1月16日の湯フェスイベントに赴いた時に雰囲気はわかっていたので、特に大きな感動もなかった訳だけど、やはり湯につかって初めてその浴場の良さがわかるという物だ。
下足入れは鶴亀錠。これは改装前と同じだ。ただ木札はもちろん新しくなっているし、錠前自体すでにレトロな味わいを出しているけれどもこの度新調されたのかもしれない。
湯賃は自販機で支払う。
フロントの女将さんにチケットをお渡し。お客も当然増えただろうし、接客に少しお疲れの様子がうかがえる。
右手の男湯へ。
パパっと服を脱ぎ浴室へ。
湯客は10人程。時間は23時過ぎだ。ほぼ全て学生といっていいだろう。タオルを手にしたまま浴槽に浸かっていたり、脱衣場から浴室に来たかと思うと体を洗わずにそのまま浴槽に直行したり、浴槽のへりに腰掛けたままじっとしていたり。銭湯ルールというものは全く通用しない浴場となってしまっている。
銭湯は湯客の善し悪しにかなり左右される。湯がいいというのも、設備がいいというのも、雰囲気や建物がいいというのも当然あるだろうが、やはりお湯を楽しむ人々がどう過ごしているかというのは肝心要なポイントの一つである。
浴槽は広めの浴槽に体が一つはいる程の円形浴槽、座ジェット、電気風呂がある。
それと水風呂の浴槽、脱衣場よりに個室となって炭酸泉が設置されている。
広い浴槽の湯は41℃程。
照明は落ち着いていて所々スポットライトが湯を照らして雰囲気が良い。そのライトは湯煙を照らし出し、霧のようなそれが時折キラキラと反射して美しさを演出している。
炭酸泉はさほど炭酸を感じないのだが、個室の中ではスチームサウナでするような香りがした。
それとこちらの浴槽は改装前から軟水を使用している。
軟水発生装置が湯をまかないきれていないせいか、シャワーの噴出量が極端に少なかった。一基ある立ちシャワーの湯量も少ない。水はザバザバ出るのだが、どうにも湯は許容量を超えてしまっているようだ。
背景は中島氏の赤富士。中腹に雲がかかっているが、こちらはお弟子さんが白ペンキを染み込ませた布で叩くように描いていた。女湯側の富士も見てみたいなと思うが、湯フェスに行ったおかげで完成した富士は見ていない物の、ほぼ完成状態のものは見ることが出来たのでよかった。
どちらの富士も、その御姿だけで松や、海、岩や波しぶきといったものが描かれていないのでシンプルと言えばシンプル。物足りないと言えばそうとも言えるのではないか。
湯から上がると休憩所で一休み。
さすがに改装しただけあって最新の液晶テレビは地デジを受信している。
銭湯で地デジを受信しているところはなかなか珍しいので、来年のアナログ放送終了で困る銭湯がいくつもあるのではないか。そう思ってるが、総務省がなんとかするだろうか。
学芸大学の千代の湯。
改装したてで快適な設備が備わっており、混雑してなければ極楽のひとときを味わえるだろう。深夜 1時までやっているのもありがたい。
ただやはり、昭和レトロな雰囲気を楽しみたい人たちには物足りなさを感じずにはいられない銭湯となってしまった。学生の街の今後を考えると、こういった形に昇華するのは当然の結果とも言えるのだが。
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