2011年9月4日日曜日

175.新宿区大久保 万年湯

日曜日の昼過ぎ。
9月になりまだ日中はかなり暑いが、日差しは優しくなって来ている。

自転車にまたがり、明治通りを北上して大久保に向かう。
靖国通りを過ぎ、大久保駅寄りに小道に入って行くとブティックホテル街になる。
台風が近づいていたせいか街にはあまり人が見当たらないが、そこそこ集客のある韓流アイドルのショップやシロフクロウ入荷しましたと張り紙がされているペットショップを過ぎると、大久保通りの定食屋「福しん」の脇の道の奥に万年湯が見える。

通りの奥、右手に万年湯がある。

螺旋階段を上るとコインランドリーがある。

万年湯から大久保通り方面を見るとこんな感じ。

万年湯はビル銭湯。2階にはコインランドリーがあり、他はマンションになっているようである。入口を潜ると左右に下足入れ、傘立てもあるがこちらには玄関マットが干されている。
下足入れは100あり、松竹錠の鉄札。靴を預けてフロントの女将さんに湯賃をお渡しすると、下足入れの札を出すように言われる。こちらでロッカーの札と交換する形式である。やや朴訥とした話しぶりである。丁寧さはないが、しっかりとした接客をされている。

フロント前スペースは4人が休めるほどのソファ、ローラーむき出しのクラシカルなマッサージチェアが一つ。ドリンクケースもある。

左手にある男湯の暖簾を潜り脱衣場へ。
天井はマンション銭湯にしては高めの3.8メートルほど。天井には蛍光灯がXに配置されていて、少々不思議に思う。ロッカーは45あり、あと竹籠もいくつか。それにしても人が多い。
15時開店で15時半くらいに訪れているせいもあるが、浴室を覗いても混み合っているのがわかる。この時間帯はずいぶんと活気がある。
さてフロントで手渡されたロッカーキーを見つつ、ロッカーを探すが該当のロッカーの周りには人が多いのでしばし女湯境の壁際に置かれている液晶テレビで広島ー中日戦を観戦する。液晶テレビのリモコンにはひもが付けられていて持ち出される事がないようになっている。他に面白いのは脱衣場側に立ちシャワーボックスが一人分、せり出す形で設置されている。体重計はANDの腰までの高さのデジタル。他に今月の臨時休業情報(9月12日は組合研修に参加の為休業、とある)。

5分ほど待ってロッカーの周りに人がいなくなったので、パパッと服を脱ぎ浴室へ。
ロッカーキーを渡される形式は下足札を持って行かれるリスクを軽減する事ができるのだろうが、反面自分の使いたいロッカーを選んですぐに使えないというストレスも上昇する。湯客の気持ちというものはそういうものである。

浴室はこちらも天井高め。完全にフラットになっている。
混み合っている浴室には湯客は12人ほど。
カランは外壁から3ー3□3ー6□6ー8(ーは通路、□は島)。外壁の3はホース付きのハンドシャワー完備で半個室状態になっている。共用の立ちシャワーは脱衣場にせり出す形で一つ。
カランの数も多いので混み合っているにしても難なく確保する事ができる。
しっかりと身体を洗い流して浴槽を巡る。

こちらの銭湯は奥の浴槽に設備が並ぶ形。
女湯境壁側に座ジェットと電気風呂の深型浴槽。中央にミクロバイブラ(停止中)、外壁側に円形浴槽。そして少し手前の外壁側に岩水風呂がある。
まずは座ジェットから。
湯温は42℃ほど。まだ湯がこなれていないのと水質もあって硬い印象。ハードな湯だ。
しばらく浸かっているとそんな湯にも慣れて来て心地よくなってくる。
続いて電気風呂。おなじみの注意書きもしっかりと貼られている。
深い浴槽の水面部分に電極板が設置されているので、しっかりと底に腰掛けた状態だと肩の位置になる。威力は結構強力でぴったり張り付けると全身びくんびくん状態となるので注意が必要だ。

続いてミクロバイブラ浴槽だが、残念ながら停止中。
こちらに腰掛け背景を確認する。タイルが並び、赤い複数の花びらを付けた花が描かれている。シンプルであり、キーワードも一つのみの為、あまり創造力をかき立ててはくれない。
こちらの銭湯は外壁側の外に高層建築がなく(駐車場がある)ので、明かりがふんだんに取り込まれている。それが浴槽のパール仕上げのタイルに反射し、水面を輝かせていて美しい。岩風呂の雰囲気もまたこれにあいまって心地よくしてくれる。雑多な大久保の街並を思うと、ふと別の場所に瞬間移動した気分となる。

続いて円形の浴槽へ。
円形というと人間洗濯機を思い起こすが、そういう流れはなく壁面8カ所から中央に向かってジェットが噴出されているのみとなる。

さて水風呂へ。
こちらの水温は25℃ほど。水風呂にしてはぬるめとなるが、長く浸かっていても顔面真っ青になることもなく、静かにクールダウンできる。岩風呂の浴槽も良く、こちらの銭湯のハイライトと言えるだろう。

最後に立ちシャワーを利用するが、レバー式になっていてアーケード筐体の 操作レバーのようだ。あまりレトロを感じる事のできない銭湯ではあるけれども、フロントスペースのマッサージチェアと、立ちシャワーのレバーに関してはそういった楽しみ方もできるアイテムとなっている。

さて湯からあがる。
街は夜に向けてやや賑わいを増しているようだ。
日常的に通うと設備も充実しており便利な銭湯と言える。また機会があれば、訪れたいと思う。

帰り際、トラ猫が近寄って来た。かわいい。



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