仕事の帰り、大田区銭湯の観音湯を訪れた。
西糀谷という住所だが、糀谷駅の東側にあり、糀谷駅よりもむしろ近くには大鳥居駅がある。
今日は車で訪れたので銭湯近くのコインパーキングに駐車。
観音湯の側には建物に沿う形で駐車場があるが、銭湯マップには駐車場のマークはついていないしどうやら月極駐車場のようだ。
正面は破風屋根が若干見えるが、そのほとんどはモダンな塀に遮られている。
煙突は細いもので鉄骨に支えられて夜空に向かって伸びている。
突き出し看板が正面を覆う壁に付けられているが、バイブラやスチームサウナ等、設備が書かれている中に人間洗濯機とも書かれている。
人間椅子みたいで少し不気味な雰囲気。
入口には暖簾がなく、アーチ上になっている。そこを抜けると番台銭湯ならではの下足入れスペース。番台裏には観葉植物が置いてあり、左右におしどり錠の下足入れ。靴を預け右手の男湯の方へ、自動ドアから中に入る。
番台は脱衣場にせり出す形でなく、玄関側にせり出す形で設置されている。親父さんは色付きメガネをかけ、上品な感じでお静かながらもしっかりと接客をされている。銭湯全体に流れるモダンな雰囲気とよく合っている。
天井は高く二段式に端から30cmくらいの辺りから少しせり上がっている。
ぶら下がるつるに実がなるかのようにつり下げ式の照明が4つ、電球色で渋い色を放っている。それが男湯に一つ、女湯に一つある。
そうかと思えば外壁側にぶら下がり健康機、アナログ体重計はYAMATOのもので、やはりどこかしら本来のレトロな宮造り銭湯の雰囲気も醸し出している。
ロッカーを確保しパパッと服を脱ぐ。
脱衣場に食い込む形でサウナ室があり、窓まであって中がよく見える。脱衣場から見えてしまうのは少し恥ずかしくもある訳だが、サウナ室で何かあった場合には番台からよく見える訳だし安全対策の一つだろう。
浴室へ。
こちらも天井高く、二段式で水色に塗られた天井は清々しい気分にさせてくれる。時間は8時頃。湯客は5人ほどだ。
島カランは二列でありながら通路はゆったりしている。
女湯境より5-6□5-6□5-5(□は島、-は通路)。島のカランは向かい合って同じ位置にならないようずらして設置されている。カランすぐ上の入浴グッズを置く棚が向かい側と共有する形になっているのでずらして設置するのは重要と言えるだろう。
立ちシャワーは二基。
しっかり体を洗い浴槽へ。
3つの浴槽で構成されており、外壁側に円形、中央に広めの浅い浴槽(バイブラ、座ジェット)、女湯境側には深風呂で「あつめ」と書かれている。
まずは円形から。これがつまりは人間洗濯機だろう。体が洗われるほどには水流は回転していないのでまぁいわれればそうかなという程度。
それよりもこちらの背景である宇宙空間の惑星や、星雲などのサークル型に対してのこの浴槽の形、といった方がしっくりと来る。
宇宙空間はランダムチップタイルで、女湯側には赤く大きな惑星、火星か太陽か、そして女湯境部分に土星。男湯側には星雲が二つあって、その間に赤いガスの光。今まさに新星が誕生しようとしている瞬間かと思われる。
湯はぬるめで41℃ほど。
続いてバイブラ浴槽へ。こちらも湯温は変わらず。柔らかくいい湯である。ぬるめなのは少し物足りない所だが、深風呂はあつめの設定のようなので問題はないだろう。
バイブラ側に緑の赤外線ライトが一基、座ジェット側に赤い赤外線ライトが設置されている。
同じ浴槽には座ジェットも二基ある。
勢いはさほどではないものの快適。温まった所でしばしカランの水でクールダウン。
続いて深風呂へ。熱めの設定だが42℃ほど。深風呂にはガリウム石がある。つまり石和田章三教授のガリウム石だ。檻があり、なかにガリウム石。そこに湯があたり浴槽に流れ込んで来ている。
続いてサウナ室に入る。
無料だけに利用されるお客が多い。その理由はまさに快適だからだ。スチームサウナで中は高い湿度が保たれている。温度は50℃となっており、砂時計は3つ。3人も入ると一杯となってしまう狭さではあるが、無料でありながら居心地の良いサウナだ。テレビや音楽はないが脱衣場を見晴らせるので退屈しのぎにはなる。サウナ室は照明も落とされ、暗いイメージがあるものだが、こちらはその脱衣場から射し込む光のおかげで非常に明るい。
しっかりと温まった所で水シャワーを浴びてクールダウン。何度かこれを繰り返したい所だが、サウナ利用者も多いという事で浴槽巡りを楽しむ事にする。
しばらくして湯から上がる。
宮造り銭湯は影を潜め、モダンな塀に覆われてしまっている銭湯だが中に入ればモダンと和風の中域に位置するような雰囲気で調和が保たれている。
番台とモダン、というのはあまり結びつかないような気もするがこちらの銭湯ではそれが不思議としっくりくるのである。
サウナ無料もいいし、宇宙のタイル画も楽しめる。円形浴槽やガリウム石、どれをとってもエンターテイメント性は充分。何度も訪れたい銭湯である。
大きな地図で見る
0 件のコメント:
コメントを投稿