2009年10月31日土曜日

131.大田区田園調布南 花の湯

今日もまた、大田区の銭湯へ。
田園調布にある花の湯である。

田園調布と言いながらも沼部駅付近は庶民的な街並。住宅街が広がるが各邸宅の区画は狭く、アパートも多い。
多摩川線の線路のすぐ側にあるコインパーキングに駐車。
この辺は静かな雰囲気だ。
20:00以降は1時間100円というかなり良心的な価格設定である。



煙突を探しながら歩いていると目の前に月光に向かって刺すように伸びる煙突を発見。湯の香を感じないので定休日かと不安になりつつも、すぐに浴室らしき付近から灯りが漏れているのが分かり一安心。
花の湯はマンションの一階にある銭湯。



マンションは三階建でリヴァース田園というマンションだ。Rebirth(リヴァース)といえば再生や復活等を意味する言葉。何かこちらの建物を建てる時にそんな意味合いを込めたかったいきさつがあるのかもしれない。

下足入れに靴を預け、木札を手に取る。
中に入るとフロントに休憩スペース。5人ほどがテレビや漫画を見ながら休める広さ。今日は巨人ー日本ハムの日本シリーズ第1戦をやっている。
フロントの女将さんに湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。

脱衣場は天井低め。ちょうどこの上はマンションの二階部分であるので当然低い訳である。外から見た分にはマンション二階は特に高い位置にある訳でもなかった。

天井には木の梁のようなオブジェ。これは太子堂の富士見湯で見たものと似ている。同じ業者さんかもしれない。
体重計はデジタルのものでTERAOKAと書かれている。その他レトロなものは見当たらず。基本的にさほど新しい訳ではないが和の趣はない銭湯だ。

中央部に置かれている畳1枚分くらいの長椅子は竹製で少し和まされる部分ではある。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
こちらは意外にも天井がかなり高い。マンションの二階部分までありそうである。かまぼこ型の天井で脇の部分で二段式になっている。ペンキが塗られている訳ではなくごつごつしたコンクリートがむき出しでワイルドな雰囲気。ただし色は少し白い。

島カランは二列で外壁側より6-6-6-7-4。女湯境には立ちシャワーが4基並んでおり、もう一つある一基はボディシャワー。

外壁側一列には体つきのごつい格闘家のような若者がずらり並び体を洗っている。大声で話をしているが、声はかまぼこ型の天井にうまく反射され、さほどやかましいという感じは受けず。

体をしっかりと洗い、若者たちが浴槽を占拠してしまう前に巡る。
三槽ある浴槽の外壁側はやや広めの浅い浴槽。バイブラがボコボコと泡を噴出している。
中央部分は「高温」と書かれ、女湯境側は「中温」。低温がないけど、外壁側がそうなのかもしれない。
女湯境側の壁にはサウナ室がある。有料であることはどこにも書かれておらず、無料である様子。

まずはバイブラの浴槽へ。
湯温は42℃ほど。全ての浴槽はバスクリンの緑色をしているが、特に何の香であるとそういうお知らせは書かれていない。格闘系の若者たちはひたすらしゃべりながら体を洗い続けている。時折奇声を発したりもしている。

続いて「中温」浴槽へ。こちらは座ジェットになっており、やはりバスクリン色をしている浴槽。湯温は42℃ほど。裏手にあった建築廃材で沸かした湯であるだけに(バスクリンや泡のせいもあるだろうけど)柔らかく体を包み込む心地の良い湯だ。

体が温まった所でカランの水でクールダウンし、続いて「高温」浴槽へ。密かに期待していた高温浴槽だがそんなには高温ではない。43℃ほどか。縁に背を付け、背景をじっくりと拝む事にする。
こちらの銭湯の背景はヨーロッパの自然豊かな街並。丸みを帯びた人々が小さく、たくさん描かれており、表情までは見て取れないが幸せそうな雰囲気ではある。壁紙なのであまり感動はない。端の方で少しめくれていたりもするし、傷みが気になる所。

続いてサウナ室へ。
3人が入ると窮屈なほど狭いスペースではあるけど充分。90℃の乾式サウナで12分計も元気に稼働している。
温まった所で浴室に出ると全身入れ墨のお方が体を洗っておられる。気のせいか若者たちのしゃべり声が静かになっている。

サウナの後は冷水ボディシャワーへ。
ボタンを押すと全身を痛いくらいに細い水流が体を流してくれる。威力が強いのやら弱いのやらばらつきがあるのが気になるところ。

さて浴室を出て休憩スペースで日本シリーズ。初戦は巨人が辛勝。フロントは親父さんにお代わりになられており競馬新聞を見つつも野球を見ているが、そんなに巨人ファンではないようだ。巨人の勝ちが決まった所で少々悔しがったりしている。

花の湯。
屋号ほどには花を感じる事はなかったが(浴槽外側のタイルの模様くらいか)、住宅街の中に実用的な銭湯として活きているイメージだ。


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