2008年11月30日日曜日

49.大田区南雪谷 明神湯

非常に寒い日。
風も強い。太陽が出ているのが救いか。

今日はクルマで大田区の明神湯へ。
この銭湯は近くに駅がなく、歩くと10分以上かかる模様。
クルマで来ても駐車場はないので、近くを捜索すると東調布公園があり、ここのコインパーキングを利用できる。

明神湯の正面は立派な唐破風造。
しかしもう空は真っ暗なため、よく見えず。
この辺りは街灯も少ないので全体的に暗い。
銭湯は伝統的な造りで昭和初期を思わせる素晴らしい造りなのに、正面には大型マンションが建ち、時代の移り変わりを感じさせる。

入口を入り、下足を預ける。
番台に座る女将さんの背中が見える。

この銭湯は右手が男湯だ。
引戸を開けようとするが、片方は動かない。番台よりの引戸が動いた。













迫力のある男湯の文字。気合いが入るな。
ご丁寧な口調で「いらっしゃいませ」の声。
先にスタンプをいただくのはやめておこう。一見さんと思われてしまうのも気まずいからな。

湯賃をお渡しし、ロッカーの一つを確保する。
サッシの外は庭が広がっている。。後でじっくり鑑賞することにしよう。

天井は高く、格天井。木目がきれいに浮かび上がっている情緒ある天井。
アナログの体重計はKEIHOKUのものだ。
壁の上に「盗難除」の札が貼られている。番台なら盗難も少ないだろうけど、この札の効果も期待できそうだ。思わず微笑んでしまった。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
お客は4人。カランは5-5-5-5-5-6。島カランが二つだが、こちらにはシャワーがない。でも気にせずこの島カランを利用しているお客もいらっしゃる。

立ちシャワーが一基。さて体を洗おう。
湯煙はほとんどなく、うまく湯気抜きがされている。だからといって温度が低い訳でないので居心地がいい。

浴槽は3つ。
深風呂にラベンダー湯。そして普通の深風呂。浅風呂は気泡風呂になっている。

ラベンダー湯から。
湯温は42℃ほど。天然のラベンダーが袋に入り、やや紫の湯の色になっているがほとんど透明。香りがよく、とても柔らかく心地の良い湯。バイブラの泡が肌を優しく通り抜けて行く。
三軒茶屋の栄湯で味わったラベンダー湯にとても似ている。湯温しかり。あちらの方が泡が心地よかったか。

次は真ん中の深風呂へ。
湯温がやや高い気もするがほんのわずかだろう。
背景を眺める。
志摩と書かれ、海と松と青空が見える。ヨットも何艘か浮かんでいる。いい雰囲気だ。
立ち上がって女風呂の方の背景をみるとこれは立派な富士山。
こちらの銭湯は女性の方が少しお得かもしれない。

代わりに女湯境のタイルが富士山。女湯側はどうなのだろう。

さて立ちシャワーで少しクールダウン。
と思いきや、立ちシャワーは湯のみ出る仕組み。
島カランを使ったお客に対しての立ちシャワーということだろうか。
仕方なく、カランの水をかぶる。これでも充分なのだが。

続いて気泡風呂へ。
杉並の小杉湯や清瀬の喜多の湯である湯である。
とても細かい泡が肌に貼り付き、すべすべになるようである。

お客が段々増えだした。脱衣場には少年3人組もやってきている。10人ほどになりそうだ。

しっかり温まり、湯から上がる。
庭を眺めながらネクター120円をいただく。
スタンプをお願いすると女将さんが番台から降りてきて、ロッカーにしまったスタンプを取り出し、ベンチにて押してくれた。しかも5分以上かかって乾かしていただいた。
なんと丁寧なことだろう。

庭には濡縁があり、寒くなければじっくり外で過ごしたいところ。池はないが手入れが行き届いた庭。灰皿が設置してある。
お手洗いは濡縁に出て右手。和式で古く、電気のスイッチがあり得ない高さにある。これは少年にはとても押せまい。
清潔で落ち着くトイレだ。

帰り際、女将さんより「遠くからわざわざありがとうございます」のお言葉をいただいた。

銭湯の近くで住宅が売りに出ていた。
明神湯まで歩いて5秒と行ったところか。
これは十分にメリットになり得る条件だ。検討してみようか。
毎日通いたくなる、女将さんの接客、雰囲気にとても心打たれた銭湯であった。

2008年11月28日金曜日

48.世田谷区給田 給田湯

金曜の夜、めっきり寒くなった11月の終わり。
こんな夜はやはり銭湯。
一週間ぼちぼちがんばって働いた体をじっくり温かい湯で癒すとしよう。

時間は9時くらい。もう遅いので地元世田谷辺りでまだ行ってないところを探す。
まず目星をつけて向かったところは千歳烏山の「松の湯」。

松の湯という屋号を語る銭湯にはハズレはないなと勝手に感じているので、ちょっと期待を膨らませつつも車を走らせる。

コインパーキングに駐車し、目的地を目指す。
京王線の線路のすぐ側に煙突がにょきっと生えている。
コインランドリーがあり、煌々と灯りがともっているが、肝心の松の湯からは灯りは洩れていない。
ちょっと不安に思いつつも、線路を渡り、正面へ。
案の定。
「当分の間休業致します」の張り紙。
遅かったか・・・。
しかし、当分の間っていうのはかなり長いようなイメージである。
先が見えないんだな。でも廃業を決断されなかっただけよかったかもしれない。
いつか復活する日を心待ちにするとしよう。
それでも左右に設置されているコインランドリーは元気に営業中。

というわけで、次は近くの増穂湯へ行こうかと思ったけど、こちらはフロントなのでまた今度。最寄りの番台銭湯というと給田湯があり、そちらへ向かう事にした。

コインパーキングはちょっと離れたところにしかなく、車で行くには向いてないかも。
20分100円。まぁまぁ安い。

給田湯はわかりやすく世田谷区給田にある。
給田という地名も珍しいし、ググってみても給田湯は世田谷区のみ。オンリーワンだ。

給田湯はマンションの一階。
マンションというよりもアパートか。アパ銭?
上には2フロアしかない。
電気は全くついてないので誰も住んでないのだろう。
部屋に行ってみたい気持ちがあるが我慢しよう。
しかし、一階の銭湯部分はかなり天井が高そうだ。2階部分までの高さを銭湯が占めているといってもいいだろう。




















「ゆ ゆ」と書かれた暖簾。とても素直で心に響いてくる。













もう一枚撮ってしまった。














下足を預け、傘置きがよく置いてある番台裏スペースをみると立派なタイル絵。
こうして宝船に守られているかと思うと安心するだろうな。

引戸はからからと軽く開く。
番台であるが、誰も座っていない。
4人ほどのお客に混じって会話をされている中の一人がご主人のようだ。
湯賃を手渡しすると、親父さんは番台の扉を開けお金をしまう。
そしてまたお客との会話をし始める。
そういえば「いらっしゃい」と言われてないな。

脱衣場は天井高く、とてもこの上に部屋があるとは思えない。
格天井のような天井。しかし、正方形の格子ではないので正統派ではない感じ。
それにしても全体的に流れるこの昭和の雰囲気はたまらない。

アナログの体重計はTANAKA製。
庭も見える。広くはないけど、なかなかいいではないか。
それにしても親父さんはよくしゃべっている。
常連さんが来ているからだろうが、お客と時事ネタで盛り上がっている。

さてパパッと服を脱ぎ浴室へ。
こじんまりとしている浴室。しかし天井は高い。本当にこの上に部屋があるのかと思う。
島カランは一つ。5-5-5-5で20。立ちシャワーが一つあり、なんとサウナが無料。
あとでじっくり楽しむとしよう。

奥行きもさほどなく、幅も広くないのだが、とても開放感がある浴室。
天井が高いことの効果はかなりあると思う。
それと、この湯煙。
全体に白く湯煙が広がりぽかぽかとしているのがいい。

カランの一つを確保し、体を洗い始める。
たまたまだがそこのカランはお湯も水もどちらも水色の印がついている。
赤い印がなくなり、水色を付けたのだろうか。

お湯は熱めでちょうどいい。
水を混ぜなくてもなんとかなるが、少し入れるとちょうどいい感じ。

女湯境の壁にはギリシャのパルテノン宮殿のようなタイル絵。
宮殿。給田。
考え過ぎかもしれないが給田と宮殿で掛けているのかもしれない。

さて浴槽へ。
深・浅の二槽式。浅風呂へ。
広い浴槽で片側はバイブラになっている。反対側は檻があり中に石。ガリウム鉱石だろうか。でもどこにも張り紙はなく、ただ湯が石に当たり、それが浴槽に流れ込んできている。

深風呂との境は壁がほとんどないので湯温は同じくらいだろう。43℃ほど。
湯が柔らかくとても心地よい湯だ。
首を浴槽の縁にもたげ、背景を仰ぎ見る。
おお、富士山。ペンキ絵だ。
控えめな大きさであるが立派。手前には湖だろうか。松の木も見える。
女湯との境には島。
剥げ落ちてる部分もなく、状態はかなりいい。しばし湯を楽しみながらペンキ絵の中に自分を投影する。

すっかり体も温まり、立ちシャワーでクールダウン。
そして深風呂へ。
こちらは座ジェットになっていて、二基ある。
水枕があると完全に寝た状態になりたいとこだが、深風呂なので座るのにいいようになっている。こちらはポジショニングが少々難しいか。

さて次はサウナだ。
湿式サウナで温度は50℃の表示。
3人ほどが座れるほどの大きさ。ベンチの後ろにチューブが通っていて、時折そこから水が出てくる。ベンチの汗を流す為のものだろう。
砂時計も何もないが、無料なのは何よりも嬉しい。
何度か立ちシャワーとの往復を繰り返す。最高ではないか。

湯から上がり、火照った体を冷ましていると、やはり親父さんはまた違う常連さんとお話をしている。まだ一度も番台に腰掛けている親父さんを見ていない。
ずっと男湯側の脱衣場に立っており、新聞を見たりテレビを見たり、常連さんとお話を楽しんでいる。まるで友のように会話をしている。

スタンプをもらうチャンスを伺っていたが、話が一段落ついたとこでお願いする。
いろいろ行ってるんだねとのお言葉をちょうだいした。

ドリンクはコーヒー牛乳110円をいただいた。「ありがとうございます」の言葉はなく「うむ」とおっしゃる。帰る時も何もなし。
接客という概念はなさそうであるけれども、とても親しみはわく。お客として扱うのでなく、親父さんが沸かした湯に入りにきた近所の人といったような温かいコミュニティーに加わっている感覚を覚えた。
すぐにお仲間に入れてもらえそうだ。

しかし外へ出てこの建物を眺めるが・・上にある部屋が気になる。
銭湯の上に住むとやはり湿気に困るのであろうか。
床暖房のように床は温かいのだろうか。
一度、住んでみたいなと思う今日この頃である。

2008年11月24日月曜日

47.江戸川区西小岩 吉野湯

東京浴場組合のHPをチェックすると、今日は江戸川区の銭湯はリンゴ湯であるという情報が書かれていた。
三連休の中日であるし、江戸川区へ車で向かう。
駐車場が完備されている吉野湯へ。

駐車場を見つけるまでに時間がかかったが、一方通行の道を進み、なんとか発見。銭湯のすぐ裏なんだけど、一方通行のせいでぐるっと回ってこなければならない。駐車スペースは5台ほど。2台空いていた。ついている。













入口は千鳥破風。立派である。













江戸情緒溢れる粋な暖簾。













リンゴ風呂のポスターもあり。

右手にコインランドリー。下足を預け、入口から入るとすぐにフロント。フロント前にベンチがあり3人ほど座れるようになっているが、ここに座ると受付業務に支障をきたしそうだ。

石鹸とシャンプー・リンスを忘れたので小さいのを購入。90円だった。
リンゴもくれた。女将さんの接客もよく、気分がよくなる。

さて左手が男湯。
脱衣場は天井がやや高く、格天井。焦茶色で趣がある。
番台を逆さにしてフロントにしたもので、天井はフロントと同じ空間でつながっているため、狭く感じるがコンパクトでいい感じだ。銭湯に無駄に広い空間は必要ないのだ。

端にサッシがあり、その先は物置スペースとなっている。現役から退いた模様のTOAと書かれた体重計がひっそり眠っている。
脱衣場にあるのはYAMATO。どちらもレトロなアナログ体重計だ。

パパッと服を脱ぎ、浴室へ。
眼前に広がるは巨大なチップタイル画。いやはや大きい。
ヨットが中央にあり、全体的に青い色。和風では全くないが・・。これもまた良し。

女湯側は滝とのこと(後で奥さんに聞き込みをした)。
カランは8-6-6-5。大型ではないが、小さくもなくちょうどいい大きさの銭湯だ。立ちシャワーは3つ。
体をきれいに洗い、浴槽へ。
時間は夕方くらいだが、お客が多い。今日はリンゴの湯だからだろうか。少年も3人ほどいて、大人のお客は12人ほどいらっしゃる。
活気があるではないか。

浴槽は大きく分けて二つ。
右に深風呂。薬湯になっている。
左手は浅風呂で座ジェット二基、電気風呂には赤外線ライト付き。
そして何もないスペースがあり、ここはゆっくり湯を楽しむスペースのようだ。
まずは浅風呂の電気風呂へ。
湯温は42℃ほど。
電気力は強く、とても壁に設置されている赤外線ライトにピッタリ背中を付ける事ができない。

続いて隣の座ジェットへ。
こちらは深風呂になっており、座ってジェットを浴びる事になる。
ジェットの方には流れがあって来ないがリンゴが11個漂っている。
あと4個がオレンジ。しかしこのオレンジはなぜかプラスチックのもの。なんでこれ入れたんだろう。
あと、リンゴが一個かじられた後がある。子供がかじったのかね。

前に行った練馬の栄湯のリンゴ湯は50個もあったけど、こちらは少ないな。江戸川区の銭湯はリンゴをプレゼントしてくれるから、湯に浮かす分が少なめなのかもしれない。

さて、深風呂へ。
こちらは湯温が42℃後半。
薬湯で「生薬」と書かれている。その側に「じっこう」とも書かれている。そして、備え付けの看板に「宝寿湯」。これは新宿の「弁天湯」にもあった看板だな。
漢方のとてもいい香りがする。
しばしチップタイルのヨットを見ながら湯を楽しむ。
用賀の「栄湯」もこんなランダムな形のチップタイルだった。あちらは夕焼けでやはりヨットが描かれていた。ひょっとしたら同じ会社によるものかもしれない。

さて立ちシャワーでクールダウンし、湯から上がろう。
脱衣場にはソファがあり、自販機もある。フロントに休憩スペースがないのでここで一休み。

次から次へとお客が来る。
銭湯が珍しくなく、とても地元に浸透しているような雰囲気だ。
私が住んでいる二子玉川には銭湯がなく、こんな雰囲気はとてもうらやましい。いつまでも地元に愛される銭湯でいてほしいと願いながら外に出た。
すぐ側にはおそば屋さんがあり、少し惹かれつつも駐車場へ。
明日も休日だ。
明日はどの銭湯へ行こうかと考えを巡らせながら家路へとついた。

46.渋谷区本町 羽衣湯

羽衣湯
今日は羽衣湯へ。
土曜の夜、さてどんな銭湯だろう。

駐車場があるとの事なので、車で向かう。
渋谷区であるが住宅街に入って行く。
そして羽衣湯に到着。
表向きは立派なビル銭湯。






















駐車場はなかなかの広さで7台ほど停められる。けど、自転車やバイクが多く停められて駐車場が狭くなってしまっている。今日はお客が多いようだ。かなり活気のある銭湯の模様。
下足を預け、ふと下足入れ上の壁を見やると、羽衣をまとった天女が彫られている木がある。これは素晴らしい。
その昔、ここが立派な破風造の銭湯だったとき、おそらく作られた彫刻なんだろう。













さて、入口から中へ入ると右手にフロントが見え、左手には広い休憩所。そして漫画が棚一杯に一面並んでいる。ここはマンガ喫茶か?
イスもいくつかあり、10人ほどは休憩しながら漫画が読めるほどの広さ。
すでに7,8人がまったりと漫画を呼んでいる。

さて、親父さんに湯賃をお渡ししスタンプノートをお見せすると「いろんなとこに行かれてるんですねぇ」とご感想をいただいた。渋谷区はまだまだ未踏の銭湯が多い。やはり居住区の世田谷区に行く機会が多いな。

左手が男湯。
暖簾をくぐり脱衣場へ。
天井は低く、寮かビジネスホテルにある浴場のようだ。
デジタル体重計あり。テレビもある。
服をさっさと脱ぎ、浴室へ。
浴室への引き戸をくぐると洗濯機とトイレがあり、洗面所がある。
浴室は階段を上がり、その向こうにある模様。
プールのタイルみたいな壁を見ながら二階へ。
その先には左手にカランがずらっと並び右手に浴槽。
さらに先には浴槽がありそうだ。縦長の構成。

体を洗い流し、浴槽へ。
手前の浴槽は電気風呂と浅風呂。デジタル湯温計があり42.5℃を示している。ジェットもバイブラもない浴槽なのでなんかぬるく感じる。
電気風呂があるのでここでしばし電気を浴びる。電力が弱く、自分でも深く腰掛けて電気を当てる事ができた。電気を当てると指が変な形に曲がり、血管が浮き上がってくる。コリがよくほぐれそうだ。

しかしお客が多い。
年齢層が若く、大学生が多そうだ。うじゃうじゃ湧いて出てくるようだ。そして皆一様にあそこをタオルで隠している。
銭湯でタオルを持ち歩き、しかも隠すとは。若いよな。

奥の浴槽ヘ行こう。
途中右手にサウナ室あり。
ここはホタテみたいな形をしている。ホタテの丸形のとこに奥の浴槽がある。内側は露天の模様。
奥の浴槽はジェットが二基、そしてドリームバスと名付けられた浴槽。あと水風呂がある。
ドリームバスは完全に横になり、くぼみに体を沈める形で寝て、水枕に頭を預けると非常に快適。湯温がぬるく、表示では41.7℃。おかげで浴槽には人間が溢れている。
なかなか体もあったまらんもんな。サウナ室には人が少ない様子。これならサウナも行ってよかったかも。

次は露天ヘ行ってみた。
3人も入るときついほどの大きさ。高麗人参の薬湯となっている。
外気もほどほどに心地よい。湯温41℃弱と一番ぬるい。
壁は高く、天井は空に向けて抜けている。快適。
次々とお客が露天目指して入ってくるので、のほほんとはしてられない。少し温まると後続へ譲る事にした。

予定より時間を早めて湯から上がる。
これだけ混んでいるとゆっくりあったまってもいられない。サウナが少しこころ残りだな。

湯から上がり、ビン牛乳130円をいただく。ちと高い気がするぞ?
それから適当に漫画を一冊チョイスし読みふける。
天井が高いせいもあるのか、少し休憩所は寒い気もする。
もう少し空調をなんとかしていただきたいと感じた。湯冷めが一番嫌だからね。

女湯の方も年齢層は若いと奥さんが話していた。
近所には銭湯が必要な住居に住んでいる若者が多いんだろう。時間は0:00時を回っているので皆電車で帰る訳ではないだ。きっとこの辺に住んでるはずだ。

駐車場に行き、車で帰る事にする。
渋谷も奥が深い街だ。松濤が高級住宅街なら、ここら当たりは一般庶民の穴蔵だ。敷地も狭く、ぎゅうぎゅう詰め。
羽衣湯はミニスーパー銭湯と言ってよい銭湯。
趣は全く感じられないが現代を生き抜く銭湯として、いつまでも頭にとどめておく必要はあるだろうなと感じた。

2008年11月21日金曜日

45.仲六郷 照の湯

金曜日の夜である。
一週間仕事をしてきた自分を湯に浸かり癒してやりたいと思う。

今日は大田区の温泉銭湯へ。
多摩川沿いの仲六郷にある照の湯に行った。
銭湯マップによると黒湯に露天と至れり尽くせり。銭湯天国の大田区だけに、とても楽しみである。

車で向かったが照の湯には駐車場がないので近くのコインパーキングへ。30分100円。なかなか安いコインパーキングだ。

今日は奥さんも側にいる。腹が減ったと近くの食事処を捜索。
商店街の外れのため、お店も見当たらないなと思いつつ「華かがり」というお店を発見。
飲み屋のようであるが、メニューにラーメンの文字も見えるので入店。
中はカウンターのみで8席ほど。ご主人がお一人でやられているようだ。
みそラーメン(600円)、正油ラーメン(550円)、餃子(300円)を賞味。
とてもおいしくいただけた。
割り箸のはいった袋に書かれた「華かがり」の文字が手書きであり、何かぬくもりを感じた。カウンター内側に一枚飾られたお子さんの写真にも胸を打たれた。
こんなお店が近くにあるといいなと思う。
しかし、あまり地元にあるこじんまりとしたお店には今さら行きづらいんだよな。

さてお腹もふくれたところで「照の湯」へ。

こちらはマンションの一階にあるいわゆるマン銭。
暖簾をくぐると天井のパトランプがいくつもついたような回転灯がぐるぐると回る。一応お出迎えしてくれているようだが・・・。
下足入れがあり、壁は一面ディズニーチックな可愛い絵。しかし決してディズニーではない。
おもてなしされている感はギンギンに伝わってくるなぁ。

中に入るとフロント。
休憩所が奥にあり、天井は高い。
つまり番台型をフロント型に改装した感じだ。
となると昔は破風造りの銭湯であり、そして時代の流れでマンション銭湯として生まれ変わったというのだろうか。

女将さんに湯賃二人分をお渡し。
むすっとした感じの女将さんかなと思いきや、お声は優しくほっとする。
休憩所にはテレビあり。
ソファは3人がけ。一人がけのイスが3つほど。
そして奥に大きな大きな花の絵だ。タタミ3枚分ほどはあろうかという巨大ピクチャーだ。
スタンプを押してもらい、奥さんとはここでお別れ。

男湯は左手。
さてここはどんな銭湯であろうか。

脱衣場に入ると女将さんがお客とお話ししている声が聞こえてくる。
フロントの話し声は脱衣場にダダ漏れだ。
「スタンプって何?」とお客が女将さんに聞いているようだ。

脱衣場はマン銭とは思えないほど天井が高い。
伝統的破風造の天井の高さに比べれば、少し劣る訳だけれどもマン銭としたらとにかく高い。
銭湯の良さというものを保ちつつ、マンションにしたんだろう。銭湯への愛を感じる。

まぁとにもかくにもパパッと服を脱ぐ。
浴室へ入ると、いきなり眼前には浴槽が飛び込んでくる。
ここは中央に浴槽があり、周りをカランが囲む形。

桶とイスをとり、カランへ向かう。まずは体を洗うのだ。
おや、ここはイスが備え付けだ。石のイスでそれぞれのカラン前に設置されている。
なのになぜ風呂イスが入口にあったんだろうか。
その理由は石のイスが設置されていないカランがあるからのようだ。
石のイスをどうしても好んで使う事ができない人のためだろうか。

せっかくなので自分はこの珍しい石のイスを試す事にする。
高さは30センチほどでしっかりとした四角のイスだ。
風呂イスに慣れている自分からしてみると少々高いような気もするが、シャワー位置などこの石のイスに合わせた作りになっているようで、使い勝手は良い。

さて浴槽はどこから攻めようか。
中央に集中している浴槽だが、まず高い位置に檜の浴槽がある。そこの湯がオーバーフローし、下の浴槽に流れ込む形になっている。
ここはかなりの優越感に浸れそうだ。後回しにしよう。

低い位置には普通の入浴スペースと、電気風呂、ジェットがある。
ジェットは強烈。体が流されるのでしっかり固定して臨む。
幅が狭く、両手をヘリに乗せてのんびり浸かれる。
湯に浸かる時に手のひらも湯につけていると指がふやけてしまうのでなるべく避けたいところ。
なので快適にジェットと湯を楽しむ事ができた。
湯温は41℃ほど。ややぬるいか。

次は電気風呂へ。
しゃがもうとするが、ピリピリと腰に電気が来る。
むぅ、これは無理だ。やめておこう。
しばらく電気風呂から離れていたせいかすっかり初心者に戻ってしまった。
また次の機会にチャレンジしよう。

次は黒湯。
浴室に入るとすぐ黒湯の浴槽であるのだが後回しにしていたのだ。
3人ほど入れるスペースに黒湯が溢れている。
ちょろちょろ湯が流れ込んでいるが、浸かるとどばっとオーバーフローする。これがとても気持ちよい。
どの浴槽も溢れ出る湯を見るのがいいのである。

湯にアカが浮かんでいるのは見るに耐えないが、溢れ出る湯が排水溝に流れ込んで行くため、湯アカが溜まりづらい。とても清潔なのである。しかも溢れ出る湯を見るのはなんかいいもんである。

ここの黒湯は煮豆の煮汁のようだ。もっとオイリーな感じでつやつやしている黒湯もあれば、薄いところもあった。黒湯にも様々なタイプがある。
こちらは濃いめ。しかしオイリーでなくさらっとしている。
湯温は42℃ほど。
じっくりつかり、芯までポカポカだ。
そうそう、ペンキ絵がこの黒湯槽から見るととても良い眺めなのだ。
ここのペンキ絵はなんと立派な富士であろうか。
女湯ぶち抜きの巨大富士山。
ペンキ絵でここまで巨大な富士山は見た事がない。素晴らしい。
早川氏の作品で西伊豆と書かれている。
ハゲた部分もなく、かなり状態がいいのでつい最近に描かれたものと思われる。日付がないのでいつかは分からないけど。

中央に松が一本。乙である。
それと女湯境の壁の中央当たりにツボが置かれているがあれは何だろうか。
落ちてきやしないか?
そのすぐ側にパイプみたいなものが天井に向かって伸びていて、天井には何やら四角い空気孔のようなものもある。
何だろうかあのツボ。

さて黒湯の源泉へ行ってみよう。
入口の側にあるのだが、温度は18℃。
これまた素晴らしい。
オーバーフローして行く黒湯を眺めるのは心地よく、ペンキ絵も拝める位置。なんと贅沢な金曜夜の過ごし方であろうか。

クールダウンできたところで露天へ。
ここがまたスゴい。
5人はゆったり浸かれそうなスペースに岩を配した露天。しかも黒湯だ。さらにこちらにもオーバーフローの演出あり。
竹(残念ながら偽の竹)壁には小さな穴があいており風も吹き込んでくる。
その穴の外に赤いイルミネーションも見える。和ではないが、内風呂とは雰囲気が違い、またいい感じではないか。
岩には黒湯がしっかり染み込んで黒い岩になっている。これが黒湯の湯の花か?
これだけ染み込むとなると檜に黒湯を注ぎ込む訳には行かないと思う。確かに内風呂の檜の湯には白湯が使われていた。檜に黒湯はなんかイメージ違うもんなぁ。

端に狸の置物あり。なぜかゴルフクラブを振りかぶっている。
極楽。とにかく極楽の湯だ。

中に戻り、源泉でクールダウン。
さらにサウナだ。
まだまだ照の湯は終わらない。サウナがなんと無料。
大田区恐るべし。ここまできてさらにサウナまで提供してくれるとは。
そういえば久が原湯もサウナが無料だった。あそこも良かった。サウナが湿式と乾式あったし。

こちら照の湯のサウナは乾式サウナ。2人も入ると苦しいが、最高は8人ほど入れそう。
温度は80℃くらい。12分計がありそれを眺めながらひたすら汗を流せる。
すこしサウナにしてはぬるい気がするけど、まぁ無料なので文句なしだ。

外に出て水風呂。
そして、サウナ。たまに露天。
そんな循環を繰り返す。いつのまにやら体が一週間の疲れをすっかり忘れてしまっている。

立ちシャワーが二基あるので黒湯を洗い流し、次は檜風呂へ行ってみよう。
ちなみにここの立ちシャワーはセラミックを通して柔らかい水に変化するらしい。
たしかに柔らかい。シャワーの穴が細かいせいもあるだろうが・・。あとこの能書きの影響も大いにあるだろう。

檜風呂はなかなか人気があり、お客は常に7、8人いたがいつも一人か二人は檜風呂に入っていた。
さてどんな感じだろう。
ヘリに手をつけると木の肌触りが心地よい。
そして足が浴槽の底に触れた時に覚える安らぎ。
ふんわりした気持ちになる。白湯なので心が澄み渡る感じがするな。
檜にはやはり透き通った湯がいいだろう。
中央に浴槽があるとカランの人間と目を合わせる事もなく、落ち着いて湯を楽しむ事ができる。お客もみなマナーがしっかりしており、ひたすら湯に専念できた。
素晴らしい。

さて少々時間をオーバーしてしまった。
慌てて休憩所へ。
奥さんと合流し、女湯側の情報を聞き出す。
女湯側の鏡はなんとすべてハート型だったとの事。
男湯は普通に四角なので、ずいぶん可愛い演出である。
あと露天にはガラスがあり、その奥にバイキンマンなどの置き物があったとの事。
そのガラスには上から水が伝って流れ落ちる演出もあったそうで、見てみない事にはよくわからないが見る事もできないので想像でなんとか我慢する。

ドリンクはラムネをいただく(110円)。
休憩所には灰皿があり、タバコが自由に吸えてしまう。
湯上がりにタバコの煙を浴びるのは嫌だな。ここはマイナスだが、大田区の桜館も休憩スペースでタバコはOKだった。
そんなに大田区銭湯に数多く行った訳ではないが、これが大田区銭湯の社会通念なのかもしれない。なので我慢。

華かがりのラーメン、餃子、雰囲気も良かったし、照の湯も最高だった。
近辺に住みたいと本気で思う銭湯だ。
またぜひ、黒湯と早川氏のペンキ絵を味わいにやってきたいと思う。
心も体も心からあったまった11月の寒風吹きすさぶ大田区の夜だった。

2008年11月16日日曜日

44.石神井台 たつの湯

今日11月16日は練馬区の銭湯でりんごの湯をやっている。

というわけで16時半くらいに車で練馬区のたつの湯を訪れた。
霧雨の降る天気の中、駐車場を12台も完備したたつの湯には車が4台駐車されている。




















12台のしっかり舗装され区画が整理されている駐車場を利用できるのはなんと贅沢な事だろう。すでに癒されている自分がいる。

入口は立派な唐破風造。
暖簾は珍しく縦長のものでミッキーマウスとミニーマウスが湯に浸かっているもの。かなり縦に長いので、これは銭湯用ではなく、家庭用のものかな。

下足を預ける。防犯カメラはない模様。
悪い事をする訳ではないが、防犯カメラがあるとなんか緊張してしまう。なので、ないと少しほっとする。

引き戸を開けると、番台には女将さん。

湯賃をお渡しする。番台はよく磨かれていてまぶしいほどに輝いている。床も壁もとにかく清潔だ。

格子ではないものの天井は高く、境にある柱時計は年代物。しっかり現在も時を刻んでいる。境の壁には大きな鏡があり、その下の棚に野菜がいくつか置かれている。300円と書かれているから販売しているようだ。

あと、高さ1mほどの小さなドリンクケースがあり、窓際には畳ベンチ。
そこに腰掛けると窓の外に庭が臨める。
砂利が敷かれ、椅子にテーブルがあって灰皿もあり喫煙できるようになっている。
池はないがとても落ち着けそうだ。

そして日本代表のユニフォームが飾ってある。
地元の選手がオリンピックにでも出たのだろうか。

それにしても最近は奥さんと銭湯に行く事が多く、フロントの銭湯にばかり行っていた為、久々に番台だとなんか見られているようでドキドキしてしまう。そんなわけはないとわかってはいるんだが。

さてさて、パパッと服を脱ぎ浴室へ。

広い浴室。天井も高い。トップは丸くなっていて二段型。
ブルーのペンキがきれいに塗られている。
塗り替えられてさほど日が経っていないのだろうか。
浴室は外気とあまり変わらない温度。湯気抜きが良くされているようだが、ちょっと寒く感じる。早く温まろう。

島カランが一列。8-5-5-7で25。島カランにはシャワーなし。

体を良く洗うがお客が何人か連続でいらっしゃったため、すぐ隣のカランも埋まった。島カランにシャワーがないためどうしても両端が混んでしまう。
そんな中、一名が島カランでじっくり体を洗って流している。

浴槽へ行こう。
ここはなんと浴槽が一つのみ。
当然広々としている。ほぼ長方形であるが、水の蛇口が二つあるため、ひょっとしたら昔は浴槽が二つあったのではとも思うがそれは飛躍しすぎかもしれない。

リンゴがぷかぷか漂っている。赤いのやら青いのやら様々である。数にして50個。
しかし浴槽が広いため決して多いようには思えない。
しかもジェットだのバイブラだので流れがあるのでどうしても一方の片隅に固まってしまっている。

そんなリンゴ達をおじいさんが中央へ手で押しやっている。それを中央に浸かった自分がさらに端の方へ受け渡す。リンゴを全体に平等に回す作業のようだ。

湯温は41℃ほど。ぬるいとは思うが、壁を見ると「熱いときは水をうめてください」の張り紙。これを見たら埋めたい人は喜んで埋めてしまうだろうなぁ。

たつの湯は毎週日曜が薬湯の日と銭湯マップに書いてあったが、確かに今日は緑のバスクリン色をしていて薬湯のようだ。だが、リンゴも入っている訳だから、漂ってくる香りはというと・・う〜ん、なんか中途半端。
しかし湯から上がると体にはほのかにリンゴの香が付いている。
これはリンゴを見ながらのんびり温まるといった感じで楽しむのがいいかもしれない。

ジェットは三カ所あるが、実際噴出しているのは二カ所。
あと、赤外線の赤いライトが付いていて、その前にミクロバイブラ。

後はとにかく広いスペースである。
足を伸ばしてのんびり寝浴が楽しめる。圧力も少なく、長湯が心地よい。
なかなか温まらないので時間をかけてじっくりいくとしよう。

肝心の背景はどうだろう。
こちらは立派な赤富士。
そしてその風景が湖面に映り、逆さ富士となっている。
ヨットも何艘か漂い、そして舟が一艘。二名乗車している。
後は岸辺に民家が一軒。水車が・・・これは全く同じモチーフをどこかで見たな。
どこだろう。
それは四谷の蓬莱湯だ!
赤富士に、逆さ富士、そして湖に民家、水車。
このどれもが蓬莱湯のペンキ絵と同じ構成。
自分の中で連鎖が感じられる。
蓬莱湯の情景が頭に思い浮かんだ。あそこもいい湯だったな。

しかし、少し違うのは湖面に浮かぶ舟か。二名が乗船しているが、これは確か蓬莱湯になかった。

湯から上がり、畳ベンチでクールダウン。
今日はリンゴ湯のせいか女湯側がとても騒がしい。子供達がお母さんと一緒にやってきているみたいだ。

男湯側はじいさまが多く、昔から長くここの常連としていらっしゃってるのだろう。
こんな広い浴槽で、とてもうらやましく思う。
そんな中、野菜を購入されたじいさまがいらっしゃった。
自分も家が近ければきっと購入しているだろう。













表に出ると日はすっかり落ちている。
唐破風の内側がライトアップされ、練馬の街を温かく見守っているように見えた。
そこへ二名のお客がいらっしゃっている。
いつもの銭湯の様子。
何でもないその風景にとても幸せな心地になる事ができた。

2008年11月15日土曜日

43.幡ヶ谷 武の湯

金曜の夜、今日は渋谷区幡ヶ谷の武の湯へ行った。
時間は12時。

武の湯は道路を挟んで、目の前に駐車場四台を備えている。コインパーキングだが、武の湯を利用すれば一時間半まで無料。利用しないと30分500円。
こりゃ事実上武の湯専用駐車場だな。













さて、武の湯へ。
左手に並んでいる下足入れに靴を入れる。
数は全部で108。煩悩の数か。
下にいくつか大きめの下足入れがあるので、ブーツや登山靴(いないと思うが)でも問題ない。

中に入ると小さな休憩所があり、3人ほど座れるようになっている。
そしてフロント。
番台型の銭湯をフロント形式に改装した模様。
天井は高く、フロントの上も天井まで空間が広がっている。

メガネのお若い方、娘さんだろうか。湯賃をお渡しする。
「駐車場ご利用ですよね」
駐車場を使っている場合は初めに申告して、下足板を預けるようだ。

左手が男湯。
脱衣場はフロントがせり出しているし、さらにサウナ室も脱衣場側に設置されている為、狭くなっているかと思いきや、なんとこちらにも休憩所があり、これはフロント前の休憩スペースよりも5倍ほど大きい。
新型のマッサージチェアが4台もあり、イスもあって、さらにプラズマディスプレイ。50インチほどはあるぞ。
しかも、しっかり地デジを受信している。
なかなか銭湯で50インチのプラズマディスプレイに地デジを受信しているところはない。

デジタルの体重計がある。天井は高めだ。
さて、パパッと服を脱ぎ浴室へ。

まず感じるのはとても明るいこと。
蛍光灯がたくさんあり、照らし出しているせいもあるがタイルや壁が輝くほどにきれいだ。

天井には少し黒ずみなど目立つが、蛍光灯が当たる部分は清潔。
気分がいい。

奥行きはそれほどでもない銭湯ながら、横幅が広い。
島カランが3列になっている。
女湯境には水風呂があり、5-5-5-5-4-4の総数28。
立ちシャワーが3つある。

しかし背景が気になる。
いつもはのんびり湯船に浸かりながらチェックするのだが、ここのはあまりにも目立っている。
チップタイルの背景で、赤ん坊を抱える女性と、女湯側には男性。
とても抽象的ではあるが、愛のようなものを漠然と感じる。
女性の髪は長く、それはバックグラウンドになじんでいるので一見、髪のない女性にも見えてしまう。

しばらくするとこの背景にも慣れ、あまり気にならなくなってきた。
しかし巨大で迫力はある背景。あまり威圧感を感じないのは寒色を多く使った色合いのせいか。

体をしっかり洗い、浴槽を攻めてみることにしよう。

外壁側に深風呂でエステバスなるものがある。これは強力なジェットが二基設置されていて、ジェットで湯が浴槽から溢れ出さんばかりにボコボコしている。
体を支えていないと吹き飛ばされてしまうので要注意。ボタンを押してスタートする形式でなく、常にこれだけのジェットを出し続けるその気力が凄まじい。

そのお隣は寝ジェット。二基あって水枕も完備。これはしっかり冷たくて首元がクールダウンされる中、長湯を楽しめる。
そういえばこれらの湯温は42℃ほど。ややぬるめか。

隣の浴槽は浅風呂で湯温がやや上がり43℃ほど。
ミクロバイブラと電気風呂だ。
細かい泡のおかげで湯が柔らかくなり、肌に優しく作用する。
電気風呂は電気力はさほど強く感じないが、とても心地よい。
浅い風呂なのでしっかり腰掛けないとその恩恵にあまり預かれない。

一旦立ちシャワーでクールダウン。
その後、個室になっているラドンを試してみようかと思うがこちらは有料のようだ。サウナ室を利用する料金で入る事ができるのだろう。そういえば銭湯入口にはラドン発生装置があった。これはこの武の湯の売りの一つなんだろう。
しかし、武蔵野市の鶴の湯では銭湯料金内でラドンに入れたよなぁ。それぞれにサービスの価値観は違うからな。

ラドンの正面には水風呂。
ここの水風呂はかなり深くて驚く。1メートルはあるだろうか。
入った時に少し焦るくらいの深さだ。
温度は水温計によると18℃。もう少し高い気もするが、浴槽の底の方は確かに冷たくそれくらいありそう。

浅風呂と水風呂を何度か往復し、体を芯までしっかり温める。

湯から上がると広い休憩所でテレビを楽しむ。
お客は常に7,8人ほど利用していて、混んではいるのだが皆静かに利用しているので居心地が良い。あまり学生や若者が来る雰囲気ではなさそうだ。

ドリンクは自販機が脱衣場にあるが、フロント前にはドリンクケースがありビールも販売している。そんな中、不二家ネクターをチョイス。
銭湯でネクターを売っているのは初めて見た。

フロントは少しお年を召された女将さんにチェンジしていた。さっきの女性のお母様であろうか。

下足番の数字を告げると、コインパーキングに入れるコインを三枚くれた。一枚につき500円分の価値がある模様。
駐車場に行くと、1500円の表示になっていた。

駐車場は満車で、その後からもう一台やってきて駐車場が空くのを待っている。
なかなか盛況な銭湯。日曜は朝6時から営業しているとのことで、とても気合いの入った経営を為されているご様子。50インチのプラズマディスプレイが女湯側にもあったという事で(マッサージチェアは2台だったらしい)、資金も潤沢なのかもしれない。
それだけ地元の人々に必要とされている証拠なのだろう。
銭湯の数が日を追うごとに減ってきている中、今でも生き残っている銭湯はどこかしらに理由があるというものだ。

ラドンを楽しみたかったなという課題を残しつつ、次回に来た時はぜひ入ろうと心に誓い、幡ヶ谷の街を車で疾走し帰宅の途へ付いた。

2008年11月13日木曜日

42.調布市菊野台 寿湯

調布市の銭湯へ。
初めは深大湯を目指したのだが、あいにく今日は木曜日で定休日。
それではと亀の湯へ行ったものの、なんとマンション建設中。残念なことに廃業していたのである。

東京浴場組合のHPで廃業浴場リストを確認してみたが、確かに亀の湯が記載されていた。悲しいことだ。
廃業浴場リストもいいが、あと少しで廃業してしまう浴場リストも欲しいところ。そういった東京全体の情報をつかめるのはやっぱり浴場組合しかないよなぁ。

次に目指したのは寿湯。
駐車場完備、サウナ、露天と設備充実系だ。

通りに面しており、寿湯の全貌がよく把握できる。しかし月極駐車場や私道に阻まれており、目に見えているものの寿湯の駐車場に行くのは狭い私道を曲がり、また曲がりして行くしかない。

ここの駐車場はなんと25台完備。
具体的な台数は砂利の駐車場なのでよくわからなかったが、寿湯のHP(こちら)に書いてあったのだ。え?サウナが50円!?知ってれば利用したのに・・・。

駐車場には車が3台停まっているのみ。これだけ土地があると地主の方も駐車場でなくマンションにしちゃったりするのではなかろうか。自分がとやかく言う筋合いはないがなぁ。













正面は改装され、モダンな入口になっている。「コミカ風呂 HALF TIME KOTOBUKI湯」か。

この入口の向こう側には破風造の屋根が垣間見える。さらに向こうには煙突。「サウナ 露天風呂」と書かれている。

靴を下足入れに預ける。ここは木札の下足入れでなんだかほっとする。
自動ドアをくぐると、すぐ右手にフロント。
やたら笑顔で丁寧な接客をなさるご主人がお座りになっている。
今日は奥さんも引き連れているので二人分の湯賃をお渡しする。
「ありがとうございます〜」とこれまたご丁寧なお返事。
入る前から気分も良くなってしまう。

休憩スペースはかなり広め。10人以上すわれるソファがL字に並び、テレビもある。

男湯は右手。
脱衣場に入ると、天井はやや高いが白い壁紙で趣はモダン。
照明も球形二つで和の体裁は全くない。

壁は藤の花のタイル。このタイルは世田谷のえのき湯のものと一緒だ。
あと、小竹向原の大黒湯。あそこは外壁がこれだったな。
物事はいろんなところで連鎖しているのだ。きっとこの壁もなんらかの理由があり、えのき湯大黒湯と連鎖しているんだろう。

ロッカーの上に軟水の事に関して書かれている。
ここは軟水風呂だ。
そしてそのすぐ右には「貴重品は風呂ントにお預けください」のパネル。
そんなふざけた文章を見てフロントに預ける気にはならんよなぁ。
でもまぁ面白い。
パネルになっているってことは東急ハンズなんかで売ってるのだろうか。

さてパパッと服を脱ぎ浴室へ行こうとする。
浴室への扉ともう一つ、サウナ室への小さめの扉がある。
ここは脱衣場からサウナ室へ行く事ができるようだ。

まぁ自分は50円でサウナを追加できる事を知らなかったので、今回は入浴のみ。

浴室へ入る。
ここは面白い。
よくある銭湯の形式とは配置が全く異なる。
まず浴槽が奥になく、女湯境の壁に沿って配置され、カランは横向きになっていて島カラン2列ある。4-4-4-4-3で19。そしてなぜか座りシャワー(?)が一基。しかしこれにはホースが付いているので立っても使えるようになっている。

立ちシャワーは二基。
右手に通路があり、サウナ室へ行く道となっていて手前を左に行くと露天に行く道となっている。

さぁ、まず体を洗おう。
お客は5人ほど。4つしかカランが並んでいないので窮屈な感じだが、お客も少ないので問題はなかろう。

浴槽を攻めてみる。
まず脱衣場よりの方から。
脱衣場と浴槽の50センチほどの隙間に踏み石スペース。
そして、広い浴槽は大きく浅風呂と深風呂の二つに分かれており、脱衣場側は浅風呂。

まずは何もない浴槽だが、若干ジェットが出ている模様。しかしほとんど感じられない。
湯温は41℃くらいかな。ぬるめ。
つぎはバイブラ。
面白い事に水枕が完備なのでバイブラの上であぐらをかく、といった利用法でなく、水枕に頭を付けてバイブラをももの裏に浴びせるといった感じだろうか。
水枕が全く冷たくないのが残念なところ。
背中のあたりにはジェット二基。下から横から忙しい忙しい。
軟水はやや感じるものの、それほどぬめぬめした感じではない。やわらかさは感じる。

続いて深い風呂へ。
電気風呂がある。電極が二カ所から出ているが、片方は座り、片方は立って利用する。
でも二人が入るには狭すぎるので、どちらも一人でやるしかない。
最近ボウリングをしてやや筋肉痛状態なので電気がやたら気持ちよい。
立って使う方の電極が強力な模様。ビリビリ来て血管が浮き出てくる。あ〜極楽だ。

続いて立ちジェット。
強力なので手すりにつかまっていないと流されてしまう。
しかしここの深風呂は底がよく見えないので注意が必要。
ただでさえ泡で見えないし、しかも浴槽が濃い青を基調としているので暗くてよく見えないのだ。一見さんはとくに危ないな。

そのお隣は丸形のボディマッサージ。それほどジェットは強くないが全身にジェットが当たるので気持ちよい。

浴槽の一番奥にあたる場所にはコミカ風呂。
これがコミカ風呂か。よく銭湯の入口に書いてあったりするが、実際どんなもんかは知らなかった。
イスがあり、座った状態できめの細かい泡が背中に当たり、体にはその気泡が張り付いている。おそらくこのきめ細かい泡がコミカ風呂なんだろう。きっとそうなんだろう。
しかし確信はない。
コミカ風呂=設備のいろいろある近代的な風呂の総称かもしれない。
よくわからない。

背景はかもめのタイル。
なんで?と思う気持ちを抑え、よく見てみると七羽飛んでいる。
少し運気がアップした気分だ。

すっかりほてった体を立ちシャワーでクールダウン。

続いて露天へと向かう。
扉を出ると外気のひんやりした空気に体が包まれる。
天井は天窓となっていて開閉が可能。今日はしっかりオープンとなっていて、満月も見える。
なんと風流な事だ。
浴槽は高い位置に一つ。水風呂。
そしてやや低い位置に一つ。
30cmくらいの高さから湯が注ぎ込んでいる。
岩風呂で照明も暗く、露天のムードがよく出ている。

湯温は意外に高く、内風呂よりも熱めの42℃。
底の穴からあつ湯が湧き出してきている。

充分熱くなってくると水風呂へ。
こちらは22℃ほど。少し水風呂にしてはぬるいかな。

まぁでも何度かここを往復して楽しんでみる。
サウナも利用すればよかったな。
サウナから扉を外に出ないと水風呂に行けないのは少しアクセスが面倒かもしれない。
目の前が水風呂の方が嬉しいだろう。

さて、湯から上がり広いロビーで休憩。
ドリンクケースは巨大。
天井に付かんばかりの高さがある。
ビールやらビンコーラやら何やらありとあらゆるドリンクあり。
その中からマウンテンデューをセレクト。これ好きなんだよね。

ジュース一本買う時にもご主人の接客はご丁寧で最高だ。
今まで行った銭湯の中でこれほど当たりのよいお方がいただろうか。
まったく嫌みがない。
スピーディーさには欠けるが、とても人の良さがにじみ出ている。これがコミカ風呂か?(そんなわけない)

奥さんが出てくるのを待ち、帰宅する事にする。
湯もいいが、ご主人の接客も最高。
疲れは吹き飛ぶ事間違いなし。
心のしがらみも薄らぐほどの接客だ。
なんか自分も人に対していい事をしたいなぁと思ってしまう。
そんな木曜の夜のハーフタイムだった。

寿湯は金曜日が定休日。つまり明日か。
明日お休みだからご主人も機嫌が良かったのかなぁ。
いや、きっといつ行っても心地よく過ごす事ができるだろう。次回はサウナに挑戦することをぽかぽかした心に誓い、帰宅の途についた。

2008年11月10日月曜日

41.下石原 鶴の湯

調布市にある鶴の湯へ。

鶴の湯という屋号は本当に多い。
松の湯や梅の湯も多いが、鶴の湯にはたまたま入浴する機会も多く、個人的に本当に多い気がしている。実際は松の湯が一番多いらしいが。

今日は日曜日。
車で調布市を通る際に鶴の湯へ立ち寄ってみた。




















駐車スペースは4台。
訪れた時間は5時頃で1台だけ空きがあった。
煙突が立派に天へとそそり立っている。













入口は改装されていて本来の銭湯の佇まいというものは包み隠されてしまっている。これまで築き上げてきた歴史があるのだろうが、しかしこの距離からではそれを知る由もない。

入口をくぐり、下足を預ける。
中に入るとフロントが右手にある。左手はロビー。6人ほどが腰掛けることのできるソファあり。テレビもありだ。

笑顔が明るいおばさまに湯賃をお渡しする。
ロッカーの鍵を選んでくださいとのこと。何番がいいか分かるはずもないので適当に一つをチョイス。
脱衣場の鍵はフロントで管理しているようだ。これなら浴室での鍵のすり替えや、鍵を持って帰ってしまったなどなくなる話なのかもしれない。

さて脱衣場へ突入だ。男湯は左手。
YAMATOの体重計がある。シンプルな造りだ。マッサージ機は最新式のものが一台ある。
盗難が発生しましたと張り紙がある。
そういう事件をきっかけにしてロッカー鍵をフロント預かり式に変更したんだろうな。
パパッと服を脱ぎ、浴室へ。

まず気づくのは湯煙。
浴室全体が白く霞がかかったようになっており、ぽかぽかしている。
湯気抜きはしてないのかな。でも、澄み切った空気よりもこの方が雰囲気も高まるし、湯の温度と室温に差がありすぎるのも嫌なのでよろしい。

お客は8人ほど。天井はかなり高い二段式。湯煙のせいで天井もはっきり見えず、余計高いものに見える。
奥行きがそれほど広い訳ではない銭湯だ。しかし設備が充実している模様。
カランが4-5-5-5の19。
そして、女湯境側から仕切られた個室の中に人口ラドン温泉、そして円形浴槽(回転ジェット)。並んで超音波風呂がある。これは長方形をしている。
それから水風呂があり、向かいにサウナ室。なんとここはサウナが無料。

まずはカランを確保し体を洗う。
ここのシャワーは温度が高いな。少々肌がびっくりするくらいだ。

さて、まずは円形浴槽から。
ここには張り紙があり湯温40から41、ぬる湯ですとある。
まず体を慣らしてくださいや、水を埋めすぎると公衆衛生法上問題があるとも記されている。
水を埋める輩に対する厳しいメッセージだなぁ。

湯温は41℃くらいかな。
回転式なので体が流されかけるもそれほど強いジェットではない。
湯が柔らかいな。とても心地いい湯だ。

さて、続いてとなりの長方形の浴室へ。
ここには「あつ湯です 42〜43℃、源湯なので水を埋めないでください」とある。
源湯?この湯が隣の円形浴槽につながっているようだ。

縦長の浴槽なので奥の方ヘ行き足を伸ばす。湯温は確かに43℃ほど。
奥の壁に檻があり、中にガリウム石のようなものがあり、湯がドバドバ当たってこちらに流れ込んでくる。あれはガリウム石だと思うが、記述はいっさいなく「超音波風呂」とあるのみ。
音波は感じられんが・・。

ジェットが二基噴出しており、ゆっくり浸かる。
かなり長い浴槽なので寝浴するのがよろしい。流れ込んでくる湯はなかなか熱く、気持ちがいい。これは最高だ。

さて、一基ある立ちシャワーでクールダウンし、サウナ室へ行ってみる。
無料は嬉しいな。
こちらは湿式サウナで、3人ほどが入ることができる。かなり小さくかわいらしい砂時計が一つあった。

無料だけあって、みなサウナ室をよく利用している。一様に桶を抱えて入ってくる。
出る時にお湯で流すようだ。

どこかのサウナで桶を持ち込まないでという注意書きを読んだことがあるので抵抗があるのだが、ここでは流して出るというのがマナーなのかもしれない。

さてサウナ室正面には水風呂あり。湯温は20℃だ。サウナの後の水風呂は心地いい。目を閉じじっと水に体を浸すと心が自然と落ち着きを見せる。
集中力も高まってくるようだ。

無駄におしゃべりするようなお客もいない。みなこの銭湯を一人で楽しみに来ている。居心地がよい。

さて、残すはラドン温泉。
引き戸を開け、中に入る。
天井には葉っぱがびっしり描かれた壁紙。
少し薄暗く、正方形の浴槽だ。
湯温は少しぬるい。40℃くらいかな。
しずかに身を湯に預けていると、じわじわ体内に浸透してくるような感覚を覚える。
注意書きに汗をかきやすくなるのでよく体を流すようにとある。
これは毎日つかりたい湯だ。

さて、表に出て立ちシャワーでクールダウン。
背景を見ていなかったが、よく探してみるもこちらの銭湯には背景がない。
藤の花を表すようなタイルの並びだが、よくわからない。
世田谷のえのき湯のようなタイル。
まぁ、ここはサウナが無料だし、ラドンもあるので問題なし。

湯から上がり、ロビーでビックル120円を購入。
スポーツ新聞を読みながら、今晩の日本シリーズ第七戦の結果を予想してみる。
巨人が勝てばいいなと思うが、なんか西武が勝ってしまいそうな気がする。

そんなとき男湯側からおじさんが出てきてフロントにキーを渡す。
「さっきの若い兄ちゃんが忘れて行ったよ」とのこと。
あ、ロッカーキーのことか。しまった自分のことだ。
それから入ってきたお客が「駐車場がいっぱいだから困っちゃったよ」とのこと。
あ、自分もクルマだ。早くどかさなくては。

ということでフロントのおばさまにキーのこととクルマをどかしますと詫びを入れるが、笑顔で「いいのよいいのよ」と言われた。

ロッカーキーのシステムはつい忘れてしまっていた。次は気をつけよう。
クルマに飛び乗り駐車場から脱出。
休日だしお客も多いようだ。
サウナが無料。水風呂も心地よく、人口ラドン温泉も素晴らしい。
おばさまの接客もいいし、また立ち寄りたい湯の一つになった。
明日からまた仕事がんばるか。

2008年11月9日日曜日

40.桜丘 世田谷温泉四季の湯

土曜日の夜。
東京はこの季節一番の寒さとのこと。
確かに寒い。
寒いだけでなく風も吹きすさんでいる。

こんな日は温かい湯に浸かり、温かいまま布団に入り込むに限る。

さて、車で環八を北上し、桜丘の世田谷温泉四季の湯へ。
今日は奥さんも一緒である。

奥さんは温泉が好きなのだが、世田谷温泉は名前にこそ「温泉」が付記されているが実際は温泉は湧いていない。
前もってそのことを話さないでおき、後で温泉ではなかったと気づくだろうか。とりあえず内緒にしておこう。

狭い路地を抜けると看板が目に入る。




















住宅街なので他に店はなく、いきなり銭湯がある。
そしてマンションの一階にある銭湯である。マン銭。




















駐車場は5台ほど。なかなか使いやすい駐車場でいい感じだ。
さて、入口から入り下足を預ける。
右手にフロントがあり、左手には広いロビー。テレビを放映中だ。日本シリーズ第6戦。
最後の一球。西武が勝った。久々の第7戦だ。明日は盛り上がりそうだな。

券売機でチケットを購入し、フロントへ。
フロントにはとっても若い高校生らしき女の子。しっかり業務をこなしている。
さて左手の男湯へ。
ここは日替わりで入れ替わるようだ。左側はどんな湯だろうか。

脱衣場は天井低く、まるでジムかプールのようだ。
必要な設備はすべてそろっているが、懐かしさを感じるようなアイテムは・・籠があった。5個ある。おそらく昔はここに破風造の銭湯があり、この籠も愛用されていたんだろうな。マン銭になる時に5個に絞られたんだろうなぁ・・・って憶測大会だ。

パパッと服を脱ぎ浴槽へ。
さて桶とイスをと思いきや、すべてカランの前に出ている状態。どうやらここは入口にまとめることをしないようだ。

しかし雰囲気はプール。
床のタイルは銭湯らしくなく普通のタイル。
そしてカランは少なめで23個。天井は当たり前のように低い。
少々灯りが暗めで落ち着いた雰囲気。
学生三人衆がよくおしゃべりをしている。タイミングが悪かったか?しかしまた出直すという訳にもいかない。

とりあえず体をしっかり洗い、やかましい三人衆を避けるように奥の扉から露天風呂へ。
誰もいないのを確認し、ゆっくりと湯に浸かる。
まず感じるのは塩素臭さ。ほんとにプールのようだ。
雰囲気は岩風呂で、竹の壁で天井まで組み上げられている。
ぽっかり天井から空を見ることができる。近くのマンションなどから覗かれないようにする為には、これくらいしっかり壁を作らないと都会では無理だろう。

湯温は41℃ほど。
ほどほどにして切り上げ、中に入り主浴槽へ。
座ジェットがあり、あとは広い浴槽で電気風呂。すべて同じ浴槽だ。

座ジェットは水枕がない。なかなか心地よいものの、一基しかないと一人で独占してしまっているようで、いつまでも浸かっている訳にもいかず、しばらくして主浴槽の湯を楽しむことにする。
なかなか心地よい湯だ。
充分温まったところで水風呂へ。
温度は21℃。この冷たさが癖になってしまう。

それから電気風呂へ。
威力はなかなか。ピッタリ背中を壁に付けることもままならない。
けれども、前よりは電気風呂が苦手ということもなくなった。慣れてきたのかもしれない。

さて湯から上がり、ロビーで一服。
フルーツ牛乳120円をいただく。
テレビではスウィングガールズを上映中。フロントは女の子からおばさまに変わっておられる。
マッサージ機が二台、足モミマッサージ機もある。

奥さんと合流し感想をヒアリング。
女湯側には薬湯があったそうで、今日は人参の湯。代わりに露天がないとのこと。少々優越感に浸るものの、塩素臭いからなぁ。

住宅街の中にとけ込む世田谷温泉四季の湯はクルマで行きやすい銭湯。
寒い季節につい立ち寄りたくなる銭湯だ。趣はないけど、懐古主義に走ることなく、湯を楽しむ実用的な雰囲気がビシビシ感じられる今風の銭湯だ。もちろんペンキ絵もなかった。それはそれで寂しいが、マンション銭湯で無理矢理ペンキ絵を書くのもどうかと思うのでこれはこれでいいのだろう。

奥さんは世田谷温泉には温泉が湧いていないことに気づかなかった模様。やはり一般客にとってはそこに気づかない人もいるだろうなぁ。ぜひ紛らわしくない名前にしてもらいたいものだが・・。

39.余丁町 弁天湯

一週間仕事をしてきて、一番テンションの上がる金曜日。
そうだ、銭湯へ行こう。

というわけで仕事が終わり、クルマで新宿の銭湯へ。新宿に駐車場付の銭湯もあまりないが、銭湯マップを眺めていると弁天湯に目が止まる。

露天付である。
弁天湯にクルマで行くには一方通行の道をかなり離れた道より入り込まなくてはならず、車幅が1.8mあるのでカーナビがその道を案内してくれず、しばらく時間がかかってしまった。

というわけでかなり狭い路地に弁天湯は存在している。横に更地があり、売り出し中のようだ。おかげで煙突が天に向かって今にも打ち上げられんばかりの迫力を味わうことができる。

駐車場は5台。
すでに二台停まっており、水戸ナンバーがある。水戸から銭湯マップを頼りにやってきたのか。んなわけないか。
























さて入り口は駐車場の裏側。コインランドリーが左手にあり、入り口は改装されている。
側面から見た時にもわかるように昔は破風造が全面に来ていて銭湯の趣を感じられたんだろう。今では少し離れて背伸びをしないと見えない。

下足入れに靴を入れ、自動ドアのいきなりの素早い動きと大きい音に多少ドキドキしてしまう。

フロントが左手にあり、奥は立派なロビー。ソファや椅子が並び、8人位はゆったり過ごせそうだ。
プラズマTVもある。しかしあれは地デジじゃないな。アナログ放送を受信している。

フロントには恰幅のある親父さん。お若い感じだ。お歳は40くらいかな。
湯賃をお渡しし、右手の男湯へ。

番台形式を改装した形で、フロントスペースには屋根もないのでよく脱衣場の様子が把握できそうだ。
脱衣場からフロントに話しかける小窓もあるし、コーナーミラーがあってフロントから監視できるようになっている。

脱衣場は少し高めの格天井。やや明るめの木の色が鮮やかである。

女湯境の時計をよくかける壁の位置にやたら大きな時計。ツリーの形でいくつもの穴があいている。人形が見えるので、時間になると出てくるのだろう。かなり賑やかになりそうだ。

脱衣場にもテレビあり。ここはテレビが多い。フロント正面の天井近くにもあったんで、女湯側があるとして4台はあるのかな。

デジタル体重計にマッサージ機はふくらはぎもやってくれるやつ。ロッカーも新しい。懐古気分を味わうことができるアイテムは見当たらないかな。

さてパパっと服を脱ぎ浴室へ。

全体的に清潔な雰囲気。白が眩しい。
カラン前に椅子・桶が出っぱなしのとこが多いようだ。この辺りのお客は片付けないのが流儀なのか。

浴室の広さは中型銭湯と行ったところで島カランが二つ。5-5-5-5-4。外壁側にはカランがなく、露天岩風呂への引戸と水風呂、サウナ室がある。女湯境に立ちシャワー二基。お客はまぁまぁ混んでいて7人ほど。

体を洗い、浴槽巡りへ。

まずはぬるそうな薬湯へ。
丸形の浴槽で宝寿湯(高麗人参等)と書かれている。
湯には茶色の色がついており、ほのかに漢方の香りが漂っている。

湯温は40℃ほど。じっくり長湯ができる気持ちのよい湯だ。

丸形の浴槽は少しカラン側にせり出しており、その後ろに大型浴槽が広がる。
外壁側にはミクロバイブラ。すぐ側からは湯が滝のように流れ落ちている。
大型の浴槽は42℃ほどだ。
バイブラはモリモリ泡が湧き出ており、静かに座っていられない。しかしそこが腕の見せ所。あぐらをかき、しばらくバイブラの勢いをバランスよくしのぎきる。

さて、続いて寝浴。二基あり、水枕は残念ながら設置されていないものの、角度がよく寝心地はよい。

お隣は足温浴。ここからは深風呂になっていて、座った時にふくらはぎなどをジェットがマッサージしてくれる。
それから、スポットパワー。威力の強いジェットだ。
あとはつぼ浴。小さな丸形浴槽にはまるタイプのやつ。浴槽が色々あり、楽しめる感じだ。

立ちシャワーでクールダウン後、引き戸を開け露天へ移動。
建物横のスペースを有効活用し、岩風呂とちょっとした庭となっている。

岩風呂は外気を若干感じることができる。
湯はカモミール湯とのこと。
ヘルスケミカルの黄緑の湯だ。

岩風呂はいいが、湯の色がちょっと岩風呂にマッチしていない。
湯温は42℃くらいかな。

中に入り、背景を探してみるが、この銭湯にはペンキ絵などが全くない。
奥の壁がせりだしていて造花が一列並んでぶらさがっている。
せりだし部分に赤外線ライトが四色ならんでいるがこれは体に何か作用するのかな?
下の浴槽をかすかに照らしている。

再び浴槽に浸かり、十分に温まったところで水風呂へ。
温度はなんと16℃。
入るとわかるがかなり冷たくて素晴らしい。

火照ったからだがきゅっと引き締まる。
湯から上がり、ロビーで一服。
ドリンクはかなり豊富。アイスもある。
ビンのコーヒー牛乳100円を一気飲み。あ〜うまい。
ロビーには賞状が二つあり、衛生的に素晴らしい浴場ということで受賞したことがあるようだ。確かにかなり清潔だった。

賞状に書いてあるが、ここのオーナーのお名前は銭元さん。
なんと銭湯をやるべくしてやられているような銭湯にぴったりのお名前ではないか。

サウナは未体験だが、次ぎにくる時はじっくり楽しむとしよう。
余丁町の銭湯は、モダンに生まれ変わった形跡がはっきりとわかる銭湯。見事に次の時代へモデルチェンジを果たしている。
これからも末永く素晴らしい湯を人々に提供していってほしいものだ。

2008年11月3日月曜日

38.下石神井 栄湯












下石神井の栄湯へ。と、言いながら写真は石神井台のたつの湯である。
今日は月曜日。祝日なので車で銭湯へとたつの湯へ向かったところ、こちらは月曜が定休日。
悲しいかな煙突から煙は出ておらず、敷地内にあるコインランドリーにお客が二人いるのみ。
しかし、駐車場が12台もあり、番台形式で昔ながらの唐破風造。あ〜入りたい。

そんな気を押さえつつ、近くの富士の湯へ。なんとこちらも月曜が定休日。
しばし、停車してじっくり銭湯マップで作戦会議を行う。
そして、下石神井の栄湯へ向かうことにした。

番台でなく、フロント形式であるがいたしかたない。
時間は夕方の5時頃目的地へ到着。
住宅街の中でマンションの側に栄湯はあった。

煙突から煙が出ている。営業しているようだ。
駐車場は3台。一台だけ埋まっていたが、自分が駐車した後すぐにもう一台駐車して満車。
ちなみに一台はベンツである。

さて、栄湯の入口へ。
コインランドリーが併設されており、屋根は普通の住宅のようだ。かなり平べったい屋根。まさか千鳥破風ではあるまいな。
とても清潔感が漂う銭湯入口である。

下足を預けるが番号がピンク色で女湯側かと思うものの、これしかない。ひょっとしたら改装時に男湯側はなくしたのかも。勝手な憶測だが。

入ると右手にフロント。
お若い女将さんがいらっしゃった。
正面にはソファ、休憩スペースになっている。右手が女湯だ。
銭湯マップには男湯のみ露天となっていたが、確かにマンションがすぐ側にあるので露天を作る訳にはいかないのだろう。

さて脱衣場へ。
もともとの脱衣場スペースを番台からフロントに変えたタイプなので面積は狭い。
お客が4人ほど座ってテレビを見ている。剣道の試合を中継しているが、あれやこれや討論をしながら見ている。剣道が盛んなのかなこの地域は。

洗面台が一つ、デジタル式の体重計。懐かしさを現しているものはローラーむき出しのマッサージ機くらいなものだ。

さてさて、ササっと服を脱ぎいざ浴室へ。
夕方だが文化の日だからかお客が多い。10人ほど。
カランの空きはあるにはあるが、盛況だな。

大きさは中型銭湯といったところ。天井は二段型で高いけど、いろいろ浴槽があり工夫された造りになっている。

まず左手からサウナ室。そして外への扉があり露天。水風呂の浴槽、そして寝ジェットが二基、丸形のボディマッサージ、電気風呂、最後にカルシウム温泉。そう、ここには温泉があるのだ。人工的に温泉成分の湯を作り出す仕組みのようだ。

体を洗い、さっそくカルシウム温泉から。
浴槽のヘリにじいさんが腰掛けており、このお方は最後まで常にこの浴槽を独占しておられた。カランもすぐ側。かなりカルシウム温泉に魅かれていると見える。
しかしあまりヘリに腰掛けないでもらいたいよなぁ通路が狭くなる。
常連でないのであまり大きなことも言えない。静かに湯を楽しむとする。

ここは深風呂になっていて、正方形の浴槽。湯温は41℃ほど。ぬるめ。
カルシウム温泉がしみ出している機械のようなものが壁に設置されている。エアコンの室外機みたいなものからじょろじょろと湯がしみ出してきている。
少し色がついた感じもするがほぼ無色。
長く入ったが芯から温まる感じだ。いい湯だ。

次は電気風呂へ。
ここの電気風呂は幅が広く、二人が並んで座ろうと思えばできなくもない。
真ん中に座ると電気の威力は弱く感じる。
なので少し片方に寄って電気を当てる。
なかなか快適。浅風呂なので上半身に電気が集中するが、もし下半身に当てたければ立ってやるしかない。

さて、次にボディマッサージ。
たまにある丸形の浴槽にはまるタイプのものだ。
ここの丸形は浅風呂なので面白い。小さい丸形なので両足が隙間からうまく出ない。すこし突っかかりながらも泡を体験。これは心地よい。客観的に見ると少し情けないのが玉に瑕である。

立ちシャワーは一基。そろそろクールダウンしよう。
ここの水はかなり冷たい。井戸水なのか?

次に寝ジェットへ。
水枕完備。しかも冷たさは完璧。完全に横になると水枕の恩恵に預かれないので、姿勢正しくジェットを背中に当てる。

ところで背景はどこだろう。
ここの銭湯には背景が全くない。
タイルでなんか山の形をしているような模様はあるものの、全く鑑賞に堪えうるものではない。
やはり少し寂しい気がする。女湯境の壁の上にステンドグラスがある。少し、モダンなイメージになるが大きさは小さいので印象は薄め。

気を取り直して露天ヘ行こう。
引き戸から外へ。
広さは二人が足を伸ばすといっぱいになってしまうくらいの浴槽。岩に囲まれ、苔むしている箇所もある。浴槽自体は石でまっすぐ作られているので岩が載っているといった感じ。
湯温は42℃ほど。
壁でしっかり外が見えなくなっているが、外気を浴びることができ心地よい。
天井は空いていて、見上げる形で迫力ある煙突を鑑賞することができる。
「♨ 露天風呂 サウナ 栄湯」と書かれている。
あれだけ大々的に宣伝されている露天風呂に今まさに浸かっているのは自分なのだなと思うと少々優越感に浸れる。

お客は浴室にたくさんいるものの、この露天を目指している人は少ないようで、何回か露天に来たが一度もお客が入っていることはなかった。サウナやカルシウムの方が人気があるようだ。

まぁ、煙突をじっくり眺めることができるのはレアなことだ。世田谷のノザワランドは露天で煙突を仰ぎ見ることができるが、それとまた違った角度(煙突に近い位置)から見上げる形になる。また見に来たいと思う。

それから水風呂へ。二人ほど入れる大きさで20℃ほど。心地よい水風呂だ。サウナを利用せずとも入れるので、何度か往復を楽しんだ。

湯から上がり苺ミルクを飲む。
ロビーでは何人か常連客の楽しそうな声が聞こえてきて、脱衣場でも4,5人がテレビを見ている。湯だけでなく、仲間とのコミュニケーションを楽しむのも銭湯の良さ。
銭湯巡りをしていると常連となり、その銭湯で仲間を作ることができないので少々切なさを感じる時がある。
いつしかここぞという銭湯に出会えたら、そこの近くに家を買い、住んで常連となることが夢である。いつまでもその銭湯がその街に生き続けられるように協力できるような、そんな人生を送るのが幸せだと思う。

37.西品川 宮城湯

三連休の中日、西品川の宮城湯へ行った。

ホームページが(こちら>>>)あり、見ると入浴料が400円となっているが、これは何かの間違いだろうな。

奥さんを引き連れクルマで向かう。夜中の9時くらいだ。
下神明駅の近く、すぐ側を新幹線が走り抜ける。

宮城湯へ到着し、地下の駐車場へ入れようかと思うが190cmある我が四駆は天井に引っかかる模様。何cmまでという注意書きがなく、実際ぎりぎりまで突っ込んでみて無理そうなのでやめることにした。

近くのコインパーキングへ停め、お腹が空いているので何か食べるとこを物色。

宮城湯から左へ直進し50メートルくらいのところに中華料理屋あり。
お客は誰もいないようだが気にせず入店。
白髪まじりの親父さんが一人でお店をやっていらっしゃる。
テレビがあり日本シリーズ第二戦をやっている。

メニューを見て、奥さんはネギソバ650円。自分はゴチャ丼650円。ゴチャ丼とは野菜がたくさん入っており、にんにく、卵が効いてる丼とのこと。
なかなかおいしく、スタミナも付いた。見た目は悪かったが・・・また食べたいぞ。
奥さんによると、ネギソバもおいしかったとのこと。コチュジャンが初めからレンゲに乗っており、入れるしかない状況に少し戸惑ってはいたものの、満足したようでよかったよかった。

さて、宮城湯へ。












まずいきなり二階へ上がる必要がある。
そしてすぐフロント。

湯賃をお渡しし、男湯は下へ。女湯は上。これは二日おきに変わるそうだ。
そして二階には立派な宴会場がある。

二手に分かれ、脱衣場へ。
天井はもちろん低い。
そして演歌が流れている。こういう若者を寄せ付けない雰囲気、まぁまぁ好きだなぁ。
体重もデジタル、ロッカーも普通。レトロを感じさせるアイテムは何一つない。

パパッと服を脱ぎ、浴室へ。

カランが並び、奥に巨大浴槽が一つ。左手にはまた巨大浴槽。左奥にドアがあり、別室があるようだな。
まぁ、ひとまずはカランを確保し、体を洗ってしまう。

お客は二人ほど、しかし自分が体を洗い浴槽へ向かう頃に自分だけになった。なんてラッキーなんだ!と、思いきや、少年やらその父、またもう一人少年と次々とお客が増え始めた。
銭湯にはお客がたくさん来てほしい。だから文句は言わない。

さて、浴槽の一つへ。
寝ジェットが二基、そしてバイブラ。白湯かな。
湯温は42℃ほど。
ペンキ絵もないのでどこを見るという訳でもなく、ただしばらく横になっていた。
天井も低いし、なんか風情は感じられない。湯を純粋に楽しむか。

次は天然温泉浴槽へ。
その隣には水風呂があり、サウナ室も見える。

温泉は透明でやや茶色が付いているがほとんど透明だ。湯温は40℃。
広いので足を伸ばして4~5人は浸かることができる。
心地よい。
芯まで温まるようだ。ぬるいので時間はかかるが、それほど混んでもいないので気にすることはない。

さて、ドアをくぐり別室へ。
このドアが閉まる時にドタン!というので閉める時はお気をつけ下さい。

それはさておき、狸の置物あり。そして岩風呂だ。こちらはもっと広く、5~6人は余裕で入れそうだ。
やはりぬるく、41℃ほど。
窓は閉め切られ、景色も何もないので別室に出たところで何の感動もない。
まぁ岩風呂だから少し雰囲気はいいかな。
ドアが閉まる音でびくっとしてしまうが。

湯から上がることにする。
昨日、今日と銭湯から一皮むけた、つまり一歩進化を遂げた銭湯へ来た。
しかし何か心に隙間ができている。
もはや湯で体を温めるだけでは満足できない自分が出来上がっているのだ。
また、この満たされぬ心を埋めに、東京の銭湯を巡る小旅行に出る。
いい銭湯に出会えるといい、そう願いながらコインパーキングへと向かう。

・・・
奥さんに話を聞くと、屋上の露天はよかったとのこと。
また来てみよう。
また中華料理屋にも寄ることにしよう。

宴会場にも行ったが、かなり広く、60人は入れそう。
気楽な雰囲気なのでぜひ寄って見よう。カラオケがあったが知らない人の前でいきなり歌うのは勇気がいるだろう。

--.戸越 戸越銀座温泉

今日は戸越銀座へ銭湯に浸かりに行ってきた。

しかしスタンプカードを忘れたので、入浴した数にはカウントしてない。
今日はクルマで奥さんを引き連れて行った。

戸越銀座は日本でも有数な巨大商店街。
夜はすでに10時を回っており、お店もほとんどシャッターを下ろしていたけど、それでも人通りはちょいちょいある。そんな歩行者をかわしながら、戸越銀座温泉へ。

まさに商店街の真ん中にその銭湯はあるのだ。

駐車場付きということで、堂々と車で突入を試みるも、駐車スペースは三台のみ。
もちろん満杯で近くのコインパーキングへ。

今日は三連休の初日ということもあり、さらに戸越銀座温泉はリニューアルをした銭湯でもある訳で、混んでることは覚悟の上だ。

入口は戸越銀座温泉のホームページ(こちら>>>)にもある通り、立派なもの。もはや銭湯という言葉では片付けられない迫力がある。確かに銭湯でなく、戸越銀座温泉なのだが。

入口の券売機でチケットを購入し、中に入る模様。
しかし、さっそく数人の若者(大学のサークル風)達が券売機を取り囲み、なかなか決まらず時間がかかっている。

下足入れに靴を入れ、もどかしいので中のフロントの親父さんへ直接湯賃をお渡ししようとするも、「券売機でチケット買って」とのこと。

う〜む、融通が利かないがやはりここは銭湯ではない訳だな。諦めるしかない。

なんとかチケットを買い中へ。
フロントは立派なもので入浴グッズを各種取り揃えている。
これらをここで買えるなら、入湯料も払わせてくれればいいのになぁ。券売機が苦手なご老人もいるだろうに、ブツブツ・・。

館内は間接照明がムーディーで、とても落ち着いた雰囲気。
奥には食事を取るスペースがある。フードコートのようだ。

新しいマッサージチェアが脇にある。
さて、フロントの右から二階へ上がる。
いきなりだが、どうやら風呂は二階のようだ。

二階へ上がると、月の暖簾。












日替わりで月の湯と陽の湯が入れ替わるとのこと。
本日は月の湯は女湯だ。男湯は写真右手前から中へ。

しかし入って驚いた。とにかく人が多いのだ。
あと、ロッカーのうねうねした模様。ピンク色だ。
こりゃ、外の落ち着いた雰囲気と違って、全く落ち着かないデザインだな。

客層は若い。20代がほとんど。
大学生が多いようだ。

脱衣場にいる限り、小さなスーパー銭湯といった趣しか感じられない。
ぱぱっと服を脱ぎ、とにもかくにも浴室へ。

天井は、というよりもやや暗めの照明の中、通路が続いている。
左手にはかけ湯コーナー。そして立ちシャワーがいきなり二基ある。
手前が磁気水というもの。奥が軟水。これは親しみがあるが、磁気水とはなんだろう。
人も多くうろうろしているので、さっそく立ちシャワーを浴びる。
しかし、浴室に入りすぐに立ちシャワーというのも変なもんだな。

結果、磁気水の特徴は感じられず。
湯に浸かるのならまだしも、シャワーでは実感できる訳ないな。
軟水の方はぬるぬるしており、よく分かる。ただ、世田谷の塩の湯ほどには軟水力は強くないようだ。

さて通路の奥はサウナ室。そして左から階段を上ることができ、その先には黒湯の露天がある。しかし人で溢れている。後回しにしよう。

通路から右に入ると大きな浴室となり、カランが並び、大きめの浴槽がどーんとある。
それにしても、間接照明で大人しいムード。そんな中お客はうじゃうじゃ。

カランは23あるな。それぞれが温度調整できるもので、立派なものだ。空きを探すのも大変だし、もう桶を片付けるとかそんな雰囲気でないので、各カランにイスと桶が置かれたまんまといった感じだ。

うち一つを確保。体を洗う。
しかしうるさいし人はよく動いてるし落ち着かない状況だ。

自分の世界に入るのも一苦労だ。
さて、浴槽を攻めよう。

大きな浴槽に電気風呂、ジェット、バイブラが備わっている。水枕もあるのだが、水深がほんのちょっと深いため水枕に頭を預け、横になりのんびりするといったことができない。
しっかり背を伸ばして姿勢よくしなければ水枕の恩恵に預かれないのだ。
う〜ん、なんか違うぞ。

まぁペンキ絵でも楽しむか。
陽の湯はクラブシーンで活躍するGRAVITY FREEの作品。ペンキ絵というよりもペイントと言った方がいい。
月の湯側は中嶋氏の富士山だ。あちら側はかなりシンプルに描かれているが、陽の湯はうねりのあるエッジの利いたペイント。琵琶を持った人が腰掛け爪弾いている。
まるで夜の闇に琵琶の音が響き渡るようだ。

月の湯との境には太極図のようなうねり。そしてそれぞれが融合しているようなイメージか。

しかし、銭湯は湯からペンキ絵とつながっていて、あたかもそのペンキ絵の中に入り込んでいるような感覚に陥るのが特徴のはずで、なんかそれとは違う。

中嶋氏のペンキ絵は今もこれからもこの先も旧態然としてほしくはない。

新しいことに対して背を向けない態度は素晴らしいが・・・、う〜ん。
まぁこれもまたありかな。

湯温はぬるく、40℃ほど。
おかげで浴室は混んでいる。
どこも混んでいるが。

さて、二階へ上がり、案の定人が多いが無理矢理にでも黒湯へ浸かりたいという思いからやや強引に割って入ってみる。

丸形の浴槽で、テレビまで備え付けられている。
5人も入れば足が伸ばせないと言った浴槽だが、そこに7人は入っている。
縦長のスペースで丸形の浴槽以外はイスが並べておいてあり、そこで涼むとという設定だ。

黒湯は湯温40℃ほど。やはりぬるい。
天井はシマ状にくりぬかれており、そこから夜空が見える。
開放感はあまりないが、天井が高いのでやや気持ちはいい。
それにしても人が多い。
なんか今日はそればっかりだな。

テレビもあるのでなんか風情はなく、しばらく浸かってみてもういいと感じる。
黒湯はいいんだろうが、薄めの黒湯。塩素の匂いはしない。

今度、人が少なそうな時にまた来てみようかな。
今日のところは退散しよう。

脱衣場への通路。
人が何人か脱衣場へ戻ろうとして諦めて引き返してくる。
どうやらあまりに脱衣場に人が多いため、着替えることができないだろうとまた浴室の奥へ戻って行くのだ。
そりゃそうだろうな。

湯から上がり、食事どころのスペースへ。












すでに営業時間を過ぎており、こちらは静かな状況。
漫画が何冊かあり、読みつつも何かを飲みながらゆっくりできる。

帰り際、フロントはおばあさんに変わっており、とても気持ちのよいありがとうございましたを聞いた。その昔、ここが中の湯だったとき、こちらのおばあさんは大活躍されていたのだろうな(相変わらず勝手な憶測)。

まぁ、雰囲気などあったものではないが、これからの銭湯の形としてはこうあるべきなのかもしれない。いつまでも昭和の銭湯を追い求め続ける自分のような人間はぜひ無視して、将来に銭湯を残して行く為にもこういった銭湯はどんどんがんばって行ってほしいと思うのであった。しかしやっぱり王道を行く銭湯の形が自分には合っているな。