2008年11月16日日曜日

44.石神井台 たつの湯

今日11月16日は練馬区の銭湯でりんごの湯をやっている。

というわけで16時半くらいに車で練馬区のたつの湯を訪れた。
霧雨の降る天気の中、駐車場を12台も完備したたつの湯には車が4台駐車されている。




















12台のしっかり舗装され区画が整理されている駐車場を利用できるのはなんと贅沢な事だろう。すでに癒されている自分がいる。

入口は立派な唐破風造。
暖簾は珍しく縦長のものでミッキーマウスとミニーマウスが湯に浸かっているもの。かなり縦に長いので、これは銭湯用ではなく、家庭用のものかな。

下足を預ける。防犯カメラはない模様。
悪い事をする訳ではないが、防犯カメラがあるとなんか緊張してしまう。なので、ないと少しほっとする。

引き戸を開けると、番台には女将さん。

湯賃をお渡しする。番台はよく磨かれていてまぶしいほどに輝いている。床も壁もとにかく清潔だ。

格子ではないものの天井は高く、境にある柱時計は年代物。しっかり現在も時を刻んでいる。境の壁には大きな鏡があり、その下の棚に野菜がいくつか置かれている。300円と書かれているから販売しているようだ。

あと、高さ1mほどの小さなドリンクケースがあり、窓際には畳ベンチ。
そこに腰掛けると窓の外に庭が臨める。
砂利が敷かれ、椅子にテーブルがあって灰皿もあり喫煙できるようになっている。
池はないがとても落ち着けそうだ。

そして日本代表のユニフォームが飾ってある。
地元の選手がオリンピックにでも出たのだろうか。

それにしても最近は奥さんと銭湯に行く事が多く、フロントの銭湯にばかり行っていた為、久々に番台だとなんか見られているようでドキドキしてしまう。そんなわけはないとわかってはいるんだが。

さてさて、パパッと服を脱ぎ浴室へ。

広い浴室。天井も高い。トップは丸くなっていて二段型。
ブルーのペンキがきれいに塗られている。
塗り替えられてさほど日が経っていないのだろうか。
浴室は外気とあまり変わらない温度。湯気抜きが良くされているようだが、ちょっと寒く感じる。早く温まろう。

島カランが一列。8-5-5-7で25。島カランにはシャワーなし。

体を良く洗うがお客が何人か連続でいらっしゃったため、すぐ隣のカランも埋まった。島カランにシャワーがないためどうしても両端が混んでしまう。
そんな中、一名が島カランでじっくり体を洗って流している。

浴槽へ行こう。
ここはなんと浴槽が一つのみ。
当然広々としている。ほぼ長方形であるが、水の蛇口が二つあるため、ひょっとしたら昔は浴槽が二つあったのではとも思うがそれは飛躍しすぎかもしれない。

リンゴがぷかぷか漂っている。赤いのやら青いのやら様々である。数にして50個。
しかし浴槽が広いため決して多いようには思えない。
しかもジェットだのバイブラだので流れがあるのでどうしても一方の片隅に固まってしまっている。

そんなリンゴ達をおじいさんが中央へ手で押しやっている。それを中央に浸かった自分がさらに端の方へ受け渡す。リンゴを全体に平等に回す作業のようだ。

湯温は41℃ほど。ぬるいとは思うが、壁を見ると「熱いときは水をうめてください」の張り紙。これを見たら埋めたい人は喜んで埋めてしまうだろうなぁ。

たつの湯は毎週日曜が薬湯の日と銭湯マップに書いてあったが、確かに今日は緑のバスクリン色をしていて薬湯のようだ。だが、リンゴも入っている訳だから、漂ってくる香りはというと・・う〜ん、なんか中途半端。
しかし湯から上がると体にはほのかにリンゴの香が付いている。
これはリンゴを見ながらのんびり温まるといった感じで楽しむのがいいかもしれない。

ジェットは三カ所あるが、実際噴出しているのは二カ所。
あと、赤外線の赤いライトが付いていて、その前にミクロバイブラ。

後はとにかく広いスペースである。
足を伸ばしてのんびり寝浴が楽しめる。圧力も少なく、長湯が心地よい。
なかなか温まらないので時間をかけてじっくりいくとしよう。

肝心の背景はどうだろう。
こちらは立派な赤富士。
そしてその風景が湖面に映り、逆さ富士となっている。
ヨットも何艘か漂い、そして舟が一艘。二名乗車している。
後は岸辺に民家が一軒。水車が・・・これは全く同じモチーフをどこかで見たな。
どこだろう。
それは四谷の蓬莱湯だ!
赤富士に、逆さ富士、そして湖に民家、水車。
このどれもが蓬莱湯のペンキ絵と同じ構成。
自分の中で連鎖が感じられる。
蓬莱湯の情景が頭に思い浮かんだ。あそこもいい湯だったな。

しかし、少し違うのは湖面に浮かぶ舟か。二名が乗船しているが、これは確か蓬莱湯になかった。

湯から上がり、畳ベンチでクールダウン。
今日はリンゴ湯のせいか女湯側がとても騒がしい。子供達がお母さんと一緒にやってきているみたいだ。

男湯側はじいさまが多く、昔から長くここの常連としていらっしゃってるのだろう。
こんな広い浴槽で、とてもうらやましく思う。
そんな中、野菜を購入されたじいさまがいらっしゃった。
自分も家が近ければきっと購入しているだろう。













表に出ると日はすっかり落ちている。
唐破風の内側がライトアップされ、練馬の街を温かく見守っているように見えた。
そこへ二名のお客がいらっしゃっている。
いつもの銭湯の様子。
何でもないその風景にとても幸せな心地になる事ができた。

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