2010年2月27日土曜日

153.渋谷区恵比寿 宝来湯

渋谷区恵比寿にある銭湯、宝来湯へ。

 

 

 
地下にある銭湯で上はマンションのようだ。お隣はミニサイズのローソン。銭湯にコンビニ。実にベストマッチである。その他にも銭湯にラーメン屋なんかもいいだろう。
地下へのやや急な階段を降りると開きっぱなしの引き戸が一枚、その先に左右に下足入れがある。プラスチックの札を手に取り、次は閉じている引き戸を開け中へ。


中は和の雰囲気はなく飾りっけのない公衆浴場というイメージ。フロントの前に休憩スペースがあり、4人程座れそうなソファ。あとローラーむき出しのクラシカルなマッサージ機と普通のタイプのものもある。

フロントには中性的な物腰の若旦那。親しみやすい感じである。
下足入れの札をお渡しするとロッカーキーを頂ける。
サウナ料金は300円。

牛乳石鹸の暖簾を潜り右手の男湯へ。

脱衣場は天井高めで白い天井扇がある。回転はしていないが新しいものなので壊れているという訳ではなさそうである。地下にあるという感じはない、開放感溢れる脱衣場。体重計はTANITAのデジタル。どこを見てもレトロ風味はない。


パパっと服を脱ぎ浴室へ。
こちらも天井は高い。地下と一階部分を銭湯が占めていて、2階からがマンションの空間といったところ。
逆への字型の天井で、白く清潔。島カランは一列で女湯境より6−5□5ー2(□は島、ーは通路)。立ちシャワーは一基ある。


サウナ室が外壁脱衣場側を大きく占領しているため、やや浴室は狭くなっている。それとサウナ室の機械の音だろうか、ごうんごうんと浴室内に終始鳴り響いている。


午後11時程、湯客は5人くらい。訳なくカランを確保し、体をしっかりと洗う。
浴槽は二つ、浅いのと深いのがある。浅い方は側面よりジェットが三カ所から噴出している。湯温は41℃程。外壁側の天井は天窓になっていて、外気が入り込んでくる。今日は春が近いのか風が強い一日だった。夜もまだ風はやや強め。心地の良い風が頬を撫でる。湯につかりながら風を感じるというのは実に心地が良い。都会の空気だけれどもうまく感じた。


続いて深湯へ。湯温は浴槽の底で浴槽同士がつながっている事もありほぼ変わらない。ただ深いだけである。
健康志向か、こちらの銭湯はぬるめの湯を提供しているようである。サウナを利用すれば体もしっかり温まるのかもしれない。しかしながら今日のところは時間をかけて何度も湯につかって出ては冷水を浴びたりなんかして芯まで温まった。


湯から出て休憩所で一休み。
奥さんと来ているので合流して意見を聞く。女湯側にはアナログ体重計があり、HOKUTOWであったとのことだ。それは少しうれしいニュースである。休憩所にあるローラーむき出しのマッサージチェアも、そこに鎮座しているのを見るだけで、どこかほっとするものがあるのである。

 
  
女湯側脱衣場にあるHOKUTOWの体重計




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2010年2月7日日曜日

152.大田区東矢口 第一弁天湯

大田区銭湯、第一弁天湯を訪れた。
日曜の夕方なので湯に浸かりに来るお客も多いのではないかなと思いつつ、50mほど離れた位置にあるコインパーキングに駐車。


第一弁天湯の表向きは非常にユニーク。角張った屋根の様でもあるが、まさか屋根までが四角くなっている訳はない。そうなると雨水の流れが悪くなるだろうし。
横には回れないのでどういった形の屋根かはわからないけど、想像を巡らせるだけで少しばかり楽しむ事ができる。

牛乳石鹸のたれの短い暖簾をくぐると下足入れスペース。
SAKURA-Gの錠前だ。靴を預け、自動ドアから中に入ると左手にフロント。正面に休憩スペース。天井は高く脱衣場の天井が続いているので、番台形式の銭湯を改装してフロント形式にしたものと思われる。

湯賃を女将さんにお渡し。
右手の男湯へ。休憩スペースが中央部分を大きく取っているので広さはないものの、もとの広さがかなりあったものと思われるので、窮屈に感じるほどでもない。

アナログ体重計はHOKUTOWのもの。天井は高いが平べったく、休憩スペースに金属の飾りがぶら下がっているのが見える。昨日訪れた改装したての千代の湯(世田谷区鷹番)に比べると湯客の年齢層は総じて高い。時折咳き込んでいるお方も何人かいらっしゃる。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
中は天井高く二段式。湯煙が充満し視界が悪い。しかし浴室は暖かく居心地が良い。
島カランは二列で女湯境より7-6□6-4□2(□は島、-は通路)、立ちシャワーは外壁側のサウナ室の外壁に二基。
湯客は10人ほどいらっしゃるがカランの数も多いので難なく確保する事ができた。
シャワーの温度がやや高い気もするが慣れると気にならない。
体をしっかりと洗い浴槽へ。

浴槽部分は広く浅い浴槽と座ジェットの浴槽に分かれているがお互いを隔てる壁面が低いのでほぼ一槽といってもいい。

広い浴槽の方はバイブラや赤外線ライトの設備が見えるもののどちらも非稼働。湯を静かに楽しむ事にする。湯温は42℃ほど。今日は薬湯で緑色の湯をしている。そのおかげでぽかぽかとすぐに温まる。このところ東京は気温も低く、本格的に冬を迎えているといった感じなので薬湯はとてもありがたい。

続いて座ジェットへ。さらに浅い浴槽なので寝ジェットに近い形。足を伸ばすと縁にぶつかるので狭さを感じる。縁の上に足を投げ出して湯に浸かる方も何人かいらっしゃった。

こちらの湯に浸かりつつ、背景を見上げたりする。第一弁天湯の背景は直径1mほどの○印が3つ。中はタイルがはめ込まれているが一色なので何かの模様という訳でもない。しばし何を意味しているのか思いを巡らせてみるが、特に何も思い浮かばず。しかし○という印はどう転んでもポジティブなイメージである。句点ととらえればそれはそこでひとまず区切りを付けるという意味でもあるが、○であるか×であるかという所をまず考えるのが普通だろうし、そうなると前向きな背景である。

サウナ室に入る事にする。
赤外線サウナが無料であり、温度は90℃。3人は入る事ができそうだが基本は皆さんお一人ずつ利用されている。木の椅子は何も敷かれていないので皆中に入ると立ったままなのである。砂時計等もないのでひたすら温度に耐える事になる。そして立ちシャワーでクールダウンする流れを何度か楽しみ、浴室から出る事にする。

周辺は住宅街で第一弁天湯を利用されるお客は多いと見える。地元に根ざした銭湯。いつまでも温かい気持ちのよい湯を提供していって頂きたいものである。


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--.目黒区鷹番 千代の湯

 

改装のためお休みとなっており、1月19日に営業を再開した千代の湯を訪れた。

1月16日の湯フェスイベントに赴いた時に雰囲気はわかっていたので、特に大きな感動もなかった訳だけど、やはり湯につかって初めてその浴場の良さがわかるという物だ。

下足入れは鶴亀錠。これは改装前と同じだ。ただ木札はもちろん新しくなっているし、錠前自体すでにレトロな味わいを出しているけれどもこの度新調されたのかもしれない。

湯賃は自販機で支払う。

フロントの女将さんにチケットをお渡し。お客も当然増えただろうし、接客に少しお疲れの様子がうかがえる。

右手の男湯へ。
パパっと服を脱ぎ浴室へ。
湯客は10人程。時間は23時過ぎだ。ほぼ全て学生といっていいだろう。タオルを手にしたまま浴槽に浸かっていたり、脱衣場から浴室に来たかと思うと体を洗わずにそのまま浴槽に直行したり、浴槽のへりに腰掛けたままじっとしていたり。銭湯ルールというものは全く通用しない浴場となってしまっている。

銭湯は湯客の善し悪しにかなり左右される。湯がいいというのも、設備がいいというのも、雰囲気や建物がいいというのも当然あるだろうが、やはりお湯を楽しむ人々がどう過ごしているかというのは肝心要なポイントの一つである。

浴槽は広めの浴槽に体が一つはいる程の円形浴槽、座ジェット、電気風呂がある。
それと水風呂の浴槽、脱衣場よりに個室となって炭酸泉が設置されている。
広い浴槽の湯は41℃程。
照明は落ち着いていて所々スポットライトが湯を照らして雰囲気が良い。そのライトは湯煙を照らし出し、霧のようなそれが時折キラキラと反射して美しさを演出している。

炭酸泉はさほど炭酸を感じないのだが、個室の中ではスチームサウナでするような香りがした。

それとこちらの浴槽は改装前から軟水を使用している。
軟水発生装置が湯をまかないきれていないせいか、シャワーの噴出量が極端に少なかった。一基ある立ちシャワーの湯量も少ない。水はザバザバ出るのだが、どうにも湯は許容量を超えてしまっているようだ。

背景は中島氏の赤富士。中腹に雲がかかっているが、こちらはお弟子さんが白ペンキを染み込ませた布で叩くように描いていた。女湯側の富士も見てみたいなと思うが、湯フェスに行ったおかげで完成した富士は見ていない物の、ほぼ完成状態のものは見ることが出来たのでよかった。

どちらの富士も、その御姿だけで松や、海、岩や波しぶきといったものが描かれていないのでシンプルと言えばシンプル。物足りないと言えばそうとも言えるのではないか。

湯から上がると休憩所で一休み。
さすがに改装しただけあって最新の液晶テレビは地デジを受信している。
銭湯で地デジを受信しているところはなかなか珍しいので、来年のアナログ放送終了で困る銭湯がいくつもあるのではないか。そう思ってるが、総務省がなんとかするだろうか。

学芸大学の千代の湯。
改装したてで快適な設備が備わっており、混雑してなければ極楽のひとときを味わえるだろう。深夜 1時までやっているのもありがたい。
ただやはり、昭和レトロな雰囲気を楽しみたい人たちには物足りなさを感じずにはいられない銭湯となってしまった。学生の街の今後を考えると、こういった形に昇華するのは当然の結果とも言えるのだが。

2010年2月4日木曜日

151.大田区矢口 一乃湯

大田区の銭湯、一乃湯へ。

一乃湯は第二京浜から少し静かな住宅街に入った中にある。コインパーキングが80mほど離れた位置にあるので駐車し、入口へ向かう。

街灯も少なく暗い街並。
そんな中、千鳥破風の屋根が迫力ある姿を見せてくれる。
入口は塀で改装され、モダンな感じになっている。一乃湯の屋号も屋号もきれいに明かりが灯っている。







銭湯浪漫の暖簾を潜り、下足入れで靴を預け、自動ドアから中へ。
フロントにはメガネ姿の笑顔がすてきな親父さん。
フロントの前には横に休憩所が広がっている。奥にソファスペース。そして大きな植木。天井までその幹を伸ばしている。植木のレベルを遥かに超えた、威厳ある作品である。





湯賃をお渡しし、右手の男湯へ。
脱衣場は天井高く舟底天井。
アナログ体重計は大きめのHOKUTOWのもの。フジ自動マッサージ機という年代物の、ローラーむき出しのマッサージ機も現役で稼働しているようだ。
ロッカーを確保し、パパッと服を脱ぐ。
湯客は脱衣場にはいらっしゃらないが、浴室に入るとお二人入る。木曜日の夜9時。余裕を持ってカランを確保する事ができた。

浴室も天井高く、こちらは二段式。
外壁側奥に個室があり、その中に浴槽があるようなので全体的に少し窮屈な印象はある。
体をしっかりと洗い浴槽へ。

浴槽は一つ。もう一つは個室の方だ。カプセル式、とこちらでは呼ばれているようだがどうみても個室である。

ミクロバイブラの部分と、座ジェット部分二基がある浴槽へ。
湯温は42℃ほど。柔らかく泡もきめ細かくバイブラ浴槽は中央部分が勢いで盛り上がっておりそこに入り込んでいくのが楽しい。
奥行きはさほどないため、寝浴で足を伸ばしてゆったり、とまではいかないが背を壁にぴたりと付け足を伸ばせばゆったりと湯を楽しむ事ができる。

続いて座ジェットへ。柵があるので一旦浴室に出てから入る必要がある。
こちらから背景を拝む。
中島氏の女湯ぶち抜きの富士山。状態は悪く所々黒くカビが見えたり、剥げ落ちたししている。日付は19年6月9日となっている。
男湯側には湖にヨット等が見える。

しっかり温まった所で一基ある立ちシャワーでクールダウンし、続いてカプセル風呂へ。
こちらはガリウム石温浴、であり中に入ると湯煙が充満しており、3人ほど入れる広めの浴槽と、その外には腰掛けがあるのでちょっとしたサウナのような入浴方法でも楽しむ事ができる空間になっている。

湯温は43℃ほど。
浴槽の奥には檻があり、柵が付き、その中にガリウム鉱石とカエルの親子が居座っている。カエル親子はガリウム石でできているとは思えないが、色は他のガリウム石に似ていて一瞬見ただけではそこにカエルがいると気づかないほど。

照明も暗めで、湯の音を楽しみながら温浴効果を堪能できる。素晴らしいひと時だ。
しっかり温まり、湯から上がる。
休憩所では大きな植木を眺めつつポカリを飲む。奥さんが今日は一緒だが奥さんも満足しているようである。カプセル風呂、というネーミングには疑問を抱かずにはいられないようではあるが。

大田区の住宅街にある銭湯、一乃湯。
湯も素晴らしいが個室でガリウム石と正面切って向き合う事ができる、ガリウムファンにはたまらない銭湯である。休憩所の木も必見だ。ぜひ訪れて頂きたい銭湯の一つである。


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