2008年10月12日日曜日

30.上馬 栄湯

今日は10月12日。世田谷風呂まつりの日である。
これを知っている世田谷区民がどれだけいることか・・・。

とりあえず、二子玉川から自転車で三軒茶屋方面へ。

246をずっと上り、栗の湯を通過し、駒沢大学を通り過ぎる。

すると、右手に斜めに入る道があるのでそこを入ると中里商店街。
そして、コンビニ(サンクス)が見えたところで右を見ると立派な唐破風造の銭湯がお目見えする。「栄湯」だ。












時間は7時くらい。
お客は何人いるだろうか。
風呂まつりの日なので多少多いか。
下足の空き状況をみると、118あるうちの30くらいが使用中。
いや、しかしこれは壊れたかなくしたかしたかもしれないのでどうかよくわからない。
しかし、女湯の方はほとんど鍵はついている。

さて、番台裏の傘入れがよくあるところには何もなく、チラシ置き場になっている。
そして傘入れは下足に入りますと書いてある。
どれどれ、と見てみると下足の奥に丸い穴があいており、傘が入るようになっている。
試してみたいがあいにく傘を持ってないのでまた今度。

22番に靴をしまうが、こちらには奥に丸い穴があいていなかった。

脱衣場に入ると「いらっしゃいませ〜」と親父さんの声。
湯賃をお支払いすると、スピードくじをどうぞと言われる。
世田谷風呂まつりは独自にスピードくじがあるのだ。
神社のおみくじのような箸が入った筒を渡され、それを振り箸をだす。
どうやらはずれのようだ。
「ゆねこタオル」をいただいた。
これは中延の松の湯でもいただいたな。多くあって困るものでもないのでありがたくいただいておこう。

脱衣場を見渡す。これは広い!
中央にロッカーがなく、テーブルが一つあるのみであとは板張りのきれいに輝いた床が広がっている。
道場とは行かないまでも、かなり余裕のある広さ。
天井の高さもあいまって開放感が凄まじい。

男女境にテレビ。その下に招き猫がお座りしている。
ロッカーは壁側に30のみ。
ロッカーの上に「31〜50のロッカーは特に盗難が多いためご注意ください」の注意書きが書かれた札がある。う〜ん、今は撤去してしまったロッカーなのかな。中央には痕跡がないので、番台から見えない位置に置かれていたものだろうか。

奥にはソファがあり、居心地の良さそうな休憩スペースあり。

ちょうど、30あるロッカーの前にじい様達が3人ほどいらっしゃって隙間がないので、しばし休憩。

窓の外はすぐ壁で、「非常口」と書かれた扉が外にあり、壁に「今」と白い字で書かれている。これは何を伝えようとして書かれたものだろう。そんなに古いものではないのでいたずら書きかな。そんな思案を巡らしていると、どうやらロッカー前が空いたようで、服を脱ぐ。

ロッカーは大きめで、開けると男達の汗と湿気の匂い。
う〜ん、これは結構どこの銭湯でも臭う香りだ。

ぱぱっと服を脱ぎ、浴室へ。

おお、広い!
島カランが中央に一つあるが二つあってもいいほどの横幅の広さに一つ。かなり余裕のある広さ。
奥行きも十分で天井も高く、とにかく開放的な心地よさ。圧迫感が全くない。
ペンキ絵のせいもあるだろうし、壁の白さ、淵の青の色、どれをとっても抜けるような心地よさだ。

よく見ればどこも新しくきれいという訳ではないのだが、空気が吹き抜ける感じがある。

う〜ん、しばし呆然とした後、カランへ。
むむ、女湯境側は9つもカランがあるぞ。

体を洗いつつ、床を見るが丸い模様のタイル。継ぎ目がないのか、よく見る四角いタイルと違い面白い形のタイルだ。

では浴槽へ。
右が深風呂。
左が広めでジェット三基を備えている。
ということで二層なんだが、深風呂のバイブラによってボコボコになった湯がどんどんオーバーフローして浅風呂の方へ流れて行っている。

浅風呂はオーバーフローしていないので、どのみち湯の量は変わっていないようだが、けっこう見ていて迫力がある。景気がいい。

ではまずはぬるそうな浅風呂から。

湯温は44℃くらいかな。深風呂に湯温計があり44℃を指しているが、どうやら同じくらいの模様。
少し熱めなものの、肌触りがソフト。とても優しいお湯だ。だからかあまり熱さを感じない。
今日はラベンダー湯で二つの浴槽ともラベンダーの色と香りが充満している。
これが優しさの原因かもしれないが、おそらくこの湯自体が素晴らしいのだろう。

ジェットの一つに背中を当てるが、かなり元気のないジェットで背中を付けるとまったくジェットが出なくなってしまった。
まぁいいか。

立ちシャワーがないので、カランで何度もクールダウン。
この水もまた心地よい。
水の中に鉄が混じり込んでいるが、地下水なのだろうか。
それとも単に水道管の錆かな?
でも冷たく気持ちよいのでどちらでもかまわない。
周りにお客もいないので何度も水をかけることができる。
どうやらお客は自分の他に二人だけの模様。
それぞれ一列を独占状態だ。

では次は深風呂へ。
こちらはとにかくボコボコしている。
熱そうではあるが、足をそろそろと付けてみるとそうでもない。
体も出来上がっているし、湯の柔らかさもあって熱さが気になることは全くなかった。

ラベンダーの香りに湯の肌触りを存分に楽しむ。
何度も水をかぶり、湯に浸かり、を繰り返す。

体を洗いに出ようかなと思いつつも、また湯に入りたくなり深風呂に舞い戻ってしまう。
いやぁ極楽だ。

背景は富士山。
男湯の方にあり、女湯側の方はよく見えないがあちらにもあるのだろうか。

それと、女湯との境にあるタイル画も素晴らしい。章仙の印はないので違うようだが、それでも壁一面に素晴らしい山と河の景色。ヨットも緻密に描かれている。
ぜひ目の前のカランをゲットしたいところだ。

小一時間、じっくり湯を楽しむ。
その間訪れるお客はじい様ばかりであるが、基本的に体を洗わず、簡単に湯で流す程度で浴槽にやってくる。
う〜む、昔は気にならなかったが自分がしっかり洗ってから入るようにしていると、とても気になってくる行為だ。

みなさん体が清潔であるのだろうと思い込むことにし、ここの湯の良さばかりを頭に詰め込みつつ浴室を出る。

ドリンクケースにはリンゴジュースなどがあるが、珍しくビン入りコーラがある。これが80円。安い!
自ら栓を抜き、飲み干す。
なんか薄い気がするが、これはコカコーラなのかなホントに。

それはさておき、とてもすばらしい銭湯だ。
設備や能書きなど、飾りっ毛がないところがまた懐の深さを感じる。
湯の良さを全面に感じてしまうな。

近くにあればしょっちゅう来たいところだが、さすがに自転車で20分となると・・・。
でもまた必ずやってきたい、そんな気になる素晴らしい湯を沸かす銭湯であった。

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