2010年5月25日火曜日

159.世田谷区梅丘 山崎湯

世田谷の銭湯、山崎湯を訪れた。

山崎湯は世田谷区役所の近くにあり、静かな住宅街の中にある。
マンションの一階にある銭湯だ。

100mほど離れたコインパーキングに車を停め、煙突を探す。低層住宅地なのですぐに煙突を発見する事ができる。


どんよりとした空模様、雨がぱらついては気づくと止んでいる。地面は常に湿っている一日だった。そんな中途半端な天気に微塵の迷いも感じさせないほど、まっすぐに屹立した煙突が天に伸びている。
所々黒く筋が走っている。荘厳な石柱のようだ。
 入り口は明るく光を放っている。
湯の香りもかすかに漂い、僕の疲れた体を引き寄せている。
屋号は壁に手書きで書かれている。山崎さんだから山崎湯だろうか。

傘立てがいくつも並んでいる。
下足入れに靴を預け、プラスチックの札を手に取る。
中に入ると休憩スペースが広がっている。通りに面している細長い15畳ほどの広さ。ソファがあり、6人ほどはゆったりと過ごせそうだ。

ご主人がフロントにお座りになられている。威厳があり厳粛な父、といった感じだ。しかし接客は至極丁寧、ほっとする。

湯賃をお渡しし、右手の男湯へ。
中に入るとマンション銭湯にしてはやや天井は高く感じる。白塗りで特に趣は感じられないが、手前側の天井寄りの側壁に湖畔の風景画。
その他、体重計はアナログでYAMATOのもの。

厠を拝借したが、和式でかなり部屋が細長い。畳1.5畳の面積が長方形に広がる感じだ。

脱衣場に戻りパパッと服を脱ぐ。
中央部分にゴザ敷きのベンチがある。よく出会うベンチだが、どこで売ってるのだろうか。大工さんがその場でこしらえてくれるのかもしれない。

さて浴室へ。
浴室への入り口は二カ所。中に入ると湯客は4人。平日の夜中はこんなものだろうか。時間は23時ほど。

天井は逆への字型である。1.5階分の高さまで銭湯部分は占めている。
一階が銭湯のマンションに住むと、入浴料金は安くなったりするのだろうか。入り放題だったらかなりのメリットがあると言える。もちろん銭湯好きでなくては大してメリットはないかもしれないが。

空いている事もあり難なくカランを確保。
体をしっかり洗うと浴槽に向かう。

こちらの浴槽は奥の壁に配置された一つの大きな浴槽のみ。
座ジェットが二基、ミクロバイブラ、赤外線、ガリウム石(断定できないが)といったところだ。
まずは座ジェットから。
湯温は42℃ほど。
水枕も完備されているが、冷たさはあまり感じられない。といっても冷え過ぎもよくないので温度調整は難しいところだ。
湯は柔らかく心地よい。43℃に近い温度だ。お客が頻繁に水を埋めている。

続いてミクロバイブラへ。
こちらには赤い赤外線ライトも側壁についており、バイブラを浴びつつ、赤外線を体に当てる事ができる。浴室にある唯一の張り紙はこちらについている赤外線浴についてのもの。三協鉄工所という大田区にある会社が提供している赤外線ライトのようだ。今もあるのだろうか。

背景は基本的に何もないが、線形で女湯境部分に向かって上がっていく。そして中央部分で女湯の線と接合している。モダンな描写だ。

よく温まったところで立ちシャワーでクールダウン。
続いて浴槽の隅にある檻の中に石が入っているところへ。そこに湯が当たり浴槽に流れ込んできている。これは一般的にガリウム石というのが東京銭湯によくあるパターンなのだが、こちらにはどこにもこれに関して張り紙などがない。単なるその辺にある石なのかもしれない。しかしその湯が石に当たり、浴槽に流れ込んでくるという絵を楽しむだけでも入浴のひとときが楽しいものとなる。

しっかりと温まったところで湯から上がる。
脱衣場は音楽もテレビもなく静か。住宅街の静けさはこちらにも連鎖している。
休憩所はテレビがあり、少し音があるが、全体的に静かで落ち着いた雰囲気だ。

外に出てもやはり静か。
一日仕事で疲れた後、銭湯で静かなひとときを過ごし頭を整理するのにちょうど良い。
明日への活力を注入したところで帰宅する事にする。


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2010年5月23日日曜日

158.三鷹市井口 のぼり湯

今日は、三鷹市銭湯、のぼり湯を訪れた。

駐車場は砂利敷きでかなり広い。10台くらい。駐車場からは銭湯のブルーの煙突を拝める。




建物の側面からは屋根が垣間見える。
正面は車通りの比較的多い道があり、挟んで向かい側にはマンション。その麓からのぼり湯を写真に収める。

正面から見ると、千鳥破風の屋根が見えるが入り口は改装され、下の部分はほとんど青色の壁で隠れている。

下足入れは松竹錠。
靴を預け木札を手に取り自動ドアを潜ると中は休憩スペース、三人分くらいの椅子がある。マッサージチェアもあり。テレビを見ながらゆったりできそうだ。

フロントは男湯、女湯を背にして中央部にあり女将さん接客をされている。湯賃をお渡しし、右手の男湯へ。

脱衣場は天井高く背丈ほどの高さまでの壁はグレーでシック、天井は二段式だけど平たく格子状にはなっていない。
改装されて何年も経過してはいないようで清潔だ。

体重計は膝までの高さのもの。パネルが自分しか見えないようになっていて、レンズを見下ろすようになっている。他のどこでもみた事のない、面白い形をしている体重計だ。
ロッカーの鍵も松竹錠、洗面台など新しくおしゃれなものをチョイスされている。庭などはないが清潔なので居心地がよい。

パパッと服を脱ぎいざ浴室へ。
こちらも天井高く、開放感がある。しかし二段式ではなく船底天井。
外壁側は木材が使われたりしているが全体的にはグレーのペンキ、おしゃれである。

外壁から奥の壁にかけてL字型に浴槽が配置されている。女湯境に露天風呂、ドアから出る形になっている。

湯客は10人ほど。お子さん連れの方もおり、賑やかだ。カランを確保ししっかりからだを洗う。島カランの上には落ち着いた灯籠のような照明器具がある。カランの鏡も丸型や三日月型もあり凝っている。

さて浴槽へ。
L字の浴槽はすべて繋がっている模様。奥壁にはミクロバイブラ、外壁にはジェットが側壁から一ヶ所噴出している。
あと、やけに浅い浴槽が手前にある。半身浴ようだろう。湯温もどれも41℃ほどとぬるめで体を気遣った設定となっている。しかしいい湯だ。

続いて露天へ。
ドアを出ると左手にベンチ二基、4人はゆったり座れそうだ。右手に浴槽。岩は若干高い位置にありごつごつとその姿を示している。女湯の境壁があるが、その先はおそらく女湯の露天だろう。
岩に足をかければ子供でも容易に覗けてしまいそうである。

湯温はやはりぬるめの41℃。
5人くらいはゆったり入れそうな大きさである。塩素の香りも全くしない、柔らかさのあるいい湯だ。

さて湯からあがる。
壁には今月のイベントという紙が貼り出されており、生バラ湯やジャスミン湯など、面白そうな湯がイベントとして組まれている。今日は残念ながら何もない日だが、主に日曜、週に一回ほどは楽しめるようだ。


お客も多く、地元に愛された銭湯とお見受けする。
設備もしっかりとしており、清潔感漂う居心地のよい銭湯。
次に来る時はぜひ他の種類の湯を楽しみたいものである。


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