤したい。
そんな事を考えながら向かうのもまた楽しい。
久々の銭湯も良いものだ。

今日は大田区の銭湯、小町湯を訪れた。

糀谷の商店街をクルマで抜けて行くが、路上に駐輪された自転車が幅を利かせている。地元ではないので慎重にゆっくりと抜けていく。
比較的高齢な歩行者も多いので注意が必要だ。
時間は夜8時頃。商店街の店も閉店の時間である。

小町湯付近にスーパーマルエツがある。同じ建物に文教堂やヤマダ電機も入っており駐車場も広い。小町湯には駐車場がないのでここへ駐車する。1000円の購入で90分駐車可能である。

マルエツから歩いて1分ほど。
歩くとすぐに静かな住宅街になり、街灯も少なめで暗くひっそりしている。
その中に、5mほどの高さで切られた煙突が見えてくる。






小町湯は切妻屋根が少し見えているがフロント部分が全面にせり出して来ている。
暖簾を潜り、下足入れに靴を預け木札を手に取る。

やや反応の鈍い自動ドアを抜けフロントへ。
休憩スペースは形の違うソファにクッションのタイプも異なり、友達の家のようなアットホームな雰囲気である。6人ほどが座れる広さ。
フロントには親父さんがお座りになられている。番台をひっくり返してフロントに改装したようでフロントの上には脱衣場の天井が広がっている。

男湯は左手。
蛍光灯の照明は暗めで扇風機やテレビなど動いてるものは脱衣場にないので、よくいえば落ち着いた雰囲気。しかしながら活力を感じないので寂しさはある。
体重計は家庭にあるような小さなもの。さすがにこれでは体重を測ろうかなという気にはならず。

ロッカーは島式のものが一つ、外壁側に一つで40。面白いのは女湯境の壁際にベビーベッドがあり、その下もロッカーになっている。ここに二つ。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
サウナ室が外壁側に脱衣場にめりこむようにして設置され、立ちシャワーが隣に一基。
島カランは一列で外壁側から4-3-3-4-4-6。
島カランにはシャワーはない。
天井は高く二段式であるけれども、二段目の天井には急な傾斜が付いている。
お客は二人。女湯の方からも声は聞こえてこないので少々寂しいかもしれない。

カランを難なく確保し体をしっかり洗う。
カランや床のタイルがやや古びて来ているようだ。なによりも鏡の傷が激しく、そしてやたら低い位置にあるので普通に座っていては自分の姿は下半身しか見えない。まぁ鏡をじっくり見る必要もないので飾りと思ってみれば何も感じない。
ちなみに島カランの鏡の高さは通常の高さのようだ。

浴槽へ。
広めで浅い浴槽と深い浴槽。典型的な東京銭湯パターンだ。
広い浴槽には半分がミクロバイブラ。一方深い浴槽は静かな湯面で底の小さなタイルが青く美しい。
まずは浅い方から。湯温は42℃ほど。
泡の奥には青いタイル。砂利のようなタイルで昭和の香りがプンプンする。とても気持ちのよい浴槽だ。

続いて深い浴槽へ。
浅風呂とつながっているので湯温の違いはないかなと思うも、熱い湯が奥から次々と注入されており、44℃ほどになっている。こちらから背景を拝む。
女湯ぶち抜きの富士山。ヨットや岩にあたる波しぶきなどが描かれている。中島氏の作品だと思われる。

さて湯から上がり、サウナ室へ。さすが大田区銭湯、無料で利用できるようだ。
乾式サウナで木の椅子にはタオルなども敷かれていないのでそのまま座る事もできないが、立ったまましばらく体を温める。温度は110℃となっている。

外に出て立ちシャワー。クールダウンをして何度か湯を楽しんだりサウナ室を利用したりする。終始湯客は2〜3人ほど。少なめであった。

さて湯から上がる。
着替えてフロントを通過すると親父さんから女将さんにスイッチされている。常連客と楽しそうにお話をされておりありがとうのお声は頂けなかった。
帰り、マルエツで買い物をして帰宅。
これから寒さも本格的になってくる。銭湯を利用しながら楽しく冬を乗り越えて、清々しい気持ちで暖かい春を迎えたい所だ。


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