吉川駅から徒歩7分ほど。
吉川中央総合病院の増築工事を横目にうなぎ屋や薬局を通り過ぎてあいさつ通りを進むとある。お寺の側、駐車スペースは道沿いに砂利が敷かれている2台ほどの大きさ。
窓から漏れる明かりを見てほっとする |
窓から漏れる明かりをみて安堵のためいき。寒さもあるのでここで湯につかれないとなると厳しいものがある。
暖簾を潜ると右手が女湯、左手が男湯。
下足入れスペースは男女それぞれ28と少なめ。
男湯の扉(開き戸)は少々力を必要とする。開くとみしっと音が立つ。
中の親父さんにご挨拶して湯賃(430円)をお渡しする。
中は地方の小銭湯といった趣で、こじんまりとしているがクラシカルなマッサージチェア、女湯境の壁に大きな一面鏡、籐籠などのアイテムが揃っている。
窓際にあるロッカーは10位と数が少ないが湯客は5名ほどであり、その殆どが脱衣かごをご利用という事で余裕がある。
ぱぱっと服を脱ぐと浴室へ。
浴室は2段式の天井で水色に塗られ清々しい。天井の一番高い部分はかまぼこ型になっている。カランは外壁側から5−2−6なのだが、この2というのが脱衣場を背にする人と窯場側を背にする形で2人が向かい合うカラン。ここを向かい合って使うのは同性同士だと気まずさが漂うはず。鏡で仕切られてもいないので。
風呂椅子は20センチほどの高さの小さめの椅子。白い桶は無地だが一つだけケロリン。外壁側のカランに腰掛けると窓の前に鉢植えが10個ほど。ランや竹などが目を楽しませてくれる。
ペンキ絵は中島氏の富士。女湯境壁にも3つのペンキ絵があり、これらも中島氏。
身体をしっかりと洗うが、このカランのレバーが絶妙に軟らかく押しやすい。また金具の隙間から湯が溢れ出ているのも親しみが湧く。
さて浴槽を巡る。
奥の壁に浅風呂と深風呂の二つの構成。
浅風呂にはバイブラもあるので浴室にはボコボコといったお決まりのSEが流れている。
まずは浅風呂から。
湯温計は45℃を指し示しているが実際は湯は軟らかく42.5℃ほど。肩までしっかりとつかりしばらくつかっていても苦ではない。
そこで壁の注意書きが目に留まる。
あたたまりすぎ、長湯はしないでください。
「守れない人はお断りします」
あたたまりすぎる、長湯、というのは言われなくてもしなさそうではあるが、この湯の心地よさを考えると身にしみてよくわかる注意書きである。
そしてこの浅風呂の外壁側には水槽があり、メダカ(赤・白)がこれまた心地良さそうに30匹ほど泳いでいる。これを眺めつつ湯を楽しむと時間の経過を忘れてしまう。
続いて深風呂へ。
こちらも湯温計は45℃。実際はそこまでないがしっかりと温まる湯。
2段の高さがあり、一段目に腰掛け湯を楽しみ慣れると、さらに一つ深い二段目で肩に近いところまで。そして浴槽の底(までつけると溺れるので)、肩まで使って歳の数を目を閉じ数える。
時折女湯境の松島の風景を見ながらいくらでも湯につかっていられる。
湯から上がると脱衣場で親父さんや常湯とされているお客の会話を聞きながらクールダウン。女湯側からは一度も音は聞こえてこなかったが、親父さんたちは「女は安売りに弱い」「男は女に弱い」「おれおれ詐欺はいつまでもなくならないなぁ」など話されている。
今季一番の寒波が襲来しているという今日という日ではあるものの、しっかりと温まっているおかげで一枚着ている服を鞄に納めて帰る。なので鞄はパンパンになってしまうがそれも仕方ない。
振り返ってみて浴室のあの注意書き、
「あたたまりすぎ、長湯はしないでください」
というのを思い出し微笑んでしまう。
趣のある銭湯である上にしっかりと温まる湯、水槽に鉢植えにペンキ絵、プチ島カラン。どれも興味深いエンターテイメント性に優れた銭湯。
また近くに来たらぜひ立ち寄りたいものである。
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