2009年10月30日金曜日

130.大田区矢口 森の湯

大田区銭湯、森の湯を訪れた。
武蔵新田駅の目と鼻の先にある銭湯。あるいて30秒くらいか。
千鳥破風の屋根が垣間見えるが、手前に入口がせり出すように作られており、宮造りはよく見えない。





武蔵新田の街は非常に不思議な空間が広がっている。
古めかしい蒲焼割烹という店や、地元密着型の居酒屋や中華料理屋がいくつか立ち並んでいる。時間にして22時頃なので街もひっそりしているが、どことなく昭和の香りが漂っている。

お腹もすいていたので森の湯から線路を渡り、ラーメン日本一へ。
味噌ラーメンと餃子を頂くが、野菜の口当たりと控えめな味噌の濃さがよく合い、美味。ぎょうざは野菜がたっぷりでこれまたうまい。
キッチン「ゲレンデ」という店も気になるがまた今後機会があれば寄ってみよう。

暖簾がない森の湯の入口を潜り、下足入れに靴を預け木札を手に取る。その数は138まである。かなり混雑して下足入れも足りないってくらいの時期もあったに違いない。

中に入り、フロントの親父さんに湯賃をお渡し。メガネをかけられており、音楽はクラシックが聞こえてくる。
フロント前の休憩スペースにはテレビがあり、ソファには4,5人ほどが休憩できそうな広さ。銭湯検定公式テキストや漫画などがテーブルに置かれている。

男湯は左手。
脱衣場は狭めである。サウナ室がせり出して来ており、フロントも後から設置したためか脱衣場が少々犠牲になっている模様。浴室を狭くするのを避けたのかもしれない。
ローラーむき出しのおなじみクラシックなマッサージチェアと、TANAKAのアナログ体重計(これは結構新しい)、天井は格天井だがどことなくモダンな雰囲気だ。格子の部分以外には紙が貼られており◇の模様である上に、照明がやや落ち着いた色であることから昭和のモダンな雰囲気が流れているのかもしれない。
クラシックが流れているのも手伝って、どことなく音楽室にいるような雰囲気がある。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室は天井高く二段式。
ペンキでなくポリプロピレン(よくある家庭用の風呂蓋)のような天井。なのでやはり和風ではない。しかも灯りがガス灯の形をした(中は白熱電球)電灯が雰囲気を出している。
それに加えて背景は10cmのタイルがずらっと並び広大な絵を構成している。ナイアガラの滝だろうか。大きな船が浮かんでいるのも見える。

カランは女湯境は8つ並び、あとは外壁側から横に並んでいる。こちらは4-4。
浴槽は奥の壁から外壁にかけてL字型に配置されている。
シャワーが若干熱い。なのにカランの方はぬるいお湯。逆の方がいい気もするがすぐに慣れる。
立ちシャワーは一基。ボディシャワーも完備で、同じ空間に普通のシャワーも設置されている。

お客は4人ほど。皆静かに思い思いの銭湯ライフを楽しんでいる。カランの数は多くない銭湯だが、お互いがお互いの視界に入る事なく、適度な距離を保ってそこに存在している。

さて浴槽へ。
こちらは広い浴槽が奥の壁に沿って配置され、外壁沿いに2mほど進んだ位置まで黒湯の浴槽がある。広い浴槽にはバイブラ、ジェット、電気風呂がある。
まずは広い浴槽を楽しむ。湯温は42℃ほど。
浴槽の縁はヒノキ製。これがまたモダンな演出を魅せられてきたこれまでと違う味付け。しかしやはり肌触りは良く、浴槽に腰掛けて首をヒノキにもたれかけるとその温もりのある優しい触り心地に心が癒される。一週間働いた仕事の疲れもふっと抜けていくようである。

バイブラのある位置に移動し、細かい泡に身を委ねると、ちょうど付近に熱い湯の噴き出し口があり少々驚く。こちら付近の湯温は44℃ほど。気をつけた方がいいだろう。お客の中にはあつ湯を求めてわざとバイブラ辺りに陣取る方もいらっしゃる。

ジェットは強力な一穴式で、すぐ側に手すりもあるので体をホールドして腰や背にジェットを浴びる事ができる。背景も仰ぎ見ながら至福の一時だ。

続いて隅に配置されている電気風呂に移動する。
こちらは残念な事に電気力が非常に弱い。当方電気風呂はどちらかといえば弱い方だが、それでも電極にべったりと体を押し付ける事ができた。

一度カランの水を浴びク−ルダウン。
続いては黒湯浴槽だ。
薄めの黒湯。1m先くらいまでは何があるかが見える、というくらいだ。その分さらっとした入浴感。目の前に壁があり、外壁側も近いので閉塞感がある。しかし背景を見るにはいい位置だろう。

湯から上がり、サウナ室へ。大田区銭湯はサウナが無料の所も多いが、森の湯も例に漏れず。4人入ると窮屈な程度の狭いサウナ室だがテレビもあり、90℃ほどの清潔なサウナ。テレビは電源が切られていたが、待機電源はついているので必要に応じて自分で電源を入れるのかもしれない。脱衣場からテレビの入っている棚の扉を開ける事ができると思われる。自分はそこまで長くサウナを利用しないし、見たいテレビも思いつかないので特に何もせず。

12分計があるが、これまた止まった状態。こちらはテレビと違いどうしようもないだろう。

立ちシャワーでクールダウン。
しばしサウナ室と立ちシャワーを往復し、浴室から出る事にする。

休憩所で奥さんを待つ。今日は奥さんも一緒に来ているのである。
女湯はお客が誰もいなかったとの事で背景等、写真に収める事ができたとの事。




バイブラ、電気風呂、黒湯浴槽


女湯の背景


立ちシャワー兼ボディシャワー


無料サウナ室(テレビ完備)

森の湯、昭和でモダンな銭湯だ。サウナもあり、黒湯もある。親父さんの接客も最高で、街の雰囲気も独特で何度か訪れてみたい感じだ。金曜の夜、いつもより少しばかり贅沢なひと時を過ごす事が来た気がする。


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