2008年9月9日火曜日

3.池上 桜館

月曜。仕事帰りに大田区へ。
今日は車である。
職場が横浜の方なので、世田谷(二子玉川)への帰り道、少し迂回するだけで大田区に寄る事ができる。
どうせなら駐車場付きの銭湯ヘ行こうと思う。

大田区は銭湯がとても多い。
銭湯マップで大田区は1〜4まである。
まさに銭湯の楽園。

銭湯小国の世田谷に住んでいる自分からしてみるとうらやましい限り。
いつまでも地元のお客に愛される銭湯作りができているのだろうか。
楽しみ。

大田区へ向かう途中、奥さんを車に乗せる。
そして、地図を見て湯舟の種類の多さから「草津湯」をチョイス。
これなら奥さんも満足であろう。

池上辺りに着き、賽の目になっている道を一方通行に惑わされながら向かい、草津湯の前に到着。いやしかし、灯りがついておらず「本日休業」との文字。
銭湯マップには不定休とあるので今日はお休みなのか。

仕方なく、すぐさま次の候補地「桜館」へ。
「草津湯」からは3分ほど。信号機がなく交通量(午後8時頃)も少ないのですぐ到着。
こちらはしっかり営業しておりました。

駐車場は狭いが道路が広いので難なく停められる。
車を降り、建物の全貌を見やると、銭湯らしからぬ立派な建物。そして桜館の立派な丸看板。夜の闇の中に煌々と照らし出される建物。
壁には入浴する女性の背中。
うん、テンションが高まってきますよ。

左側面の入口から入店。
木製の鍵。松竹というやつ。

フロントのおじさんにスタンプのノートを提出。
ロビーはこじんまり。タバコの臭いが充満している。
テレビがあり、ベンチが並んで12〜3人が座れるくらいのスペース。

おじさんは「今でもこれやってる人いるんだねぇ」とのこと。
最近はスタンプ押す人間も減ってきたかな。

まぁそれはさておき、弐の湯へ。

壱の湯は月の後半に男性の順番になるらしい。

脱衣場は広めだが、銭湯というより、スーパー銭湯の趣。そして少し古い。

マッサージチェアが一段高い壁のそばに陣取っている。しかも照明がばっちり当たっており、周りより少し明るい。こりゃ自分は照れて使えないな。

テレビは高い位置にあり、コナンをやっている。なぜか大の大人がそれをよく見ている。
コナンみんな好きなのだろうか。

天井は低い。
さて、服を脱ぎ、お水を給水機から飲み、浴場へ。

するとこちらは奥行きはそれほどでもなく横に広がるイメージ。
ペンキ絵もないので情緒はないかな。
お客は10人ほど。
子供もじいさんもおり、みんなお湯を楽しんでいる。

左手にはサウナ、カラン一列を挟み、黒湯の露天。水風呂があり、電気風呂、ジェットバスなどなど。

温泉の後はシャワーで流してから白湯にお入り下さいの説明書き。そりゃそうだな。気をつけよう。

体を流し、手前のお湯から。
温度は42℃ほど。水温系も42℃を指している。
あ〜仕事の疲れが抜けて行く。
平日の銭湯っていいな。

そして電気風呂で腰を癒す。
しかしこれは強力でとても腰をぴったり壁につける事ができない。

ふぅ、すこし休憩だと横にそれると、そのあと少年が電気風呂にぴたっと座り、なんてない顔をしている。しかもしばらく座っている。

う〜ん、自分はIT系の仕事をしているからか体に電気を多く溜め込んでしまっているのだろうか。やたら電気に反応してしまう。

まぁ、これから徐々に慣れて行く事にしよう。

サウナは別料金。プラス200円。

あまり利用している人は見当たらない様子。
水風呂に行ってみると、お、ぬるいな。これは。そして子供がプールのように遊んでいる。

細長く狭い事もあり、じっくりのんびりという訳には行かなさそう。

それよりも何よりも露天かな。
黒湯で温度は41℃強といったところ。

小さな滝を形成した岩からとくとく黒湯が流れ込んでくる。
天井を見るとガラスのない壁のくりぬきから枝が入り込んでいる。花が咲いたりするのか。
これが桜だったらまさに桜館に桜ありといった感じだ。

黒湯は見た目、気の抜けたコーラのようである。また、黒豆の煮汁みたいでもある。
東京は黒湯、だけども、そのなかでもとても黒々としたお湯だ。濃く見えるけど、これが温泉成分の濃さかどうかはまた別のような気もする。

露天と行っても穴が高い位置にあるので、さほど外気は感じられず。
ぜひとも壱の湯に行ってみたいものだな。

1時間ほど、十分にお湯を堪能し、立ちシャワーで水を浴び、脱衣場へ。
扇風機が2台あり、気持ちよく体をクールダウン。

ロビーで奥さんを待とうかとパインジュースを飲みながら待つ。
男性客が一人待っている。
しかしここはタバコ臭いな。タバコ苦手な自分としては長居できん。
まぁ我慢我慢。

そのとき、30歳くらいの二人の女性が入ってくる。カラオケはやってますかとのこと。
フロントのおじさんは月曜は休みですよと伝えると女性たちは残念がり帰ってしまった。

カラオケ目的に銭湯に来たのか。そういう楽しみ方もなかなか楽しそうである。

それから若い感じのカップルも来た。
こちらは自動券売機で券を買っている、自動券売機があったのか。
自分は何の迷いもなくフロントのおじさんに話しかけてしまった。

その後、おばさんといかつい感じのおじさんがご来店。すでにロビーにいた男性客とは顔なじみのようであり会話を交わしている。
私はタバコを吸ってから行くわとの事。
フロントのおじさんに銭湯料金を支払っている。
うむ、常連は券売機を使わず。
ほっと胸を撫で下ろす。

おばさんがタバコに火をつけたので、うむ、そろそろこちらは退散したいなと思っているときに奥さんが来た。良かった良かった。
風呂上がりにタバコの匂いが染み付いてしまうのは少し損した気分になるのである。

車に乗り、右へ出発しようとすると先ほどロビーにいた男性客が手を挙げてこちらへ向かって来る。

うん?なんか忘れ物でもしたかな?と思いつつウィンドウを開けると、
「こっちは一方通行。どっちに帰るの?」とのこと。
あっちのほうです。と答えると、
「あっちのコンビニを左に曲がってぐる〜っと回り込むしかないんだ」
と丁寧に教えてくれた。

おかげで無事池上を脱出できた。まぁナビはあるんだけど、優しい心遣いに多いに感謝。
自分も人に優しくしようとココロに誓う一瞬でありました。

あのまま一方通行を行ってしまってもしパトカーに遭遇していたりしたかと考えるとね。ほんとありがとうございます。

奥さんも桜館には十分に満足した様子。
銭湯はお湯だけでなく、設備だけでなく、そこに集まる地域の人々が演出するエンターテイメントなんだな。

心も体もしっかりあったまった、月のきれいな九月の夜でした。

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