ブリジストンの工場正面から垂直に延びる通りを行くと西武線の踏み切りがある。
それを渡り右手のファミリーマートの側の道を進むとすぐ栄湯がある。すぐ隣に軽トラックが駐車されており、裏にたくさんの廃材が見える。
建物は宮造りではないものの切妻屋根の下に木の飾りがある。
暖簾を潜ると松竹錠の傘入れ。そして左右におしどり錠の下足入れがあるが、なぜか右手の男湯側の下足入れは横に伸びる形で108あり、その前が畳1.5畳程のちょっとしたスペースになっている。
女湯側は外壁側に下足入れが並ぶ通常のタイプ。所々番号が消えてしまっており、ひなびた雰囲気が漂っている。
引き戸から中へ。
眼鏡の女将さんが番台にお座りになられている。
湯賃をお渡ししようとすると財布に万札しかなかったのでお釣りを貰うのも悪いかと思い、回数券を購入した。
島ロッカーが一列、天井が高く開放的な脱衣場だが格子にはなっていない。
外壁側には縁側が広がっている。しかしすぐコンクリートの壁があり、趣はない。
お手洗いは縁側から右手へ。驚くことにたてつけがかなり悪く、木戸がなかなか開かない。開いたと思っても、今度は閉めることができない。コツをつかむには時間が必要だろう。
トイレは和式で清潔。タイルが輝いている。
縁側にはお釜式ドライヤーが置かれている。現役を引退したのだろうか。
あとSANYOの洗濯機もあるが、こちらは電源も入っていて現役のようだ。
あと脱衣場にはTANAKAの大きめのアナログ体重計がある。
さてパパッと服を脱ぎ浴室へ。
中はかまぼこ型天井。
お客は二人ほどと少々寂しい。ちなみに訪れた時間は土曜の夜、7時ほどだ。
島カランは一列で外壁より6-5-5-6。女湯境側の列は全てに仕切りがしてあり、全てがホース付きのハンドシャワーになっている。そのうち一つに立ちシャワーが一基あるが、椅子を置けば独占できてしまう感じだ。
カランを確保し体を洗う。
体を洗いながら天井を眺めるが、所々黒ずみがあり、昭和の足跡を感じる事ができる。女湯境の壁の上あたりをギザギザに4つ、30cm四方くらいの穴があいている。湯気抜きがしっかりされているのだろう、かまぼこ型ながら湯煙はほとんど生じていない。
さて浴槽へ。
浅く広い浴槽が一つと、深い浴槽が一つ。典型的な東京銭湯の構成。どちらもバイブラでぼこぼこと景気よく泡立っている。
まずは浅い方から。
ミクロバイブラのスペースと座ジェット二基が設置されているスペースがある。
ミクロバイブラの湯に浸かる。
湯温は42℃ほど。足を伸ばしてもつっかえる事ない広い浴槽だ。座ジェットには水枕も完備され適度な冷たさ。しかしながら高さがおかしい。背もたれに背をもたげても水枕に頭が届かず。結局最後までベストな体勢を探し当てる事ができなかった。
続いて深風呂へ。
湯温は期待するほど熱くなく、42℃ほど。それもそのはず下で浅風呂とつながっている。どちらかといえばミクロバイブラ付近の方がアツ湯であった。
深さがかなりあり、想像するよりも5cmほど深いので平均的東京銭湯の深風呂の深さを若干上回っているのではないかと思う。
こちらより背景を拝む事にする。
(瀬戸内海) 19.1212
と書かれている風景。離れて小島がポツポツと浮かび、ヨットもある。岩の淵の描き方、民家の几帳面なディテールを推し量るに丸山氏のものではないかと思われる。
女湯境の壁が低めなのと、背景の高さがあることもあり、立ち上がって女湯側を見る事もできるが変わらず瀬戸内海であった。
背景の下には広告スペースもあるが、水色のペンキで塗りつぶされ広告は一件も貼り出されていない。
主体として描かれている対象物がない背景であるが、丁寧に描かれている為心が清らかになるイメージ。二年前に描かれているがすでに全体的に剥げている部分が多い。残念な事だが年月を重ねるというのはそういう事だ。じっと受け入れるしかない。
肌に優しくなじむ湯を堪能し、上がる事にする。
脱衣場で服を着ながら縁側を見やる。庭があって初めて意味があるはずの縁側だろうに、悲しいかな壁しか見えない。その昔はおそらく庭があったのだろう。人間は想像という武器がある。しばし恋の泳ぐ池、手入れのされた庭を作り上げ、失われた銭湯の過去に憶測の触手を伸ばしてみた。
全体的に昭和の香を強く感じる事ができた銭湯。ひなびた雰囲気、宮造りではないが趣は十分に感じる事ができる銭湯だ。次にいく時は厠の戸を開けるのもうまくなっているかもしれない。また近くに来たら寄る事にしよう。
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2009年12月26日土曜日
2009年12月23日水曜日
140.大田区上池台 小松湯
今日は冬至、柚子湯である。
仕事を終え、寒風吹きすさぶ中駐車場へ。車で大田区銭湯へ向かう。
小松湯は洗足池の近く、坂道が多い街並の中にある。50mほど離れた位置にあるコインパーキングに駐車し、小松湯の正面へ。
切妻屋根が垣間見えるが表向きは改築されフロント前の休憩スペースになっている。
オリジナル暖簾を潜り、119ある下足入れの一つに靴を預け、中へ。
フロントでは女将さんがナンクロをやって時間をつぶしている。
フロント前から横長に休憩スペースが広がっている。
湯賃をお渡しするとロッカーキーを差し出される。右手の男湯へ。
脱衣場は天井高いが白い紙が貼られた普通の天井。デジタル体重計に、踏み石が30cm×50cmほどの大きさで置かれている。
その他島ロッカーもなく、4人がけのゴム張りベンチが置かれているくらいで広いスペース。ロッカーは外壁を取り囲むように配置されている。
壁にガリウム石の説明文が貼り出されている。だいたい浴槽の壁に貼られているもので、よく見ているので中身を覚えてしまっているが、それでも着替えながらつい目がいってしまう。
午後9時頃。脱衣場にはお客はいないが、浴室を覗くと4人ほどいらっしゃる。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
こちらも天井高く二段式。湯煙がスゴい。湯気抜きはしていないようだが、今日のような寒い冬の夜はそれでもいいだろう。
島カランは二列。外壁側より4-3-3-5-5-6の構成。立ちシャワーは一基で女湯境壁に配置されている。カランの湯は熱めで、水はぬるめだけど、シャワーは少しぬるすぎる。体が冷えているので余計そう感じるのかもしれない。何度かカランの湯を浴びる。
排水口のアルミ蓋の溝が絵になっており、カニが描かれている。また他の排水口を見てみるとそちらはヨットだった。一応全て見回ったがこのどちらかだった。
さて浴槽へ。
外壁側のカランが少なめであるだけに、外壁側の浴槽が若干洗い場にせり出して来ている。
広めの主浴槽、そして女湯境側に深風呂。その全てに柚子を入れた袋が浮かんでいる。やや香も漂い、湯にも黄色みがかった色がついている。
まずは浅めの主浴槽へ。「ぬるめ」と壁に貼り紙が出ている。
こちらには座ジェット二基、バイブラがある。
湯温は43℃ほど。初め柚子の成分だろうか熱めに感じるが、しばらく入るとすぐに慣れる。柔らかい湯でとろみもある。さすが柚子の力だ。柚子をそのまま袋に入れているのもあるが、ミンチしたものを入れている袋もあるせいで柚子風呂らしさが存分に出ている。いい湯だ。
バイブラはやや強めで、上であぐらをかき続けるのがしんどい。
座ジェットは奥行きも水枕もベストの設定。広すぎず狭すぎず、水枕は冷たすぎる事なく高さも申し分ない。湯煙に白く包まれた浴室の中、柚子の香を楽しみながら極楽の湯を満喫する。
深風呂の方は「あつめ」と書かれているが湯温は変わらない。
ガリウム石はこちらの浴槽にある。檻があり、その中にガリウム石。そして石のカエル親子も居座っている。背中に子を背負っているのである。吉祥寺辺りでこの石カエル親子を見かけたような気がするが、どうだっただろう。
さて、背景を眺めてみるが、白樺の木の壁紙だ。少し味気ないが湯が何にも増して素晴らしいので不満は特に感じない。
しっかりと体が温まり、湯から上がる。
脱衣場で着替えをしているとフロントスペースで女将さんとお話をする常連の湯客が何名かいらっしゃるのが声でわかる。女将さんがフロントにいらっしゃるせいか今の時間は女湯の方がホットなようである。寒さが厳しいという話等、盛り上がっている様子。
改築されモダンな雰囲気の漂う清潔な銭湯。
浴槽も広く快適。湯煙の濃さ、石カエル親子とガリウム石、湯の質もいいのでぜひまた来たいと思える銭湯だった。
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仕事を終え、寒風吹きすさぶ中駐車場へ。車で大田区銭湯へ向かう。
小松湯は洗足池の近く、坂道が多い街並の中にある。50mほど離れた位置にあるコインパーキングに駐車し、小松湯の正面へ。
切妻屋根が垣間見えるが表向きは改築されフロント前の休憩スペースになっている。
オリジナル暖簾を潜り、119ある下足入れの一つに靴を預け、中へ。
フロントでは女将さんがナンクロをやって時間をつぶしている。
フロント前から横長に休憩スペースが広がっている。
湯賃をお渡しするとロッカーキーを差し出される。右手の男湯へ。
脱衣場は天井高いが白い紙が貼られた普通の天井。デジタル体重計に、踏み石が30cm×50cmほどの大きさで置かれている。
その他島ロッカーもなく、4人がけのゴム張りベンチが置かれているくらいで広いスペース。ロッカーは外壁を取り囲むように配置されている。
壁にガリウム石の説明文が貼り出されている。だいたい浴槽の壁に貼られているもので、よく見ているので中身を覚えてしまっているが、それでも着替えながらつい目がいってしまう。
午後9時頃。脱衣場にはお客はいないが、浴室を覗くと4人ほどいらっしゃる。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
こちらも天井高く二段式。湯煙がスゴい。湯気抜きはしていないようだが、今日のような寒い冬の夜はそれでもいいだろう。
島カランは二列。外壁側より4-3-3-5-5-6の構成。立ちシャワーは一基で女湯境壁に配置されている。カランの湯は熱めで、水はぬるめだけど、シャワーは少しぬるすぎる。体が冷えているので余計そう感じるのかもしれない。何度かカランの湯を浴びる。
排水口のアルミ蓋の溝が絵になっており、カニが描かれている。また他の排水口を見てみるとそちらはヨットだった。一応全て見回ったがこのどちらかだった。
さて浴槽へ。
外壁側のカランが少なめであるだけに、外壁側の浴槽が若干洗い場にせり出して来ている。
広めの主浴槽、そして女湯境側に深風呂。その全てに柚子を入れた袋が浮かんでいる。やや香も漂い、湯にも黄色みがかった色がついている。
まずは浅めの主浴槽へ。「ぬるめ」と壁に貼り紙が出ている。
こちらには座ジェット二基、バイブラがある。
湯温は43℃ほど。初め柚子の成分だろうか熱めに感じるが、しばらく入るとすぐに慣れる。柔らかい湯でとろみもある。さすが柚子の力だ。柚子をそのまま袋に入れているのもあるが、ミンチしたものを入れている袋もあるせいで柚子風呂らしさが存分に出ている。いい湯だ。
バイブラはやや強めで、上であぐらをかき続けるのがしんどい。
座ジェットは奥行きも水枕もベストの設定。広すぎず狭すぎず、水枕は冷たすぎる事なく高さも申し分ない。湯煙に白く包まれた浴室の中、柚子の香を楽しみながら極楽の湯を満喫する。
深風呂の方は「あつめ」と書かれているが湯温は変わらない。
ガリウム石はこちらの浴槽にある。檻があり、その中にガリウム石。そして石のカエル親子も居座っている。背中に子を背負っているのである。吉祥寺辺りでこの石カエル親子を見かけたような気がするが、どうだっただろう。
さて、背景を眺めてみるが、白樺の木の壁紙だ。少し味気ないが湯が何にも増して素晴らしいので不満は特に感じない。
しっかりと体が温まり、湯から上がる。
脱衣場で着替えをしているとフロントスペースで女将さんとお話をする常連の湯客が何名かいらっしゃるのが声でわかる。女将さんがフロントにいらっしゃるせいか今の時間は女湯の方がホットなようである。寒さが厳しいという話等、盛り上がっている様子。
改築されモダンな雰囲気の漂う清潔な銭湯。
浴槽も広く快適。湯煙の濃さ、石カエル親子とガリウム石、湯の質もいいのでぜひまた来たいと思える銭湯だった。
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2009年12月12日土曜日
139.大田区西糀谷 幸の湯
土曜日。朝から大田区銭湯の幸の湯を訪れた。
幸の湯は朝湯を定休日である月曜日以外やっている銭湯で、以前に一度訪れたことがあるのだが、ちょうど昼休憩に入るところでその時は入ることが出来なかった。
午前9時頃。
今日は朝湯が11時までであるのを知って早めに来たのである。
車で100m離れた位置にあるコインパーキングに駐車。
西糀谷辺りは住宅街が広がり、高層建築は見当たらない。車の通りも少ない地域なので落ち着いた雰囲気がある。
入口から入ると松竹錠の下足入れ。プラスチックで中が透けている下足入れだ。
靴を預け中に入るとフロントには女将さん。
休憩スペースは観葉植物がいくつかあり、テーブル、椅子がきれいに並んでいる。ちょっとしたカフェのような雰囲気がある。テレビは地デジ対応でHITACHIのwoo。アナログ受信の銭湯が多い中で、しっかりとした対応がされているといえる。
左手の男湯へ。
脱衣場は天井低め。ロッカーは縦に細長いものもあり、常連向けの小さな貸し出しロッカー
もある。
パパっと服を脱ぎ浴室へ。
天井はやや高めで屋根のように外に向けて低くなっている。
カランはマンション銭湯に多い横に並ぶタイプ。
外壁側に3-3-4-4-4-2、女湯境に3ある。なぜかこの三基のうち一つだけシャワーが設置されていない。
体をしっかり洗い、浴槽へ。
女湯境の壁にずらっと浴槽が並んでいるが、それに加え露天、二階への階段もありサウナ室・水風呂につながっている。
まずは広い浴槽の座ジェットへ。湯温は41℃ほど。奥の壁に背をつける形なので浴室全体を見渡すことが出来る位置にある。ジェットの勢いはやや強めなのであまり長い間浴びていると内出血してしまいそうだ。
続いてボディジェット。丸形の狭い筒のような浴槽に体をはめ込むものだ。あとはジェットエステがあり、一穴式の強力ジェットの設備がある。
続いて電気風呂へ。
電気の力は弱めなので背中をピッタリ電極に押し付けても問題ない。腰に当てられる位置に電極があるので、腰痛持ちにはいいだろう。
浴槽の隣には温泉浴槽がある。
温泉といえば黒湯が主体の東京銭湯だが、こちらはやや茶色身があるがほぼ透明に近い湯。ナトリウム・カルシウムが主成分と表記されている。
湯は柔らかく肌がすべすべになる。ぽかぽかと芯から温まる感じをしっかり受けることができる湯である。
二階への階段の先にはサウナ室と水風呂があるが、今回のところはやめておこう。次回また利用する時に楽しみを取っておこうかと思う。
立ちシャワーでクールダウンし、その後露天へ。
露天は外壁側の扉の外に出るとある。岩風呂であり、目張りが竹のようなプラスチックでしっかりと設置されている。趣はやや薄れるものの、広めの浴槽で4人程がのんびりと湯に浸かることが出来る。湯温は意外に室内の浴槽群よりも高めで43℃近く。しかしながら外気に肌をさらしているので設置されているベンチで体をさましたりもしながら極楽のひとときを過ごす。
湯から上がり休憩所で一休み。
ジュースを買うがひっかかり出てこない。女将さんはおばあさまにお変わりになられていたが、自販機を開けて出していただいた。笑顔で楽しそうに仕事をされている。
湯客も多くにぎやかで活気のある銭湯。
2009年12月6日日曜日
--.世田谷区玉川台 藤の湯
今日一日、東京の空は晴れ間が広がっていた。
買い物をしたり、食事をしたりと休日を楽しみ、夜に地元の銭湯、藤の湯へ。
環八と246が交差する、瀬田交差点より100mほど用賀駅方面に向かった位置にある銭湯。
コンビニ側の路地裏にあり千鳥破風の表向きだ。
フロントにはめがねで細身の女将さん。
親父さんもフロントにいらっしゃる事が多いが、11時ごろより閉店作業が始まる。
10時頃に浴室に入ると湯客は7人ほど。学生も何人かいる。
月に何回か訪れる銭湯ではあるが、今日の新しい発見は浴室への引戸が半自動に変わっていた事だ。これまではしっかりと手で最後まで閉めていたが、閉じる動作を始めようとするとかなり速いスピードでさっと残り20cmほどの位置まで引戸が自動で閉まり、その後ゆっくりと音が出ないように閉まっていく。スプリングかなにかで閉まるようになっているのだろうか。
檜の香が漂う浴室で、湯を存分に味わい湯から上がる。
今年もあと数日。
冬至の柚子湯をどちらの銭湯で味わうか。また新年の初湯はどちらへ行こうか。
そんな事を考えながら246の坂道を自転車で駆け下り家路についた。
買い物をしたり、食事をしたりと休日を楽しみ、夜に地元の銭湯、藤の湯へ。
環八と246が交差する、瀬田交差点より100mほど用賀駅方面に向かった位置にある銭湯。
コンビニ側の路地裏にあり千鳥破風の表向きだ。
フロントにはめがねで細身の女将さん。
親父さんもフロントにいらっしゃる事が多いが、11時ごろより閉店作業が始まる。
10時頃に浴室に入ると湯客は7人ほど。学生も何人かいる。
月に何回か訪れる銭湯ではあるが、今日の新しい発見は浴室への引戸が半自動に変わっていた事だ。これまではしっかりと手で最後まで閉めていたが、閉じる動作を始めようとするとかなり速いスピードでさっと残り20cmほどの位置まで引戸が自動で閉まり、その後ゆっくりと音が出ないように閉まっていく。スプリングかなにかで閉まるようになっているのだろうか。
檜の香が漂う浴室で、湯を存分に味わい湯から上がる。
今年もあと数日。
冬至の柚子湯をどちらの銭湯で味わうか。また新年の初湯はどちらへ行こうか。
そんな事を考えながら246の坂道を自転車で駆け下り家路についた。
2009年11月29日日曜日
138.豊島区西池袋 桃仙浴場
豊島区銭湯、桃仙浴場へ。
私の父は豊島区で幼少を過ごしたそうなので、ひょっとしたらこちらの銭湯に訪れた事があったかもしれない。
浴場へは池袋西口から10分ほど歩いた所。警察署を通り過ぎ、椎名町の方へ向かう住宅街の中途にある。
マンションの一階にある銭湯で、牛乳石鹸の暖簾がやや低めの位置に吊るされており、その先はまだ建物の中ではなく脇の通路なので何の為の暖簾かなとふと思う。
古めのサッシを開けると左右を下足入れに囲まれた幅1.5mほどの玄関。そして目の前にはまるで役所の受付のようにガラス戸の向こう側に女将さんがお座りになられている。
入ると同時にお孫さんだろうか、女の子が男湯、女湯構わず走り抜けていたりする。それを見て自然と女将さんも私も笑顔になる。
フロントとはいえ休憩スペースはなく、ドリンクの販売もない模様。
湯賃をお支払い右側の男湯へ。
脱衣場入口には洋式の扉があるが常に開いており、そして垂れの長い暖簾がかかっている。
女湯側は扉が閉まっている上に暖簾がかかっているようだ。
時間は16時頃、こちらの銭湯は16時より開店なのでまだ始まったばかりの様子。しかしながら脱衣場には4人ほど、浴室にも5人ほどの湯客。盛況であるようだ。
盛況と受け取れるものの、それ以前にこちらの銭湯は狭めである。脱衣場は8畳間ほどのスペースしかなく、さらに二階への階段もある為閉塞感がある。二階は休憩スペースでロッカーが3つあり、外窓が開いているが、その先はとなりのマンションなので視界は悪い。
一階のロッカーを確保し、パパッと服を脱ぐ。
浴室へ行くとこちらも脱衣場の1.5倍ほどと銭湯というよりは寮の浴場といった趣。
脱衣場二階分の高さが確保されている天井。フラットな天井で水滴が今にも垂れてきそうにいくつも大きくなっている。四角柱が浴槽の中から天井に伸びていてこちらも窮屈に感じるが、女湯境壁際、二階部分の高さにある裸婦のチップタイル画、そして外壁側にあるヴィーナス像と洋風な公園のチップタイル画がその狭さを帳消しにして脳内を解放してくれる。
裸婦のチップタイルはじっくり眺めるという訳にもいかないほどあからさまな表現である上に、その壁の向こうは女湯であるかと思うとさすがに照れくさくなる。
カランは外壁に沿う形で10。しかし一つは角にあり鏡もなく、もうひとつのカランが使用されていれば座る事もできないほどのもの。実質9しかないといえる。
カランを一つ確保し、体をしっかり洗う。
徐々に鏡が曇りだし、すぐに浴室内は湯煙でいっぱいになる。開店したてでまだ浴室内も温まっていなかったようだが、湯気抜きの設備も少なく、小さな換気扇二つほどで賄っているようなのでぽかぽかと居心地の良い温度になってくる。
女湯とはすっかり壁で分け隔てられているのも湯気で一杯になる原因の一つと考えられるが、タイルのデザインのせいか、想像も膨らむ効果があり、なにか独特の雰囲気が漂っている。
浴槽に向かう。
こちらの銭湯の浴槽は奥の壁沿いに二つ。
広い浴槽には丸形のボディマッサージと寝ジェット、あと大きな柱。まずは丸形から。
なんとか一人分入る事ができる筒の中に腰を入れ、ジェットを浴びる。
腰掛けて足を伸ばすと反対側のへりに足が届くが、右側面からもジェットが出ているのが見える。しかし足を伸ばすとこちらのジェットを利用する事ができなくなるので、足を縮めつつも湯を楽しむ。
湯温は41℃ほど。ややぬるめであるが、細かい泡が心地よく体を包み込む。
続いて柱の反対側、寝ジェットへ。
湯はやや固めながらも泡の細かさがあり気持ちのよい湯。
少し残念なのは柱があるので横になりながらもチップタイルを見る事ができない。見たくてもゆっくり見る事ができないのは、マイナスでもあり、またプラスでもあるかもしれない。
続いて鉄鉱泉の浴槽へ。
こちらは池袋の住宅街に湧いている温泉だ。黄土色の湯で肌触りはさらさらとしている。湯温は41℃。成分が体に染み込んでくるようだ。ぬるめの温度という事もあり、つい長湯をしてしまう。狭い浴槽なので、あまり独占するのもよくないので一度出て、水をかぶりクールダウンしたのち、他のお客が行かないようであれば再び湯を楽しむ。
湯から上がり、二階の休憩スペースで火照った体を落ち着ける。
宮造り銭湯とは趣が全く異なるが、違ったアプローチで昭和を掛け抜けて来た銭湯だ。私の亡き父も訪れていたかもしれないかと思うと、少々感慨深いものがある。近くに来た際はぜひまた立ち寄りたい貴重な温泉銭湯の一つである。
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私の父は豊島区で幼少を過ごしたそうなので、ひょっとしたらこちらの銭湯に訪れた事があったかもしれない。
浴場へは池袋西口から10分ほど歩いた所。警察署を通り過ぎ、椎名町の方へ向かう住宅街の中途にある。
マンションの一階にある銭湯で、牛乳石鹸の暖簾がやや低めの位置に吊るされており、その先はまだ建物の中ではなく脇の通路なので何の為の暖簾かなとふと思う。
古めのサッシを開けると左右を下足入れに囲まれた幅1.5mほどの玄関。そして目の前にはまるで役所の受付のようにガラス戸の向こう側に女将さんがお座りになられている。
入ると同時にお孫さんだろうか、女の子が男湯、女湯構わず走り抜けていたりする。それを見て自然と女将さんも私も笑顔になる。
フロントとはいえ休憩スペースはなく、ドリンクの販売もない模様。
湯賃をお支払い右側の男湯へ。
脱衣場入口には洋式の扉があるが常に開いており、そして垂れの長い暖簾がかかっている。
女湯側は扉が閉まっている上に暖簾がかかっているようだ。
時間は16時頃、こちらの銭湯は16時より開店なのでまだ始まったばかりの様子。しかしながら脱衣場には4人ほど、浴室にも5人ほどの湯客。盛況であるようだ。
盛況と受け取れるものの、それ以前にこちらの銭湯は狭めである。脱衣場は8畳間ほどのスペースしかなく、さらに二階への階段もある為閉塞感がある。二階は休憩スペースでロッカーが3つあり、外窓が開いているが、その先はとなりのマンションなので視界は悪い。
一階のロッカーを確保し、パパッと服を脱ぐ。
浴室へ行くとこちらも脱衣場の1.5倍ほどと銭湯というよりは寮の浴場といった趣。
脱衣場二階分の高さが確保されている天井。フラットな天井で水滴が今にも垂れてきそうにいくつも大きくなっている。四角柱が浴槽の中から天井に伸びていてこちらも窮屈に感じるが、女湯境壁際、二階部分の高さにある裸婦のチップタイル画、そして外壁側にあるヴィーナス像と洋風な公園のチップタイル画がその狭さを帳消しにして脳内を解放してくれる。
裸婦のチップタイルはじっくり眺めるという訳にもいかないほどあからさまな表現である上に、その壁の向こうは女湯であるかと思うとさすがに照れくさくなる。
カランは外壁に沿う形で10。しかし一つは角にあり鏡もなく、もうひとつのカランが使用されていれば座る事もできないほどのもの。実質9しかないといえる。
カランを一つ確保し、体をしっかり洗う。
徐々に鏡が曇りだし、すぐに浴室内は湯煙でいっぱいになる。開店したてでまだ浴室内も温まっていなかったようだが、湯気抜きの設備も少なく、小さな換気扇二つほどで賄っているようなのでぽかぽかと居心地の良い温度になってくる。
女湯とはすっかり壁で分け隔てられているのも湯気で一杯になる原因の一つと考えられるが、タイルのデザインのせいか、想像も膨らむ効果があり、なにか独特の雰囲気が漂っている。
浴槽に向かう。
こちらの銭湯の浴槽は奥の壁沿いに二つ。
広い浴槽には丸形のボディマッサージと寝ジェット、あと大きな柱。まずは丸形から。
なんとか一人分入る事ができる筒の中に腰を入れ、ジェットを浴びる。
腰掛けて足を伸ばすと反対側のへりに足が届くが、右側面からもジェットが出ているのが見える。しかし足を伸ばすとこちらのジェットを利用する事ができなくなるので、足を縮めつつも湯を楽しむ。
湯温は41℃ほど。ややぬるめであるが、細かい泡が心地よく体を包み込む。
続いて柱の反対側、寝ジェットへ。
湯はやや固めながらも泡の細かさがあり気持ちのよい湯。
少し残念なのは柱があるので横になりながらもチップタイルを見る事ができない。見たくてもゆっくり見る事ができないのは、マイナスでもあり、またプラスでもあるかもしれない。
続いて鉄鉱泉の浴槽へ。
こちらは池袋の住宅街に湧いている温泉だ。黄土色の湯で肌触りはさらさらとしている。湯温は41℃。成分が体に染み込んでくるようだ。ぬるめの温度という事もあり、つい長湯をしてしまう。狭い浴槽なので、あまり独占するのもよくないので一度出て、水をかぶりクールダウンしたのち、他のお客が行かないようであれば再び湯を楽しむ。
湯から上がり、二階の休憩スペースで火照った体を落ち着ける。
宮造り銭湯とは趣が全く異なるが、違ったアプローチで昭和を掛け抜けて来た銭湯だ。私の亡き父も訪れていたかもしれないかと思うと、少々感慨深いものがある。近くに来た際はぜひまた立ち寄りたい貴重な温泉銭湯の一つである。
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2009年11月28日土曜日
137.杉並区堀ノ内 子宝湯
杉並区の銭湯、子宝湯を訪れた。
子宝湯といえば小金井公園敷地内にある「江戸東京たてもの園」に移築されたものを思い浮かべる事ができるが、こちらも立派な唐破風の宮造り銭湯だ。
新高円寺駅を降り、南に歩き始める。
最短距離で7分ほど。大通り沿いに行くともう少しかかる。
眼前に小学校があり、子供の成長を見守るかのようにこの銭湯は佇んでいる。
子宝湯は明日(2009.11.29)で廃業となる。そのため、建物の周りを歩きながら煙突を見上げている方や、長い時間をかけてその姿を写真に収めているお方もいらっしゃる。
16時過ぎ、屋号の入ったオリジナル暖簾を潜り中へ入る。
廃業を知らせる紙が傘入れの前に貼り出されていた。
松竹錠の下足入れに靴を預け、引戸を引き開けるとすぐに女将さんがいらっしゃる。
銭湯マップには番台と記されているが、番台はこちら向きになっており、脱衣場を見る事はできないようになっている。これなら脱衣場で盗みをしたりする輩などに目を配る事はできなくなるため、番台形式とは言い切れないような気もする。
番台というだけで敬遠するうちの奥さんのようなタイプのお方もいらっしゃるだろうし、ひと言銭湯マップにくらいは記述されていてもよかったのではないかと思う。「番台ですが、脱衣場は見えませんので、ほぼフロント形式といっていい銭湯です」と。
くるっと裏返った番台は光もあたらずやや暗い印象を受ける。開けた空間もないので常連客が居座ってのんびりお話、というのもしづらいようだ。
脱衣場は天井高く、折上格天井。外壁側は二段式になって低くなっている。
ローラーむき出しのクラシカルなマッサージ機があり、アナログ体重計はHOKUTOWの比較的新しいもの。どこを見ても明日廃業してしまうような雰囲気はない。
立派な庭もあり、シカの大きな置き物も顔を覗かせている。
柱時計も壁にかかり、浴室への引戸の上にある壁スペースに油絵がずらりとかかっている。世田谷区弦巻の「弦巻湯」にも油絵がいくつも脱衣場に置かれていた。何の因果か弦巻湯も廃業されている。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
白く清潔な床のタイルがまばゆいばかりだ。
天井高く二段式。湯客は7人ほどで、皆さん背景を見たり、思い出話をされたりしている。今の時代に順応した、活気ある銭湯だ。
島カランは一列で外壁側より7-5-5-7。外壁側には立ちシャワーが二基あり、そのせいもあって非常に窮屈なカラン配置。特に釜場側の壁のカランともなると、お子様用かと思うくらいに狭くなっている。
カランの湯温はややぬるい。まだ開店したてなので温まりも遅いのだろうか。湯客の多さもあるのかシャワーが時折全くでなくなる。きれいに磨かれたタイルや、お客の活気も感じるが、設備としては目に見えない部分で老朽化が進んでいるのかもしれない。
体をしっかり洗い浴槽へ。
これぞ東京銭湯と感じずにはいられない浅深の二浴槽。
両浴槽はへりの上から湯が行き来しているので湯の熱さ、質などはほぼ同じだろう。
まずは浅い方から。
こちらには赤い赤外線ライトが奥壁側に二基。そしてミクロバイブラ。
湯温は42℃ほど。まだ時間的に少々シャープさのある湯だが、それでも初めからマイルドさのあるやさしい湯だ。
洗い場では風呂椅子に腰掛け、鏡にではなく浴槽側に向かってじっと座っている方がいらっしゃる。まさか浴槽の客を見ている訳でもなく、背景を眺めているのだろうと思う。
深い浴槽に移り、背景を拝む。
(西伊豆)20.5.12と記されており、岩の縁の描き方、松を描く繊細なタッチ、全体的に淡い色使いの明るめなペンキ色構成から丸山氏の作品である事を確信する。
一年半ほど前の作品であり、ペンキの剥げた部分も目立ち始めている。
しっかり温まった所で湯から上がる。
脱衣場では思い出話が繰り広げられている。経営者の息子さんかと思われる方もいらっしゃる。自分は常連客ではなく、ただ東京銭湯が好きなだけであるが、やはり切ない気持ちは感じずにはいられない。
ケロリン桶が積み上げられ、「ご自由にお持ちください」とあったので記念に一つ頂いた。番台の女将さんにひと言ご挨拶をし、表に出る。
二度と来ないだろうという気持ちで銭湯を離れる事はないが、今日ばかりはどうしようもない。建築計画も貼り出されており、取り壊しも確実である。
なくなってしまう銭湯はいつまでも営業されている頃のイメージが皆の心に残る。それは悪い方向へ行く事は少なく、多くは良いイメージのままいつまでも心に染み込んでいるものだ。地元のかたは寂しいはずだが、銭湯の良さをなくなって気づく人も多いと思う。
日本人は大切な日本の文化を放り出して知らない振りをしていることに早く気づいた方がいい。
明日、子宝湯は営業が終わってしまうのでぜひ最終日に行く事ができる方は訪れて頂きたいと思う。
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子宝湯といえば小金井公園敷地内にある「江戸東京たてもの園」に移築されたものを思い浮かべる事ができるが、こちらも立派な唐破風の宮造り銭湯だ。
新高円寺駅を降り、南に歩き始める。
最短距離で7分ほど。大通り沿いに行くともう少しかかる。
眼前に小学校があり、子供の成長を見守るかのようにこの銭湯は佇んでいる。
子宝湯は明日(2009.11.29)で廃業となる。そのため、建物の周りを歩きながら煙突を見上げている方や、長い時間をかけてその姿を写真に収めているお方もいらっしゃる。
16時過ぎ、屋号の入ったオリジナル暖簾を潜り中へ入る。
廃業を知らせる紙が傘入れの前に貼り出されていた。
松竹錠の下足入れに靴を預け、引戸を引き開けるとすぐに女将さんがいらっしゃる。
銭湯マップには番台と記されているが、番台はこちら向きになっており、脱衣場を見る事はできないようになっている。これなら脱衣場で盗みをしたりする輩などに目を配る事はできなくなるため、番台形式とは言い切れないような気もする。
番台というだけで敬遠するうちの奥さんのようなタイプのお方もいらっしゃるだろうし、ひと言銭湯マップにくらいは記述されていてもよかったのではないかと思う。「番台ですが、脱衣場は見えませんので、ほぼフロント形式といっていい銭湯です」と。
くるっと裏返った番台は光もあたらずやや暗い印象を受ける。開けた空間もないので常連客が居座ってのんびりお話、というのもしづらいようだ。
脱衣場は天井高く、折上格天井。外壁側は二段式になって低くなっている。
ローラーむき出しのクラシカルなマッサージ機があり、アナログ体重計はHOKUTOWの比較的新しいもの。どこを見ても明日廃業してしまうような雰囲気はない。
立派な庭もあり、シカの大きな置き物も顔を覗かせている。
柱時計も壁にかかり、浴室への引戸の上にある壁スペースに油絵がずらりとかかっている。世田谷区弦巻の「弦巻湯」にも油絵がいくつも脱衣場に置かれていた。何の因果か弦巻湯も廃業されている。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
白く清潔な床のタイルがまばゆいばかりだ。
天井高く二段式。湯客は7人ほどで、皆さん背景を見たり、思い出話をされたりしている。今の時代に順応した、活気ある銭湯だ。
島カランは一列で外壁側より7-5-5-7。外壁側には立ちシャワーが二基あり、そのせいもあって非常に窮屈なカラン配置。特に釜場側の壁のカランともなると、お子様用かと思うくらいに狭くなっている。
カランの湯温はややぬるい。まだ開店したてなので温まりも遅いのだろうか。湯客の多さもあるのかシャワーが時折全くでなくなる。きれいに磨かれたタイルや、お客の活気も感じるが、設備としては目に見えない部分で老朽化が進んでいるのかもしれない。
体をしっかり洗い浴槽へ。
これぞ東京銭湯と感じずにはいられない浅深の二浴槽。
両浴槽はへりの上から湯が行き来しているので湯の熱さ、質などはほぼ同じだろう。
まずは浅い方から。
こちらには赤い赤外線ライトが奥壁側に二基。そしてミクロバイブラ。
湯温は42℃ほど。まだ時間的に少々シャープさのある湯だが、それでも初めからマイルドさのあるやさしい湯だ。
洗い場では風呂椅子に腰掛け、鏡にではなく浴槽側に向かってじっと座っている方がいらっしゃる。まさか浴槽の客を見ている訳でもなく、背景を眺めているのだろうと思う。
深い浴槽に移り、背景を拝む。
(西伊豆)20.5.12と記されており、岩の縁の描き方、松を描く繊細なタッチ、全体的に淡い色使いの明るめなペンキ色構成から丸山氏の作品である事を確信する。
一年半ほど前の作品であり、ペンキの剥げた部分も目立ち始めている。
しっかり温まった所で湯から上がる。
脱衣場では思い出話が繰り広げられている。経営者の息子さんかと思われる方もいらっしゃる。自分は常連客ではなく、ただ東京銭湯が好きなだけであるが、やはり切ない気持ちは感じずにはいられない。
ケロリン桶が積み上げられ、「ご自由にお持ちください」とあったので記念に一つ頂いた。番台の女将さんにひと言ご挨拶をし、表に出る。
二度と来ないだろうという気持ちで銭湯を離れる事はないが、今日ばかりはどうしようもない。建築計画も貼り出されており、取り壊しも確実である。
なくなってしまう銭湯はいつまでも営業されている頃のイメージが皆の心に残る。それは悪い方向へ行く事は少なく、多くは良いイメージのままいつまでも心に染み込んでいるものだ。地元のかたは寂しいはずだが、銭湯の良さをなくなって気づく人も多いと思う。
日本人は大切な日本の文化を放り出して知らない振りをしていることに早く気づいた方がいい。
明日、子宝湯は営業が終わってしまうのでぜひ最終日に行く事ができる方は訪れて頂きたいと思う。
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2009年11月23日月曜日
136.武蔵野市緑町 武蔵野浴場
武蔵野市の銭湯、武蔵野浴場を訪れた。
正面には大型マンションがそびえ立っている。向かいに千鳥破風の銭湯。時代は違えどどちらも堂々としたものだ。
車で訪れたがすぐ隣に砂利道があり、駐車場への道となっている。月極の駐車場スペースが数十台あり、武蔵野浴場の駐車場は浴場に沿った形で二台置けるようになっている。
煙突が屋根の向こうに顔をのぞかせている。時間は5時頃。間もなく日が暮れる時間だ。
牛乳石鹸の暖簾を潜り、松竹錠の下足入れに靴を預ける。木札を手に取り右手の男湯へ。
引戸を開き、番台の親父さんに湯賃をお渡しする。
「遠くからいらっしゃったんですか」とお声を掛けて頂いた。
メガネの親父さんは落ち着いた佇まい。番台は低めであるが女湯側には布で目隠しがされており、番台からもよく見えないようになっている。
ロッカーは30ほど。島式ロッカーもあり低めなので上に載せて着替えをすることができる。
番台の正面にドリンクケースがあり、小さな金魚鉢二つにかわいらしい金魚が何匹か泳いでいる。番台から眺められるので大切にお飼いになられているみたいだ。
外壁側にコインランドリースペースがある。庭もあるがコインランドリーを増設したのか少し狭め。狭いが池もあり鯉もいる。岩に付いたコケを顔を出して突っついているのが見える。
アナログ体重計はKEIHOKUのもの。
柱時計はなくテレビが置かれている。大相撲中継だ。銭湯といえば野球に大相撲。ムードは次第に高まってくる。
天井は格天井であるが全面木材でなく梁の部分だけ。隅の処理も折上げ式ではない。
所々たわみがあり、昭和を長い事生きながらえて来た証拠といえる。床の木材も清潔ではあるがくたびれた状態だ。
島式ロッカーを確保しパパッと服を脱ぎ浴室へ。
第一印象は湯客が非常に多いこと。比較的お年寄りが多いようだが、みな女湯境、外壁側のカランを確保している。
島カランが一列。女湯境より7-6-6-5の構成。島カランにはシャワーがないので湯客はあまり腰掛けていない。
風呂椅子と桶を手に取り島カランへ。木の椅子が一つ、木桶が二つあるが誰も使っていない。壊してしまうと申し訳ないので皆控えているのかもしれない。
立ちシャワーが一基、もう一基打たせ湯形状のシャワーが一基外壁側に設置されているので、その近くのカランを確保した。これなら泡だらけになった状態でも気軽に立ちシャワーを利用できるというものである。
パパッと体を洗い、浴槽へ。
一槽、どんと大きな浴槽が眼前にある。ジェット二基、深風呂までもが一緒の浴槽となっている。
湯温は42℃ほど。非常に柔らかく肌に優しく浸透してくる湯である。広いので6人ほど同時に湯に使っていてもなんの不自由もない。足を伸ばし、体の節々を動かし疲れを取りながら、天井を見たり、背景を見たり、ひたすら無になり時をやり過ごしたりする。
天井は二段式。二段目は扇形に丸くなっている。背景は故早川氏の壮大なぶち抜き富士山。「20.4.3 戸田美浜 早川」と記載されている。
戸田といえば西伊豆、美しい光景である。やや荒さも感じてしまうが、細かい事も気にならない。所々ペンキが剥げて来ているのでもう先も長くないかもしれない。目に、記憶に、深く焼き付けておく。
湯から上がり脱衣場で一休み。
番台は女将さんにお代わりになられている。
いつまでも長く営業を続けてほしい番台銭湯である。サウナもあるのでまた訪れる時にはぜひ利用したい。
女性の方も、目隠しがあり番台からの目を気にせず入れるようになっているので迷わずにこちらをぜひ訪れて頂きたい。
外に出るとすでに暗くなっており、月も出ている。煙突のすぐ側に月が仲良く並んでいるのが見えた。銭湯の煙突に月、実にマッチする光景である。
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正面には大型マンションがそびえ立っている。向かいに千鳥破風の銭湯。時代は違えどどちらも堂々としたものだ。
車で訪れたがすぐ隣に砂利道があり、駐車場への道となっている。月極の駐車場スペースが数十台あり、武蔵野浴場の駐車場は浴場に沿った形で二台置けるようになっている。
煙突が屋根の向こうに顔をのぞかせている。時間は5時頃。間もなく日が暮れる時間だ。
牛乳石鹸の暖簾を潜り、松竹錠の下足入れに靴を預ける。木札を手に取り右手の男湯へ。
引戸を開き、番台の親父さんに湯賃をお渡しする。
「遠くからいらっしゃったんですか」とお声を掛けて頂いた。
メガネの親父さんは落ち着いた佇まい。番台は低めであるが女湯側には布で目隠しがされており、番台からもよく見えないようになっている。
ロッカーは30ほど。島式ロッカーもあり低めなので上に載せて着替えをすることができる。
番台の正面にドリンクケースがあり、小さな金魚鉢二つにかわいらしい金魚が何匹か泳いでいる。番台から眺められるので大切にお飼いになられているみたいだ。
外壁側にコインランドリースペースがある。庭もあるがコインランドリーを増設したのか少し狭め。狭いが池もあり鯉もいる。岩に付いたコケを顔を出して突っついているのが見える。
アナログ体重計はKEIHOKUのもの。
柱時計はなくテレビが置かれている。大相撲中継だ。銭湯といえば野球に大相撲。ムードは次第に高まってくる。
天井は格天井であるが全面木材でなく梁の部分だけ。隅の処理も折上げ式ではない。
所々たわみがあり、昭和を長い事生きながらえて来た証拠といえる。床の木材も清潔ではあるがくたびれた状態だ。
島式ロッカーを確保しパパッと服を脱ぎ浴室へ。
第一印象は湯客が非常に多いこと。比較的お年寄りが多いようだが、みな女湯境、外壁側のカランを確保している。
島カランが一列。女湯境より7-6-6-5の構成。島カランにはシャワーがないので湯客はあまり腰掛けていない。
風呂椅子と桶を手に取り島カランへ。木の椅子が一つ、木桶が二つあるが誰も使っていない。壊してしまうと申し訳ないので皆控えているのかもしれない。
立ちシャワーが一基、もう一基打たせ湯形状のシャワーが一基外壁側に設置されているので、その近くのカランを確保した。これなら泡だらけになった状態でも気軽に立ちシャワーを利用できるというものである。
パパッと体を洗い、浴槽へ。
一槽、どんと大きな浴槽が眼前にある。ジェット二基、深風呂までもが一緒の浴槽となっている。
湯温は42℃ほど。非常に柔らかく肌に優しく浸透してくる湯である。広いので6人ほど同時に湯に使っていてもなんの不自由もない。足を伸ばし、体の節々を動かし疲れを取りながら、天井を見たり、背景を見たり、ひたすら無になり時をやり過ごしたりする。
天井は二段式。二段目は扇形に丸くなっている。背景は故早川氏の壮大なぶち抜き富士山。「20.4.3 戸田美浜 早川」と記載されている。
戸田といえば西伊豆、美しい光景である。やや荒さも感じてしまうが、細かい事も気にならない。所々ペンキが剥げて来ているのでもう先も長くないかもしれない。目に、記憶に、深く焼き付けておく。
湯から上がり脱衣場で一休み。
番台は女将さんにお代わりになられている。
いつまでも長く営業を続けてほしい番台銭湯である。サウナもあるのでまた訪れる時にはぜひ利用したい。
女性の方も、目隠しがあり番台からの目を気にせず入れるようになっているので迷わずにこちらをぜひ訪れて頂きたい。
外に出るとすでに暗くなっており、月も出ている。煙突のすぐ側に月が仲良く並んでいるのが見えた。銭湯の煙突に月、実にマッチする光景である。
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2009年11月21日土曜日
135.大田区萩中 小町湯
二週間ぶりの銭湯。
その間は内風呂を使っている訳だが、やはりどこか満たされないものがある。
広々とした空間に反響する湯の流れる音に、桶の音、湯客の話し声に、カランの音。そして柔らかく温かい湯。
のどの渇きを水で潤すかのように、渇いた心を温かい湯で潤したい。
そんな事を考えながら向かうのもまた楽しい。
久々の銭湯も良いものだ。
今日は大田区の銭湯、小町湯を訪れた。
糀谷の商店街をクルマで抜けて行くが、路上に駐輪された自転車が幅を利かせている。地元ではないので慎重にゆっくりと抜けていく。
比較的高齢な歩行者も多いので注意が必要だ。
時間は夜8時頃。商店街の店も閉店の時間である。
小町湯付近にスーパーマルエツがある。同じ建物に文教堂やヤマダ電機も入っており駐車場も広い。小町湯には駐車場がないのでここへ駐車する。1000円の購入で90分駐車可能である。
マルエツから歩いて1分ほど。
歩くとすぐに静かな住宅街になり、街灯も少なめで暗くひっそりしている。
その中に、5mほどの高さで切られた煙突が見えてくる。
小町湯は切妻屋根が少し見えているがフロント部分が全面にせり出して来ている。
暖簾を潜り、下足入れに靴を預け木札を手に取る。
やや反応の鈍い自動ドアを抜けフロントへ。
休憩スペースは形の違うソファにクッションのタイプも異なり、友達の家のようなアットホームな雰囲気である。6人ほどが座れる広さ。
フロントには親父さんがお座りになられている。番台をひっくり返してフロントに改装したようでフロントの上には脱衣場の天井が広がっている。
男湯は左手。
蛍光灯の照明は暗めで扇風機やテレビなど動いてるものは脱衣場にないので、よくいえば落ち着いた雰囲気。しかしながら活力を感じないので寂しさはある。
体重計は家庭にあるような小さなもの。さすがにこれでは体重を測ろうかなという気にはならず。
ロッカーは島式のものが一つ、外壁側に一つで40。面白いのは女湯境の壁際にベビーベッドがあり、その下もロッカーになっている。ここに二つ。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
サウナ室が外壁側に脱衣場にめりこむようにして設置され、立ちシャワーが隣に一基。
島カランは一列で外壁側から4-3-3-4-4-6。
島カランにはシャワーはない。
天井は高く二段式であるけれども、二段目の天井には急な傾斜が付いている。
お客は二人。女湯の方からも声は聞こえてこないので少々寂しいかもしれない。
カランを難なく確保し体をしっかり洗う。
カランや床のタイルがやや古びて来ているようだ。なによりも鏡の傷が激しく、そしてやたら低い位置にあるので普通に座っていては自分の姿は下半身しか見えない。まぁ鏡をじっくり見る必要もないので飾りと思ってみれば何も感じない。
ちなみに島カランの鏡の高さは通常の高さのようだ。
浴槽へ。
広めで浅い浴槽と深い浴槽。典型的な東京銭湯パターンだ。
広い浴槽には半分がミクロバイブラ。一方深い浴槽は静かな湯面で底の小さなタイルが青く美しい。
まずは浅い方から。湯温は42℃ほど。
泡の奥には青いタイル。砂利のようなタイルで昭和の香りがプンプンする。とても気持ちのよい浴槽だ。
続いて深い浴槽へ。
浅風呂とつながっているので湯温の違いはないかなと思うも、熱い湯が奥から次々と注入されており、44℃ほどになっている。こちらから背景を拝む。
女湯ぶち抜きの富士山。ヨットや岩にあたる波しぶきなどが描かれている。中島氏の作品だと思われる。
さて湯から上がり、サウナ室へ。さすが大田区銭湯、無料で利用できるようだ。
乾式サウナで木の椅子にはタオルなども敷かれていないのでそのまま座る事もできないが、立ったまましばらく体を温める。温度は110℃となっている。
外に出て立ちシャワー。クールダウンをして何度か湯を楽しんだりサウナ室を利用したりする。終始湯客は2〜3人ほど。少なめであった。
さて湯から上がる。
着替えてフロントを通過すると親父さんから女将さんにスイッチされている。常連客と楽しそうにお話をされておりありがとうのお声は頂けなかった。
帰り、マルエツで買い物をして帰宅。
これから寒さも本格的になってくる。銭湯を利用しながら楽しく冬を乗り越えて、清々しい気持ちで暖かい春を迎えたい所だ。
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その間は内風呂を使っている訳だが、やはりどこか満たされないものがある。
広々とした空間に反響する湯の流れる音に、桶の音、湯客の話し声に、カランの音。そして柔らかく温かい湯。
のどの渇きを水で潤すかのように、渇いた心を温かい湯で潤したい。
そんな事を考えながら向かうのもまた楽しい。
久々の銭湯も良いものだ。
今日は大田区の銭湯、小町湯を訪れた。
糀谷の商店街をクルマで抜けて行くが、路上に駐輪された自転車が幅を利かせている。地元ではないので慎重にゆっくりと抜けていく。
比較的高齢な歩行者も多いので注意が必要だ。
時間は夜8時頃。商店街の店も閉店の時間である。
小町湯付近にスーパーマルエツがある。同じ建物に文教堂やヤマダ電機も入っており駐車場も広い。小町湯には駐車場がないのでここへ駐車する。1000円の購入で90分駐車可能である。
マルエツから歩いて1分ほど。
歩くとすぐに静かな住宅街になり、街灯も少なめで暗くひっそりしている。
その中に、5mほどの高さで切られた煙突が見えてくる。
小町湯は切妻屋根が少し見えているがフロント部分が全面にせり出して来ている。
暖簾を潜り、下足入れに靴を預け木札を手に取る。
やや反応の鈍い自動ドアを抜けフロントへ。
休憩スペースは形の違うソファにクッションのタイプも異なり、友達の家のようなアットホームな雰囲気である。6人ほどが座れる広さ。
フロントには親父さんがお座りになられている。番台をひっくり返してフロントに改装したようでフロントの上には脱衣場の天井が広がっている。
男湯は左手。
蛍光灯の照明は暗めで扇風機やテレビなど動いてるものは脱衣場にないので、よくいえば落ち着いた雰囲気。しかしながら活力を感じないので寂しさはある。
体重計は家庭にあるような小さなもの。さすがにこれでは体重を測ろうかなという気にはならず。
ロッカーは島式のものが一つ、外壁側に一つで40。面白いのは女湯境の壁際にベビーベッドがあり、その下もロッカーになっている。ここに二つ。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
サウナ室が外壁側に脱衣場にめりこむようにして設置され、立ちシャワーが隣に一基。
島カランは一列で外壁側から4-3-3-4-4-6。
島カランにはシャワーはない。
天井は高く二段式であるけれども、二段目の天井には急な傾斜が付いている。
お客は二人。女湯の方からも声は聞こえてこないので少々寂しいかもしれない。
カランを難なく確保し体をしっかり洗う。
カランや床のタイルがやや古びて来ているようだ。なによりも鏡の傷が激しく、そしてやたら低い位置にあるので普通に座っていては自分の姿は下半身しか見えない。まぁ鏡をじっくり見る必要もないので飾りと思ってみれば何も感じない。
ちなみに島カランの鏡の高さは通常の高さのようだ。
浴槽へ。
広めで浅い浴槽と深い浴槽。典型的な東京銭湯パターンだ。
広い浴槽には半分がミクロバイブラ。一方深い浴槽は静かな湯面で底の小さなタイルが青く美しい。
まずは浅い方から。湯温は42℃ほど。
泡の奥には青いタイル。砂利のようなタイルで昭和の香りがプンプンする。とても気持ちのよい浴槽だ。
続いて深い浴槽へ。
浅風呂とつながっているので湯温の違いはないかなと思うも、熱い湯が奥から次々と注入されており、44℃ほどになっている。こちらから背景を拝む。
女湯ぶち抜きの富士山。ヨットや岩にあたる波しぶきなどが描かれている。中島氏の作品だと思われる。
さて湯から上がり、サウナ室へ。さすが大田区銭湯、無料で利用できるようだ。
乾式サウナで木の椅子にはタオルなども敷かれていないのでそのまま座る事もできないが、立ったまましばらく体を温める。温度は110℃となっている。
外に出て立ちシャワー。クールダウンをして何度か湯を楽しんだりサウナ室を利用したりする。終始湯客は2〜3人ほど。少なめであった。
さて湯から上がる。
着替えてフロントを通過すると親父さんから女将さんにスイッチされている。常連客と楽しそうにお話をされておりありがとうのお声は頂けなかった。
帰り、マルエツで買い物をして帰宅。
これから寒さも本格的になってくる。銭湯を利用しながら楽しく冬を乗り越えて、清々しい気持ちで暖かい春を迎えたい所だ。
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2009年11月9日月曜日
134.杉並区成田東 ゆ家 和ごころ 吉の湯
杉並区成田東 ゆ家 和ごころ 吉の湯
杉並銭湯、吉の湯へ。
駐車場有りとの事なので車で向かう。現地は住宅街に曲がりくねった道が続く、非常に車では行きづらい銭湯。
駐車場は3台のみで、付近にはコインパーキングはなく、一番近くても直線距離700mも離れた位置にある。
一度目は満車状態。仕方なく他の銭湯を探すが、天狗湯は休業日、その後再び吉の湯へ行くと、一台空いた状態だった。
「ゆ家 和ごころ 吉の湯」は切妻屋根の下に唐破風のような屋根が設置されている入口。趣を無理矢理演出しているような雰囲気。
下足入れに靴を預け、鉄製の鍵を手に取る。
フロントはカウンターのようになっており、入浴券を購入する自動販売機でビールやソフトクリーム等も購入する事ができる。
休憩スペースはかなり広く10人以上がテーブル席でテレビを見ながらゆっくりできる状況だ。
これは武蔵小山の清水湯に似ている雰囲気だ。近代型銭湯の見本といった所か。
フロントにはアルバイトだろうか、女性従業員が二名。
下足の鍵を預け、代わりに脱衣場のロッカーキーを受け取る。混雑しているので、というお断りをして頂いた。
男湯は右手。
脱衣場は天井低く、籐が網の目ののようになっている壁紙が貼られている。
体重計はTANITAの新しい体重計。その他、トイレが新しく広いものだが特に目新しい部分はなし。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室への通路があり、STAFF ONLYのデッドスペースがある。浴槽を一つ置けるほどはあるので無駄なように思うが、何か重要なものが置かれているのかもしれない。
中央に浴槽があり、周囲3方をカランが取り囲んでいる。立ちシャワーは3基。カランの数は17。日曜日夕方5時頃に訪れたのだが、ほぼカランは埋まっており繁盛している。子供や若いお父さんが多いように思える。
天井は高く、切妻屋根に中央部分がくりぬかれるように二段式になっている。
なんとかカランを確保し、体をしっかりと洗う。
シャワーは放水口部分をひねると打たせ湯にもできる新しい形式のもの。
浴槽へといく訳だが、こちらは露天スペースもあるようだ。
まずは室内から。
本日は杉並区の銭湯はリンゴ風呂の日。
ネットの中に20個くらいのリンゴが詰め込まれて浮かんでいる。
電気の湯、ジェットエステ、ボディジェット、ミドルエステと並んでいる。
湯温は41℃ほど。ジェット系は強めで放出口が異なる3タイプだ。
電気は弱めなので初心者向けといった所か。
壁の丸形ライトの一つに茶色のネコの飾りが付いている。他はそんな演出がないので少し浮いているように見えるが見てしばし楽しむ事ができた。
続いて露天へ。
露天とはいえ、天井部分は木製の柱が組まれており、さほど開放感はない。昼間であれば明るく気分も晴れやかになるかもしれない。
室内と同じくらいのスペースが広がっており、サウナ室、つぼ風呂が二つ、水風呂、高濃度炭酸泉、そしてプラスチックの椅子が何脚か。
つぼ風呂は五右衛門風呂のように丸形の一人が入るタイプのもので、中に入ると湯が激しくオーバーフローする。これは演出でこぼれた湯はしっかり排水口に吸い込まれていく。湯温はやや高めで43℃ほど。湯から上がると湯が注ぎ込まれ調整される。
湯の溢れる音の爽快さ、そして湯温も適度で素晴らしい気分だ。
そして水風呂との往復を何度か繰り返す。水風呂の温度は19℃ほど。3人は十分に浸かる事ができる。
高濃度炭酸泉、こちらは青山の新型銭湯、清水湯にもあった湯であるが、炭酸が湯に溶け込んでいるものだ。肌を包み込む炭酸が心地よく、湯はぬるめで長く浸かっていられる。おかげでなかなか湯客が出て行かず、気軽に入る事はできない状態だ。
しかし炭酸泉は見ても楽しむ事ができる湯なので(細かい泡がきれいである)、できれば明るい室内で楽しみたいものだ。
湯から上がり休憩室で一休み。
本日は奥さんも一緒で感想を伺う。最近は奥さんも銭湯のマナーに詳しくなって来ており、体も洗わず浴槽へ飛び込む子供や、混雑しているのにカランに入浴グッズを置いたまま行ってしまうお客、露天に家族で入りいつまでもいつまでも会話をしながら出て行かない行為に少々腹を立てている様子。
子供のマナーに関してはやはり親が一番注意するべきだろうが、必要とあらば自分でも注意できるようにしたい所だ。
住宅街にひっそりと佇む新型銭湯。完全に周囲から認知されている様子だが、遠方からわざわざいくほどの面白さは感じなかった。設備は充実しているのでそういった銭湯が好きならぜひ一度行って頂きたいものである。
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杉並銭湯、吉の湯へ。
駐車場有りとの事なので車で向かう。現地は住宅街に曲がりくねった道が続く、非常に車では行きづらい銭湯。
駐車場は3台のみで、付近にはコインパーキングはなく、一番近くても直線距離700mも離れた位置にある。
一度目は満車状態。仕方なく他の銭湯を探すが、天狗湯は休業日、その後再び吉の湯へ行くと、一台空いた状態だった。
「ゆ家 和ごころ 吉の湯」は切妻屋根の下に唐破風のような屋根が設置されている入口。趣を無理矢理演出しているような雰囲気。
下足入れに靴を預け、鉄製の鍵を手に取る。
フロントはカウンターのようになっており、入浴券を購入する自動販売機でビールやソフトクリーム等も購入する事ができる。
休憩スペースはかなり広く10人以上がテーブル席でテレビを見ながらゆっくりできる状況だ。
これは武蔵小山の清水湯に似ている雰囲気だ。近代型銭湯の見本といった所か。
フロントにはアルバイトだろうか、女性従業員が二名。
下足の鍵を預け、代わりに脱衣場のロッカーキーを受け取る。混雑しているので、というお断りをして頂いた。
男湯は右手。
脱衣場は天井低く、籐が網の目ののようになっている壁紙が貼られている。
体重計はTANITAの新しい体重計。その他、トイレが新しく広いものだが特に目新しい部分はなし。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室への通路があり、STAFF ONLYのデッドスペースがある。浴槽を一つ置けるほどはあるので無駄なように思うが、何か重要なものが置かれているのかもしれない。
中央に浴槽があり、周囲3方をカランが取り囲んでいる。立ちシャワーは3基。カランの数は17。日曜日夕方5時頃に訪れたのだが、ほぼカランは埋まっており繁盛している。子供や若いお父さんが多いように思える。
天井は高く、切妻屋根に中央部分がくりぬかれるように二段式になっている。
なんとかカランを確保し、体をしっかりと洗う。
シャワーは放水口部分をひねると打たせ湯にもできる新しい形式のもの。
浴槽へといく訳だが、こちらは露天スペースもあるようだ。
まずは室内から。
本日は杉並区の銭湯はリンゴ風呂の日。
ネットの中に20個くらいのリンゴが詰め込まれて浮かんでいる。
電気の湯、ジェットエステ、ボディジェット、ミドルエステと並んでいる。
湯温は41℃ほど。ジェット系は強めで放出口が異なる3タイプだ。
電気は弱めなので初心者向けといった所か。
壁の丸形ライトの一つに茶色のネコの飾りが付いている。他はそんな演出がないので少し浮いているように見えるが見てしばし楽しむ事ができた。
続いて露天へ。
露天とはいえ、天井部分は木製の柱が組まれており、さほど開放感はない。昼間であれば明るく気分も晴れやかになるかもしれない。
室内と同じくらいのスペースが広がっており、サウナ室、つぼ風呂が二つ、水風呂、高濃度炭酸泉、そしてプラスチックの椅子が何脚か。
つぼ風呂は五右衛門風呂のように丸形の一人が入るタイプのもので、中に入ると湯が激しくオーバーフローする。これは演出でこぼれた湯はしっかり排水口に吸い込まれていく。湯温はやや高めで43℃ほど。湯から上がると湯が注ぎ込まれ調整される。
湯の溢れる音の爽快さ、そして湯温も適度で素晴らしい気分だ。
そして水風呂との往復を何度か繰り返す。水風呂の温度は19℃ほど。3人は十分に浸かる事ができる。
高濃度炭酸泉、こちらは青山の新型銭湯、清水湯にもあった湯であるが、炭酸が湯に溶け込んでいるものだ。肌を包み込む炭酸が心地よく、湯はぬるめで長く浸かっていられる。おかげでなかなか湯客が出て行かず、気軽に入る事はできない状態だ。
しかし炭酸泉は見ても楽しむ事ができる湯なので(細かい泡がきれいである)、できれば明るい室内で楽しみたいものだ。
湯から上がり休憩室で一休み。
本日は奥さんも一緒で感想を伺う。最近は奥さんも銭湯のマナーに詳しくなって来ており、体も洗わず浴槽へ飛び込む子供や、混雑しているのにカランに入浴グッズを置いたまま行ってしまうお客、露天に家族で入りいつまでもいつまでも会話をしながら出て行かない行為に少々腹を立てている様子。
子供のマナーに関してはやはり親が一番注意するべきだろうが、必要とあらば自分でも注意できるようにしたい所だ。
住宅街にひっそりと佇む新型銭湯。完全に周囲から認知されている様子だが、遠方からわざわざいくほどの面白さは感じなかった。設備は充実しているのでそういった銭湯が好きならぜひ一度行って頂きたいものである。
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2009年11月2日月曜日
133.大田区鵜の木 第二栗の湯
大田区銭湯、第二栗の湯へ。
銭湯マップに駐車場ありと書かれているが、銭湯の駐車場というのは(もちろん事前に電話やネットで確認すれば問題ないが)実際行ってみないとどういうものか分からない。
こちらの第二栗の湯はすぐ隣が広大な月極駐車場スペースで、そのうち二台分が第二栗の湯用に割り当てられており、背面部分にご利用者様専用と書かれている。
文化の日の前日、月曜日の夜であるが小雨もぱらつき気温もぐっと下がったせいで銭湯に行きたくなるような寒さである。
第二栗の湯はマンション銭湯。
煙突は直方体で、照明がふもと部分から当てられており幻想的な表情を見せている。椅子に腰掛け、ワインでも飲みながらしばし眺めていたいような煙突である。
マンション名は栗山コーポ。屋号もそういった所からとられているに違いない。
中に入ると水槽。金魚やメダカが泳いでいる。水槽の大きさからしてみると、その数は少なめである。
下足入れに靴を預け、木札風のプラスチック札を手に取る。
中に入ると休憩スペース。テレビがあり、6人ほどが休めるソファがある。
フロントは男湯、女湯入口の側ではなく少々離れた位置。親父さんに湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。
脱衣場はマンション銭湯にしては高め。
天井に鶴が舞う絵(背景は無地の木材)や、フロント寄りの壁には岩に当たる波しぶきの大きな絵がかすれながらも大きく描かれている。
外壁側には浴室からサウナ室がせり出していて、狭い感じを受ける。サウナ室の天井は瓦屋根。なぜか女湯境の天井近くにも瓦屋根が設置されている。
体重計はTANITAのデジタル。天井のライト等、全体的にモダンな洋式である。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
天井は限りなくフラットに近いが、中央に向けて角度がやや付いており逆への字型。
背景は大きな◇型が茶色のタイルが出っ張り形成されている。
島カランは二列で、外壁側より6-0-5-5-5-5。立ちシャワーはサウナ室前に一基、女湯境壁側に二基ある。
外壁側にはガラスブロックがズラッと並んでいる。
お客は3人ほどで、それぞれが空間を開けてゆったりと銭湯を楽しんでいる。
風呂椅子と桶(屋号入りの黄色い桶)を手に取り、カランを確保。体をしっかりと洗う。
浴槽は三槽あり、外壁側には草津の湯、中央部には広めの浴槽で電気風呂、バイブラ、赤い赤外線ライト、ガリウム石となっている。そして女湯境側には座ジェット3基の浴槽がある。
まずは広めの浴槽から。湯温は42℃ほど。奥行きがあまりないので寝浴とまではいかないが背を預けて足を伸ばす程度は問題ない。
電気風呂が珍しく手前側の内側にあるので、そこから浴室に入ったお方は突然のビリビリに驚かされる事だろう。しかし、そこまで強い電気力ではないのでおそらく問題ないと思われる。
そしてガリウム石の入った檻があり、その中は赤いライトで妖しく照らされている。説明書きがあり、よく見る「石和田章三教授、発見、指導」とある。その後にも長々と書かれているがつまりはラジウム温泉と同じ効果が期待できるというもの。ありがたい限りである。
続いて座ジェット浴槽へ。
窮屈ながらも3つの座面があり、湯温は同じ42℃ほど。水枕完備で少々高い位置にあるものの、手すりも適度な位置にあるので座り心地は至極快適。水枕はキンキンに冷えており湯にのぼせるのを防いでくれる。
さてしっかり温まった所で立ちシャワーでクールダウン。
その後、草津の湯へ。
湯の花がヘリに溜まっており、体にもよく付着する。湯温はやはり42℃といった所。洗い場側に流れ出ないように排水処理がされた浴槽である。
二人が入ると一杯なほどの狭い浴槽だが、湯の花も充分な量がとけ込んでおり、温浴効果がかなりありそうだ。
最後にサウナ室へ。こちらの銭湯はサウナが無料である。
乾式サウナで温度は100℃ほどを指している。
狭めのサウナ室だが非常に清潔。ラジオも流れ、12分計もしっかり稼働。脱衣場が窓から見える。なぜかあまりサウナ室を利用する方がおらず、終始貸し切り状態だった。何度か立ちシャワーとの往復を繰り返し、サウナ付き銭湯ならではの充実したひと時を過ごす。
湯から上がり、休憩スペースでコーヒー牛乳を一杯。
全体的にはモダンな味付けで、脱衣場には鶴、岩の絵、脱衣場から浴室へ渡るガラスの上にはステンドグラス。そしてガラスブロック。和洋が混在し独特の雰囲気がある。日本というのはそういった雰囲気が作り出されやすい環境にあるのかもしれない。
何はともあれ、一気に寒さを増した11月に、サウナと草津の湯で芯まで温まる事ができた夜であった。
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銭湯マップに駐車場ありと書かれているが、銭湯の駐車場というのは(もちろん事前に電話やネットで確認すれば問題ないが)実際行ってみないとどういうものか分からない。
こちらの第二栗の湯はすぐ隣が広大な月極駐車場スペースで、そのうち二台分が第二栗の湯用に割り当てられており、背面部分にご利用者様専用と書かれている。
文化の日の前日、月曜日の夜であるが小雨もぱらつき気温もぐっと下がったせいで銭湯に行きたくなるような寒さである。
第二栗の湯はマンション銭湯。
煙突は直方体で、照明がふもと部分から当てられており幻想的な表情を見せている。椅子に腰掛け、ワインでも飲みながらしばし眺めていたいような煙突である。
マンション名は栗山コーポ。屋号もそういった所からとられているに違いない。
中に入ると水槽。金魚やメダカが泳いでいる。水槽の大きさからしてみると、その数は少なめである。
下足入れに靴を預け、木札風のプラスチック札を手に取る。
中に入ると休憩スペース。テレビがあり、6人ほどが休めるソファがある。
フロントは男湯、女湯入口の側ではなく少々離れた位置。親父さんに湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。
脱衣場はマンション銭湯にしては高め。
天井に鶴が舞う絵(背景は無地の木材)や、フロント寄りの壁には岩に当たる波しぶきの大きな絵がかすれながらも大きく描かれている。
外壁側には浴室からサウナ室がせり出していて、狭い感じを受ける。サウナ室の天井は瓦屋根。なぜか女湯境の天井近くにも瓦屋根が設置されている。
体重計はTANITAのデジタル。天井のライト等、全体的にモダンな洋式である。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
天井は限りなくフラットに近いが、中央に向けて角度がやや付いており逆への字型。
背景は大きな◇型が茶色のタイルが出っ張り形成されている。
島カランは二列で、外壁側より6-0-5-5-5-5。立ちシャワーはサウナ室前に一基、女湯境壁側に二基ある。
外壁側にはガラスブロックがズラッと並んでいる。
お客は3人ほどで、それぞれが空間を開けてゆったりと銭湯を楽しんでいる。
風呂椅子と桶(屋号入りの黄色い桶)を手に取り、カランを確保。体をしっかりと洗う。
浴槽は三槽あり、外壁側には草津の湯、中央部には広めの浴槽で電気風呂、バイブラ、赤い赤外線ライト、ガリウム石となっている。そして女湯境側には座ジェット3基の浴槽がある。
まずは広めの浴槽から。湯温は42℃ほど。奥行きがあまりないので寝浴とまではいかないが背を預けて足を伸ばす程度は問題ない。
電気風呂が珍しく手前側の内側にあるので、そこから浴室に入ったお方は突然のビリビリに驚かされる事だろう。しかし、そこまで強い電気力ではないのでおそらく問題ないと思われる。
そしてガリウム石の入った檻があり、その中は赤いライトで妖しく照らされている。説明書きがあり、よく見る「石和田章三教授、発見、指導」とある。その後にも長々と書かれているがつまりはラジウム温泉と同じ効果が期待できるというもの。ありがたい限りである。
続いて座ジェット浴槽へ。
窮屈ながらも3つの座面があり、湯温は同じ42℃ほど。水枕完備で少々高い位置にあるものの、手すりも適度な位置にあるので座り心地は至極快適。水枕はキンキンに冷えており湯にのぼせるのを防いでくれる。
さてしっかり温まった所で立ちシャワーでクールダウン。
その後、草津の湯へ。
湯の花がヘリに溜まっており、体にもよく付着する。湯温はやはり42℃といった所。洗い場側に流れ出ないように排水処理がされた浴槽である。
二人が入ると一杯なほどの狭い浴槽だが、湯の花も充分な量がとけ込んでおり、温浴効果がかなりありそうだ。
最後にサウナ室へ。こちらの銭湯はサウナが無料である。
乾式サウナで温度は100℃ほどを指している。
狭めのサウナ室だが非常に清潔。ラジオも流れ、12分計もしっかり稼働。脱衣場が窓から見える。なぜかあまりサウナ室を利用する方がおらず、終始貸し切り状態だった。何度か立ちシャワーとの往復を繰り返し、サウナ付き銭湯ならではの充実したひと時を過ごす。
湯から上がり、休憩スペースでコーヒー牛乳を一杯。
全体的にはモダンな味付けで、脱衣場には鶴、岩の絵、脱衣場から浴室へ渡るガラスの上にはステンドグラス。そしてガラスブロック。和洋が混在し独特の雰囲気がある。日本というのはそういった雰囲気が作り出されやすい環境にあるのかもしれない。
何はともあれ、一気に寒さを増した11月に、サウナと草津の湯で芯まで温まる事ができた夜であった。
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2009年11月1日日曜日
132.三鷹市牟礼 神明湯
三鷹市の銭湯、神明湯を訪れた。
11月1日、今日は映画の日である。映画を一本、1000円で鑑賞して来た後(Michael Jackson's This is it、最高だった・・)、小雨もぱらつき始めた日曜の夕方、空は次第に闇に吸い込まれつつある。
そんな中、煙突からはもくもくと黒煙が。
そんな様子を目の当たりにすると、湯への熱い思いが沸々とたぎってくる。
目の前に駐車場3台分、コインランドリーも離れにある。駐車場はこの他にも歩いて50mほどの所にかなりのスペースがある(10台ほど駐車可能)。
目張りがしてあってどうにも建築の全貌は把握しようがない。
中に入り透明の扉の下足入れに靴を預ける。プラスチックの鍵を取り中へ。
フロントの前に休憩スペースが広がる形。
4人ほどが座れるL字型のソファ、そして日本シリーズ第二戦がテレビで流れている。
フロントには女性、若奥さんだろうか。声は小さいが丁寧な接客をされている。
牛乳石鹸の暖簾を潜り、男湯の脱衣場へ。
脱衣場は天井高く、格天井。折上式ではない。
アナログ体重計は「IUCHI SCALE」のレトロなもの。72くらいのロッカーが外壁側に広がり、中央部分には傷だらけの趣きある木の机と、長椅子二つ。その他に無駄なものは見当たらず。
庭へ通じるサッシがあり、何かなと覗いてみるとなんと露天へ通じる扉であった。これは脱衣場から直接露天へ行けるという事である(当たり前か)。
脱衣場には銭湯にしては最近の曲が流れている(Bump of Chickenなど)。フロントの若奥さんの趣味だろうか。まぁそれはさておき、パパッと服を脱ぎ浴室へ。
中は活気がある様相。10人ほどのお客がいらっしゃる。
天井高く、3段式の天井でペンキもきれいな状態で晴れやかな気分。
二段式の所から増築したのだろうか、と想像を膨らませる。
島カランは二列で、外壁より5-6-6-4-3-4。立ちシャワーは一基。横幅も広く、通路もゆったりで敷地が広いからこそかなう贅沢な空間だ。
お客も多いが、カランも多いので難なく場所を確保。体をしっかり洗う。
浴槽は3つ。
サウナ室が脱衣場寄りの女湯境にあり、その隣に水風呂がある。
奥壁には広い浴槽(座ジェット、檻、電気風呂)が一つと、外壁寄りに薬湯槽(ミクロバイブラ)が一つ。
そして脱衣場寄りに外の露天へと通じる扉がある。
まずは広い浴槽から。
檻の中に石があり、そこに湯が当たり浴槽に湯が流れ込んで来ている。特にガリウム石というような記述は見当たらないがありがたく湯を堪能する。薪で燃やされている湯のせいか、柔らかく心地のよい入浴感。湯温は42℃ほどだ。
電気風呂へ浴槽の中をそのまま移動し電気を浴びる。電気の力はやや強め。左右の電極の高さは高低に差がつけられており、腰に当てたりする事も可能だ。
座ジェットの浴槽へは歩いていけないが、湯が敷居の上を通過しているので湯温に変わりはない。ジェットは強めで水枕も完備。これが冷えていすぎる事もなく適度な温度を提供してくれる。
湯から一端上がり、水風呂でクールダウン。一人入ると一杯になるような小型浴槽であるが、オーバーフローした湯は排水口へと流れる仕組みとなっており、溢れる水を眺める楽しみもある。水温は21℃ほど。蛇口があるがひねってみても水は出ない。水が減ると自動的に給水されて一定の水量に保たれるようだ。
続いて外壁にある薬湯槽へ。本日ははちみつプロポリスの湯(と休憩スペースに書かれていた)。浴槽はバイブラでもあるのでボコボコと泡が噴出している。湯はやや甘い香りがする。こちらから背景を仰ぎ見ると立派な山脈が控えめながらに描かれている。「松原湖 21.8.14」と記されており、女湯境側には湖畔に建物も一軒見える。
繊細な岩の描き方、山脈の霞がかかった感じの筆致が丸山氏の作品である事を物語っている。こちらの柔らかい湯にふさわしい、身に染みいる作品である。
さて体も芯から温まり、水風呂でクールダウン。
続いて露天風呂へ。
いくつか置かれた灯篭から控えめに照らされる光の中で、ぼんやりと岩と湯が見て取れる。岩は丸形が主で、ごつごつした日本海の玄界灘のような岩はない。湯温は41℃ほど。泡は一切出ておらず、正面の道路もない裏手にある露天なので静かな空間だ。
小雨が肌を打ち、やや冷たく感じながらもそれが心地よい。
目張りが高い位置までしてあるので景色はもちろん見えないが、庭の草木、石が調和を持って配置されており見ていて飽きない。
脱衣場からもお客が出て来て一休みしていたり、皆が思い思いの時間を過ごす。これも広めの露天があればこそだ。
何度も水風呂や薬湯、そして露天を楽しみ湯から上がる。
休憩所では日本シリーズが続いている。今日は巨人が劣勢である。正面のフロントから若奥さんも眺めているがさほど興味はなさそう。いらっしゃるお客さんの為に仕方なくチャンネルを合わせているのかもしれない。
休憩スペースに薬湯の紹介板がある。
こちらは休憩スペースの眺め。
神明湯、充実した設備に柔らかい湯、露天の雰囲気は下手な旅館へ行く手間もなく味わえる最高の雰囲気である。車も訳なく駐車できるのでまた訪れたい銭湯の一つとなった。
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11月1日、今日は映画の日である。映画を一本、1000円で鑑賞して来た後(Michael Jackson's This is it、最高だった・・)、小雨もぱらつき始めた日曜の夕方、空は次第に闇に吸い込まれつつある。
そんな中、煙突からはもくもくと黒煙が。
そんな様子を目の当たりにすると、湯への熱い思いが沸々とたぎってくる。
目の前に駐車場3台分、コインランドリーも離れにある。駐車場はこの他にも歩いて50mほどの所にかなりのスペースがある(10台ほど駐車可能)。
目張りがしてあってどうにも建築の全貌は把握しようがない。
中に入り透明の扉の下足入れに靴を預ける。プラスチックの鍵を取り中へ。
フロントの前に休憩スペースが広がる形。
4人ほどが座れるL字型のソファ、そして日本シリーズ第二戦がテレビで流れている。
フロントには女性、若奥さんだろうか。声は小さいが丁寧な接客をされている。
牛乳石鹸の暖簾を潜り、男湯の脱衣場へ。
脱衣場は天井高く、格天井。折上式ではない。
アナログ体重計は「IUCHI SCALE」のレトロなもの。72くらいのロッカーが外壁側に広がり、中央部分には傷だらけの趣きある木の机と、長椅子二つ。その他に無駄なものは見当たらず。
庭へ通じるサッシがあり、何かなと覗いてみるとなんと露天へ通じる扉であった。これは脱衣場から直接露天へ行けるという事である(当たり前か)。
脱衣場には銭湯にしては最近の曲が流れている(Bump of Chickenなど)。フロントの若奥さんの趣味だろうか。まぁそれはさておき、パパッと服を脱ぎ浴室へ。
中は活気がある様相。10人ほどのお客がいらっしゃる。
天井高く、3段式の天井でペンキもきれいな状態で晴れやかな気分。
二段式の所から増築したのだろうか、と想像を膨らませる。
島カランは二列で、外壁より5-6-6-4-3-4。立ちシャワーは一基。横幅も広く、通路もゆったりで敷地が広いからこそかなう贅沢な空間だ。
お客も多いが、カランも多いので難なく場所を確保。体をしっかり洗う。
浴槽は3つ。
サウナ室が脱衣場寄りの女湯境にあり、その隣に水風呂がある。
奥壁には広い浴槽(座ジェット、檻、電気風呂)が一つと、外壁寄りに薬湯槽(ミクロバイブラ)が一つ。
そして脱衣場寄りに外の露天へと通じる扉がある。
まずは広い浴槽から。
檻の中に石があり、そこに湯が当たり浴槽に湯が流れ込んで来ている。特にガリウム石というような記述は見当たらないがありがたく湯を堪能する。薪で燃やされている湯のせいか、柔らかく心地のよい入浴感。湯温は42℃ほどだ。
電気風呂へ浴槽の中をそのまま移動し電気を浴びる。電気の力はやや強め。左右の電極の高さは高低に差がつけられており、腰に当てたりする事も可能だ。
座ジェットの浴槽へは歩いていけないが、湯が敷居の上を通過しているので湯温に変わりはない。ジェットは強めで水枕も完備。これが冷えていすぎる事もなく適度な温度を提供してくれる。
湯から一端上がり、水風呂でクールダウン。一人入ると一杯になるような小型浴槽であるが、オーバーフローした湯は排水口へと流れる仕組みとなっており、溢れる水を眺める楽しみもある。水温は21℃ほど。蛇口があるがひねってみても水は出ない。水が減ると自動的に給水されて一定の水量に保たれるようだ。
続いて外壁にある薬湯槽へ。本日ははちみつプロポリスの湯(と休憩スペースに書かれていた)。浴槽はバイブラでもあるのでボコボコと泡が噴出している。湯はやや甘い香りがする。こちらから背景を仰ぎ見ると立派な山脈が控えめながらに描かれている。「松原湖 21.8.14」と記されており、女湯境側には湖畔に建物も一軒見える。
繊細な岩の描き方、山脈の霞がかかった感じの筆致が丸山氏の作品である事を物語っている。こちらの柔らかい湯にふさわしい、身に染みいる作品である。
さて体も芯から温まり、水風呂でクールダウン。
続いて露天風呂へ。
いくつか置かれた灯篭から控えめに照らされる光の中で、ぼんやりと岩と湯が見て取れる。岩は丸形が主で、ごつごつした日本海の玄界灘のような岩はない。湯温は41℃ほど。泡は一切出ておらず、正面の道路もない裏手にある露天なので静かな空間だ。
小雨が肌を打ち、やや冷たく感じながらもそれが心地よい。
目張りが高い位置までしてあるので景色はもちろん見えないが、庭の草木、石が調和を持って配置されており見ていて飽きない。
脱衣場からもお客が出て来て一休みしていたり、皆が思い思いの時間を過ごす。これも広めの露天があればこそだ。
何度も水風呂や薬湯、そして露天を楽しみ湯から上がる。
休憩所では日本シリーズが続いている。今日は巨人が劣勢である。正面のフロントから若奥さんも眺めているがさほど興味はなさそう。いらっしゃるお客さんの為に仕方なくチャンネルを合わせているのかもしれない。
休憩スペースに薬湯の紹介板がある。
こちらは休憩スペースの眺め。
神明湯、充実した設備に柔らかい湯、露天の雰囲気は下手な旅館へ行く手間もなく味わえる最高の雰囲気である。車も訳なく駐車できるのでまた訪れたい銭湯の一つとなった。
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2009年10月31日土曜日
131.大田区田園調布南 花の湯
今日もまた、大田区の銭湯へ。
田園調布にある花の湯である。
田園調布と言いながらも沼部駅付近は庶民的な街並。住宅街が広がるが各邸宅の区画は狭く、アパートも多い。
多摩川線の線路のすぐ側にあるコインパーキングに駐車。
この辺は静かな雰囲気だ。
20:00以降は1時間100円というかなり良心的な価格設定である。
煙突を探しながら歩いていると目の前に月光に向かって刺すように伸びる煙突を発見。湯の香を感じないので定休日かと不安になりつつも、すぐに浴室らしき付近から灯りが漏れているのが分かり一安心。
花の湯はマンションの一階にある銭湯。
マンションは三階建でリヴァース田園というマンションだ。Rebirth(リヴァース)といえば再生や復活等を意味する言葉。何かこちらの建物を建てる時にそんな意味合いを込めたかったいきさつがあるのかもしれない。
下足入れに靴を預け、木札を手に取る。
中に入るとフロントに休憩スペース。5人ほどがテレビや漫画を見ながら休める広さ。今日は巨人ー日本ハムの日本シリーズ第1戦をやっている。
フロントの女将さんに湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。
脱衣場は天井低め。ちょうどこの上はマンションの二階部分であるので当然低い訳である。外から見た分にはマンション二階は特に高い位置にある訳でもなかった。
天井には木の梁のようなオブジェ。これは太子堂の富士見湯で見たものと似ている。同じ業者さんかもしれない。
体重計はデジタルのものでTERAOKAと書かれている。その他レトロなものは見当たらず。基本的にさほど新しい訳ではないが和の趣はない銭湯だ。
中央部に置かれている畳1枚分くらいの長椅子は竹製で少し和まされる部分ではある。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
こちらは意外にも天井がかなり高い。マンションの二階部分までありそうである。かまぼこ型の天井で脇の部分で二段式になっている。ペンキが塗られている訳ではなくごつごつしたコンクリートがむき出しでワイルドな雰囲気。ただし色は少し白い。
島カランは二列で外壁側より6-6-6-7-4。女湯境には立ちシャワーが4基並んでおり、もう一つある一基はボディシャワー。
外壁側一列には体つきのごつい格闘家のような若者がずらり並び体を洗っている。大声で話をしているが、声はかまぼこ型の天井にうまく反射され、さほどやかましいという感じは受けず。
体をしっかりと洗い、若者たちが浴槽を占拠してしまう前に巡る。
三槽ある浴槽の外壁側はやや広めの浅い浴槽。バイブラがボコボコと泡を噴出している。
中央部分は「高温」と書かれ、女湯境側は「中温」。低温がないけど、外壁側がそうなのかもしれない。
女湯境側の壁にはサウナ室がある。有料であることはどこにも書かれておらず、無料である様子。
まずはバイブラの浴槽へ。
湯温は42℃ほど。全ての浴槽はバスクリンの緑色をしているが、特に何の香であるとそういうお知らせは書かれていない。格闘系の若者たちはひたすらしゃべりながら体を洗い続けている。時折奇声を発したりもしている。
続いて「中温」浴槽へ。こちらは座ジェットになっており、やはりバスクリン色をしている浴槽。湯温は42℃ほど。裏手にあった建築廃材で沸かした湯であるだけに(バスクリンや泡のせいもあるだろうけど)柔らかく体を包み込む心地の良い湯だ。
体が温まった所でカランの水でクールダウンし、続いて「高温」浴槽へ。密かに期待していた高温浴槽だがそんなには高温ではない。43℃ほどか。縁に背を付け、背景をじっくりと拝む事にする。
こちらの銭湯の背景はヨーロッパの自然豊かな街並。丸みを帯びた人々が小さく、たくさん描かれており、表情までは見て取れないが幸せそうな雰囲気ではある。壁紙なのであまり感動はない。端の方で少しめくれていたりもするし、傷みが気になる所。
続いてサウナ室へ。
3人が入ると窮屈なほど狭いスペースではあるけど充分。90℃の乾式サウナで12分計も元気に稼働している。
温まった所で浴室に出ると全身入れ墨のお方が体を洗っておられる。気のせいか若者たちのしゃべり声が静かになっている。
サウナの後は冷水ボディシャワーへ。
ボタンを押すと全身を痛いくらいに細い水流が体を流してくれる。威力が強いのやら弱いのやらばらつきがあるのが気になるところ。
さて浴室を出て休憩スペースで日本シリーズ。初戦は巨人が辛勝。フロントは親父さんにお代わりになられており競馬新聞を見つつも野球を見ているが、そんなに巨人ファンではないようだ。巨人の勝ちが決まった所で少々悔しがったりしている。
花の湯。
屋号ほどには花を感じる事はなかったが(浴槽外側のタイルの模様くらいか)、住宅街の中に実用的な銭湯として活きているイメージだ。
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田園調布にある花の湯である。
田園調布と言いながらも沼部駅付近は庶民的な街並。住宅街が広がるが各邸宅の区画は狭く、アパートも多い。
多摩川線の線路のすぐ側にあるコインパーキングに駐車。
この辺は静かな雰囲気だ。
20:00以降は1時間100円というかなり良心的な価格設定である。
煙突を探しながら歩いていると目の前に月光に向かって刺すように伸びる煙突を発見。湯の香を感じないので定休日かと不安になりつつも、すぐに浴室らしき付近から灯りが漏れているのが分かり一安心。
花の湯はマンションの一階にある銭湯。
マンションは三階建でリヴァース田園というマンションだ。Rebirth(リヴァース)といえば再生や復活等を意味する言葉。何かこちらの建物を建てる時にそんな意味合いを込めたかったいきさつがあるのかもしれない。
下足入れに靴を預け、木札を手に取る。
中に入るとフロントに休憩スペース。5人ほどがテレビや漫画を見ながら休める広さ。今日は巨人ー日本ハムの日本シリーズ第1戦をやっている。
フロントの女将さんに湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。
脱衣場は天井低め。ちょうどこの上はマンションの二階部分であるので当然低い訳である。外から見た分にはマンション二階は特に高い位置にある訳でもなかった。
天井には木の梁のようなオブジェ。これは太子堂の富士見湯で見たものと似ている。同じ業者さんかもしれない。
体重計はデジタルのものでTERAOKAと書かれている。その他レトロなものは見当たらず。基本的にさほど新しい訳ではないが和の趣はない銭湯だ。
中央部に置かれている畳1枚分くらいの長椅子は竹製で少し和まされる部分ではある。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
こちらは意外にも天井がかなり高い。マンションの二階部分までありそうである。かまぼこ型の天井で脇の部分で二段式になっている。ペンキが塗られている訳ではなくごつごつしたコンクリートがむき出しでワイルドな雰囲気。ただし色は少し白い。
島カランは二列で外壁側より6-6-6-7-4。女湯境には立ちシャワーが4基並んでおり、もう一つある一基はボディシャワー。
外壁側一列には体つきのごつい格闘家のような若者がずらり並び体を洗っている。大声で話をしているが、声はかまぼこ型の天井にうまく反射され、さほどやかましいという感じは受けず。
体をしっかりと洗い、若者たちが浴槽を占拠してしまう前に巡る。
三槽ある浴槽の外壁側はやや広めの浅い浴槽。バイブラがボコボコと泡を噴出している。
中央部分は「高温」と書かれ、女湯境側は「中温」。低温がないけど、外壁側がそうなのかもしれない。
女湯境側の壁にはサウナ室がある。有料であることはどこにも書かれておらず、無料である様子。
まずはバイブラの浴槽へ。
湯温は42℃ほど。全ての浴槽はバスクリンの緑色をしているが、特に何の香であるとそういうお知らせは書かれていない。格闘系の若者たちはひたすらしゃべりながら体を洗い続けている。時折奇声を発したりもしている。
続いて「中温」浴槽へ。こちらは座ジェットになっており、やはりバスクリン色をしている浴槽。湯温は42℃ほど。裏手にあった建築廃材で沸かした湯であるだけに(バスクリンや泡のせいもあるだろうけど)柔らかく体を包み込む心地の良い湯だ。
体が温まった所でカランの水でクールダウンし、続いて「高温」浴槽へ。密かに期待していた高温浴槽だがそんなには高温ではない。43℃ほどか。縁に背を付け、背景をじっくりと拝む事にする。
こちらの銭湯の背景はヨーロッパの自然豊かな街並。丸みを帯びた人々が小さく、たくさん描かれており、表情までは見て取れないが幸せそうな雰囲気ではある。壁紙なのであまり感動はない。端の方で少しめくれていたりもするし、傷みが気になる所。
続いてサウナ室へ。
3人が入ると窮屈なほど狭いスペースではあるけど充分。90℃の乾式サウナで12分計も元気に稼働している。
温まった所で浴室に出ると全身入れ墨のお方が体を洗っておられる。気のせいか若者たちのしゃべり声が静かになっている。
サウナの後は冷水ボディシャワーへ。
ボタンを押すと全身を痛いくらいに細い水流が体を流してくれる。威力が強いのやら弱いのやらばらつきがあるのが気になるところ。
さて浴室を出て休憩スペースで日本シリーズ。初戦は巨人が辛勝。フロントは親父さんにお代わりになられており競馬新聞を見つつも野球を見ているが、そんなに巨人ファンではないようだ。巨人の勝ちが決まった所で少々悔しがったりしている。
花の湯。
屋号ほどには花を感じる事はなかったが(浴槽外側のタイルの模様くらいか)、住宅街の中に実用的な銭湯として活きているイメージだ。
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2009年10月30日金曜日
130.大田区矢口 森の湯
大田区銭湯、森の湯を訪れた。
武蔵新田駅の目と鼻の先にある銭湯。あるいて30秒くらいか。
千鳥破風の屋根が垣間見えるが、手前に入口がせり出すように作られており、宮造りはよく見えない。
武蔵新田の街は非常に不思議な空間が広がっている。
古めかしい蒲焼割烹という店や、地元密着型の居酒屋や中華料理屋がいくつか立ち並んでいる。時間にして22時頃なので街もひっそりしているが、どことなく昭和の香りが漂っている。
お腹もすいていたので森の湯から線路を渡り、ラーメン日本一へ。
味噌ラーメンと餃子を頂くが、野菜の口当たりと控えめな味噌の濃さがよく合い、美味。ぎょうざは野菜がたっぷりでこれまたうまい。
キッチン「ゲレンデ」という店も気になるがまた今後機会があれば寄ってみよう。
暖簾がない森の湯の入口を潜り、下足入れに靴を預け木札を手に取る。その数は138まである。かなり混雑して下足入れも足りないってくらいの時期もあったに違いない。
中に入り、フロントの親父さんに湯賃をお渡し。メガネをかけられており、音楽はクラシックが聞こえてくる。
フロント前の休憩スペースにはテレビがあり、ソファには4,5人ほどが休憩できそうな広さ。銭湯検定公式テキストや漫画などがテーブルに置かれている。
男湯は左手。
脱衣場は狭めである。サウナ室がせり出して来ており、フロントも後から設置したためか脱衣場が少々犠牲になっている模様。浴室を狭くするのを避けたのかもしれない。
ローラーむき出しのおなじみクラシックなマッサージチェアと、TANAKAのアナログ体重計(これは結構新しい)、天井は格天井だがどことなくモダンな雰囲気だ。格子の部分以外には紙が貼られており◇の模様である上に、照明がやや落ち着いた色であることから昭和のモダンな雰囲気が流れているのかもしれない。
クラシックが流れているのも手伝って、どことなく音楽室にいるような雰囲気がある。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室は天井高く二段式。
ペンキでなくポリプロピレン(よくある家庭用の風呂蓋)のような天井。なのでやはり和風ではない。しかも灯りがガス灯の形をした(中は白熱電球)電灯が雰囲気を出している。
それに加えて背景は10cmのタイルがずらっと並び広大な絵を構成している。ナイアガラの滝だろうか。大きな船が浮かんでいるのも見える。
カランは女湯境は8つ並び、あとは外壁側から横に並んでいる。こちらは4-4。
浴槽は奥の壁から外壁にかけてL字型に配置されている。
シャワーが若干熱い。なのにカランの方はぬるいお湯。逆の方がいい気もするがすぐに慣れる。
立ちシャワーは一基。ボディシャワーも完備で、同じ空間に普通のシャワーも設置されている。
お客は4人ほど。皆静かに思い思いの銭湯ライフを楽しんでいる。カランの数は多くない銭湯だが、お互いがお互いの視界に入る事なく、適度な距離を保ってそこに存在している。
さて浴槽へ。
こちらは広い浴槽が奥の壁に沿って配置され、外壁沿いに2mほど進んだ位置まで黒湯の浴槽がある。広い浴槽にはバイブラ、ジェット、電気風呂がある。
まずは広い浴槽を楽しむ。湯温は42℃ほど。
浴槽の縁はヒノキ製。これがまたモダンな演出を魅せられてきたこれまでと違う味付け。しかしやはり肌触りは良く、浴槽に腰掛けて首をヒノキにもたれかけるとその温もりのある優しい触り心地に心が癒される。一週間働いた仕事の疲れもふっと抜けていくようである。
バイブラのある位置に移動し、細かい泡に身を委ねると、ちょうど付近に熱い湯の噴き出し口があり少々驚く。こちら付近の湯温は44℃ほど。気をつけた方がいいだろう。お客の中にはあつ湯を求めてわざとバイブラ辺りに陣取る方もいらっしゃる。
ジェットは強力な一穴式で、すぐ側に手すりもあるので体をホールドして腰や背にジェットを浴びる事ができる。背景も仰ぎ見ながら至福の一時だ。
続いて隅に配置されている電気風呂に移動する。
こちらは残念な事に電気力が非常に弱い。当方電気風呂はどちらかといえば弱い方だが、それでも電極にべったりと体を押し付ける事ができた。
一度カランの水を浴びク−ルダウン。
続いては黒湯浴槽だ。
薄めの黒湯。1m先くらいまでは何があるかが見える、というくらいだ。その分さらっとした入浴感。目の前に壁があり、外壁側も近いので閉塞感がある。しかし背景を見るにはいい位置だろう。
湯から上がり、サウナ室へ。大田区銭湯はサウナが無料の所も多いが、森の湯も例に漏れず。4人入ると窮屈な程度の狭いサウナ室だがテレビもあり、90℃ほどの清潔なサウナ。テレビは電源が切られていたが、待機電源はついているので必要に応じて自分で電源を入れるのかもしれない。脱衣場からテレビの入っている棚の扉を開ける事ができると思われる。自分はそこまで長くサウナを利用しないし、見たいテレビも思いつかないので特に何もせず。
12分計があるが、これまた止まった状態。こちらはテレビと違いどうしようもないだろう。
立ちシャワーでクールダウン。
しばしサウナ室と立ちシャワーを往復し、浴室から出る事にする。
休憩所で奥さんを待つ。今日は奥さんも一緒に来ているのである。
女湯はお客が誰もいなかったとの事で背景等、写真に収める事ができたとの事。
バイブラ、電気風呂、黒湯浴槽
女湯の背景
立ちシャワー兼ボディシャワー
無料サウナ室(テレビ完備)
森の湯、昭和でモダンな銭湯だ。サウナもあり、黒湯もある。親父さんの接客も最高で、街の雰囲気も独特で何度か訪れてみたい感じだ。金曜の夜、いつもより少しばかり贅沢なひと時を過ごす事が来た気がする。
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武蔵新田駅の目と鼻の先にある銭湯。あるいて30秒くらいか。
千鳥破風の屋根が垣間見えるが、手前に入口がせり出すように作られており、宮造りはよく見えない。
武蔵新田の街は非常に不思議な空間が広がっている。
古めかしい蒲焼割烹という店や、地元密着型の居酒屋や中華料理屋がいくつか立ち並んでいる。時間にして22時頃なので街もひっそりしているが、どことなく昭和の香りが漂っている。
お腹もすいていたので森の湯から線路を渡り、ラーメン日本一へ。
味噌ラーメンと餃子を頂くが、野菜の口当たりと控えめな味噌の濃さがよく合い、美味。ぎょうざは野菜がたっぷりでこれまたうまい。
キッチン「ゲレンデ」という店も気になるがまた今後機会があれば寄ってみよう。
暖簾がない森の湯の入口を潜り、下足入れに靴を預け木札を手に取る。その数は138まである。かなり混雑して下足入れも足りないってくらいの時期もあったに違いない。
中に入り、フロントの親父さんに湯賃をお渡し。メガネをかけられており、音楽はクラシックが聞こえてくる。
フロント前の休憩スペースにはテレビがあり、ソファには4,5人ほどが休憩できそうな広さ。銭湯検定公式テキストや漫画などがテーブルに置かれている。
男湯は左手。
脱衣場は狭めである。サウナ室がせり出して来ており、フロントも後から設置したためか脱衣場が少々犠牲になっている模様。浴室を狭くするのを避けたのかもしれない。
ローラーむき出しのおなじみクラシックなマッサージチェアと、TANAKAのアナログ体重計(これは結構新しい)、天井は格天井だがどことなくモダンな雰囲気だ。格子の部分以外には紙が貼られており◇の模様である上に、照明がやや落ち着いた色であることから昭和のモダンな雰囲気が流れているのかもしれない。
クラシックが流れているのも手伝って、どことなく音楽室にいるような雰囲気がある。
パパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室は天井高く二段式。
ペンキでなくポリプロピレン(よくある家庭用の風呂蓋)のような天井。なのでやはり和風ではない。しかも灯りがガス灯の形をした(中は白熱電球)電灯が雰囲気を出している。
それに加えて背景は10cmのタイルがずらっと並び広大な絵を構成している。ナイアガラの滝だろうか。大きな船が浮かんでいるのも見える。
カランは女湯境は8つ並び、あとは外壁側から横に並んでいる。こちらは4-4。
浴槽は奥の壁から外壁にかけてL字型に配置されている。
シャワーが若干熱い。なのにカランの方はぬるいお湯。逆の方がいい気もするがすぐに慣れる。
立ちシャワーは一基。ボディシャワーも完備で、同じ空間に普通のシャワーも設置されている。
お客は4人ほど。皆静かに思い思いの銭湯ライフを楽しんでいる。カランの数は多くない銭湯だが、お互いがお互いの視界に入る事なく、適度な距離を保ってそこに存在している。
さて浴槽へ。
こちらは広い浴槽が奥の壁に沿って配置され、外壁沿いに2mほど進んだ位置まで黒湯の浴槽がある。広い浴槽にはバイブラ、ジェット、電気風呂がある。
まずは広い浴槽を楽しむ。湯温は42℃ほど。
浴槽の縁はヒノキ製。これがまたモダンな演出を魅せられてきたこれまでと違う味付け。しかしやはり肌触りは良く、浴槽に腰掛けて首をヒノキにもたれかけるとその温もりのある優しい触り心地に心が癒される。一週間働いた仕事の疲れもふっと抜けていくようである。
バイブラのある位置に移動し、細かい泡に身を委ねると、ちょうど付近に熱い湯の噴き出し口があり少々驚く。こちら付近の湯温は44℃ほど。気をつけた方がいいだろう。お客の中にはあつ湯を求めてわざとバイブラ辺りに陣取る方もいらっしゃる。
ジェットは強力な一穴式で、すぐ側に手すりもあるので体をホールドして腰や背にジェットを浴びる事ができる。背景も仰ぎ見ながら至福の一時だ。
続いて隅に配置されている電気風呂に移動する。
こちらは残念な事に電気力が非常に弱い。当方電気風呂はどちらかといえば弱い方だが、それでも電極にべったりと体を押し付ける事ができた。
一度カランの水を浴びク−ルダウン。
続いては黒湯浴槽だ。
薄めの黒湯。1m先くらいまでは何があるかが見える、というくらいだ。その分さらっとした入浴感。目の前に壁があり、外壁側も近いので閉塞感がある。しかし背景を見るにはいい位置だろう。
湯から上がり、サウナ室へ。大田区銭湯はサウナが無料の所も多いが、森の湯も例に漏れず。4人入ると窮屈な程度の狭いサウナ室だがテレビもあり、90℃ほどの清潔なサウナ。テレビは電源が切られていたが、待機電源はついているので必要に応じて自分で電源を入れるのかもしれない。脱衣場からテレビの入っている棚の扉を開ける事ができると思われる。自分はそこまで長くサウナを利用しないし、見たいテレビも思いつかないので特に何もせず。
12分計があるが、これまた止まった状態。こちらはテレビと違いどうしようもないだろう。
立ちシャワーでクールダウン。
しばしサウナ室と立ちシャワーを往復し、浴室から出る事にする。
休憩所で奥さんを待つ。今日は奥さんも一緒に来ているのである。
女湯はお客が誰もいなかったとの事で背景等、写真に収める事ができたとの事。
バイブラ、電気風呂、黒湯浴槽
女湯の背景
立ちシャワー兼ボディシャワー
無料サウナ室(テレビ完備)
森の湯、昭和でモダンな銭湯だ。サウナもあり、黒湯もある。親父さんの接客も最高で、街の雰囲気も独特で何度か訪れてみたい感じだ。金曜の夜、いつもより少しばかり贅沢なひと時を過ごす事が来た気がする。
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2009年10月28日水曜日
129.大田区新蒲田 秀の湯
大田区新蒲田にある秀の湯を訪れた。
車で行ったのだが、100mほど離れた位置にコインパーキングがある。
民家の立ち並ぶ街並で高層ビル等はない。
車通りも少なめで、静かで過ごしやすそうな一帯だ。
秀の湯は大きな民家のような屋根をしている。
右手にはコインランドリーがあり、暖簾はオリジナルのもの。
「天然鉱泉」と書かれている暖簾だ。
男湯は右手。
下足を預け、木札を手に取る。
正面には傘立て。番台裏の天井部分には招き猫が大小二匹。お客を招き入れている。
脱衣場へは自動ドアであるが、マットを踏み重みで開くタイプのもの。昔はよくこのタイプの自動ドアも街で見たものだが、このところは赤外線のセンサーばかりである。
中から番台で話し声がする。すぐに終わるかと思われたがなかなか話も途切れないため中に入る。案の定番台前にお客がおり、私が入る事で話を途切れさせてしまう。
親父さんに湯賃をお支払いすると無事会話は再開された。
番台は低めだが衝立がされており、女湯を覗く事ができないよう完璧に視界は遮られている。番台からもよく見えないのではないかというくらい幅広の衝立だ。
脱衣場は天井高いが船底のように中央部分へ傾斜する形になっている。
厠への扉を開けるとコインランドリーへの扉もある。元はコインランドリーはなく庭か縁側かがあったのかもしれない。
ロッカーを一つ確保し、パパッと服を脱ぐ。
脱衣場には歌謡曲が流れている。親父さんの好みであろうか。
それにしても親父さんとお客さんの会話がやまない。
体重計はアナログのもので、非常にレトロ。静かにお乗りくださいと書かれているが、文字盤にメーカー名等は書かれていない。周りをいろいろ調べてみたが見つけられず。他のお客に変な目で見られだした所で調査を終了。
浴室に入ると広々と快適な空間。
二段式の天井でどちらの天井もやや丸くかまぼこのようになっている。
そしてペンキ絵も素晴らしい。「伊豆 早川」と書かれている。富士と岩に当たる波しぶきが荒々しく描かれている。
島カランは二列。女湯境より7-6-6-6-6-5。立ちシャワーは二基である。
横幅が広い銭湯で、島カランが二列でありながらもゆったりとした通路スペースが確保されている。タイルもきれいに輝いており、貝がらの内側のように光の辺り具合によってはきらきらと光っている。
体をしっかり洗うと浴槽へ。
数は3つ。
外壁側に黒湯の深風呂。
中央にバイブラ、女湯境側には座ジェットが二基ある。
バイブラから楽しむ事にする。湯温は41℃ほどでやや塩素の匂い。しかし細かい泡のおかげと早川氏のペンキ絵を仰ぎ見つつ、至福のひとときを過ごす。
座ジェットはジェットの力が弱めであるが水枕は適度に冷たい。ただ高さがありすぎるので姿勢をかなり良くしないと恩恵には預かれず。
最後に黒湯浴槽へ。
こちらの黒湯はさらっとしている。色もやや薄い気がするが肌触りはマイルド。ジェットがぼこぼこ出ており、バイブラ浴槽のように賑やかな浴槽である。
水曜日の7時から8時に掛けての滞在だったが終始お客は6人ほど。湯がぬるめのせいもあってか浴槽で長湯を楽しむ方が多く、黒湯は特に入りたくても行きづらいタイミングが何度かあった。しかし湯は最高に気持ちいいのでお客の気持ちもよくわかるのである。
さてしっかり温まった所で湯から出る。
脱衣場で親父さんとしばし会話をさせて頂く。
「こちらの銭湯は昭和12年から始めている」
「代沢でも銭湯を持っていたがやめてしまった」
「弟も銭湯をやっていたがやめてしまった」
「背景は早川氏の生前最後の作品である」
「中島氏の事は嫌いである(ケンカを良くしたとの事)」
「設備を増やすと維持費がかかるのでシンプルにやっていきたい」
などなどお聞かせいただいた。
途中、5人の男の子をお連れになっているお父さんがいらっしゃり、脱衣場は一気に賑やかになる。ちなみにそのご家族は男の子ばかりで奥さんの方は一人でのんびり湯を楽しむとの事。
最後に銭湯の親父さんは「大田区銭湯が全てなくなってもうちだけはやめない」とおっしゃっていた。笑顔で楽しそうに他のお客ともお話をされている。秀の湯は元気にいつまでも経営が続きそうな、素晴らしい銭湯である。
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車で行ったのだが、100mほど離れた位置にコインパーキングがある。
民家の立ち並ぶ街並で高層ビル等はない。
車通りも少なめで、静かで過ごしやすそうな一帯だ。
秀の湯は大きな民家のような屋根をしている。
右手にはコインランドリーがあり、暖簾はオリジナルのもの。
「天然鉱泉」と書かれている暖簾だ。
男湯は右手。
下足を預け、木札を手に取る。
正面には傘立て。番台裏の天井部分には招き猫が大小二匹。お客を招き入れている。
脱衣場へは自動ドアであるが、マットを踏み重みで開くタイプのもの。昔はよくこのタイプの自動ドアも街で見たものだが、このところは赤外線のセンサーばかりである。
中から番台で話し声がする。すぐに終わるかと思われたがなかなか話も途切れないため中に入る。案の定番台前にお客がおり、私が入る事で話を途切れさせてしまう。
親父さんに湯賃をお支払いすると無事会話は再開された。
番台は低めだが衝立がされており、女湯を覗く事ができないよう完璧に視界は遮られている。番台からもよく見えないのではないかというくらい幅広の衝立だ。
脱衣場は天井高いが船底のように中央部分へ傾斜する形になっている。
厠への扉を開けるとコインランドリーへの扉もある。元はコインランドリーはなく庭か縁側かがあったのかもしれない。
ロッカーを一つ確保し、パパッと服を脱ぐ。
脱衣場には歌謡曲が流れている。親父さんの好みであろうか。
それにしても親父さんとお客さんの会話がやまない。
体重計はアナログのもので、非常にレトロ。静かにお乗りくださいと書かれているが、文字盤にメーカー名等は書かれていない。周りをいろいろ調べてみたが見つけられず。他のお客に変な目で見られだした所で調査を終了。
浴室に入ると広々と快適な空間。
二段式の天井でどちらの天井もやや丸くかまぼこのようになっている。
そしてペンキ絵も素晴らしい。「伊豆 早川」と書かれている。富士と岩に当たる波しぶきが荒々しく描かれている。
島カランは二列。女湯境より7-6-6-6-6-5。立ちシャワーは二基である。
横幅が広い銭湯で、島カランが二列でありながらもゆったりとした通路スペースが確保されている。タイルもきれいに輝いており、貝がらの内側のように光の辺り具合によってはきらきらと光っている。
体をしっかり洗うと浴槽へ。
数は3つ。
外壁側に黒湯の深風呂。
中央にバイブラ、女湯境側には座ジェットが二基ある。
バイブラから楽しむ事にする。湯温は41℃ほどでやや塩素の匂い。しかし細かい泡のおかげと早川氏のペンキ絵を仰ぎ見つつ、至福のひとときを過ごす。
座ジェットはジェットの力が弱めであるが水枕は適度に冷たい。ただ高さがありすぎるので姿勢をかなり良くしないと恩恵には預かれず。
最後に黒湯浴槽へ。
こちらの黒湯はさらっとしている。色もやや薄い気がするが肌触りはマイルド。ジェットがぼこぼこ出ており、バイブラ浴槽のように賑やかな浴槽である。
水曜日の7時から8時に掛けての滞在だったが終始お客は6人ほど。湯がぬるめのせいもあってか浴槽で長湯を楽しむ方が多く、黒湯は特に入りたくても行きづらいタイミングが何度かあった。しかし湯は最高に気持ちいいのでお客の気持ちもよくわかるのである。
さてしっかり温まった所で湯から出る。
脱衣場で親父さんとしばし会話をさせて頂く。
「こちらの銭湯は昭和12年から始めている」
「代沢でも銭湯を持っていたがやめてしまった」
「弟も銭湯をやっていたがやめてしまった」
「背景は早川氏の生前最後の作品である」
「中島氏の事は嫌いである(ケンカを良くしたとの事)」
「設備を増やすと維持費がかかるのでシンプルにやっていきたい」
などなどお聞かせいただいた。
途中、5人の男の子をお連れになっているお父さんがいらっしゃり、脱衣場は一気に賑やかになる。ちなみにそのご家族は男の子ばかりで奥さんの方は一人でのんびり湯を楽しむとの事。
最後に銭湯の親父さんは「大田区銭湯が全てなくなってもうちだけはやめない」とおっしゃっていた。笑顔で楽しそうに他のお客ともお話をされている。秀の湯は元気にいつまでも経営が続きそうな、素晴らしい銭湯である。
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2009年10月25日日曜日
128.西東京市ひばりが丘 みどり湯
秋も深まり肌寒さも徐々に増して来た10月下旬の日曜日。
愛車で西東京市のみどり湯を訪れた。
みどり湯には駐車場が3台分完備されている。
しかし1台分の駐車場は奥まったとこにあるため、前に1台駐車されている場合はそれを移動させる必要がある。
どうするのだろうとフロントの親父さんにお伺いすると車のキーを預かるとの事。なるほど、ホテルのバレーパーキングのように親父さんが移動させてくれるのだろう。
車を駐車するが付近に煙突が見当たらない。
奥に看板があり、「当湯(みどり湯)はガス燃料の為 薪(廃材)は一切燃せませんので絶対に置かないで下さい みどり湯」とのこと。
ガスなのでご安心くださいというのでなく、薪を置くなというのは意外である。どこかでできてしまった廃材を捨て置いて行ってしまう人間がいるということだろう。
みどり湯は千鳥破風が垣間見える建築。しかしフロント形式に改装されており、よく宮造り建築を拝めない。
そして看板は巨大。
「癒しの湯」「2倍楽しい週替わり銭湯」などなど。紫色の看板で少し怪しげである。
中に入り、下足を預け木札を手に取る。
自動ドアを潜るとフロントに親父さんがお座りになられている。
休憩スペースにはテレビがあり、畳の長腰掛けが一つ。江戸時代のお団子屋さんの表にあるようなものである。
湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。
脱衣場入口の上には「雲海」と記されている。女湯側は「睡蓮」。男女が入れ替わる事もあるのかもしれない。
脱衣場は天井やや高く、折上げ式格天井。
レトロな体重計もあり、「ISHIDA」の股の高さくらいまでのもの。
厠はサッシから縁側に出ていくタイプ。洋式の新しいトイレで広く清潔だ。
庭もあり、池もある。水草がびっしり池に生えており、その隙間を気持ち良さそうに金魚が泳いでいる。この池はフロントの休憩スペースからも見る事ができる。
様々な種類の薬湯が計画されているのが貼り紙で知らされている。
さて緑色に塗装されたロッカーを確保。パパッと服を脱ぎ、浴室へ。
二段式の天井でかなり高い。上の天井はややかまぼこ型にカーブしている。
島カランは一列で外壁側には浴槽があるのでカランはない。外壁側から5-5-8。立ちシャワーは二基。お客は6人ほど。皆さん静かにお入りになられている。なぜか女湯境側のカランにお客が集中しているが、なにか湯の出がいいなど理由があるのかもしれない。
体をしっかりと洗いつつ、女湯境壁にあるタイルを眺める。
つい最近行ったINAXのタイル博物館にあるような西洋風のタイルが貼られている。
紺色で、模様がとてもモダン。それらは白い無地のタイルの中に、少なめに中央寄りに配置されている。
さて浴槽を巡ろう。
奥の壁、外壁に向かってL字型に配置されている。
女湯側には薬湯槽で「米ぬかオリーブ湯」。小さめの浴槽である。
隣は広い浴槽で、バイブラ・緑と赤の赤外線ライト・電気風呂・座ジェット・寝ジェット・スーパージェット(立って浴びる強力なジェット)が並んでいる。そして冷水風呂がある。
向かいにサウナ室があるが、こちらは有料。
外壁に引戸があり、外には露天がある。設備的には至れり尽くせりのフルコースだ。
まずは露天から。
岩風呂であり、かなり大きめの岩もある。ちょろちょろと小さい滝もある。湯温は40℃ほど。ぬるめであるが、外気を浴びながら長湯をじっくりと楽しむ。
4人はゆったり入れる大きめの浴槽だ。
続いてジェット等。
湯温はややぬるめの41℃ほど。バイブラを浴びつつ、赤外線ライトを背中に受ける。
赤外線が体にどう作用するのかは分からないが、何か浸透していくようなイメージを描きつつ湯を楽しむ。
電気風呂は自分にとっては強めである。端の方で控えめに電気を楽しむが、お客の中には深々と壁に背を付け電気を浴びているお方もいらっしゃる。
しっかり体も温まった所で冷水風呂で一度クールダウン。
水温は20℃ほど。体を冷やしながらも背景を眺める。
こちらの背景はペンキ絵。しかしよく銭湯で出会うペンキ絵師によるものではないように見える。富士があり、鶴がおり、今まさに羽ばたこうとしているものもいるが、いまいち迫力に欠けている。いわゆる何も描かれていない空白の部分においても、ただスペースがあるだけで、たとえば空を描くとか、地面を描くとかのベース部分の書き込みが足りないように見える。
どなたが書かれたものだろうか。迫力はないがとても繊細な筆致で他のペンキ絵があるならぜひ見てみたいものだ。
さて最後に米ぬかオリーブ湯へ。
とろみのある黄緑色の湯で、肌がすべすべになるようである。浴槽は狭めで一人か二人でもう次に入るのは勇気が必要といった感じである。
さて湯から上がり休憩スペースで一休み。
畳のイスは風流なもので、時折窓から庭を眺めつつ、火照った体を静かに冷ましていく、そんな贅沢な時間の過ごし方もまた楽しいものだ。
車のキーを受け取り駐車場を見ると、私の車の後ろに一台駐車されている。
すると親父さんがすぐに来てくれ、その車をバックで表通りまで出してくれた。私もバックで路地を抜け、表通りへ。
申し訳ない気分になりつつも、親父さんは笑顔で車の中から手を振って頂けた。一連の動きだけでも今振り返ってみると一つのエンターテイメントとして思い出される。駐車場の扱いづらさはマイナスかもしれないが、それにより一つ借りを作ったような、そんな気分である。
みどり湯は時代に逆らう事なく新しい設備を備え、湯客を迎えてくれる。控えめに物影に隠れている千鳥破風も自己主張はしないが何かを語りかけてくるようである。サウナもあるのでまた来る時はそちらを楽しむ事にしよう。
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愛車で西東京市のみどり湯を訪れた。
みどり湯には駐車場が3台分完備されている。
しかし1台分の駐車場は奥まったとこにあるため、前に1台駐車されている場合はそれを移動させる必要がある。
どうするのだろうとフロントの親父さんにお伺いすると車のキーを預かるとの事。なるほど、ホテルのバレーパーキングのように親父さんが移動させてくれるのだろう。
車を駐車するが付近に煙突が見当たらない。
奥に看板があり、「当湯(みどり湯)はガス燃料の為 薪(廃材)は一切燃せませんので絶対に置かないで下さい みどり湯」とのこと。
ガスなのでご安心くださいというのでなく、薪を置くなというのは意外である。どこかでできてしまった廃材を捨て置いて行ってしまう人間がいるということだろう。
みどり湯は千鳥破風が垣間見える建築。しかしフロント形式に改装されており、よく宮造り建築を拝めない。
そして看板は巨大。
「癒しの湯」「2倍楽しい週替わり銭湯」などなど。紫色の看板で少し怪しげである。
中に入り、下足を預け木札を手に取る。
自動ドアを潜るとフロントに親父さんがお座りになられている。
休憩スペースにはテレビがあり、畳の長腰掛けが一つ。江戸時代のお団子屋さんの表にあるようなものである。
湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。
脱衣場入口の上には「雲海」と記されている。女湯側は「睡蓮」。男女が入れ替わる事もあるのかもしれない。
脱衣場は天井やや高く、折上げ式格天井。
レトロな体重計もあり、「ISHIDA」の股の高さくらいまでのもの。
厠はサッシから縁側に出ていくタイプ。洋式の新しいトイレで広く清潔だ。
庭もあり、池もある。水草がびっしり池に生えており、その隙間を気持ち良さそうに金魚が泳いでいる。この池はフロントの休憩スペースからも見る事ができる。
様々な種類の薬湯が計画されているのが貼り紙で知らされている。
さて緑色に塗装されたロッカーを確保。パパッと服を脱ぎ、浴室へ。
二段式の天井でかなり高い。上の天井はややかまぼこ型にカーブしている。
島カランは一列で外壁側には浴槽があるのでカランはない。外壁側から5-5-8。立ちシャワーは二基。お客は6人ほど。皆さん静かにお入りになられている。なぜか女湯境側のカランにお客が集中しているが、なにか湯の出がいいなど理由があるのかもしれない。
体をしっかりと洗いつつ、女湯境壁にあるタイルを眺める。
つい最近行ったINAXのタイル博物館にあるような西洋風のタイルが貼られている。
紺色で、模様がとてもモダン。それらは白い無地のタイルの中に、少なめに中央寄りに配置されている。
さて浴槽を巡ろう。
奥の壁、外壁に向かってL字型に配置されている。
女湯側には薬湯槽で「米ぬかオリーブ湯」。小さめの浴槽である。
隣は広い浴槽で、バイブラ・緑と赤の赤外線ライト・電気風呂・座ジェット・寝ジェット・スーパージェット(立って浴びる強力なジェット)が並んでいる。そして冷水風呂がある。
向かいにサウナ室があるが、こちらは有料。
外壁に引戸があり、外には露天がある。設備的には至れり尽くせりのフルコースだ。
まずは露天から。
岩風呂であり、かなり大きめの岩もある。ちょろちょろと小さい滝もある。湯温は40℃ほど。ぬるめであるが、外気を浴びながら長湯をじっくりと楽しむ。
4人はゆったり入れる大きめの浴槽だ。
続いてジェット等。
湯温はややぬるめの41℃ほど。バイブラを浴びつつ、赤外線ライトを背中に受ける。
赤外線が体にどう作用するのかは分からないが、何か浸透していくようなイメージを描きつつ湯を楽しむ。
電気風呂は自分にとっては強めである。端の方で控えめに電気を楽しむが、お客の中には深々と壁に背を付け電気を浴びているお方もいらっしゃる。
しっかり体も温まった所で冷水風呂で一度クールダウン。
水温は20℃ほど。体を冷やしながらも背景を眺める。
こちらの背景はペンキ絵。しかしよく銭湯で出会うペンキ絵師によるものではないように見える。富士があり、鶴がおり、今まさに羽ばたこうとしているものもいるが、いまいち迫力に欠けている。いわゆる何も描かれていない空白の部分においても、ただスペースがあるだけで、たとえば空を描くとか、地面を描くとかのベース部分の書き込みが足りないように見える。
どなたが書かれたものだろうか。迫力はないがとても繊細な筆致で他のペンキ絵があるならぜひ見てみたいものだ。
さて最後に米ぬかオリーブ湯へ。
とろみのある黄緑色の湯で、肌がすべすべになるようである。浴槽は狭めで一人か二人でもう次に入るのは勇気が必要といった感じである。
さて湯から上がり休憩スペースで一休み。
畳のイスは風流なもので、時折窓から庭を眺めつつ、火照った体を静かに冷ましていく、そんな贅沢な時間の過ごし方もまた楽しいものだ。
車のキーを受け取り駐車場を見ると、私の車の後ろに一台駐車されている。
すると親父さんがすぐに来てくれ、その車をバックで表通りまで出してくれた。私もバックで路地を抜け、表通りへ。
申し訳ない気分になりつつも、親父さんは笑顔で車の中から手を振って頂けた。一連の動きだけでも今振り返ってみると一つのエンターテイメントとして思い出される。駐車場の扱いづらさはマイナスかもしれないが、それにより一つ借りを作ったような、そんな気分である。
みどり湯は時代に逆らう事なく新しい設備を備え、湯客を迎えてくれる。控えめに物影に隠れている千鳥破風も自己主張はしないが何かを語りかけてくるようである。サウナもあるのでまた来る時はそちらを楽しむ事にしよう。
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