2008年10月25日土曜日

33、高円寺北 小杉湯

高円寺の銭湯、小杉湯ヘ行った。

杉並の銭湯は一つも行ったことがないので、ちょっと狙っていたのだ。
車で向かうが、銭湯マップによるとなかなか駐車場付きの銭湯がない。杉並のしかも高円寺辺りだと道も狭いだろうし、難しいだろうなぁ。

そんな中、小杉湯にターゲットを絞る。
駐車場付きだとのことだけどどうかな。

早稲田通りを進むと目的地周辺に到着。
しかし案の定狭い道の連続で、後少しのところで断念してコインパーキングに駐車。

降りて歩いて行こう。
すると、すぐ近くに「ゆ」のマークとチカチカの照明がある。
よくランプを点滅させているベランダがあるけど、そんな感じのチープな点滅。
「なみのゆ」だ。
煙突が立派で、なぜかライトアップされている。
迫力あるなぁ。光を当てると。
また今度来てみよう。

目の前の狭い路地を歩いて5分ほど。
「小杉湯」に到着。












おお、狭い路地の目の前に立派な唐破風造。
す、素晴らしい。
光の当たり方もまた妖艶でよろしい。
右手にはコインランドリーが見える。

駐車場は路地を出たとこにある模様。
1時間30分まで利用できるみたいだ。今さら車に戻るのも面倒なので、今日のところはこのままコインパーキングを利用することにしよう。














暖簾は錦鯉。とても和であり、上品である。牛乳石鹸の暖簾とは趣が異なるなぁ。












改装したてのようであるけど、単なる壁ではなく、とても雰囲気を大事に破風造を魅せることを意識して正面を設計している。これは気分が高まるってもんだ。

さて、錦鯉暖簾をくぐり抜け、下足を預ける。
右手から中に入るとフロントがあり、左手に女湯。右手に男湯。
奥はロビースペースで漫画本がずらっと並び、銭湯ギャラリーと書かれている。
絵が何枚か飾ってあるようだ。

そして、自然回帰水を飲むことができる場所がある。
コップもあるが、ペットボトルなんかに自由に汲んで持ってかえっていい様子。
ふ〜む、まずはフロントの女将さんに湯賃をお渡しする。
とても丁寧にはっきりと接客をしておられる。好感が持てますな。

さて、脱衣場へ。
こちらはなかなか天井が高く、格子の天井。焦茶色でとても渋い雰囲気だ。
体重はデジタルで、マッサージ機も新しいものがある。
設備は新しいが、そこかしこに歴史を感じるものがちらほら。

しかし人が多いことよ。
金曜の夜9時過ぎ。
脱衣場には5人ほどだが、中をのぞくとカランが一つ飛ばしで埋まっている。
しかも若者が多い。かなり活気がある様子だ。

負けてはおられん、パパッと服を脱ぎ捨て、いざ浴室へ。

中はとにかくきれい。
床のタイルは白くまぶしいほど。天井は二段式で薄いブルー。全体的にそこまで大型銭湯ではないんだけど、清潔だからか広く感じる。

しかし空きを見つけるのが大変だ。
カランが空いていると思っても入浴グッズが置いてあったりする訳で、これは一苦労だ。

ぶらぶらしつつ、カランの数をチェック。
6-6-6-6-2の構成。2は座位置が高くなっているもの。体の不自由な方にお譲りくださいと書かれている。
そして脱衣場よりに二基の立ちシャワー。半個室になっており、思う存分シャワーを浴びることができる。

やっとこさ空きカランを見つけ、体を洗う。
周りは20代が多いようだが、やかましくない。
とはいえ、みんな何人かで来ているようで話をしているわけだが、適度に静かに話をしている。スパ銭のお客とは品質が違うものよのぉ。

さて、浴槽のチェックだ。
外壁に沿ってL字型の構成。
まず手前から水風呂、そして広めの浴槽がミルク風呂、アツ湯の浴槽、そしてツボマッサージ浴槽、ボディジェットと、ボディマッサージ(丸形)がある。
これは贅沢だ。

とにかくミルク風呂が印象的。
都内ではここだけと注意書きがある。
そうそう、ここはいちいち注意書き、能書きが多い。
しかし、読むのは楽しい。ちょっとうるさい感じがするものの、まぁ努力が感じられるしいい湯につかってるんだなという気にもなるし(ほんとにいい湯なんだが)、一石二鳥くらいは行くだろう。

さて、どこも混んでいるので、まずは空いているツボマッサージから。
これは座ってジェットを背中の各所のツボに浴びせることができる。水枕が冷たく心地いい。
湯の温度は42℃くらい。ややぬるめか。

次はボディジェットコーナーへ。
こちらは深風呂になっており、じっくりジェットを味わえる。二基とも♪のボタンを押してスタート。
体が飛ばされるほどの強烈なジェットである。
やりすぎると内出血をしたりする。
丸形のボデイジェットも心地よい。ここのは丸が大きいので、少々体が太めの方もすっぽり入ることができるだろう。

さて、水シャワーを浴びて、次はアツ湯へ。
ミルク風呂は人気で、なかなか空かない模様。

アツ湯は43℃ほど。そんなに熱くは感じないが、後で見ると温度計が45℃を指していた。
しかし、そんなに熱さを感じないんだよな。それはこの自然回帰水という水のせいかな。
能書きによると平成18年度のアンチエイジングの賞を取ったとある。かなりエネルギーを含んだ水のようだ。
肌触りがソフトで優しい。とろとろではないが、お肌がすべすべになるといった感じ。あと、通常の湯より湯温が浸透して行く速度が早い気もする。個人差はあるだろうが。

さて、水風呂に行ってみる。
サウナがないのに水風呂があるのは珍しい気もするが、限られたスペースに水風呂を設置するとは素晴らしい心がけだ。
温度は25℃ほど。はっきりいって冷たくはないが、水の質がいいせいか、お肌によく作用する。これはいい。
なんどかアツ湯と往復。
アツ湯の方は湯温がどんどん上がっている。
さっきは誰かが水を埋めた後だったのだろうかな。

そうだそうだ、ペンキ絵をチェックしよう。
こちらは駒ヶ岳のペンキ絵。
平成20年3月13日とあるから、7ヶ月前くらいか。新しいぞ。

中央には空が広がり、迫力のある造形はないものの、爽快感がある。
松の木も二本、情緒豊かに描かれている。民家の屋根が一軒見えるな。ふ〜ん。富士山のように強く主張してくるものはないけど、そこが控えめで好感が持てるな。

ちらっとミルク風呂を見ると、空きスペースを発見。
ようやく味わえるぞ。

ミルク風呂は一番広い浴槽。
にごり湯のように薄く白い湯だ。
牛乳臭さは全くない。

なめらかさがあり、ぬるめの温度設定のせいもあり、長湯が心地よい。これはなかなか空かない訳だ。
浴室全体も湯煙で白く濁っている。とても心地良い銭湯だ。
20人ほどの湯客がいる中で、これだけ快適な空間を提供できるというのは完成された空間設計である証拠だ。店の人間が秩序を保ちにくることなく、湯客が勝手に雰囲気を盛り上げてくれる。素晴らしい銭湯である。

途中入れ墨の方や、金髪の方、外人さんもいらっしゃったが、それぞれがみなこの銭湯を崇めているような雰囲気がある。ただ自分が楽しめればよいという感じはない。つまり、そこにいるのはとても心地がよい。

湯から上がると脱衣場でノートにひたすら書き込んでいる方を見かける。銭湯日記なのかもしれない。

ロビーでは間接照明の中、漫画を読みふける青年が3名。うらやましい金曜の夜の過ごし方だ。
ビン牛乳110円をいただきながら、綿棒で耳を掃除(綿棒は持参)。これがまた至福の時間。

壁には昭和八年から創業してますとあり、改装の際に趣を残しつつ、がんばったみたいなことが書かれている。創業75年とのこと。これはスゴい。しかも今でも活気が全く失われていない。高円寺北という街のおかげかこの銭湯の持つポテンシャルの高さか。たぶんどちらもだろう。

フロントを見ていると、男客の若さだけでなく、女性客の若さも目立つ。かわいい子が結構来ているな。ばあさまには申し訳ないが、正直なところやはり若い女性客にも銭湯にはたくさん足を運んでもらいたいもの。

杉並、かなりいい街だ。

帰り際、自然回帰水をゴクリ。
とても飲みやすい。おいしい水です。

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