2008年9月28日日曜日

26.用賀 栄湯

用賀の栄湯。
ここは二子玉川から自転車でやって来れる。

お寺の裏にあり、とても迫力のあるファサード。
初め写真を撮ろうとしたけど、開店待ちのお客さん達が10人ほど立ち並んでいるので、開店して中に入るのを待っていた。
それでやっと撮れたのがこれ。












周りに視界を遮る高層建築がないので正面から堂々とした姿を拝める。

中に入り、広めのロビーにソファとテーブルがあり、左手にフロントがある。
右手が女湯。左手が男湯。
とても感じのよい女将さんに湯賃をお渡しし、26湯達成。
何かひと言いただけるかと思ったが、特にそういうのはなかった。
スタンプの後、ティッシュでにじまないように朱肉を吸い取ってくれた。心遣いが嬉しいなぁ。

さて、脱衣場へ。
天井は格子で高い。
フロントが広いようで、かなり脱衣場に食い込んでいる。元は番台だったんだろうなぁ。
フロントへ用事を伝える小窓がある。
そこにお客のおじさんが「サウナが停電だよ」と伝えている。
脱衣場左手にサウナ室が食い込む形で設計されていて、サウナの室内の様子も窓から見える。確かに電気が消えているようだ。
すると女将さんが笑いながら電気を点ける。
停電というのはちょっとした優しさのある言い方だな。

さて、浴室へ。
ここで驚くのはまず背景。
大きな海の夕景だ。ヨットが二艘浮かび、ヤシの木が生えている。
女湯側にもヤシの木が見えるので、どうやら左右対称のようだ。
よくみると、チップタイルで、タイルの大きさは小さく、しかもまちまちの形。
これは組み上げるのは大変な設計だろうなぁ。
しかし、ペンキ絵のように書き換える必要もないので、ランニングコスト的には安上がりなのかな。
しかし、表向きは伝統的破風造、中に入ると夕景のタイル絵。
なんかイメージにギャップがあるが、またそれがいい味を出していると言っておこうか。

左手の小振りなサウナ室、その前に大きめの全身シャワーコーナーがある。
そして反対側に二基の全身シャワー。

島カランは二島あるので、かなり大きめ。
お客は夕方で10人ほど。
浴槽は3つ。
中央が大型の浴槽でややこちらにせり出している。
左の浴槽が一番小さく、白く濁った湯になっている。
右の浴槽は深風呂。二番目に小さい浴槽だ。

さて、体を洗い深風呂から。
湯温は高め。44℃くらいかな。
奥の黒い穴から熱い湯が湧いてくる。
これは気持ちいい湯だ。
夕景を眺めながら、熱い湯で疲れを癒す。

さて、全身シャワーを浴びるが、二基ある方のカビの匂いが激しい。
これは少しカビキラーで対応してもらいたいものだ。
そう考えると全体的にカビが多い気がする。

さて、気を取り直し中央の浴槽へ。
こちらは丸い筒の用なものから湯がどんどん溢れ出してきている。
これは見ていて面白く、演出としては素晴らしい。
しかしこのデザインもなんか円錐形を逆さにしたようで、モダンだな。
この辺は背景と合っているが、栄湯のファサードからはあまり想像つかない浴槽の雰囲気だ。
こちらにはジェットがあり、背に当てつつしばらく湯を楽しむ。
こちらは若干湯温が低い。
端から徐々に下がっていく模様。

という訳で、一番壁よりの浴槽に入ってみるが、ここが一番ぬるい。41℃ほど。
さっきおじいさんがザブザブ入っていたが、そのときお水を埋めたりしていたので、たぶんかなり下がってしまったんだろう。

しかし、ここは注意書きが少ない。
サウナ室の前にいくらかあるくらいで、この湯はなんだとか、コレしないでアレしないでという張り紙がない。
それはお客を信じているといった感じで気分はいい。
ただ、この湯はなんだろうなっていう疑問は残ってしまうな。直接女将さんだのに聞けばいいんだろうが、湯に浸かりながら情報を得るってのが一番効果的なんだよな。
何よりも湯に浸かっている時は文字を読みたくなるもんだ。

さて湯から上がり、ロビーで牛乳を一杯。
ソファが小さく可愛いが、とても使い込まれている模様。
静かに過ごせる素敵な場所だ。

帰りの挨拶で女将さんから投げかけられた笑顔がとてもさわやかであった。
そのせいか湯のせいか心地よく帰宅の途につくことができた。

25.新町 栗の湯











246沿いにある世田谷の栗の湯へ行ってみた。
ご覧の通り、目の前はビュンビュン車が走っている。
そんなそばの栗の湯はなんと立派な温泉なのである。
黒湯が一秒間に190リットルも沸き出しているとのこと。

さて黒湯を楽しみにしつつ銭湯入口へ。

なんとここは駐車場も完備。
長めの暖簾をくぐると、下足入れがあり、自動ドアから中へ。
右手にフロントスペース。
正面にテレビとソファ。
相撲中継をやっている。

湯賃を支払い、左手の男湯に入ると驚いた。
お客がたくさんいるのである。
浴室の方にもたくさんいるようだ。
こりゃ土曜日だからなんだろうが、黒湯の効果もあるのかな。

少年たちも3人ほどいる。
年齢層はやはり高く60歳代が主。

脱衣場はシンプルな感じ。
縁側があり、トイレに通じている。
左手には庭があり、首都高が見える。改めて東京の大動脈のすぐそばなんだなと感じる。

浴室へ入るとまずその背景に圧倒される。
沢のタイル絵で小さな滝のようにどばっと水が流れ込む絵。
よく見ると、他にも小さく谷川岳とか長崎鼻とかのスポットのタイル絵が何カ所か浴室内の壁に描かれている。

全身シャワーは3。右から丸形浴槽バイブラ、赤外線二つついたガリウム風呂、そしてなんといっても黒湯の浴槽。

ではまず体を洗おう。
お客が15人ほどいるので、空きカランを探すのも一苦労だ。

まずは右端の丸形浴槽へ。
表の看板には回転風呂と書かれていたけど、どう見ても回転はしていないよなぁ。
奥沢の松の湯なんかのようにジェットで湯が回転するようにもなっていない。

しかも底に突起物があるのでご注意くださいの張り紙。
こりゃ不安。
そろそろと足で突起物を探してみる。
お、あったあった。
突起物といっても先はとがっていない2センチほどの出っ張り。
なんかの取っ手か?
不安にさせるような張り紙だなぁ。お湯のことを考える前に突起物に不安になってしまった。
湯温は42℃ほど。

中央はガリウム風呂。
昨日の千川駅の大黒湯のようにガリウム石が檻の中にあり、そこに湯が流れ落ち当たった湯が浴槽に流れ込んでくる。
赤外線が二つ設置してあり、それに背中を当てて湯を楽しむ。
観察しているとじいさんが黒湯よりもここをよく好んで利用している。
といってもほとんどじいさんなんだけど。

では黒湯へ。
ここの黒湯はちと薄い。
しかも塩素の匂いもする。

まぁ、消毒は仕方ないな。
バイブラが激しくボコボコしている中、しばし入浴。
濃度は薄いようだが、銭湯で温泉に入れるなんてのは至福だよな。
毎日入りたいもんだ。

さて、湯から上がり外に出ると暗くなってきている。
246の交通量も増している。
少し立ち止まって栗の湯に寄れば温泉を楽しめる。
それを知ってるか知っていないかってのは246を通る時に幸せをひとつ得してるかしてないかの大きな違いのような気がするぞ。

24.弦巻 弦巻湯<2008.10.31廃湯>

246号の駒沢大学駅あたりから脇道に入ると弦巻湯に着く。

すぐ隣におしゃれなカフェあり。
そして、この破風造の弦巻湯が並んでいるところがなかなか。




















入口は自販機に挟まれて狭い感じ。
暖簾をくぐり、正面の傘入れに今日は「紫根」の湯という張り紙が。

さて下足をしまい、脱衣場へ。
左が男湯だ。
ここは番台でおばさまが高い位置の番台に収まっておられる。
湯賃をお支払い、脱衣場を見渡す。

天井は高いものの、全体に少々小さめ。
コンパクトである。

金魚の水槽があり、一匹だけ泳いでいる。
あと、トイレに行く脇の扉をくぐると、トタンに岩礁の絵が描かれている。
これがかなり巨大で本格的なものだ。迫力あるなぁ、少々かすれ気味ではあるけれど。
他にも、絵画がいくつも掛けられており、大きな絵画が普通に床に立てかけられたりしている。絵画の趣味があるのかな。

さて、浴室へ。
中も少し小さめだ。島カランが真ん中に一つ。
全部で24。しかし、全身シャワーが4基もある。
体を洗い、浴槽へ。
富士山のペンキ絵が正面に。久々に王道の富士山を見れたなぁ。端の方がはげかけているけど、感動。
しかも手前の水面に逆さ富士。初めて見たよ逆さ富士のペンキ絵。

女湯の方はおおきな茶色の山脈。なんの山だろうか。
お客は10人ほど。
狭い浴室の割には盛況ではないだろうか。
今の時間は16時ちょい過ぎ。
開店してしばらくの間はこんな感じなのかもしれない。

紫根の湯に入ってみよう。
浴槽は右に電気風呂。
なんかコードがむき出しで湯に突っ込まれている。
これ電気のコードかなぁ?
漏電しないのかとびくびくしながらも入浴。
そんな不安な気持ちがある状況だと、なかなかのんびりしていられない。
そんな小心な自分なのであった。

で、浅風呂には端に打たせ湯があり、二本の管からどぼどぼ湯が流れ落ちている。
そこの中央に首を突っ込み、しばし打たれる。
水量が少ないため、さほどの気持ちよさはないが、湯の流れ落ちる音を聞いていると滝に打たれているようで心が癒されるものだ。

湯から上がり、丸椅子に腰掛け休憩。
何か買おうかと思うも小銭がないのでやめておく。
湯賃って450円払って何か飲むとすぐ1000円使ってしまう。
ドリンクと合わせて500円以内なら助かるのになぁ。
原油やら薪が高いんじゃ仕方ないけどね。

表に出るとまだ明るい。
この辺は住宅も多く、銭湯の需要があるのかな。
末永く湯を守り続けていってもらいたいものだ。

23.大谷口 大黒湯

小竹向原駅を降り、小竹浴場を目指す。
南に向かっていたはずが北に来てしまったようで、時は8時。知らない街で一人、しばし途方に暮れてしまった。

そんな時は銭湯マップ。
間違った方向に来てしまったものの、こっち方面からうまく軌道修正すれば大黒湯に行けるようだ。

最近1010に掲載されていたのでぜひ行ってみたいと思っていたのだ。

結局小竹向原を出発してから20分もかかり、大黒湯に到着。






























藤の花かな?
世田谷のえのき湯の背景のようだ。

下足を入れ、自動ドアをくぐる。
フロントが右手にあり、男湯が右。女湯が左。
若いおばさまがフロントに座っておられる。
ロビーは赤い絨毯。テレビにソファ6人分ほど。

湯賃をお支払いし、脱衣場へ。

ここで驚きなのは床が一面畳なこと。
1010を読んで知っていたけど、実際足を踏み入れた時の感動はあるなぁ。












そして囲碁将棋の板が置いてある。

扇風機はナショナル製。



















10月に社名が変更され、パナソニックになる。
この扇風機にPanasonicと書かれていたら・・・なんかイメージ合わないなぁ。

それはさておきこの扇風機はかなり大きく、強にするとその風に吹き飛ばされそうだ。

そして、外は畳二畳ほどの庭が見える。すぐ右にはウォシュレット完備のトイレ。タイルが浴室のものと同じ。ピカピカしている。
今まで見た銭湯のトイレの中で一番きれい。掃除したてなのかもしれないけど、それにしてもきれいだ。











脱衣場の女湯との境にあるパネル。
モダン銭湯といった感じ。

さて浴室ヘ行こう。

浴室には入ってすぐ右手に渓谷の背景。
ペンキでなくタイル画。
岩風呂入り口の上にある。

右手に岩風呂。
カランが31あり、浴槽はL字型に右手から電気風呂、ガリウム石風呂(赤外線付き)、座ジェット水枕なし二基、座ジェット水枕あり二基。

湯温はなかなか高く43℃ほど。

そして背景はブロックで組み上げられた抽象的な模様。
二人の人間がスキップしているような。雲や花もあるかな。

そして全身シャワーコーナーが女湯との境に5ルームもある。しかもいちいちしっかり扉がある。うちひとつはボディジェット。しかし壊れている模様。

岩風呂ヘ行ってみる。
ここは露天ではなく、庭が望め、外気が心地よく入ってくる感じ。
しかし雰囲気が最高。

庭を見ながら岩風呂に浸かり、温まるとすぐそばのよく冷えた水風呂に浸かる。ここの水風呂も岩風呂でしかもバイブラ。
なので、一見お湯のように見えてしまうのが不思議。

そしてサウナもあるけど、ここも入りたいなぁ。

しかし、この縦長の10畳ほどのスペース。
自宅にあったら最高だ(そりゃそうか)。

庭も箱庭のようで岩に灯篭がうまく調和していて上品だ。
眺めていてなかなか飽きがこない。

湯から上がると、ロビーでコーヒー牛乳。
ここのソファがまた最高にフカフカ!

自宅に欲しいソファだ。
最後、フロントのおばさまが文庫本に夢中でありがとうございましたの声が小さかったのが、少し切なかったくらい。

ここは自宅の近くにあるととても幸福感がアップするだろう銭湯だった。

22.本町 久米川湯

車で久米川湯へ。
回りは住宅地。マンションも多い。

昔、都営団地がずらーっと並んでいた場所があったんだけど、そこはこぎれいな分譲住宅が代わって立ち並び、巨大なスーパーいなげやもある。

発展してきてるなぁベッドタウンとして。



















さて、久米川湯。
裏の駐車場は5台ほど車が停められる。
目の前に煙突がにょきっと生えている。
そんなとき、なぜか犬に吠えられる。
駐車場の奥に犬小屋がありドーベルマンがこちらに向かって吠えている。

こそこそと久米川湯の入口へ。何も悪いことしてないのになぁ。












下足を預け、「ゆ」と大きく描かれた暖簾をくぐると目の前にフロント。
おじさんがご丁寧にいらっしゃいませと言ってくださる。

ここは左手が男湯だ。
脱衣場の天井は中くらいの高さ。

庭が望め、明るく気持ちいい。












今日は週一の薬湯の日のようだ。

ぱぱっと服を脱ぎ浴室へ。

なんとかなり混んでいておじいさま8、子供6。
少年6人はみんな友達のようで、水風呂につかっている。

背景は富士山。境に島。久々に富士山を見たので、なんか嬉しい。

13年7月9日(西伊豆)とある。かなりはげている。天井もペンキが禿げている。しかしタイルやカラン、浴槽など手近なところはきれいにピカピカ輝いている。
それは重要なポイントかもしれないなぁ。

さて浴槽を観察してみる。
右が薬湯。どくだみの深風呂。

座ジェット二基あって、バイブラがある。ここも薬湯のようだ。
そして少年達が入っている水風呂。壁際にあり、カランの裏にあるので不思議な感じだ。
水風呂だけ浴槽が独立して、他は区切られているものの浴槽は穴でつながっている。

体を洗い、どくだみの湯へ。
香りがほのかにしてとてもいい湯だ。
今日は薬湯の日だから混んでいるのかな。
しかし、少年達を見るおじいさん達の目が温かく、そして優しい。
なんか微笑ましいな。
自分は全く中間の年代なので、ここでは浮いてしまっている状況だ。

いそいそと座ジェットへ。
水枕がよく冷えて心地よい。
湯温はなかなか高く、43℃ほど。
子供には少々熱いかな。だから水風呂に入っているのか。

水風呂に浸かってみる。
20℃ほどでなかなか心地よい。
全身シャワーもあるが、ここのは仕切りがなく、むき出しであるのがなんか珍しい。

湯から上がり、表に出るとさきほどの少年達がジュースを自販機で買っている。
みんなで銭湯に行こうという話題になって来たんだろうなぁ。
自分の少年時代にはそんな話題にはならなかったが、家のすぐ近くに銭湯があるとそういう話題にもなるんだろう。
なんか少しうらやましい気がする。

この銭湯は目の前が狭い路地になっていて、その少し離れたところから正面を見ると、狭い路地に正面の破風造、「ゆ」の暖簾、そして煙突がワンセットで望め、かなりの美しいアングルになる。

次ぎにきた時は写真に収めたいところ。
今日撮ればいいのにと思われるかもしれないが、それはいちいち銭湯に宿題を残しておくことで、また今度来た時の楽しみとする為なのだ。

21.深大寺 梅の湯

梅の湯商店街にある梅の湯。

駐車場がかなり広く、20台(正確には40台→HP)は置ける。
まずは駐車場に車を停めて、正面の煙突を仰ぎ見る。



















白くてきれいで立派だ。
青空に映えるなぁ、白い煙突は。












さて正面へ。
入り口に券売機あり。
でもまぁフロントにおばさんが見えたので直接湯賃をお渡しする。

右手は立派なロビー。テレビがあり、ソファが壁沿いにある。
ソファの数が抑えられてるので広く感じる。

それでは右手の男湯へ。

脱衣場がなかなか広い。
昼に来たのでとにかく採光の良さが際立つ。
昼間の銭湯はこれまたいいな。

脱衣場から浴室を覗くと、なかなかお客さんが入っている。
7〜8人と言ったとこ。
14時からオープンで、14時10分に来た訳で、皆さん気合いが入っている。

浴室は天井が高くて解放感ばっちりだ。

浴槽は左に薬湯(ゲルマニウム)、続いて座ジェット2基、電気風呂、ミクロンバイブラ、寝ジェット2基、歩行風呂(?)、サウナ、露天、水風呂といったとこ。
全身シャワーは2基ある。

ではまず、体を洗い、人のいない寝ジェットから。
右奥にあり、ここに寝そべると浴室全体を見渡すことができる。
残念ながら、ペンキ絵はなく、ただなんとなく高い天井を見上げたり、考え事をしたり、しなかったり、ぼ〜っとするしかない。
まぁそれが銭湯の過ごし方の一つだ。

しかしよく壁を見るとヨットの絵がいくつかタイルに入っている。
かなりかすれて薄いが・・・。

湯温は42℃くらい。
少しぬるいかな。

露天風呂に行ってみよう。
脇の扉から外に出ると、立派な岩風呂がお出ましだ。
4人ほどはゆったり入れる豪華なもの。
灯りもあるので、夜はライトアップされムードも良さそうだ。
湯はぬるく40℃ほどしかないものの、空を見上げながら長湯にはちょうど良いかもしれない。

中に入り、歩行風呂というものにチャレンジ。
注意書きを見ると、歩きながら泡を浴び、足のつぼを刺激するというものらしい。
お湯に浸かりながら足つぼマッサージか。こんなの初めてだな。

とりあえず泡の中を歩いてみる。
ジェットが噴出され心地よく、足つぼも刺激される。
しかし、足つぼってのは体重が軽くなってしまう湯の中より、地上でする方が効き目が強そうだ。
なので足の方はさほど効果はなさそう。
しかもなんか一人でぐるぐる回ってるのが恥ずかしいのでいまいちだ。
でも、この新しいものにチャレンジしようという精神はポイントが高い。

湯から上がり、広く心地の良いロビーでビン牛乳110円をごくり。
窓からは柳の木が見える。それだけで趣がぐっと増す。

フロントのおばあさんにどうもと言い、外へ。
商店街をぶらぶらしていると、さきほどのおばあさんがなんか言いながら走って追いかけてくる。
なんだなんだとよく聞いてみると、どうやら牛乳は100円だったそうだ。
10円を返していただいた。
自然と笑顔が出てしまう。
最近は値上がりばかりで牛乳も110円になったものだと思ってしまったとのこと。
まぁ、それくらいのミスなら大歓迎ですな。

2008年9月27日土曜日

20.祖師谷 そしがや温泉21

一週間、しっかり仕事をした後で、銭湯に行く事にした。
しかし時間はすでに0時を回っている。

0時を過ぎても営業しているところで、駐車場完備のところを探したところ、近場にそしがや温泉21があった。26時まで営業している。

この辺にあるビレランドも26時までの営業だが、とりあえず今日のところはそしがや温泉へ。

ここの駐車場はかなり広く、コインパーキングとなっていて、温泉利用の場合は70分無料との事。微妙な時間だな。

建物は立派。
入口には水槽があり、金魚がいる。
入浴券を購入し(三台も販売機がある)、
下足入れに靴を入れてロビーに踏み込むと、その広さに圧倒される。
フロントには茶髪のおばさま。
元気に接客をしてくれた。
スタンプを10個集めると、一回無料で入れるとの事。
ボディシャンプー等も完備しているそうだ。銭湯にしてはかなり珍しい部類。












男湯は左手。女湯は右手。
脱衣場はこれまた広く、スポーツクラブのように大きなロッカーで明るい。
床やマットなどとても清潔だ。裸足で歩いても、なんか安心感がある。汚いとなんか裸足で歩くのが不安になるのだ。

銭湯っぽさがあまりにも希薄なため、趣は全くない。
服を脱いで浴室に入る時に鎮座していたYAMATOの体重計が唯一趣があったかな。
ああ、ここはかつて銭湯だったんだなと感じさせてくれる一瞬だった。
でも、すぐそばにはデジタル式体重計があり、実際そちらの方が利用者が多い。
でも自分はYAMATOを使わせてもらいました。

さて、浴室へ。
いやいやお客が多いこと多いこと。
金曜とはいえ、夜の0時をゆうに回ってる時間に20人ほどのお客が湯場にいる。そりゃすごいことだ。
しかもみんな20代とみえてなかなか若い。
学生が多い様子だ。

うーむ、なんか落ち着かないな。

浴室を見渡すと、入ってまず掛け湯コーナーが狭いがしっかりある。
左手には全身シャワー2基。

カランが横に並び、左の壁際にも並んでいる。
カラン横配置は昨日の塩の湯に引き続き二日連続だ。

真ん中より左半分はおもにカラン。右半分は浴槽といった感じ。
右手前から黒湯の温泉。続いて黒湯の電気風呂。そして気泡風呂。
通路を挟んで、奥の浴槽は絹の湯でしかも電気風呂。その奥に広い白湯のコーナーだ。

浴室奥には全身シャワーが左手に三基。中央には冷凍サウナ、低温ミストサウナ。
右に水風呂。そして右奥にサウナがある。

中央右の扉を出ると、ミニプールとジャグジーがある。

いやいやなんと設備の充実していることか。
テレビもかなり大型のものが浴室奥の壁の上の方に取り付けられている。

こりゃこれだけお客の多いのも頷けるものだ。

さて、体を洗い、白湯の絹の湯へ。
ここは人気がなく、誰も入ってないので必然的にここに入ることになった。

しかし、絹の湯だけでなく、電気風呂も合わせるってのは強引だ。どちらかでいいとおもうんだけどなぁ。
ここの電気はビリビリが弱いようだ。
近づけると、一定間隔でビリビリ・・・ビリビリ・・・ビリビリっと電気がやってくる。
まぁ気持ちいいが、少々ぬるいな。41℃ほど。

次は白湯にいくが、こちらもぬるい。

黒湯の方を見てみると、常に混み合っているようだ。あちらもぬるいのだろうか、なんかみんな長湯のような気がする。

ミストサウナに行ってみる。
ここと冷凍サウナは銭湯料金で利用できるとのこと。
中に入ると4人が座れるくらいのスペース。
76℃くらいの温度が外のデジタルメーターに表示されていた。
しかし、もっとぬるいようなきがする。
しょっちゅう人の出入りがあるので、温度もなかなか上がらないようだ。
まぁ銭湯料金のサウナだから仕方ないかな。

次は冷凍サウナ。
こちらは一人用の冷蔵庫といった感じ。
温度は5℃を指している。
冷たいほどでもないけど、なかなか気持ちよい。

次は黒湯へ。
つるつるとした湯で美人の湯とも呼ばれているとのこと。
湯温は42℃ほどで、テレビを眺めつつ、じっくり体の疲れを取ることができた。
井戸水をあっためたとはいえ、東京の黒湯はやはりいいな。

しっかりあったまったところで水風呂へ。
18℃くらいかな。とても気持ちいいぞ。
人が多いのでじっくり浸かってもいられないんだが、サウナと行き来するのはよさそうだ。

しかし、黒湯の水風呂があったらなおさらいいだろうな。源泉のままで。

いやぁ、それにしても人が多い。
スーパー銭湯のようで熱い湯に浸かり自分を高めるようなストイックさはない。

う〜ん、こういう銭湯に入りたくて銭湯巡りをはじめた訳じゃないなぁ。
でも、こういう形で中不精をしたおかげで、人気を得ることができてるんだろう。

さて湯から上がり、ロビーにて奥さんが出てくるのを待つ。

110円のコーヒー牛乳を購入。
ロビーはホント広い。
雑誌をめくりながら待っていると、奥さん到着。

感想を聞くと、なかなかよかったとのこと。
客層は男湯と違いおばさんばっかりだったとのこと。

ロビーには水槽があり、カクレクマノミ2匹が飼われていた。とてもかわいい。
なぜかイソギンチャクが水面近くに張り付いており、とても不思議な感じである。

あと、フロントにたつウルトラマンの写真もあった。

帰りはフロントのおばさんが元気にありがとうございましたのひと言。
おばさんの接客がこの銭湯の救いだな。
次に来る時はサウナも利用することにしよう。

2008年9月25日木曜日

19.粕谷 塩の湯

昨日行ったえのき湯から北へ少しの場所にある塩の湯。
こちらにも駐車場があるようなので、今日は塩の湯ヘ行ってみる。

環八の盧花公園の脇を入ってしばらく走ると到着。
こちらの駐車場は10台ほどが停められる。
えのき湯と違って明らかに塩の湯の敷地であるなとわかる。
ほぼ満車なのでお客も多いのだろうか。











入口はこんな感じ。
下足が10足以上脱ぎっぱなし。
下足入れに入れるのが面倒なのだろうが、それにしても多い。

さて、自動ドアを抜けて中へ。

フロントが右手にあり、左手は液晶テレビを備えた立派な休憩所。
ソファは多少くたびれているが、7人ほどが座ることができるだろうか。
「1010」もたくさんあるぞ。

湯賃をおじさんにお支払い。
左手の男湯から脱衣場へ。

マンション銭湯なので、天井は低い。
テレビが女湯側との境にある。

窓枠の埃が多少気になりつつも、ぱぱっと服を脱ぎ浴室へ。

むぅ、お客が多いな。
いや、カランの数が少ないので多く見えるのだ。

カランがいきなり横型に配置されていて、中央から左半分はほぼ浴槽。
カランの数を減らしながらも浴槽にスペースを割いている。

左手手前には「打たせ湯」コーナー。一見全身シャワーブース。
そして普通の全身シャワーがあり、浴槽は巨大なもの一つに、水風呂。
右手奥はサウナ室になっている。

背景がないので趣はないようだが、なんかお客は多い。
体を洗い、浴槽を攻めていこう。
まずは浴槽のジェットバスコーナー。
3基あって深風呂になっている。なかなかの噴出力。
湯温は41℃くらいかなぁ。なんかぬるいな。

続いて、中央部の電気風呂へ。
こちらは電極が2カ所で一人分のスペースだ。
ビリビリは弱い気がするが、べったりくっつけるとさすがにドクンドクン来る。
こ、この辺でやめておこう。

次はミクロバイブラ。
泡は少ない気がするが、すぐそばで滝のように湯が溢れている。
これはいいな。
銭湯ではなかなかこうドバドバ湯は出ていないもんだ。
排水もしっかりされているので、湯もきれいなイメージがある。

軟水なのでとてもぬるぬるしていてよろしい。
その分、タイルが滑りやすいので歩くのは充分気をつけなくては。

水風呂に行ってみる。
デジタル温度計に「15.4℃」と表示されている。
たまにこれが上下するのでリアル。
まさかそんなに冷たくないよなぁと思いつつかけると、なかなか冷たい!
一気に浸かってみる。
むむっ、これはとても心地よいなぁ。
さすがに15.4℃ほど冷たくないけど、きっと人が入ってぬるくなってしまってるんだろう。それでも充分冷たく気持ちよい。
ここも、水が滝のように流れ込んでいて華やかだ。
目の前がサウナ室なので、やはりサウナに突入したくなるとこ。

最後にうたせ湯に行ってみる。
ボタンを押すとスタート。
どうせちょぼちょぼとしたものだろうなぁとたかをくくっていたが、いやいやどうして。
激しく湯がまさに湯水のごとく塊となって流れ落ちてくる。

途中で不安になるくらい流れ落ちてくる。
ボタンを押すと止まるのだが、なかなか止まらないので、ちょっとどうしようかあたふたしてしまった。

最終的にはお客は5人ほどになってはいたものの、9時過ぎにしてはなかなか繁盛しているのではなかろうか。趣はないが、立派に近辺に住んでいる人たちの生活の中にとけ込んだ銭湯として認知されている気がした。

湯から上がりロビーでいちご牛乳を110円で購入。
アイスも売っている。
「10月1日からガリガリ君以外120円になります」の張り紙がしてあった。

レトロな銭湯としての雰囲気はないが、軟水風呂を手軽に楽しめる良さが充分にある銭湯だった。

18.榎 えのき湯

クルマで銭湯へ。

世田谷辺りだと、えのき湯が駐車場付きみたいだ。
成城を抜けて、榎方面へ。

ここはほんと駅から遠いので、なかなか来る機会はない。
時間はもう9時。
今日も仕事疲れた。ゆっくり湯に浸かってポカポカ気分で帰宅する事にしよう。

さて、えのき湯に到着。
栄寿司の隣の駐車場に突入すると、えのき湯が正面にある。
その右手一体が駐車場。

一見、月極のような雰囲気を醸し出していたので、念のためフロントにて確認したけど、20台くらいの駐車スペース全部大丈夫ですよとのこと。驚きだ。
ちょっとした大型ドラッグストアの駐車場くらい広い。

ゆったり駐車する事ができて、入口へ向かう。












和の雰囲気はなくモダンな感じ。
傘入れロッカーがいきなりたくさん。
靴をロッカーにいれ、自動ドアをくぐってフロントへ。
おばさまがお座りになっている。

常連客とお話ししているようなので、ロビーをじっくり観察する間もなく右手の男湯へ突入。
ロビーはなかなか広く、10人くらいはゆっくりできそうだ。
テレビもあった。

それでは脱衣場へ。

脱衣場の天井は普通の家のように低い。
所々に可愛いキャラクターのバスマットが敷かれている。
しかし小さすぎるので、あまり利用するには向いていないようだ。

外には庭がある。池もある。ちょろちょろ水の流れる音が聞こえるが、鯉や金魚はいない模様。

天井にクモの巣発見。う〜む、壁が白いから目立つんだよな〜。

体重計は石田式体重秤というもの。
所々錆び付いているものの、まだまだ現役とばかりに浴室への入口のすぐそばにどっかりと陣取っている。

いざ浴室へ。
いきなり水風呂が目の前に。
右手はサウナ。こりゃかなりでかいぞ。
そして右手手前に全身シャワースペースがある。

カランは20弱。
3つだけ水風呂の奥にあるカランに陣取る。
そのすぐ背中にはお風呂セット置き場がある。
カランがいっぱいな時にここに置いたりするんだよな。
でも今日はお客は自分ともう一人。

体を洗い、浴槽を見渡す。
水風呂の他には3つあり、みんな正方形の形をしている。

右手にはジェット二基。斜めに腰掛けて水枕もしっかりある寝っ転がりタイプのものだ。
ではまずここから。

む?なんか塩素臭いな。ここは軟水風呂のはずなんだけど、この浴槽ではあまり感じられないかも。プールみたいだ。
湯温は42℃ほど。

しかし、正面の脱衣場入口の左壁にテレビが。
最近は麻生氏への政権交代が進んでいる状況だ。
浴室でテレビ。贅沢だなぁ。
音も結構大きいので、耳をすませば何を話しているか聞こえてくる。
もっとお客がいると聞こえなくなってしまうだろうな。

水シャワーを浴びて、第二ラウンド。
次は中央の浴槽へ。

ここは檻の中に石がごろごろ入っていて、そこに水が当たり、浴槽に流れ込んでくる感じ。三軒茶屋の弘善湯もこうだったな。けっこうメジャーみたいだ。
ここの石は灰色で河原にあるような感じだ。
弘善湯のは白かったなぁ。

湯温はやはり42℃ほど。
ここは他に特色もなく、のんびり湯を楽しみつつテレビを見るといったイメージだろうか。
そういえば、背景を見てみよう。

ここの背景は藤の花?のようなものがいくつか茶色のタイルに描かれている。
茶色のタイルは錆びた鉄のように見えるけど、触ってみるとやはりタイルだった。
モダンな壁だな〜。

他にも浴室の壁に人魚の絵が描かれていて、太陽を両手で掲げていて、長いしっぽでは月を巻き付けている、といったのもある。なんかモダン。モダンというより少しポップかな。

水風呂に行ってみよう。
ここの水風呂の周りには桶が四つもスタンバイされている。
ヘリにあって、しかも全部水が入ってる。
何でかなと思いつつ、浴槽へ浸かるとドバドバと水が流れ出す。
その水の勢いで桶が落ちないように水が入っているのだ。

しかもここの水は冷たい!19℃くらい?とても心地よい。
あ〜湯に浸かった後の水風呂って内側がポカポカして周りがしゃきっとする。

水道がフルオープンになっているが、他にお客も一人しかいないし、もったいないよなぁと閉めてしまう。
まぁ、サウナを利用している人もいないみたいだし。

ちょっとサウナを覗いてみるが、とても広く、テレビもあり、なかなか良さそうだ。こりゃサウナも行っとくべきだな。

さて、次は左の浴槽。
ここは最初透明だったが、フロントにいたおばさんが裏の扉から巨大な柄杓を持って入ってきたかと思うと、山盛りの紫の粉をどぼっと浴槽に入れた。
ラベンダー湯だ。

かき混ぜもせずに、しかもかなり浴槽の外へ粉をまき散らしていったもんで、紫色にタイルが染まっている・・・。
う〜ん、なんて大胆なんだ。

そんな薬湯へ行ってみる。
ここは深風呂。
湯温は45℃を指しているが、実際は43℃くらい。
誰か水を埋めたのかな?
深風呂は一旦水を埋めて冷ましてしまうとなかなかあったまらない。

しばしラベンダーの香りに包まれる。
ここからはテレビが見づらい。
なので、藤の花を見たりする。
昔は立派なペンキ絵だったんだろうな。

そんなこんなで、湯から上がる。

フロントはおじさんへチェンジしていた。
常連客のばあさんとお話を楽しんでおられる。
ロビーでまったりできそうにもないので、外の自販機でリンゴジュースを購入。
いやぁ、しかし駐車場が広い。
これで本屋がありビデオ屋、ゲーム屋、スーパーなんかが併設されていたらエンターテイメント性が増すよな。

2008年9月23日火曜日

17.西東京 庚申湯

今日は敬老の日。
祝日なので車で銭湯へ。

実家の近く、西東京市の庚申湯に向かう事にした。

庚申湯はたまに浴場組合のポスターを見かけるが、そこに掲載されている。
OLが銭湯に行こうとしている夕方5時のポスターだ。

趣のある破風造で暖簾に「庚申湯」と書いてあるので銭湯マップで調べていたのだ。

しかし、到着してみると、改装されており既にポスターの頃の雰囲気はない。面影はそこかしこに見て取れるんだけれども、かなり入口はモダンな造りになっている。
























暖簾はそのままかな?
駐車場スペースは3台あり、1台だけ空いていた。
時間は7時半。混んでいるのだろうか。

入口に張り紙がしてあり、「今日は女湯が露天風呂です」の文字。
ふむ、少しがっかりだけど、それはそれで露天風呂がない方の浴室でなにか発見があるだろうから良しとしよう。

下足入れに靴を入れ、扉をくぐるとテーブル二つにイスが8脚ほどあり、ベンチもある休憩所だ。テレビがあり、7〜8人ほどがテレビを見ながら風呂上がりのドリンクと会話を楽しんでいた。

右手にフロント。
元気なおばあさんが接客をしている。
スタンプノートを見るとこれまで行った屋号を見て「お、松の湯さんだね。あ、でも世田谷か」
とおっしゃられた。
この周辺にも松の湯があるらしい。
松の湯はどこにでも多いですねとお話をして、近いうちこの周辺の松の湯にもお邪魔しようと目論む。

左手が男湯。
右手の女湯に露天風呂がある模様。
今日は奥さんも一緒なので、後で感想を聞いてみる事にしよう。

脱衣場は天井が高く、改装をしたといっても大枠をかなり残して上手に改装してあるようだ。
柱時計が元気に動いている。










男湯側の防犯カメラは作動中だが、女湯側の防犯カメラに巾着がかぶせられている。

ロッカーは縦長のものも多くあり、スポーツなどをした後などは便利。
ベンチが真ん中にある。
客が多いようでこの時点で既に10人ほどが脱いだり着たりしている。
とても盛況のようだ。

トイレに行ってみるが、とてもきれい。
外に出て和式の汚い厠というのが銭湯のパターンの一つとしてあるが、ここはとても近代的かつ、レトロがうまく融合されている。

さて、浴室へ。
サウナもあり、水風呂もあり、浴槽も大きくL字に一つ。そして、絹の湯、ミントブルーの湯(日替わり)がある。

しかしお客が多い。
武蔵小山温泉清水湯ほどではないが、それでも平均的銭湯の浴室サイズに12人ほどのお客がうろちょろしている。
サウナ室にも何人かいるので、15人ほどが相客だ。

浴槽スペースがカランを押しやっているため、少々狭く感じるが、何よりも人が多いからだろう。

しかも桶や風呂イスを片付けないまま上がる人間も多いようでそれが散乱して余計狭く感じさせる。
これも盛況している証拠か。

体を洗い、まずは右端のミクロバイブラから。
緑の赤外線が設置してある場所に居座る。
湯温は42℃ほど。
少し温いか。

背景を仰ぎ見る。
湖の背景で、ウィンドサーフィンのセイルがいくつも見える。
ヨットにしては小さい様子。

どこの湖だろうか。
女湯側は富士山であったとの事。
ぜひ今度見てみたいものだ。

一度上がり、水で体をクールダウンする。
このカランの水が18℃でとても気持ちよい。
水道水ではないだろうな。とても冷やっこくて最高だ。
その分お湯が少し温く感じるため、ちょうどいいお湯を作るのに水の配分をかなり少なくする必要がある。

なんども水を浴びる。
それというのも、ここには全身シャワーがない。
水風呂があるので、そちらで十分であるわけだ。

次は深風呂スペースの座ジェットとボディジェット。
座ジェットは泡が強烈。しっかり手すりにつかまっていないと体が吹き飛ばされてしまう。
ボディジェットは体の周りをジェットが何カ所にも当たる。これは心地よい。

ここまでが一つの大きめの浴槽。
次はお隣、絹の湯だ。

これは清瀬市の「喜多の湯」で見たのと全く同じだ。
細かい泡が浴槽に一杯となり肌に効果があるんだそうだ。
入口にあった電灯式の看板が庚申湯のものと、喜多の湯のそれとかなり似たデザインであったので、ひょっとしたら業者が一緒なのかもしれない。

さて体もポカポカになったところで、水風呂に行ってみる。
サウナにはテレビもあり、3人ほどが入っている。
水風呂は誰もいないようなので、ちょっと体に水を掛けてみる。
これがまた心地よい。
カランの水より少し冷たい感じか。
じわじわと肩まで浸かってみる。

これまでのところ、大田区の久が原湯の黒湯の水風呂が最高であったが、ここは黒湯でないにしても冷たさがかなり体に来る。う〜む、サウナに入りたくなってくるな。

さて、次はミントブルーの湯に行こうとする。
しかし、ここは常に2〜3人が入っており、家族連れや高校生くらいの仲間だったりして、ずっと会話を楽しんでいる。
そんなに長湯ができるということはかなりぬるいのだろうと、そばから手を突っ込んでみる。
むむ、これはぬるい。
36℃くらいか?
一瞬水ぶろかと思うほどのぬるさ。
薬湯という事で長湯でじっくり体に染み込ませるといったコンセプトかな。
その分みんな井戸端会議を始めてしまう。

まぁ、今日のところはこれは良しとしよう。

湯から上がり、ロビーにて待つ事に。
ラッキーにも誰もいないので、自販機より牛乳を100円で購入。
フルーツ牛乳にもひかれたけど。
フルーツ牛乳、喜多の湯で飲んだっけな。

奥さんが出てきた。
露天風呂の感想を聞くと、壁が四方囲まれており、窓がついている。
それを開けてみると駐車場であったとの事。
天井からは空が見えるのみ。
岩風呂で、少し高い位置に湯が溜まり、そこからさらに岩風呂に流れ込んでくるとの事。
どちらの浴槽にも入れるからどちらにも入ってみたそうだ。

女湯はかなり空いていたらしく、おおむね5人くらいしかいなかったらしい。
しかも露天につかっている15分ほどの間、誰も入ってこなかったようだ。

フロントに頭を下げて帰宅する。
若い親父さんにチェンジしている。
とても愛想がよく、心地よく下足入れより靴を取り出す。

そんな中、また新たにお客が家族でやってくる。
22〜3歳の若奥さんに3〜5歳の子供二人、旦那さんとおじいさんだ。
とても微笑ましい光景だ。

こんな風に世代を越えて楽しんでもらえるエンターテイメント性のある銭湯はこれからの時代を元気に乗り越えていってくれるだろう。
入口すぐそばにある庚申塚。
この塚と共に西東京の街を長く温めていってもらいたいものだ。

16.世田谷区玉川台 藤の湯

藤の湯は新寿湯なき今、我が家から一番近い銭湯。

今日は仕事が終わり、飲み会の後家に帰り、まだ時間は10時くらい。
奥さんも付いていくというので共に藤の湯へ。











この写真は以前昼に来たときに撮ったもの。
夜は23時半までやっている。

入口は破風造。横側から入る形でなんか面白い。
入るとフロント。
目の前に土間のようになっていてここがロビー。
5人くらいが休憩できる。

湯賃を支払い、左手の男湯へ。
そうだ、ここは左手が男湯だった。
1ヶ月ほど前に一回来た事があるけど、その頃はあまり銭湯について知識が全くなく、ただ風呂につかりたいという気持ちだけでここに来たんだっけな。

脱衣場。お客のいない隙に一枚。










テレビが1台。マッサージチェアにKEIHOKUの体重計。
左手にはサウナあり。

ロッカーに服を入れ、さっそく浴室へ。

カランが22あり、浴槽は二つ。
何よりも檜の浴槽が素晴らしい。
地方の温泉なんかに行くと出会えたりするけど、銭湯で檜の浴槽に入れるのはなかなか感慨深い。

深風呂にジェット2基の浴槽と、ミクロバイブラの浴槽があり、これは大きめの浴槽で一つになっている。

背景は菖蒲のタイル絵。
紫、赤、いくつもの菖蒲が描かれている。
その少し上に木がはめ込まれており、天井は高い。水色で塗られている。
檜の浴槽の上は鬼瓦の屋根。
浴室の中に屋根があるというのもまた乙なもの。

体を洗い、ジェットに腰を当てる。
5点ジェットだ。
湯温は42℃ほど。長湯ができる心地よい温度。

一旦出て、カランの水を何度も浴びる。
全身シャワーがないので、とにかくクールダウンするにはこうする他ない。

さて次はミクロバイブラへ。
こちらはあまり人気がなく、見ていてもほとんど浸かる者がいない。
一番人気はやはり檜。今日は備長炭だ。
前に来たときは薬湯だったな。

さて次は檜の湯へ。
肌触りがやはりマイルド。
そういえば、ここは風呂イスも檜。
プラ製のもあるけど、いくつかは檜だ。
桶はケロリン。

檜風呂は二人が入るともう満員となるが、一人で入っていてもすぐ他のお客が浸かりにくる。
それだけ人気だ。

お客は22時過ぎの時点で5人ほど。
23時過ぎまでいたけど、最後の最後にやっと一人になった。
銭湯で一人になる気分。
初めてだったが、なかなか貸し切り状態は気分がいい。

湯から上がり、ロビーへ。
奥さんは既に出ている。
もう他の客は誰もいない模様。
ポカリを飲みつつ帰宅。

秋の夜長、月を見ながら歩いて帰宅した。
明日はどこの銭湯ヘ行こうか。
次の新しい発見を楽しみにしつつ、夜が更けていく。


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2008年9月21日日曜日

15.上野毛 錦湯

今日は朝からずっと雨模様。

しかし夜になって雨も上がり、自転車で上野毛方面へ。
二子玉川からは10分ほど。

駅からほど近いところにある「錦湯」。











錦マンションの1Fにある。
左手より路地に入ると煙突が見える。
さぁて突入するか。

下足は90足格納可能。
自動ドアをくぐると右手にフロント。
正面には6人ほどがくつろげるロビー。
テレビに巨人ー阪神戦が映し出されている。
今日、巨人が勝てば首位。しかも16年ぶりの10連勝なんだよなぁ。

16年も10連勝してないってほんと最近の巨人は弱かった訳だ。

それはさておき、湯賃をお渡しする。
フロントはおばさま。文庫本を手に知的な感じである。
しかも非常にお若い方である。
DSをやっているとなんかカチンと来るが、文庫本は大歓迎だな。

少々照れながら右手の脱衣場へ。
ここは男湯が右手な訳だね。
むむ、ここの脱衣場はフロントスペースに押しやられてずいぶん狭く感じるぞ。
番台形式からフロントにした模様。
マンションにしたのもその頃かな。
まぁ、答えは闇の中です。

ポスターがあり、OL四人が仕事終わったら浴場へみたいなポスター。
これ庚申湯。清瀬にあるんだよな。
実家に近いので今度行ってみよう。かなりすてきな破風造。

ぱぱっと服を脱ぎ、いざ浴室へ。
カランはたくさんあるな。
30以上ある。
そんな中、お客は6人ほど。

天井はマンション銭湯だけに低め。
谷型の屋根で、銀色である。
お!背景は富士山。チップタイルだ。
1cm四方のタイルでこれはかなり迫力がある。風車もあり、水がドバドバ流れている。
女湯側はスイスな感じのアルプス。
男湯側からつながっているぶち抜きタイル画だけど、銭湯の背景ってつながっていても無理矢理違う場所の絵だったりする。

体を洗いつつ、浴槽をチェック。
3つあり、真ん中は丸であり、左は電気風呂。右手は広めの浴槽で座ジェットに赤外線、湯とん(!)となっている。
湯とんに気を魅かれつつも中央の丸形浴槽へ。

むむ、この浴槽は最近訪れた奥沢の「松の湯」に全く同じものがあったな。
ジェットの出る向きといい、流れるプール上になっている状況といい、全く一緒である。
ただ、床より出る泡の勢いが松の湯より弱いため、こちらは派手さが少々足りない様子。
それでもジェットの勢いはなかなかで、しばし富士を仰ぎ見ながら極楽気分を味わう。

そんなとき、ちらっと脱衣場側を見ると、出入り口の上にガラスに彫物がしてあるではないですか。こりゃすごいなぁ。

という訳で帰りがけに一枚撮影。











しかし残念な事に写真ではわかりづらい。
浴室側から撮影した方がよく見えるのであろうな。もちろん浴室から観る為に彫ってあるものだろうから。こちらは裏側という訳だ。

人魚二体が上半身をさらけ出して水中を漂っているという作品。
素敵です。

ちなみに女湯側は天女。こちらは何もさらけ出してません。
男には人魚の裸。
そんなところに男側への心遣いがある訳だな。

へぇとしばらく脱衣場入口上側を眺める。
湯につかりながら背景を観るのもいいが、それよりも脱衣場側を観るというのもいいと思う。
港区の「万才湯(マンザイユ)」のレインボーブリッジもそうであった。

さて、全身シャワーでクールダウン。
二基あり、なぜかカーテンがあるがこれがスヌーピー。

次は電気風呂へ行ってみよう。
深風呂になっていて、電極が二つ付いているがよくみる電極でなく真っ黒だ。
よく見るのは丸い模様がいくつか並んでいる感じなんだけど。
しかも両方ともL字状に付いている。
まぁ、いいやと片方に足を押し付けるがあまりビリビリこない。
しかしもう片方のはどくんどくんと来る。
パワーの差があるようだ。

さてさて次はお楽しみの湯とん。
♪マークのボタンを押すと丸い突起が4ツ付いたものが動き出す。
これに肩を押し当てるととんとんやってくれる訳だ。
気持ちいいけどあまり普及しなかったんだろうな〜。初めて見たし。
値段が高いのかもしれない。

肩を押し付け耳が水面に近づくと、なんだか「シャリシャリ」聴こえてくる。
自転車のチェーンのようなものが回転してる音のよう。
この浴室の壁のすぐ向こうで何年も湯とんのチェーンは回転し続けてるんだろうな。

3分間で終了。
そのすぐそばに赤く光る赤外線の光。これも体にいいとの事。
他の浴場でもよく見る光だが、この光が赤外線で、しかも体にいいという説明書きがあるのはここが初めてだ。
他もそういうことを書いておけばありがたみも増すというものだけど。
という訳でしばし光を当ててみるが、まったく体感できる訳でもないので、なんか居心地が悪くなる。
やはりジェットとかバイブラとか電気風呂の方がいいんだろうな。

またすぐそのそばにジェットがある。そしてもう一つの赤外線。こちらは緑の光。

これらが近接に並んでいるので、4人同時にこれを使用するというのも大の大人が近づきすぎた状態になり、なんだか知り合いでない場合は気まずい。
仲間同士ならまぁいいか。

というわけで湯から上がる。
お客は6人ほどいたが、今は自分を含め2人。
こりゃ自分一人で独占状態になるかなと思いきや、じいさん3人衆がやってきてかすかな希望が打ち砕かれた。

今まで生きてきて銭湯に一人きりで入った事がないんだよな。
開店してすぐだの、閉店間際だのに行った事がないと言うのが大きな理由ではあるが。

しかも3人衆の一人は体も洗わずに浴槽に突入。
大声で楽しそうに会話をしておる。

むむ、気にしても仕方ないので上がるとしよう。
体を乾かしたりなんだのしてる間に、そのじいさんはもう上がってきた。
時間にして5分!なんと早風呂な事か。
ってか体洗えよ。

しかもそのじいさんは服を着込むとフロントのおばさまと話をしているようだ。
それが目的なのかい。じいさん若いねぇ。

まぁそれはさておき、
フロントと脱衣場の間に小さな窓があり、開けるようになっている。
幡ヶ谷の観音湯にもあったけど、ここを開けてフロントと会話ができるようになっている。
でも、鍵もないので急に開けられてもフロントもびっくりするよな。

ロビーでのんびりしていきたいとこだけど、ちょっと照れくさいので「どうも」といって出てきてしまった。
今度行くときはじいさんのようにのんびりロビーで過ごそうかと思う。

2008年9月20日土曜日

14.野沢 ノザワランド

銭湯不毛な二子玉川より自転車で出発。

時間は夕方のころ。
ゆっくりと風呂につかり、一週間の疲れを取りたいところだ。

玉川通りを上り、246へ。
さらにずいずい進むと右手に栗の湯。
ここもまだ行った事はないが、まだ足に余裕があるのでさらに前進。
出発より15分くらいのところで駒沢大学駅に到着。
この辺りには左手に鶴巻湯。右手に明の海、ノザワランド。
さて、では少し駅より離れた位置にあるノザワランドヘ行く事にしよう。











破風造の銭湯であるが、改装されている。
右手にあるコインランドリーも経営者は一緒のようだ。
そのさらに右にあるラーメン屋の名前が気になりつつも(珍々ラーメン)、下足入れの100番に靴をしまい込む。

自動ドアをくぐるとマッサージチェアが三台、ソファがあるロビー。そして親父さんとおばあさんがフロントに収まっている。
おばあさんは親父さんの後ろに静かに腰掛けている。顔が上げられないのか、そのままうつむいた姿勢でいらっしゃいませと言っていただいた。

湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。うむここは左手が男湯か。

脱衣場は天井高く、さすがビル銭湯と違い開放感あり。
服を脱いだ時天井が高いとさあ風呂に入るかという空気を全身に感じる事ができる。

テレビがあるが背を向いている。
どうやら裏がサウナとなっている模様。

浴室へ入ると、銭湯であるが数々の種類の浴槽がある。
ふむふむ、こりゃ近代銭湯に見事に昇華した、まさに生まれ変わった銭湯だな。

カランは22。
体を洗い、浴槽へとGO。
浴室奥から左手にかけてL字型に配置されている。
右手より、薬湯。紫色なのでラベンダーだな。
続いて二つ目の浴槽は広めの浴槽でジェットが3基。手すり付きで、深湯になっている。
それからミクロバイブラ。
一人分のスペースで電気風呂もある。
三つ目の浴槽は水風呂。
十分な設備だ。

全身シャワーが二基あり、左手奥にサウナ室。
まずはジェットに腰掛ける。
自転車で少しふくらはぎが痛くなっているのでジェットを当てる。
当方背が少し高いのでうまくふくらはぎに当たらない。
昔の大人の体の大きさに合わせた造りかいな。
まぁ、どこもそうなので仕方あるまい。

湯温は41℃ほど。
ぬるいなぁと思っていると子供と入浴しているお父さんが、入る浴槽入る浴槽ドバドバと水を埋めていっている。
こりゃ仕方あるまい。

続いてバイブラ。
ボコボコ心地よく体に細かい泡の粒子が当たってくる。
お〜癒されるなぁと目を閉じしばし入浴。
ふと目を開けると先ほどの子供が指を指してこちらを見ている。
むむ、ここに入りたいのか。
しかたあるまい。
そこを立ち去り、いざ露天へ。
そう、ノザワランドには露天風呂があるのである。

サッシを開けて外へ。
ひんやりと外の風が心地よい。
季節は9月。
銭湯にはちょうどよい季節だな。って銭湯は一年中いつでも季節を問わない訳だけど。

岩風呂で5人ほどはゆったりと足を伸ばせるスペース。
なんとここにもカランが(3つ)。
しかも眼前にはノザワランドの煙突。
壁で他の景色は見えないが、空と煙突が見えればそれだけで十分ではないか。

女湯より男湯の方が煙突に近いので、その分この巨大な筒をじっくりと眺める事ができる。
温度は40℃ほど。
しかし、10分ほど浸かっているとぐんぐん湯温が上がり41℃ほどに。
さてはここにも水を埋めたな。

極楽である。
横になり煙突を見上げる。
いつから空に突き出し、何年間駒沢の街を見下ろしているのか。
問いかけても答えは返ってこないけど、まさに無言こそが答えのようにこちらに心が響いてくる。

もう空は闇だけど、昼の青空の元にこの露天に浸かるのもまたいいだろう。
またこよっと。

それでは中に入り、全身シャワーを浴びる。
もちろん水だ。
クールダウンさせてのぼせるのを防ぐ。

次は薬湯。
ラベンダーのほのかな香りに包まれ、浴室内を見渡してみる。
客数は7人ほど。
そこで常連客同士かおじいさん二人組の会話が耳に入ってくる。
「今ね、かなり空いたんだよ。さっきまでは混んでた」
その後、ラグビーの話をしている。

そうか、さっきまでは混んでたのか。少しラッキーかも。

ラベンダーの湯は色の割に薄いようだ。
しかしとても心地よく、ゆったりとその効能が身に染みたようだ。
足の疲れもほぼ取れてしまった。

そういえばここには背景はない。
ペンキ絵はここの浴場の雰囲気に合わないだろう。
昭和のニュー銭湯と行った感じなので、壮大な富士山とかはイメージに合わない。
タイルに花が描かれており、それがちらほらとあるくらい。

次は電気風呂へ。
くぅ、ビリビリというよりズシンズシンと電気が来る。
こりゃ強い。
ほどほどに退出。

サウナもなかなかよさそうだ。
しかし、今日のところはここで出るとしよう。

ロビーではニュースを見ているようだ。
今日は巨人ー阪神戦をやっているのでみんなで観ているのかなと思いきやそうでないので外に出る事にする。

すぐ目の前にはサミット。
お風呂に浸かり、サミットで買い物して家へと帰る。
そんな生活風景が頭に浮かぶようだ。
家に立派な風呂を備えていても、いつまでも銭湯を利用し続けるような日本人でありたいと思わせる非常に自分にとって有益な銭湯であった。

2008年9月17日水曜日

12.奥沢 つばめ湯

緑が丘を降り、大岡山二号踏切を潜り、賽の目に並ぶ住宅街を直進すると左手につばめ湯の看板が見えてくる。










駐車場(二台くらい)完備のモダンな作り。右手にはたぬきがお出迎えしてくれている。
他を抜いた銭湯かどうか楽しみ。
傘入れ(50)がしっかりあり、下足入れは煩悩の数よりひとつ多い109。これは東急線が近くを走っているからかな?
自動ドアの先には素晴らしく広いロビー。
庭を見渡せる大きなサッシにテレビ。椅子にソファがあり、ふかふかの絨毯。お金持ちの友人宅に遊びに来たようである。
漫画もある。

まぁそれは後にしてフロントへ。
親父さんは笑顔がさわやかである。石鹸にタオル、サウナ料金を支払い、スタンプをもらう。
通常スタンプの上に福寿スタンプをもらう。
福に寿となんともおめでたいスタンプである。理由を聞くとなんかいいことが訪れるようにとのこと。
いやぁそんな些細な一言でもこの銭湯の温もりが伝わってくる。

いざ脱衣場へ。
おなじみローラー二個がむき出しのマッサージチェアがある。
そこに東工大生だろうか目を閉じひたすらマッサージされている。
そんなに若いのにいったいどれだけ肩が凝っていると言うのか。

まぁ、いいか。
脱衣場からも庭が見える。
こちらはロビーから見える庭とはまた別のもの。
きちんと手入れされているようだ。

服を脱ぎ、浴室へ。
とても清潔。
天井は白く、男湯側が二段になっている。女湯側は2段になっていなくて、少し幅が狭いような気がする。

背景はなく、タイルの模様。
趣はないがモダンな模様である。
浴槽は三種あり、カランの数も充分。
全身シャワーが右手に一つ。しきりが黄色の蛍光ペンのような色で、これは昨日行った弘善湯にもあった感じだ。

あと、サウナがあり、二つの全身シャワーが独立して個室のようにスペースをしっかりとってある。
お客は5人ほど。若者もいて、じいさんもいる。
みなお互い話をしたりしていない。静かである。女湯側も静か。
けど、活気がない訳ではない。
なんだろう、浴室が明るく清潔であり、全体的にエネルギーは溢れて迫ってくる感じ。

桶は無地のもの。体を洗い、三種ある浴槽の低温から試す。
低温と言っても42℃くらいかな。
広めの浴槽に手すりが一人分あり、そこにはまってジェットを肩に浴びる感じである。なかなか気持ちいい。足をゆったり伸ばし、長くのんびりできる。
水枕はないので首は少々落ち着かないけど、中温風呂にはある模様だ。

では水シャワーを浴びた後、中温風呂へ。
こちらは座風呂と書いてあり、しっかり座って足を投げ出した状態で湯につかる。サマーベッドのように膝が少し高くなるようになっていた。
温度は若干低温風呂より上がり、43℃くらい。
これまた気持ちいい。
両手を伸ばし、体をほぐす。
右手が高温風呂に少々浸かり、電気でピリピリ。
高温風呂は電気風呂になっている。
高温で電気か。こりゃストイックだ。

しばし中温を楽しみ、水シャワー。
次は高温ストイック風呂だ。
高温っていったってそれほどでも、と思ったが、中温よりさすがに少し上がり44℃ほどあるだろう。なかなかいい湯。
電気は端と端に極があるため、全然感じない。
端に寄ればいい感じだけど、自分はまだまだ電気初心者なのでほどほどにビリビリ。

次はサウナ。
脱衣場そばに4人入れるくらいのスペースがある。
スチームサウナ。
イスは白い清潔な石。フィトンチッドの看板があった。これは大岡山浴場でも見たな。
森の香りが漂っている。
サウナに香りは重要だな。
砂時計が三つあり、後はなにも設備はないけど、ガラス張りなので閉塞感はさほどない。
浴室を眺めながらのんびりサウナに興じる事ができる。

すると、おじさんが一名桶に水を汲んだ状態で入室してきた。
流してきれいにしてから使うのかと思いきや、自分がサウナを使用した後にザバ〜っと流す。
うん、なんてマナーの良い人だろうか。
自分はタオルをイスに敷くくらいしかしなかったが、流すくらいのマナーはあってもいいか。

水シャワーにサウナ、すっかり仕事の疲れが飛び去っていってしまう。
気づくとお客は10人ほどに。相変わらず若者にじいさん。
バランスの取れた客層だ。
子供もいたら銭湯の将来的にもいいかもしれないけど、まぁとりあえずうるさくなくていい。

上がるとロビーで飲むヨーグルトを購入。
居心地の良い空間だ。
庭が見え、テレビを見ながら、漫画をよんだり、ドリンクを飲んだり。
そして女湯から奥さんや彼女が出てくるのを待つ。
そんな風景がいままで何度となく繰り返されてきたんだろうな。
これからもずっとこの素晴らしい銭湯が長続きしてほしい。
地元なら確実に週に何度も来る客となっているだろうな。

13.奥沢 松の湯

昨日に続き、今日も奥沢へ。

自由が丘から出発。
奥沢神社を右手に、奥沢駅前を通り過ぎ、徒歩7分ほどで松の湯に到着。

松の湯と立派な看板。
暖簾はなぜか「火災予防運動」。
うん、銭湯は火を使うから火災予防を謳うのは重要な事だな確かに。










下足は50ほど。
右手が男湯だ。昨日のつばめ湯は左手が男湯だったなぁ。
右手に男湯が一般的なような気もするが、まだまだ多くの銭湯に行った訳じゃないから答えは闇の中だな。

脱衣場への扉は自動ドア。
一見そうは見えないのでつい手をかけてしまう。
番台形式でずいぶん低い番台だ。
お兄さんといった感じの男が座っている。DSをやっていたが瞬時に中断した。

脱衣場のロッカーには鍵がすべてかかっている。
これは下足の鍵と共通だということ。
1番の鍵なので、中央よりのロッカーになった。

天井は高く、周りが1段低くなっている。
ロッカーの上に所狭しと入浴グッズが置いてある。常連客のものであろう。
むき出しで置くとはなかなか度胸がある。
まぁ、盗んでもしょうがないものであるから置いてあるんだろうけど。

狭いが庭もあり、縁側に2台洗濯機。
トイレは縁側をつたっていくようだ。
なかなかの雰囲気である。

服を脱ぎ、浴室へ。
お客は5人ほどで、やたら大声で話しているおじさん連中が3人、中央のカランで隣り合わせている。

自然と壁際のカランへ。
まず体を洗うが、カランの湯がかなりぬるいな。
水もぬるい。
浴槽は3つあり、左が深風呂。中央が丸い浴槽。ジェットが4カ所でバイブラ。少々斜めに設置されたジェットの為に流れるプールのように水が流れている。右がジェット2基を備えた浴槽だ。

まずは右手から。
湯の温度は43℃くらい。
なかなかいい温度だ。
ジェットも適度に強く心地よい。
横向きに座る感じとなるので、ここで背景を拝む。
海のペンキ絵だ。
ウインドサーフィンがいくつも行われている。立ち上がって女湯側を見ると富士山が見える。
男女ぶち抜きで大きなペンキ絵である。

いったん全身シャワーを浴びる。
二基あり、少しカビ臭い。
全体的に清潔感はあるけど、所々汚い部分も目立つ。天井はすこしはげ落ちかかってる。
床のタイルは貝殻のようにきれいに輝いているが。

次は左手の深風呂へ。
こちらは湯の温度も高いかなと思えばそうでもない。42℃ほど。
目の前に注意書きがあり、深風呂なので水を入れるとぬるくなりすぎます。のような事が書いてある。
確かにいったんぬるくなってしまうと浅風呂と違ってなかなか回復しないだろうな。

次は中央の丸風呂へ。
こちらは少し高く43℃。
そういえば水温計は48℃を指していた。
まさかそんなにはないよ。けど、銭湯の水温計って狂っている事が多い。
ボイラーの方の温度を指し示しているとかなのかな。

丸風呂は湯がおもしろいように流れ、とても心地よい。
深さも自分にはちょうど良く、肩がしっかりつかる程度。
こりゃ極楽です。

サウナも水風呂もないが、仕事の疲れを癒しに一日の最後に訪れるには良い銭湯。
脱衣場では扇風機も動いてなく、全体的に古びた感は否めないが、時代に流されず長く現役でがんばっているシンプルな銭湯といった趣だ。

2008年9月16日火曜日

11.下馬 弘善湯

仕事帰りに三軒茶屋へ。

時間的には8時くらい。
銭湯は多いようだが、どこにいこうかな。
とりあえず駅から南下して弘善湯へ。

6分ほど歩くと到着。
煙突はロケット型だ。
今はなき、玉川の新寿湯を思い出す・・・。
しかし、こちらのそれは少し低いようだ。

さて入口は壁に隠れてよくわからなかったが、なんとか発見。

牛乳石鹸の暖簾をくぐる。












なんと傘入れが80。
スゴい量だ。
一度に最高何本までここに格納されたのだろうか。
下足も88。多い。
しかし、ここに限らず自分の靴はでかいので(28.5)、革靴だと入らない。
無理に押し込んで壊してしまうのもまずい。
今日のところは靴を少しぐにゃっと曲げると収納できた。よかったよかった。

ここは男湯が向かって左手。
これは珍しいような気もするが・・大岡山浴場もそうだったか。
少数派かもしれないけど、そんなに珍しい訳でもないのかな。

脱衣場へは引き戸だが、油圧?のようなもので扉がやさしく自動でしまるようになっている。
こりゃ昭和の匂いを感じる。

番台には雑誌にくらいついているおばさん。
湯賃を支払うが無言。
スタンプを押してもらう。
やけにきれいなスタンプだったな。

天井広く気持ちよい銭湯だ。
テレビが女脱衣場との境にあり、室内アンテナのためかなり受信感度が悪いが、その音が響き渡っている。

庭もあり、しかし池は枯れている。残念だ。
その昔はこの池に水が溢れ、鯉が泳いでた時期があったんだろうなぁ。

そんなのんびり観察するのもあれなので、浴室へ。
正面には立派なペンキ絵が。
石川県見附島とある。
19年10月27日とあるけど、たった一年前にしてはかなりかすれてしまっているような。
19年でなく15年?いや、どうみても19年だよな。
女湯側は赤富士のようである。

早川氏、の作品のようだ。
大きい絵だから荒めに書いたのか、それとも時間がなかったのか。
とにもかくにも迫力がある。

カランの数は多い。
30近くある。お客は3人。じいさんばかりだ。
壁際に全身シャワー4基。海の家のようなしきりで個別に分けられている。
そして手前にサウナ。
お、何も書かれていないので無料であろう。すごい。
大田区は無料サウナが多いみたいだけど、三軒茶屋もそういうロケーションなのか。

湯を掛け、浴槽へ。
二つあり、左手はジェットが3カ所から弱めに噴出している。
30センチ立方のスペースの中、檻がはまり、鍾乳石のような石に湯が当たり溢れ出している。ほのかに湯が香っている。色はない。
温度は43℃ほど。
うむ、見附島を見ながらゆったりと浸かる。
時計があるが止まっているようだ。浴室にある時計が止まっているのは困るな。

もう一つの浴槽はこれまた弱めの泡が噴出している。
こちらはバスクリンか。自宅で同じ香りを嗅いだ事がある。
43℃くらい。長湯にちょうどいい温度だ。

続いて全身シャワーを水で浴び、クールダウン。
さぁサウナへ行こう。

スチームサウナで温度はけっこう高めだ。
鼻につ〜んと来る。
時計もなければ温度計もなく、もちろんテレビもない4人が座ったらぎゅうぎゅうのスペース。長くいるのも退屈になる。

しばらく汗を流し、水シャワー。
気持ちいいが、風情はないな。サウナ自体、銭湯に古くからあった設備ではないだろうから風情を感じない自分がいるのかな。

途中、やたら歌を口ずさむ男出現。
そういえば浴室には有線が流れている。これも風情を感じない要因か?
なんか、海の家を思わせる。
しかも有線は外国のチャンネル。海外リクエストチャンネルかな。

まぁ、それもここの特色の一つ。
歌う男は次第に声が大きくなっていくようである。
そそくさと脱衣場へ。
他にいたじいさん達も早めに撤収してきた。
なんなんだあの歌う男は。

自販機があり、そこでMetsグレープフルーツ味を購入。久々に飲むがうまいな〜これ。

番台のおばさんは女性の常連客と話し込んでいる。
あまりやる気を感じないおばさんである。

天井からぶらさがるファンは見事に停止している。女湯側も。
なのでエアコンから送られる風で髪の毛、体を乾かす。
しかし、少し風が臭いな。フィルターを掃除しましょう。

昭和の銭湯はそのまま空気が止まった感じで平成を迎えているものも多ければ、武蔵小山の清水湯のように経営努力が著しい銭湯もある。
いろんな側面がある。

今日の湯は入った後にエネルギーを注入されるといった雰囲気ではなかったな。
今度入る湯からはどんな収穫を得られるだろう。

2008年9月15日月曜日

10.喜多見 丸正浴場

今日は敬老の日。
夕方になり、喜多見の銭湯へ。

喜多見方面はここ一件きりである。
やたらくねくね曲がる道を自転車で進む。
道も狭く、なかなか見当たらないが、丸正と冠についたお店を発見。
この辺かな。
と思ったら、あったあった。












車が一台しか通れない細い道の前にある。
コインランドリーが目の前にある。
その昔はこの浴場を中心として商店街がしっかり形成されていたような形跡がある。

入口右手には傘入れ。
これが50本分!
下足入れは120。

かなり大型だ。
ロビーにはフロントがあり、テレビにソファーにお庭。かなりゆったりしたスペースだ。
池には水が入っていないのが少し残念だけど、苔むした感じがいい雰囲気だ。

さて脱衣場へ。
これまた広く、静かだ。
テレビがないし、扇風機もないからかな。
エアコンから送風されているのみだ。

ロッカーの中は大理石!かと思いきや、大理石の紙が貼ってあるだけか。そりゃそうだ。

服を脱ぎ、浴室へ。
天井は高く、二段に・・なっているんだけど、それは男湯側だけで、女湯側は体育館のように壁だけだ。

窓から明かりが入ってくる。
まだ明るい時間なので、風呂も明るい。
カランの数も多い。
その昔は数多くの人間で賑わっていたんだろうなぁ。
今日は7人ほど。

浴槽は3つあるようだ。
あとサウナ室もある。
体を洗い、浴槽へ。
一つは水風呂、ジェットバスが二つある浴槽、そして中央は大きなバイブラ付きの浴槽だ。
壁に貼ってある情報によると、今日は「ヒアルロン酸湯」だそうだ。
ぬるぬるしてるのかな?

実際入って確かめてみる。
うむ、確かにぬるぬるしている。
香りはないので癒されるというほどでもないが、お肌への効き目はありそうだな。

背景は熱帯魚のタイル画。
女湯側へもつながっているようなので、同じような感じかな。
岩もあり、それは本物。
ふぅ〜しばし湯を楽しむ。
温度は42℃くらいかな。
のんびり長湯が楽しめる。

昨日行った武蔵小山温泉清水湯と比べると、活気が段違いである訳だけど、まぁこれもまた銭湯の形だよなぁ。

湯から上がると全身シャワーで体を冷ます。
ボディシャワー付きだ。これは結構勢いがあるな。

脱衣場に上がる。
ここはほんと静かだ。
すぐにロビーへ。

浴室、脱衣場の青や白のイメージと違い、ロビーは絨毯の色が黒、赤で、なんか濃厚だ。
テレビを見ながらコーヒー牛乳を一本。
すると急にチャンネルが切り替わる。な、なんだ!
他に人はいない、と思ったらフロントのおばさんが変えているようだ。まぁいいか。

外はすでに真っ暗。そろそろ帰らなくては道に迷いそうだ。
帰り際、おばさんはご丁寧にあいさつしてくれた。
いつまでもこの一体の貴重なオアシスとして、がんばって維持してもらいたいものです。

9.小山 武蔵小山温泉清水湯

武蔵小山駅から徒歩5分ほど。

銭湯にしては立派なファサード。とても迫力がある。
暖簾をくぐり、小さな畳敷の腰掛けがある。
下足入れに下足を入れる。

中は立派なフロント、そして15人は腰掛けて休憩できるロビー。
テレビもあり、庭を見渡して休憩もできる。

これは素晴らしい。
今年(2008年)5月に改装オープンしたばかりとあってどこもがピカピカである。

券売機で入浴券を購入。
フロントのおばさんは元気そうである。
お客もたくさん入っているようですでにロビーだけで20人はいる。
活気があれば、接客にも気合いが入るというものだ。

今日は武蔵小山はお祭りが開催されていて、その夜という事もあってお客も多いのだと思う。
最も、このきれいさがあれば、お祭りだからという事もなく、混み合っていたのかもしれない。

脱衣場へ。
ロッカーは常連ロッカーが15ほど。
それ以外はもう十分すぎるほどにある。
ドライヤーも無料で、綿棒まで置いてある。
しかし人が多い。

脱衣場から浴室を覗いても、人がうじゃうじゃいる。
まぁ、仕方ない。
すぐ服を脱いで突入してみよう。
すぐに掛け湯専用のお湯が。
子供が丁寧に掛け湯をしている。
その右手にはサウナ室。テレビ付きだ。
奥に黒湯の大きめ浴槽。10人以上は入れるだろう。ジェットが三つ。
「電気の湯」もある。電極は一つだけ。
しかし人が多い。
すでに7人ほどこのスペースにいる。
サウナ室とその黒湯の間に水風呂がある。

黒湯に足を入れてみる。
温度は41℃ほど。じっくりのんびりつかってなんぼといった感じだ。

子供が多いが、みなマナーは良さそうだ。
兄弟で入りにきている子供は長男らしき男の子がよく弟を管理している。
静かに湯につかるように教えたりしている。

カランは20くらいか。
ここもほとんど埋まっている。
人がいなくても、物を置いて場所取りのような感じになっているため、空きを探しているおじいさんもいる。
こりゃ客の入りから言って場所取りはしてはいけない状態となっている。
ガラガラであれば、まぁいいかもしれないんだろうけど。

奥から引き戸で竹の生えているスペースへ。
すぐ左には黒湯の岩風呂。泡がよく出ている。
温度はやはり41℃。
階段を上がり、こちらには黄金の湯がある。
色は薄茶色で砂のような色をしている。
丸い浴槽となっており、こちらは少しぬるめ。40℃を切るくらいか。

源泉のため飲用禁止と書いてある。
そして湯船には人がやはりたくさんだ。
4人くらいでぎゅうぎゅうのところ、5人は入っている。
そこに子供が平気で突入してくる。
まぁ、活気があってよい銭湯だ。

すぐそばに寝そべって休憩できるサマーベッドのようなものがある。
全体的に落ち着いた和の雰囲気を醸し出しているのに、このサマーベッドだけは洋風だ。
竹製などはなかったのかな。
しかし、このイスは気持ちいい。
天井を見やりながらほてった体を癒す事ができる。
竹の葉がサラサラいうのを耳にしながら。
今日はちと人の声がうるさいが。

黄金の湯に本を持ち込んでいる人間がいる。
さすがにあれだけぬる湯であればそうしたくなる気持ちもわからないではない。
でも、銭湯に本を持ち込んでいる人間は初めてだ。

カランに行き、空いているところを見つけて体を洗う。
場所がなくぶらぶらしている人間もいる。

2年前に鈴鹿にF1を観に行ったのだが、そのときに立ち寄った銭湯(さつき温泉)はもっとすごく、カランが空くのに10人以上が終始並んでいる状態。湯船にはアカが浮き、排水がしきれずに床は水浸し。それでも次々と人間が入ってくる。そんな断末魔の状態だった。

それに比べれば(比べるなって)、何て事はない人の数だけど、これはすこし落ち着かないかな。

昔の銭湯ピークの頃であれば落ち着かない状態もあっただろう。
子供が入浴するということも大事な事だ。
将来、銭湯にまた子供を連れてこようと思ってくれるかもしれないから。
ならば、今日のような雰囲気は最高だろう。
子供が大人と入浴し、満足し帰っていく。
これが現代の理想的な銭湯スタイルなのかな。

湯から上がり、庭を眺めながらビール(500円)を一杯。
くぁ〜うまい。
人もたくさんいるが、活気もあり、古くささを感じない。
今を生きている銭湯と言ってよい。
失われつつある銭湯といった雰囲気が全くない。
この先何年もこの銭湯は武蔵小山で存在し続けるなと、自信を持って言えるような、そんなエネルギーあふれる銭湯だった。

2008年9月13日土曜日

8.等々力 松力の湯

今日は三連休の初日。

一週間の仕事の疲れを銭湯で落とすとしよう。
自転車にまたがり、世田谷の銭湯へ。

まずは喜久の湯。
こちらはすでに廃湯となっている。
跡地はどうなっているのかと現地ヘ行ってみると、銭湯は現存。
今後、取り壊されるまでの間、街の中で静かに過ごすのだろう。










これから開店してもいいような現役の雰囲気。

さて、それでは尾山台方面へ。
世田谷、とくに多摩川近くは銭湯が少ない。
うちの玉川付近は徒歩圏内に藤の湯くらいしかない。
玉川湯と新寿湯が廃湯となってしまって、実に寂しい限りなのだ。

尾山台へは自転車で15分ほど。

松力の湯は煙突に松力の湯と書いてあった。
なんか煙突を見つけると、ほっとする。
しかもそこから煙がちょろちょろと出ていると、やってるやってるといった感じでわくわくする。










周りは高層建築もなく、静かな住宅街。環境は最高である。
破風造がお出迎え。











牛乳石鹸の暖簾をくぐる。
宇宙な感じだ。UFOが三機も。











番台形式のようだ。
右側が男湯。どこも基本は右が男湯だなぁ。
下足入れは88個。88番に入れてみる。
では、中へ。

「いらっしゃい」控えめな親父さんの声。
番台は高く、160cmくらいの高さが平たくなっている。
そこに湯賃を置く。
親父さんの左脇にはうずたかく積まれた古新聞。
いままで新聞を激しく読んできたんだなぁ。世相にはかなり詳しいのかもしれない。

天井は格子状で濃い茶色の木だ。
広く、真ん中はぽっかりスペースが空いている。
丸かごがたくさん。
3個ほど使用されている。全部で30くらいはある。
その分、ロッカーは20。
自分は控えめにロッカーを使用。

落ち着く銭湯だ。
天井が高いと威圧感がなく、落ち着くもんなのかな。
番台の親父さんがすべてをまとめあげるマエストロのように、銭湯の全体の空気がしっくり来るのかな。

真っ裸になり、浴場へ。
非常に清潔だ。
タイルは白く、目にカビも少ない。
天井はブルーで2段。
到着した時間が5時である上、窓も大きく採光が良いため全体的に明るい。
人間の陰の部分がまったく表に出ない。

お客は5人ほど。
お互いは全く会話がないのでたまたま静かである。
その分女湯には仲の良い常連客が集結しているようで日常会話を楽しんでいる声が聞こえてくる。

浴槽は二つある。
富士のペンキ絵を拝みながら左手のボコボコ泡の出ている湯へ。
大きな黒い穴が浴槽奥にあいている。
これだこれこれ。
実家に昔あった東村山「秋津湯」。かなり昔に廃湯となったが、そこもこんな大きな穴があいていた。
これに吸い込まれてしまいそうで怖くて入れなかった記憶がある。
いつもそれがない方の浴槽に入っていたっけ。
父は平気で入っていくので、大人はすごいなと思ったもんだ。

でも、今となればなんて事はない。
湯温は43℃ほど。
熱くもなく、ぬるくもなく、長湯が心地よい温度だ。

一息つきペンキを広角で眺めてみよう。
早川氏。西伊豆からの富士山だ。
富士の空はなにもペンキが塗られていない。
そのため、背景から天井に広がる青がすべて一つの大きな空のようにまとめあげられている。
これが意図された演出であるとするなら、360℃広がる大パノラマを松力の湯の中で力強く表現できていると思う。
平成16年8月11日作との事。
4年あまり、様々なお客を眺めてきたんだなぁ。

一旦出て、冷水を浴びクールダウン。
続いてはもう一つの浴槽へ。

こちらは42℃ほど。浅風呂である。
広いお風呂なので数人の常連客同士で会話しながら湯が楽しめそうである。

さてそろそろ出るとしようかな。
120円のビン牛乳をソファに腰掛け庭を眺めながら飲み干す。

正当派銭湯である気がした。
銭湯の歴史が積み重なる中で、サウナやジェットバス、電気風呂など時代の流れに逆らい、バージョンアップをせずに湯を守り続けてきた。そんな感じだ。

じっくり疲れを癒す事ができる。
ソファでぼーっとしていると番台の親父さんが浴室奥の扉から釜場の方へ行った。

その後でお客が来店。
親父さんがいないと知ると平気で裸になり湯に入る。

そうか、親父さんが番台にいないときは入ってしまっていいんだな。
気の小さい自分の場合は親父さんが来るまで待ってしまいそうなもんだ。
まぁ、お金さえ払えば後でも先でも同じだからな。
もしそんな状況になったら自分も先に湯を楽しみ、後払いで湯賃を支払う事にしよう。

7.芝 万才湯

本日よりしばらく電車かもしくは自転車、徒歩での銭湯巡り。
会議が浜松町であり、そのあとふれあいの湯に行こうかと思うも、事前調査でそれほど魅力を感じなかったし、区営という事で廃湯になる危機度も少なそうなので見送った。

20分ほどスタコラ歩き、田町の方へ。
万才湯をひたすら目指す。

東京タワーを背に、慶應仲通りへ突入。
金曜の夜という事もあり、サラリーマンがうようよ。しかもまっすぐ歩けていないほろ酔いリーマンだ。
学生はさほど見受けられず。まだ9月上旬なので夏休みかな。

9時ちょい過ぎ、仲通りでお湯の香りが漂ってきた。この辺だ。
雰囲気のいい居酒屋がいくつもあり、仲のいい友と一緒なら一杯やりたいなと思いつつ、ふと左の路地を見ると「万才湯」の店先。

ひとかけらの迷いもなく店の中へ。
とても数の少ない下足入れ。30くらいかな(かなり目分量)。
テレビの音が耳に飛び込んでくる。
隣にフロントがあり、メガネのおじさんが座している。
これまでのフロントor番台平均年齢の中ではかなりお若い。40台後半かな。

ロビーにはベンチがあり、3人ほど腰掛けて休憩する事ができる。
ドリンクを売っていて、他にもお風呂グッズをいろいろ取り揃えている。

さっそく喉が渇いたので、乳酸菌飲料を購入。
脱衣場へ。

15畳ほどのスペース。
女湯との境がなぜかすりガラス!
やや向こうの動きが見える程度だ。張り付いたらけっこう見られるはず。張り付くやつはいないだろうが・・。
これは男のロマンだな〜。

まぁくだらない話はさておき、黒皮のレトロマッサージ機がすみっこにあり、脱衣場を見渡してのんびりとしている。ローラー二つがむき出しの角張ったマッサージチェアだ。

あと、KEIHOKUの体重計。昔から受け継いだものかな。
はだか泥棒の張り紙もある。
これ面白いな。





ロッカーは14個が貸し切りロッカーだ。500円/月。いいなぁ。地元の銭湯ならぜひお借りしたいとこだ。

さてドリンクを飲み干し、風呂へ。
と思いきやタオルを忘れた事に気がついた。
そんな時、タイミングよくフロントのおじさんが脱衣場のトイレを利用。
出てきたところに「タオルください」と一言。
いやぁ、また背広を着るのがめんどくさかったので助かった。

フロントは気軽に裸でものを買えないところが少々厄介だ。
そんな場面に遭遇する事は何回もないんだけれど。

おふろセットを持ってきてくれて、100円をお渡し。
お渡しするときにおじさんの手から100円がこぼれそうになるも、おじさん瞬発的に手をひるがえしそれをキャッチ。す、素早い。さすが若手の湯守だ。

さて入浴。
お客は8人ほど。かなり多い。
カランが10であるようなのでこりゃ大変。
すみっこでお湯を浴びる。

それぞれが常連さんのようだ。頻繁に会話を交わしている。

お風呂は三種。深い浴槽、ジェットが2カ所から噴出している大きめの浴槽。
手前窓際には「玉露カテキン」の湯。カテキンだけに緑色だ。

天井は高く、ペッタリとペンキで塗られている。
全体的にきれいであるけど、シンプルな浴室。タイルもきれい。鏡もカランもきれいだ。
女湯との境の壁に瓦が一列に敷き詰められている。なぜか中央やや脱衣場よりに小窓。
さきほどのすりガラスのようだけど、高い位置にあるので覗くとかそういうレベルではない。
飾りかな?

背景はない、かなと思いきや、脱衣場からの入口の真上におおきなレインボーブリッジ。右下に「SANUGA」と書かれている。
誰?
とネットで検索だ。

>>8 4歳になられる埼玉方面で9000枚のペンキ絵を手掛けられた大御所だ。意識して佐怒賀次男師のペンキ絵を見るのは初めてだ。
ナカムラ氏 風呂屋の煙突より

そうだったのか、迫力のある筆致ではあったけど、レインボーブリッジが題材という事で、ありがたみが薄かった。これはよくない、また行った時じっくり拝むとしよう。

まずはカテキン湯。
お茶の香りが強烈に漂ってくる。濃そうだ。
湯温は42℃ちょっとかな。ちょうど良い。
窓を背にして浴槽壁面に木板がはめ込んであり、そこは若干熱い。
二人が入るといっぱいの広さだが、入っているとすぐに他も入ってくる。
順番を待つほど空いていないのだ。

いそいそとそばのジェット付きの広めの浴槽へ。
人が入っているのでスローリィに脱出。
子供の頃はこんなマナー、まったく気にもしなかったな。

ジェットの湯船。
うむむ!これは熱い!
確かに先ほどから足だけ入れてすぐに出る人が多く、こりゃ熱そうだなとは思ってはいたもののこれほどとは!
46℃くらいあるだろうか。
前例がなく自信はないが、温度計を見ると45℃。しかし、もう少しありそうである。

足を入れ、ジェットの方へ。すると余計熱い。
まぁ慣れるかと思いきや、やはり熱い。
それでも腰を下ろし、ジェットの恩恵にあずかろうとする。
あぁ、これはきつい。修行だ。湯行だ。

レインボーブリッジを眺めつつ、熱い湯に身を投じる。
かなりストイックであるこちら側と裏腹に、レインボーは資本主義社会の戦後の日本経済の象徴として、また江戸時代は台場として防衛の拠点として位置づけられた街として、現在はお台場冒険王・・あぁ熱い!

とりあえず出て一つのみある全身シャワーへ。
水を出し、クールダウン。おぉ、オアシスだ。

少し頭がくらくらするのは血液が頭に上ってしまったからだろう。
いかんいかん。

もうひとつの深い浴槽はボイラーからぐつぐつとわき出しているのがよく見え、さらに熱そうだ。敬遠しておこう。

しかし、誰もが水を投じようとしないところに江戸っ子の心意気を感じる。
プライドの塊だ。

体を洗いつつ、鏡を見ていると、10ある丸鏡のうち二つだけ月蝕のように欠けているものがある。
割れている訳ではなさそうなので、なんでだろ。
その前には70歳くらいのおじいさん。
見ていると鏡に石けんをつけ泡立て始め、自分のタオルで鏡を洗い出した。
こ、これは。
店の人か?それとも常連さんは鏡を洗うのか?
その後、鏡下のタイルなども洗ったりしていた。
うむ、これくらいの銭湯愛を持って、銭湯を利用していけばいつまでも万歳湯は安泰なのだろう。地域密着型。スーパー銭湯なんかじゃこんな光景拝めないよな。

さっそく自分も誰かが放り出したままのシャンプーとリンスの袋をゴミ箱へ。
ケロリン桶を片したりした。

ん?なんか某Jリーグのサポーターが試合後にゴミを拾う、みたいだな。
ほどほどにしておこう。

それから今一度カテキン湯へ。
う〜む極楽。お茶の香りが体に染み付きそうだ。

そうこうしていると、照明が暗くなる。
ん?ブレーカーが落ちたかなと思っていると、天井のスプリンクラーのような噴出口からミストが出ている。
その下にあるベンチにお客が一人移動し、ミストを浴びている。
何だこりゃ。

時間は9時50分。
毎時間50分頃になるとミストタイムになるのだろうか。
ふむ、しばしそのお姿を拝見している。
とても気持ち良さそうだ。

3分ほど続き、シャワーは収まり、電気が点いた。
なんだったんでしょう今の。
何回かくれば何てことのないイベントになるのだろうけど、初めて見ると面白い。
シンプルな銭湯なだけにね。

お客の個性や、ミスト、お湯の熱さフロントのおじさん。
シンプルな形の銭湯だけにそれらの役者たちがとても際立って個性を発揮している。

これぞまさに銭湯エンターテイメント。
湯から上がり、店を出る。
街は活気を帯びている。
昭和の街にタイムスリップしたかのようだ。
とても楽しい銭湯。
来るたびに新しい発見がありそうだ。

2008年9月12日金曜日

6.武蔵野 虎の湯

虎の湯を目指す。
実家からほど近い場所にある銭湯だ。
これまで30年以上、何の関わりもなく生きてきて今日こうして湯を楽しませてもらいに行く。
素晴らしい出会いの瞬間だ。
どんな銭湯なのかわくわくする。

駐車場に車を停める。
けっこう広く、6台ほど駐車できそうだ。
お客の駐車場としてでなく、利用しているスペースもあるのかもしれないが。

駐車場にはペンキ絵が美術館の如く飾られている。
早川氏の作。
富士山はとくに大きく圧巻である。
駐車場でなく湯につかりながら拝みたいものだ。
まぁ、中に入ればまた別なのが見れるかな。

21時くらいである。
暖簾はないな。靴をロッカーにしまう。革靴であるから入りきらない。
力で強引に閉める。おっとあまり強くやると壊れてしまうかもしれないから要注意だ。
相変わらず自分の馬鹿の大足さかげんにはあきれてしまう。

馬鹿の大足、間抜けの小足。
どっちつかずのろくでなし。
そんな節が落語にあったなぁ。

引き戸を開けるといきなり脱衣場。
そして番台におばあちゃん。
みごとに番台に組み込まれてじっと腰掛けておられる。
まるで舞台装置の一部分のようだ。

湯賃をお支払い。
洗剤やら石けんやらいろいろ販売している。
洗濯機は4台もある模様。
脱衣場は広く、テレビに庭に、ござ付きの休憩台。丸かごもあり。

ロッカーは縦長の大きめのものを使おう。
開けると、汗臭いカビ臭い働き者の脇の匂いがつ〜んと香ってくる。
他のロッカーに変えるも同じ匂い。
うむ、気にしない事にしよう。

さっと脱ぎ、湯を浴びに行く。

この銭湯は横に広い。というか奥行きがあまりない。
だから脱衣場から浴室へ入ると、大抵奥にある浴槽が左手にある。女湯の境の壁に張り付いている形だ。
それに、全面岩である。
岩場にある湯。そういったイメージ。基本はセメントを貼付けてゴツゴツ溶岩のように固めた感じだが、湯が滝のようにわき出している岩は一枚岩である。
ザバザバとお湯が常に出ている。
そのすぐそばでなぜかカエルの親子がこちらに向いて座っている。

ペンキ絵は岩場の上に看板のようにせり出した板の上に描かれている。
富士の絵。
伊豆海岸。平成19年11月14日。早川
と描かれている。

早川氏の作品は輪郭に迫力を持たせて全体的に全面へ強調させる、際立たせる筆致のようだ。
女湯側も壁が低いせいかよく見える。
富士ではなく、岩と松が見えるが何の絵だろう。

ペンキ絵の下には岩が不自然に扉のようにどっかと居座り、張り紙で「横たわって寝る事はできません 店主」のような文章が書かれている。確かに横たわるのにいいスペースとなっている。ここは昔浴槽だったのかな。
もともと岩もなく普通の銭湯で、岩を貼付けて行く事で浴槽スペースが狭くなったのかもしれない。

銭湯は昔は普通にお風呂を楽しむ、生活の為の湯、という事で良かったのかもしれないが、数も増えてくると個性を押し出す、銭湯ごとにそこに存在するべきアイデンティティーが必要とされてくる訳だ。

銭湯は文化で、それはとても熟成された文化だ。
いろんな銭湯を訪れ、様々な世界を知る。毎日発見の連続である。

話が虎の湯からそれてしまった。

浴槽は2つ。
岩から流れ出すお湯を楽しむまさに岩風呂と、ジェットが二カ所から出ている浴槽。
どちらも温度は高く、45℃を水温計は指している。
それよりは少し低いイメージだ。
張り紙もしてあり、当湯は熱めのお湯です。お水で低くしてお入りくださいのような事が書いてある。
しかし、せっかくエネルギーを用いて温度を上げたお湯を、わざわざ水で下げる必要もあるまい。無駄なエネルギー消費となってしまう。

ぐっと、熱い湯に身を投じる。
うん、これはとても心地よい。
岩を眺め、伊豆海岸からの富士の眺望、カエルの親子に、そうそう、女湯との境には五重塔もある。灯りが漏れている。

まるで箱庭の中にいるようだ。
お客は5名。
熱い湯の為長く浸かっている人もいない。
すぐに独占状態となる。

設備は際立っているところはないものの、この雰囲気に身を投じる事がとても楽しい。
仕事の疲れをかなり癒す事ができた。

脱衣場で涼んでいると、浴室のとなりに扉があり、その奥には湯船が見えた。暗がりの中で欲は見えないが、狭い感じだ。今は使われていない模様。

いつか銭湯ブームが再来し、虎の湯の使われていない湯船に火が入る日が来たらいいと思う。

帰り際、番台のおばあさんにご挨拶。
その時女湯側が目に入ってしまった。
もちろん故意ではないが、そんな事故も番台の良さではないだろうか。
もちろん若い女の子が来ている訳ではないのだけど、淡い期待を抱いてしまうというのがいつまでも追い求め続ける男のロマンというか、マヌケというか。

番台銭湯、いつまでも残っていてほしい。

帰り際、窓から防犯カメラの映像が見える。
銭湯で悪さをするやつがいるのだろうか。
人気も絶頂であった頃は、悪い輩も銭湯に集まってきたのだろう。
こうしてのんびりした空気に包まれている現在、防犯カメラも少し歳をとって、あとは湯に浸かりにやってくる人々をにこにこ眺めているといった感じかもしれない。

2008年9月10日水曜日

5.久が原 久が原湯

大田区の久が原湯。
世田谷の銭湯はどこも駐車場はないけど、大田区の銭湯には駐車場が完備されている銭湯も多い。今日訪れた久が原湯にも駐車場がある。

焼き鳥屋のそばにコインランドリーと「ゆ」と書かれた牛乳石けんの暖簾を見つける。
そのすぐ左脇の細い路地が駐車場の入口だ。5台ほど停められるスペースがある。
注意すべきは右奥の2台分。高さが170センチまでなので、ワゴン車などの人は気をつけないと車を傷つけてしまう。

さて、暖簾をくぐろう。焼き鳥のいい香りを嗅ぎながら、靴を預け、フロントの女将さんに湯賃をお渡しする。背筋が伸びた隙を見せない感じの女性だ。

フロント右にソファがあり休憩スペースがある。4、5人が休憩できる感じだ。

脱衣場に入ると、真ん中に休憩スペースとテレビ。それを囲むようにロッカーがある。

窓際には庭があり、おっ露天風呂も見えるね。右にはコインランドリーも見える。と、いうことはコインランドリーからも男湯の裸男達が見えるという訳か。

ロッカーは大きめ。仕事用のカバンもすっぽり入る。
服を脱ぎながら、天井の方を見るとなんと造花の多い事か。しかも元気ににょきにょき生えている。
造花は掃除が大変だけど、かといって汚い雰囲気もない。

さぁお風呂へ。
やはり造花につつまれた浴場。
りんごに桜にイチョウにカエデ。いろんなものがあるな。
入浴客は少年が8人(!)、大人が4人ほど。

面積がゆったり広いためにこれだけいてもそう狭くは感じない。
しかし少年達はうるさい。しかもみんなで同じ浴槽に入る。なぜ単独行動をとらないのか。小ガモが集まって親の後ろを付いていく図が思い起こされる。

これも外敵からの防衛本能なのかな。

湯舟の種類は豊富、バイブラにジェットバス、黒湯、そして黒湯源泉の水風呂、黒湯の露天風呂、あと湿式・乾式サウナだ。ゆっくり楽しめるな〜。

それぞれの浴槽は大人2、3人が入るともういっぱいなのでそれぞれが空いているのをみてずぶずぶ浸かる感じだ。

そこで少年達は退散。ちょうど良かった。
しかし親もいない様子だ。少年8人で銭湯に行こうという選択肢があるのは日本も捨てたものじゃないなと感じさせてくれる。万歳、平成。

バイブラで体をほぐす。
温度は高め、44℃ちょっとはありそう。
浴槽の壁からは赤い光だ。これは体に何かしらの作用があるのだろうか。

つぎにジェットバスへ。ステンレスの枕もある。すこし勢いは少ないかな。
さて、黒湯ヘ行こうか。
ここがやけに深い。なので肩までじっくり浸かる事ができる。
う=ん、これはいい!
温度は高めの45℃。表示はそう出ているけど、もう少し低いか。

ここで背景を拝む。
タイルの素晴らしい富士山。手前には湖と鶴。そして風車小屋、鶴は富士山を横切るように飛んでいるのもいる。他のは湖の水に口をつけている。
雄大だな。
壁上部一面に広がる造花の迫力と富士山、鶴、風車小屋のコラボレーションがとても良い。
昭和の香りがぷんぷんしてくる。

女湯側はなんだろう。富士山はつながっているようなのでやはり鶴かな。
たまに思うけど銭湯を文化財としてデータベースがあればな。背景もじっくり女湯側を見たいし。
しかしそうなってくると廃湯となってしまったところが余計見たい。

さて、次は露天に行ってみよう。
お湯は41℃の設定にしてありますと張り紙が。
たしかにぬるい。
露天はこんなものかな。
控えめにぶくぶくと泡が出ている。そしてしばし無となり黒湯を体にじっくり染み込ませる。
横長の露天で左の窓が開け放たれている他は閉塞的だけれど、風が心地よく入ってくる。

長湯してしまうなぁつい。
狭いので次に誰か来た場合、少々位置を考えなくてはならなくなる。
そう思うと落ち着かなくなったので出る事にしよう。

次はサウナ。湿式と乾式があり、乾式は常に誰かが利用している様子。
人気がない湿式でのんびり。
サウナが銭湯料金で利用できるとはなんてお得。
3分ほど汗を流し、水風呂へ。
地下水なので無駄に利用しないでくださいとのこと。
よし、大切に使おうではないか。
ゆ〜っくり足から浸かって、黒湯の中に体を沈み込ませる。

地下水と聞くだけで体が言う事を素直に聞く。冷たい水だがサウナの後だけにポカポカしてくる。これはいい湯(水)だ。

その後、乾式サウナもたっぷり慢喫。
ここは初め造花に気を取られるけど、お湯をじっくり楽しめる素晴らしい銭湯。
地元にあるとかなり重宝しますな。

2008年9月9日火曜日

4.大岡山 大岡山浴場

仕事帰りで車なので駐車場付きを、という事で銭湯マップを見ると、大田区にはいくつかある。
そんな中で世田谷にほど近い大田区の隅にある八幡浴場を目指した。

だけど、大岡山を抜けて狭い路地を進み、ナビ上ではあるはずの場所にない。
うーむ、どうしようかと直進していると、通りの向こうに大岡山浴場のネオンサインが緑色に光っている。

目の前にちょうどコインパーキング。よし、ここにしよう。

T字路にぽつんと構える大岡山浴場。
どうみても中が広いようには見えない。
すぐそばに、コインランドリーがくっついている。これまた狭い。

とりあえず、暖簾をくぐり、靴を預ける。
ロッカーの上を見るといろいろお土産物みたいな品物が置いてある。
印籠とか。

後ろを振り向くとフロントがある。
ロビーらしきものはない。フロントのすぐ前にイスがあり、ジュースやら何やらのケース。フロントの前に親父さんが出て来ていてテレビを見たり、走り回っている4〜5歳の女の子の様子を眺めている。お孫さんかな?

その親父さんはいらっしゃいとフロントに収まる。お店の人であった訳だ。
銭湯料金を支払い、左手の男湯へ。

そこに広がる光景はまさに昭和モダン。
和の雰囲気はどこへやら、とても興味深い雰囲気だ。
先ほどの女の子は平気でこちらに入ってきて、じいさんと戯れている。
こちらのじいさんの方が、仲良さそうだ。こちらのじいさんのお孫さんかな。

入ってすぐに大きな横広の鏡があって、「贈」と書かれている。
「角の湯」、「賽の湯」、「富士見湯」
いまでもあるのだろうか。

なんか天井が低いな。
全体的にミニチュアみたいだ。
古いけど、汚いようでそうでもない。
くたびれているようで、そうでもない。

とても奇妙な雰囲気だ。
服を脱ぎ、さささっと浴場へ。

お客は二人。じいさんと年齢不詳の男。

カランが全部で10ちょっと。
ジェットバス2種、ミクロバイブラ、電気風呂、そして右奥に引き戸があり森林浴湯?がある。露天ではないけど造りものの植物がいくつも見える。

まずは体を簡単に荒い、ミクロバイブラへ。
端の方の壁下から緑の光が見えている。なんか、モダン。そこだけ見るとラブホテルみたいだ。

上の方に視線をやると壁にはモザイク画。
お花畑にシカと女性。なんか石像のような色をした女性だ。石像なのか?
となるとシカは魔女に魔法をかけられた王子様であろうか。
そんなに深くないかな。
いろいろ考えてしまう。

その答えを解く鍵は女風呂にあるのかとふとみると、虹のモザイク画が少し見える。なんの絵なのかな。

ジェットバスをしばし堪能。ここらはすべて浴槽がつながっており、42℃ほどかな。
電気風呂の方の湯は淀んでいて、アカなどが浮いているのがよく見える。
浴槽の色が濃い青なので余計強調されてしまうな。

まぁさほど気にせず電気風呂へ突入。
幅が広いので真ん中に居座るとさほど電気は感じられない。壁に少しよりつつ、ビリビリを感じてギブアップ。いやぁやはり無理だ。

次は森林浴湯へ。
引き戸を開けるとそこは森の香り。そしてスピーカーからはモダンな音楽が。
加山雄三あたりがバーへ行くと演奏されているような音楽である。
リアルタイムで聴いた事がないので具体的にはわからないけど。

昭和モダンここにありといわんばかりの空間エンターテイメントだ。
しばし、死んだ親父が駆け抜けた「昭和」という時代をを空想する。
白くかすんだガラスの向こうに石像の女性とシカ。

ふむ、時間が過ぎ行くのを忘れてしまうな。心地よい。不思議な空間。
ふと我に帰り、外に出る。
なんかにやけてしまう時間だった。まさにタイムスリップしたようだ。

脱衣場へ。
テレビでは鑑定団をやっている。
天井からぶら下がる扇風機の風が心地よい。ぶんぶん元気に回っている。
何十年もの間、この扇風機は元気に回転し続けているんだな。意味もなく感傷的になってくる。

フロント前に出ると、先ほどの親父さんから女性に変わっている。
先ほどの女の子が膝上に。
こりゃお母さんだな。
う〜ん、銭湯一家。美しい。
親父さんが亡くなっても、土地を売ってマンションなどにしたりせず維持し続けて行ってほしいなと密かに願う大岡山の夜なのでした。

表に出てポカリを一気飲み。
うーん、風呂上がりのポカリは最高。

3.池上 桜館

月曜。仕事帰りに大田区へ。
今日は車である。
職場が横浜の方なので、世田谷(二子玉川)への帰り道、少し迂回するだけで大田区に寄る事ができる。
どうせなら駐車場付きの銭湯ヘ行こうと思う。

大田区は銭湯がとても多い。
銭湯マップで大田区は1〜4まである。
まさに銭湯の楽園。

銭湯小国の世田谷に住んでいる自分からしてみるとうらやましい限り。
いつまでも地元のお客に愛される銭湯作りができているのだろうか。
楽しみ。

大田区へ向かう途中、奥さんを車に乗せる。
そして、地図を見て湯舟の種類の多さから「草津湯」をチョイス。
これなら奥さんも満足であろう。

池上辺りに着き、賽の目になっている道を一方通行に惑わされながら向かい、草津湯の前に到着。いやしかし、灯りがついておらず「本日休業」との文字。
銭湯マップには不定休とあるので今日はお休みなのか。

仕方なく、すぐさま次の候補地「桜館」へ。
「草津湯」からは3分ほど。信号機がなく交通量(午後8時頃)も少ないのですぐ到着。
こちらはしっかり営業しておりました。

駐車場は狭いが道路が広いので難なく停められる。
車を降り、建物の全貌を見やると、銭湯らしからぬ立派な建物。そして桜館の立派な丸看板。夜の闇の中に煌々と照らし出される建物。
壁には入浴する女性の背中。
うん、テンションが高まってきますよ。

左側面の入口から入店。
木製の鍵。松竹というやつ。

フロントのおじさんにスタンプのノートを提出。
ロビーはこじんまり。タバコの臭いが充満している。
テレビがあり、ベンチが並んで12〜3人が座れるくらいのスペース。

おじさんは「今でもこれやってる人いるんだねぇ」とのこと。
最近はスタンプ押す人間も減ってきたかな。

まぁそれはさておき、弐の湯へ。

壱の湯は月の後半に男性の順番になるらしい。

脱衣場は広めだが、銭湯というより、スーパー銭湯の趣。そして少し古い。

マッサージチェアが一段高い壁のそばに陣取っている。しかも照明がばっちり当たっており、周りより少し明るい。こりゃ自分は照れて使えないな。

テレビは高い位置にあり、コナンをやっている。なぜか大の大人がそれをよく見ている。
コナンみんな好きなのだろうか。

天井は低い。
さて、服を脱ぎ、お水を給水機から飲み、浴場へ。

するとこちらは奥行きはそれほどでもなく横に広がるイメージ。
ペンキ絵もないので情緒はないかな。
お客は10人ほど。
子供もじいさんもおり、みんなお湯を楽しんでいる。

左手にはサウナ、カラン一列を挟み、黒湯の露天。水風呂があり、電気風呂、ジェットバスなどなど。

温泉の後はシャワーで流してから白湯にお入り下さいの説明書き。そりゃそうだな。気をつけよう。

体を流し、手前のお湯から。
温度は42℃ほど。水温系も42℃を指している。
あ〜仕事の疲れが抜けて行く。
平日の銭湯っていいな。

そして電気風呂で腰を癒す。
しかしこれは強力でとても腰をぴったり壁につける事ができない。

ふぅ、すこし休憩だと横にそれると、そのあと少年が電気風呂にぴたっと座り、なんてない顔をしている。しかもしばらく座っている。

う〜ん、自分はIT系の仕事をしているからか体に電気を多く溜め込んでしまっているのだろうか。やたら電気に反応してしまう。

まぁ、これから徐々に慣れて行く事にしよう。

サウナは別料金。プラス200円。

あまり利用している人は見当たらない様子。
水風呂に行ってみると、お、ぬるいな。これは。そして子供がプールのように遊んでいる。

細長く狭い事もあり、じっくりのんびりという訳には行かなさそう。

それよりも何よりも露天かな。
黒湯で温度は41℃強といったところ。

小さな滝を形成した岩からとくとく黒湯が流れ込んでくる。
天井を見るとガラスのない壁のくりぬきから枝が入り込んでいる。花が咲いたりするのか。
これが桜だったらまさに桜館に桜ありといった感じだ。

黒湯は見た目、気の抜けたコーラのようである。また、黒豆の煮汁みたいでもある。
東京は黒湯、だけども、そのなかでもとても黒々としたお湯だ。濃く見えるけど、これが温泉成分の濃さかどうかはまた別のような気もする。

露天と行っても穴が高い位置にあるので、さほど外気は感じられず。
ぜひとも壱の湯に行ってみたいものだな。

1時間ほど、十分にお湯を堪能し、立ちシャワーで水を浴び、脱衣場へ。
扇風機が2台あり、気持ちよく体をクールダウン。

ロビーで奥さんを待とうかとパインジュースを飲みながら待つ。
男性客が一人待っている。
しかしここはタバコ臭いな。タバコ苦手な自分としては長居できん。
まぁ我慢我慢。

そのとき、30歳くらいの二人の女性が入ってくる。カラオケはやってますかとのこと。
フロントのおじさんは月曜は休みですよと伝えると女性たちは残念がり帰ってしまった。

カラオケ目的に銭湯に来たのか。そういう楽しみ方もなかなか楽しそうである。

それから若い感じのカップルも来た。
こちらは自動券売機で券を買っている、自動券売機があったのか。
自分は何の迷いもなくフロントのおじさんに話しかけてしまった。

その後、おばさんといかつい感じのおじさんがご来店。すでにロビーにいた男性客とは顔なじみのようであり会話を交わしている。
私はタバコを吸ってから行くわとの事。
フロントのおじさんに銭湯料金を支払っている。
うむ、常連は券売機を使わず。
ほっと胸を撫で下ろす。

おばさんがタバコに火をつけたので、うむ、そろそろこちらは退散したいなと思っているときに奥さんが来た。良かった良かった。
風呂上がりにタバコの匂いが染み付いてしまうのは少し損した気分になるのである。

車に乗り、右へ出発しようとすると先ほどロビーにいた男性客が手を挙げてこちらへ向かって来る。

うん?なんか忘れ物でもしたかな?と思いつつウィンドウを開けると、
「こっちは一方通行。どっちに帰るの?」とのこと。
あっちのほうです。と答えると、
「あっちのコンビニを左に曲がってぐる〜っと回り込むしかないんだ」
と丁寧に教えてくれた。

おかげで無事池上を脱出できた。まぁナビはあるんだけど、優しい心遣いに多いに感謝。
自分も人に優しくしようとココロに誓う一瞬でありました。

あのまま一方通行を行ってしまってもしパトカーに遭遇していたりしたかと考えるとね。ほんとありがとうございます。

奥さんも桜館には十分に満足した様子。
銭湯はお湯だけでなく、設備だけでなく、そこに集まる地域の人々が演出するエンターテイメントなんだな。

心も体もしっかりあったまった、月のきれいな九月の夜でした。

2008年9月8日月曜日

2.清瀬 喜多の湯

東京の郊外、清瀬市にある喜多の湯へ。

実家が東村山なのでとなり街である清瀬は親しみ深い。幼少の頃よく自転車で清瀬のデパートやゲームセンターに遊びに来ていたものだ。おもちゃ屋「東京堂」は今でもあるだろうか。今日は車で来ているので狭い道にある「東京堂」の様子は見れなかった。また今度こよう。

今日は雲が厚く、そしてどす黒い。ここ最近は雷雨が多いのだ。しかも局地的な大雨が多く、大雨洪水警報が東京で出ていても、空は晴れ渡っているなんてことも多い。

もしや北京オリンピックで雨雲にミサイルを撃ち込んだせいで雨雲がばらけて日本に悪影響を及ぼしている訳ではあるまいな。天気を操作するなど神のみぞ許される行為。余計な事はしちゃだめ。

そんな中、喜多の湯へ。ここは駐車場が7台ほどあり、今日は車で来たのだ。

さくっと駐車をし入浴セットを荷台から出そうとしているとザーッと雨が降り出した。しかも数秒でどしゃ降りに。こりゃいかんと入口をくぐる。
入口は引き戸で開ける間にしたたかに濡れる。

靴をしまい、さらに扉があるがここは自動ドア。なぜ?できれば入口を自動ドアにしてほしかった。まぁそれほど大きな問題ではないか。

フロント形式のフロント内にはおばあちゃんがぽつり。向かいにはケロリンストラップや入浴セットなどを販売しているスペース。トランクスなども売っている。女子のは見あたらないが、買うシチュエーションはあまりないのかな。

向こう側はロビーが広がり十分に休憩スペースがある。テレビもあり、マッサージチェアも。入浴後はここでのんびりしようか。

銭湯料金を支払い、いざ脱衣場へ。

天井がとても高く気持ちがよい。しかも窓が多くありとても明るい。

昔の地元にあった、幼少の頃に行った銭湯の雰囲気だ。しかしフロントなんだよな。

15畳くらいかな。

昔ながらの体重計もあり、なかなか良い感じ。
富士山展望場所という紙が貼ってある。
なんだとそこから湯室を覗くとおお、富士山の背景ではないか。
丸山氏の作成との事。男湯女湯に広がる壮大な富士山は湖か海かに浮かぶ富士山である。壮大だなぁ。当たり前の風景だろうから、みんなは全く見ていない。自分だけだ。

入浴しているのは7人くらい。
ささっと服を脱ぎ、入浴。

ジェットバス二種類と普通の湯船。一人分の電気風呂に絹の湯という細かい泡の出ている湯船に、サウナと水風呂がある。企業努力が素晴らしい。いろいろ楽しめるではないか。

かけ湯をして一つ一つ巡る。お湯の温度は42℃くらいかな。ちょうど良い。

絹の湯にまず入ってみる。細かい泡がお肌に染み込むが、それほどいい効果が期待できるかどうかは謎である。まあ、何かしらの効果があるというのなら信じようではないか。

そのあとジェットバス2種類へ。イス付きとそうでないもの。イス付きの方は膝下から泡が出ている。威力が強く心地が良い。今日は朝に奥さんの実家近くのイオンに行って植樹祭というみんなで木を植えておめでとうというお祭りに参加したせいでくたくただ。体にジェットがびしびし当たって疲れが取れる。

サウナ→水風呂コースを何度も楽しんでいるおじさんが二名ほどいる。常に笑顔でなにやら会話を楽しんでいる。

富士山をまたじっくり眺めてみる。
絵の下に日付が。「19.10.26 西伊豆からの富士山」みたいな文章。
風呂の日か?いや確か風呂の日は10月10日だった気が。

西伊豆からみた富士山だったのか。しかもつい1年前に最近書かれた絵ですな。それまではどんな絵だったのかな。

壁に絵があるのはやはり銭湯には重要なファクターである。そう感じさせられた清瀬喜多の湯でした。

1.幡ヶ谷 観音湯

幡ヶ谷 観音湯

今日は渋谷で資格試験を受け見事合格!

開放感を心地よく感じながら時計を見やると12時。この時間に銭湯はなかなかやっていない。

地図を見るとやはりどこも15時、16時開始だ。

しかし一つ、渋谷の近く都営新宿線「幡ヶ谷」駅にある観音湯は12時開始であった。

さっそく、渋谷から向かう事にした。

駅から5分ほど、少々迷ったが地元に設置してある商店街の地図で難なく観音湯へ。日も高い事からばっちり入口の写真を撮らせてもらった。

けっこう近代的な作り。靴を入れ、鍵をかけ、フロントのおばあちゃんを見る。とても御高齢なおばあちゃんで、こちらを見ているも視線は定まっていない様子。

スタンプは自分で押してねとのことなので、自分で押す。

お金を支払いいざ脱衣場へ。
しかしここで間違えて女湯ののれんへ向かう。
確かにピンク色をしていたので女湯である事はわかったはずなのだが、でかでかと女湯と記載していなかったのでつい行こうとしてしまった。

でもおばあちゃんはしばらくの間、なにも言わず、少しの間を置いて「そっちは女湯ですよ」と。いや、ワンテンポ遅いです。もう少しでくぐって行っていただろう。

まぁ、それは良いとして男湯の脱衣場へ。

こちらは狭い。10畳くらいの脱衣場。ささっと服を脱ぎお風呂へ。

こちらも狭いです。壁の絵もなく、ただのお風呂。湯船は通常のもの、電気風呂、水風呂、そして露天の構成。ロテン?それはすごいな。

とりあえずかけ湯の後、普通の風呂へ。

真ん中ややずれた辺りから丸いものが湯の上に突き出し、そこからこんこんと湯が溢れ出している。趣はないが面白い。

温度は42℃くらいかな。

続いて電気風呂。ピリピリ来るので腰かける事ができない。電気風呂は苦手だ。なんか殺されてしまいそうな気がする。体の内側に攻撃を受けるとなんだか落ち着かないのだ。まだまだヒヨッコだ。

続いて露天へ進んでみる。出口(入口?)のすぐそばにはサウナ室が。その前に水風呂がある構成。しかしサウナ料金は払ってないので露天だ。

そこは3.5畳位の長方形露天スペース。空しか拝めず都心の露天といった感じではあるけれど外気に触れるという事は銭湯では貴重ではないだろうか。ほんの少しの開放感を感じる事ができた。ぬる湯ではあったが。

そんなこんなでこちらは終了。続いて東京ドームで都市対抗野球の観戦をしなくてはならないのだ。神保町まで乗り換えなし。幡ヶ谷はとても便利な街である。
そんな中の観音湯。露天もありたまに小さな空を仰ぎ見ながらのんびりするのにはいいのではないか。
駅までの道、オール50円というゲームセンターを発見。行ってみたい気を押さえつつ、神保町へ向かった。

プロローグ

小さい頃、親父に連れられて行った銭湯。

湯船の奥に大きな黒い穴があいていて、そこから熱い湯が出ている。
いつか吸い込まれてしまいそうで怖かった記憶がある。

裸でみんなの前にいるのはあまりいい気分じゃなかった。

けど、自分も大人になり、結婚もして、冷静に世の中を見渡す事ができるようになると銭湯の良さってものがだんだんとわかるようになってきた。

とくに世田谷へ引越し、人と人の交流が少し希薄なものに感じられるようになってから、近所の銭湯が立て続けに二つ廃湯となってしまってから、仕事のせいで首を痛め、手にしびれがくるようになってから、、、理由はいくつかあれど、とにかく銭湯の雰囲気が好ましいものに思えるようになってきた。

しかし銭湯は確実に消えつつある代物だ。

スーパー銭湯や温泉には活路があるかもしれないが、地元の小さな銭湯は趣や温浴効果やエンターテイメント性を求めて通うほどのひとがいるかどうか。

自分としては周りは置いといて、銭湯巡りをしたい。
ちょうど、東京の銭湯を網羅した地図、「東京銭湯お遍路MAP」を入手できたので、これに倣い銭湯紀行をしたい。

とりあえずは今月(2008年9月中)に26湯。
これを達成すれば記念に風呂敷がもらえるのだ(品切れでなければ)。

よし、ちょっと挑戦してみよう。