2009年9月25日金曜日

125.狛江市西野川 富の湯

昨日に続き、狛江の銭湯へ。

富の湯は建物がビルのようであるが、入口部分は平屋の模様。
駐車場は建物を取り囲むように三カ所もあり、軽自動車限定も多いものの、正面入口には普通自動車も駐車可能。

建物裏に駐車。ライトアップされている煙突のふもとの細い路地を通って正面へ。











下足入れに靴を預け木札を手に取る。
フロントにお座りになられている親父さんはメガネをかけていて、知的な感じである。
休憩所はフロント正面にあり、立派なソファが並び7人ほどはゆったり休憩できる。大型液晶テレビでは地デジも受信している。

ドリンクはケースにびっしり。ヤクルトやらフルーツ牛乳やらなんでもある。アイスもアイスケースに入っている。テーブルには雑誌が数十冊。風呂上がりも楽しめそうな空間である。

男湯は右手。
脱衣場はビル銭湯にしてはやや高めの天井。
寺岡式アナログ体重計があるが、文字盤が非常に薄くなっている。それにしても塊感のある体重計である。



そしてクラシック音楽が流れている。演歌が流れている銭湯は何軒かあったが、クラシックは初めて出会った。

壁には朝湯の告知。
毎週日曜8時から12時に朝湯をやっているようである。
女湯境には立派な柱時計。塊感がこちらにも感じられて巨大でしっかりとしたイメージの柱時計である。正確に時を刻んでいる様子。時間は23時過ぎである。

柱時計の下は一段出っ張っており、その上にシーサーが一対。女湯側にもシーサーがあるのが見える。女湯側のシーサーの方が大きいようである。

マッサージチェアが置かれている個室があるのだが、そこを覗くとなぜか引戸に坪庭スペースがある。白い石が敷き詰められ、そこを眺めつつマッサージする感じだろうか。

さてパパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室でもクラシック音楽が流れている。
中はほぼフラットに近い逆への字の天井。ビル銭湯にしては高めの天井だ。
タイルや天井が白を基調にしており、くすんでいるため古さを感じさせてしまうが完成した当時はまぶしいばかりに白い浴室だっただろう。

島カランは一列。女湯境より8-5-5-2の構成。立ちシャワーは二基だ。
カランのお湯がぬるめな事ぐらいで後は快適に体を洗う。
イスも桶(無地の桶)も黄色一色で、イスはやや低い。

さて浴槽を巡ってみよう。
まずは外壁側にある広めの浅い浴槽。こちらにはミクロンバイブラ、電気風呂がある。
そして檻に石が入っており、湯が石に当たり、そして浴槽に流れ込んで来ている。特にガリウム石等と書かれている訳ではない。

湯温は42℃ほど。ぬるく感じるがバイブラのおかげで温まりも早い。
やや塩素の匂いが感じられたが気になるほどではなく、のんびりバイブラを楽しむ。
続いて電気風呂スペースへ。
こちらの電気は強力。ぴったり壁に押し当てる事ができない。しかし背中を電極に貼付けるようにして入浴されている方もいらっしゃたので、まだまだ自分の電気風呂レベルは低いと見える。

さてもう一つは座ジェットの浴槽。湯温は変わらず42℃ほど。水枕も完備されているが、残念ながらかなりぬるい。確かに機能はしているが首筋を冷やすほどではない。

こちらに腰掛けつつ、背景を仰ぎ見る。
非常にこじんまりとしたランダムチップタイルのタイル画で、湖面に映る満月の情景。
やや寂しさも漂っている。

一旦立ちシャワーでクールダウン。
続いて露天風呂へ。
外壁側にノブ付きの扉があり、そこを押し開けると露天風呂にでる。駐車場から正面入口まで歩いてくる路地に面している。
海洋深層水風呂と札が出ており、日によって違うようである。
ベンチが一つ。公園にあるようなもの。
そして二人も入れば一杯な浴槽がある。置き物がいくつも置かれており、カエルやうさぎ、そして狸や観葉植物だ。なぜかワインの空ビンも置かれている。
仕方なしにそれらを眺めつつ、湯に浸かる。海洋深層水風呂は濃い水色をしている。
気持ちよいがやや湯の汚さが目立つ。さすがにもう一日も終わる時間なので無理もないだろうか。

中に入り、水風呂へ。
水温は18℃とかなり冷やされている。一人入るとスペースもなくなるほどの水風呂であるが、冷たさで体もビシッと鞭で打たれたように気合いが入る。

サウナ室は入浴料込で500円と書かれている。良心的な価格である。
次に来た時にはぜひ利用しよう。
狛江の富の湯はライトアップされた煙突と脱衣場・浴室に流れるクラシック音楽が印象的な銭湯だ。湯上がりに休憩所で牛乳でも飲みながら過ごす時間も楽しいだろう。
親父さんは接客もご丁寧で気分が良い。ぜひまた訪れようと思う。


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2009年9月23日水曜日

124.狛江市東和泉 狛江湯

シルバーウィーク最終日、道路はどこも混み合っている。
遠くの銭湯ヘ行こうかとも考えたけど、比較的近い狛江市の銭湯へ。

狛江湯は二子玉川よりクルマで10分ほど。
狛江三叉路の近く、ジョナサン前の道路を挟んだ路地を入っていくと見えてくる。



三階建てマンションの一階にある銭湯で、比較的近代的な造りだ。
建物正面には駐車場があり、ゆったり5台ほど駐車できる。



高い位置に窓があり、脱衣場だろうか、女性の声が聞こえてくる。

コインランドリーも併設されており、銭湯入口からも入れるし、コインランドリーから銭湯に入る事もできる。



下足入れに靴を預け、プラスチックの札を取る。フロント形式でロビーには4人ほどが休めるスペースがある。コインランドリーでイスに座って洗濯が終わるのを待っているお方も見える。

女将さんがフロントにお座りになっており、終始にこやかに接客をされている。
右手が男湯。
こちらは珍しく道路側に女湯の脱衣場がある。
男湯側脱衣場に入ると、紅葉等が活けてある。広くはないが細長くL字型に伸びる脱衣場。テレビでは巨人の試合が終了した所。36年ぶりV3を達成したようだ。拍手をしているご老人もいらっしゃる。
ロッカーは50ほど。天井低く、銭湯というよりは公衆浴場という感じ。レトロな趣はどうにも見当たらない。体重計はYAMATOのデジタル式で腰の位置くらい高さのもの。

さて、パパッと服を脱ぎ浴室へ。
浴室もビル銭湯ということで天井低めのフラット形式。
島カラン一列で、外壁に沿う形でカランが並んでいる。全部で27のカランがある。立ちシャワーは一基、ボディジェットシャワーという何穴もあるシャワーが一基。
全体的にタイルは普通の10cm四方の角形で、特徴といえば高い位置から低い位置に掛けて色が濃くなっているタイルを使用しているくらいか。

体をしっかり洗う。カランの湯がやけにぬるいのが気になる。シャワーはちゃんとした湯であるので助かる。シャワーは軟水感を感じるが、非常に薄い感じの軟水度。どこにも記されていないので、真偽のほどは分からない。

さて浴槽へ。
女湯境の壁際に浴槽が並んでいる。大きめの浅い浴槽にはミクロバイブラ。座ジェット二基の浴槽があり、あとは水風呂。サウナ室の正面に水風呂がある。サウナの利用は別料金で350円が必要と扉に書かれている。

まずはミクロバイブラから。
湯温は42℃ほど。
塩素の匂いが鼻につくものの、非常にキメの細かいバイブラに体が包み込まれ心地よいひとときを味わう。
足もしっかり伸ばせ、寝浴も可。

お隣は座ジェットで湯温は同じほど。
水枕完備で、これがしっかりと冷えている。高さは少し高めなので姿勢正しく着座しないと水枕の恩恵にあずかれない。

水風呂の水温はぬるめで24℃ほど。しかしあるのとないのとでは入浴に対する張り合いが異なってくる。何度か湯、水を楽しみ体を温める。

背景もなく、設備も多くないがお客はなかなか多く賑わっている。祝日の5時頃に利用して終始お客は7人ほど。サウナ室を利用されている方が多く、常連さんも多いようで所々で話し声が聞こえてくる活気ある銭湯。

昭和の銭湯というレトロな雰囲気は全く楽しめないが、実用的でクルマで訪れるのにも向いている。次にくるときにはサウナを楽しんでみようと思いつつ、連休最後の入浴を終える事にした。


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2009年9月21日月曜日

123.大田区南蒲田 末広湯

今日は敬老の日。
だからというわけではないけれど、シルバーウィークと名付けられている5連休の真ん中だ。ゴールデンウィークに対してのシルバーだろう。

テレビではUターンラッシュが始まっているというニュースが流れていたが、そんな中自分は大田区の銭湯、末広湯を訪れた。

200m離れたコインパーキングは一時間400円。蒲田総合病院という近代的な建物と夕食の支度をしているのか煮物の匂いが漂う住宅街を抜け、末広湯へ。
隣は駐車場、向かいはマンションの駐車場になっており、付近の空間は開けていて閉塞感はない。



この銭湯は唐破風造りの伝統的建築。やや小さめな印象。女湯側だろうか右手側には厳重に目張りがしてある。



入口は自動販売機が両脇を固めている。オリジナルの暖簾を潜り、左手が男湯である事を確認する。正面にはかさ入れ。番台背中の窓には扇子が飾られている模様。
下足入れに靴を預け、木札を手に取る。
脱衣場からは常連様と親父さんの話し声が聞こえてくる。
番台式銭湯は地域に根ざしている感が強いので、引戸を開けるのに部外者としては若干気構えと勇気が必要である。

そんな事を考えているとちょうど話し声が落ち着き、お客が出て来た所で中に入る。
番台は低めで女湯側が見えてしまう。意識してみないようにまず何歩か脱衣場に入り、振り返って親父さんを視認。湯賃をお渡しする。

目を閉じた状態でお受け取りになる。どうやら番台内側の下に設置されているテレビをご覧になっているご様子。

脱衣場は天井はやや低め。しかしながら折上式格天井。木はわずかにたわんでいる部分がある。坪庭があり、その前には公園にあるような洋風木製ベンチ。窓には冷房中と貼り紙がされている。窓を開け放たないようにしなくては。

ロッカーは外壁側に45。赤札がキーについており、「南蒲田 末広湯」と記されている。少々大きめの札なので持ち運びづらい。
体重計が珍しく、アナログ式なのだが「年令別身長別体重表」と文字盤にあり、その通りの表が書かれている。年令に対して体重がいくつかが分かると、ウェルター級やヘビー級等の階級が分かる。表の下には「取引証明以外用」と書かれているのだが何だろうこれは。
ちなみにメーカー等は書かれていない。

女湯境側には座り心地の良さそうな背もたれ付きのイスがいくつも並んでいる。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
こちらは天井高く…と思いきや二段式の天井でなくかまぼこ型。これは意外である。
お客は5名ほどで皆女湯境側の壁のカランを利用されている。
島カランは一列でこちらにはシャワーなし。
外壁側から8-8-6-8。
島カランの脱衣場より一基は鏡も途切れてしまっており、ない。

誰もいない外壁寄りにカランを確保。
女湯寄りにいらっしゃるのはみな常連さんの様で時折雑談を交わしたり、背中を流し合ったりしている。うらやましい限りだ。
しかも境の壁にはタイル絵があり、それらを間近で眺める事もできる。

体をしっかり洗い浴槽へ。二槽式で浅いものと深いもの。
浅い方は湯温が43℃ほど。しかし柔らかめの湯なので熱さはマイルドに体に浸透してくる。
ジェットが二基あり、勢いは程よい強さ。

水をかぶり、クールダウンの後深風呂へ。こちらには電気も流れている。電極板はよくある白いものでなく、電気がいかにも流れているような金属板。ビリビリと強めの電気が湯に伝わって体に響いてくる。腰掛けてちょうど腰の位置に来る高さなので腰痛持ちの方にはオススメである。

さて背景を眺めてみる。
こちらは昨日に続き早川氏の作品。
「19年5月24日、西伊豆、早川氏」と記載され、荒々しい波と、広大な富士山が男女浴室ぶち抜きで描かれている。やはり晩年の早川氏の作品だけに松や波、雲の描き方等が迫力のある荒々しいタッチ。所々ペンキも剥げて来ており、この先どれだけこちらに残されるものだろうか。できればこの作品も長い期間残されていてほしいものだ。

湯から上がると番台は女将さんにお変わりになられている。
親父さんよりは幾分愛想がいい。挨拶を交わし表に出る。空は闇が広がって来ている時間。6時過ぎ。各家庭の夕食の準備もさらに進んでいる事だろう。
お腹もすいて来たので早く帰宅しご飯を食べようかと思う。



伝統的銭湯であるものの、意外なかまぼこ型天井と荒々しい早川氏のペンキ絵が印象的な銭湯。近所に来たときはぜひ訪れて頂きたい番台銭湯だ。


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2009年9月20日日曜日

122.武蔵野市境 元の湯

久々の銭湯。今月は9月5日に新宿の金沢浴場に行ったのだが不定休日に運悪く当たり、その日は近くの東宝湯を訪れていた。

そして今日は武蔵野市の銭湯へ。
武蔵野市といえば近くの鶴の湯が先日廃業してしまっている。
昭和の香りを感じる事ができたいい銭湯であったのに惜しい限りである。

車で来たのでコインパーキングへ駐車。一日中30分100円の料金設定は良心的な価格である。
元の湯まで歩いて3分ほどだが、途中に「風呂なし4畳アパート、トイレ共同」といった感じの建物がある。

こういった所に住んでいると銭湯が近くにあるのは絶対条件だろう。
元の湯には専用の駐車場スペースもある。よくわからなかったのでコインパーキングに駐車してしまったが、日曜の夜に来て空きは十分にあるようなので専用駐車場を利用するといいだろう。

元の湯は唐破風の表向き。
迫力のある出で立ちだ。

少しイメージが違う気がするが、「健康ランド」と看板が出ている。







大きめの暖簾をくぐるとかさ入れと下足入れ。靴を入れ木札を取る。引戸から中に入ると番台から女将さんの声。上品そうなメガネの女将さんである。
湯賃をお支払いし、ロッカーへ。

脱衣場は天井高く、折り上げ式の格天井。板は艶はないが木の色が美しい。
庭もあり、縁側で一休みする事も可能。
他にぶら下がり健康機がある。
アナログ体重計はHOKUTOWのもの。マジックで第二元の湯と記されている。その昔はこちらは第二元の湯だったのか。それとも第二元の湯が廃業してこちらに託された代物か。答えは闇の中である。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
中はとても広い浴室である。そして背景の富士山の荒々しさ。
お客は5人ほど。島カラン二列で5-5-5-5-5。立ちシャワー二基。カランを確保し、体をしっかり洗う。大型銭湯なので音もゆっくり反響する。そしてゆったりとした時間が流れる。

カランはレバー式で古いもの。湯はぬるく、水は冷たくないがそのレバーのかちっかちっという音に趣を感じずにはいられない。

さて浴槽へ。
こちらは三槽式だ。まず一番広い浴槽は外壁側に「長寿の湯」と書かれ、その下には檻があり石に湯が当たり浴槽に流れ込んで来ている。
そして、ミクロバイブラに赤外線ライトが一基だ。

長寿の湯の石はかなりすり減っていてもうほとんどない。その近くの浴槽の底にはかけらがいくつか落ちている。手に取りいじってみるが、茶色い石で柔らかくぼろぼろと崩れる。湯が毎日当たるといずれすり減ってなくなってしまうだろう。

湯温は42℃ほど。
柔らかく心地の良い湯だ。なぜ二週間も銭湯に来なかったのか不思議に感じる。
ミクロバイブラは細かい気泡が勢いは少ないながらも体を包み込んでくれる。こちらで泡に包まれつつも背景を仰ぎ見る。

早川氏の富士である。「富士川 早川 20.8.6」と記載されている。
富士といっても青い富士でなく、かといって赤富士でもない。土色をしているので土富士と言った所か。女湯側は立つとかろうじて見えるが普通の色の青い富士である。全体的に荒く描かれている富士だが迫力は満点。晩年の早川氏の思いがこもった素晴らしい作品だ。

しかし女湯も男湯も富士というのはあまりないかもしれない。

続いて隣の座ジェットの浴槽へ。
二基あって、湯温は同じほど。勢いはそれほどでもないが、心地の良いひとときを過ごす。

そして女湯境側の深い浴槽は「ハーブ湯」となっている。
湯温はぬるめで41℃ほど。
じっくり温まり、立ちシャワーでクールダウン。こちらの水もやはりそれほど冷たくはないが、それはそれで良しとしよう。

湯から上がり、帰宅する事にする。
この付近は駐車場が多く、古い建物も多い。まとめて地上げされてマンション等になったりしないよう祈るばかりである。
また来たいと思う非常にいい銭湯であった。


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