2010年12月12日日曜日

170.中野区中野 天神湯

今日もまた、中野区銭湯へ。
カレンダーが貰えるという浴場組合の情報から中野銭湯に連日赴いているけど、今日はどうだろう。

中野駅の北口を出て、中野ブロードウェイへ行かず右の線路沿いの道へ。
5分ほど歩き住宅街の中に入っていくと天神湯がある。
大体煙突を探しながら銭湯へ近づいていくのだが、天神湯の煙突は途中からポッキリ折られているためその手法は使えない。

 
すぐ隣の新しい煙突を用いている模様。


天神湯の表向きは唐破風で威風堂々としている。
道路を挟んで反対側にコインランドリーがある。
暖簾を潜り、ロッカーに靴を預ける。錠前はSakura。プラスチック製の札を取り、勢い良く開く自動ドアに驚いているとすぐ正面のフロント内部に親父さんがお座りになられている。
番台を裏返したようなフロントでかなり窮屈なご様子。
湯賃をお渡しし、そのまま脱衣場へ。

天井は高く白く塗られていて丸いガラスのランプがいくつかケーブルによって吊られて、ぶら下がっている。灯りは灯っていないが、和の表向きにちょっとモダンな内装、といった感じだ。
しかし全体的には東京銭湯の宮造り建築がやはり印象にある為、モダンというよりも和の佇まいである。

アナログ体重計が一つ、TANAKAのものがあり、ローラーむき出しのクラシカルなマッサージチェア、縁側(暗くて庭はよく見えない)などがある。
縁側にはSANYOの洗濯機があって、誰かが使用しているようでグラグラ揺れている。このSANYOのワンコイン洗濯機が東京銭湯で普及率は99%じゃないだろうか。洗濯機のある銭湯のほとんどがこのSANYO製を使っているような気がする。

さて、ロッカーを一つ確保しパパッと服を脱ぐ。
浴室に入ると、天井高く二段式で空間が広く開放感があって心地良い。
島カランは二列あって、4―□5―5□5―6(ーは通路、□は島)の構成。立ちシャワーが外壁側に二基ある。
面白いのはなぜか島の浴槽側にポールが一本立っていて、先っぽに照明がついているのである。ただ灯りはともっていない。

身体をしっかり洗った後、浴槽を巡る事にする。
奥の壁に沿って浴槽が一つ、3つに分かれているがすべて湯は底等からつながっている。
外壁側に寝ジェット、中央部分に広めの浅い浴槽、女湯境側に座ジェットが二基ある。
まずは座ジェットから。
湯温は42℃ほどで、少し肌にピリッと来るものがある。すぐに慣れるけど、柔らかさがもう少し欲しい気がする。
浴室には湯客が終始6人ほどいらっしゃる。中にはやはり墨の入ったお方もいらっしゃる。

続いて中央部分へ。
こちらにはバイブラの設備があるのが分かるが、そこから泡は全く出ていない。故障中だろうか。あと赤外線ライトが3基、奥の壁に並んでいる。うち一つは故障中。
しばし身体をライトに当て、少し芯まで温まったような心持ちになる。

さて続いて寝ジェットへ。
ジェットの勢いはほどほど。足を伸ばすと縁に届いてしまうので足を縁の上に置いてみる。少し行儀が悪いような気もするのであまり長い事同じ体勢でいる事ができなかった。

こちらの銭湯の背景は丸山氏の富士山。
「本栖湖 18.3.27」と記されている。
月日が経っているので少々痛みも目立つが、ボロボロというわけでもない。
丸山氏の繊細なタッチが楽しめる素晴らしい背景だ。

ペンキ絵の下にはタイル画。金魚とエンゼルフィッシュでかわいらしいものである。
そんな絵を眺めながら十分に温まった後、湯から上がる。

カレンダーを配ったりはしていないようだ。もう終わってしまったのか。
中野の住宅街にある銭湯、天神湯。
駅までの道すがら三毛猫が道の脇から出てきてゴロゴロ鳴きながら近づいてきた。とてもかわいい。クルマも通れないような狭い路地の中、静かで平和な雰囲気が天神湯の周辺に満ちている。


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169.中野区若宮 たからゆ

土曜の午後、中野の銭湯たからゆを訪れた。

中野の銭湯になぜ行こうとしたのかというと、12月は先着順にカレンダーを配布するという告知が雑誌「1010」に書かれていたからだ。

浴場組合のカレンダーはよく銭湯で見かけていたので、手に入るものなら頂きたいなと思っていた。

さて、中野区若宮にある銭湯たからゆは住宅街の中にひっそりと佇むマンション型銭湯。表にはコインランドリーがあり、マンション脇から進んでいくと入り口がある。
銭湯であると同時に介護入浴などデイサービスセンターも兼ねているようである。
→リンクが開きます>>介護事業-デイサービスセンター 健遊館 銭湯 中野たからゆ 


中に入るとすぐに下足スペース。
Oshidoriの色鮮やかな下足入れが並んでいる。マンション銭湯でありながらも旧きその浴場の姿を思い起こさせてくれる。
靴を預け、フロントスペースへ。
天井は低く、床面積も少なめなので湯上がりにゆっくり休憩するスペースはない様子。脱衣場で各自のんびりするべきだろうか。
フロント内には親父さんがお座りになられており、静かな接客。目の前にはノートパソコンがある。
湯賃をお渡しし、左手の男湯側脱衣場へ。

脱衣場も天井は低い。
島ロッカーが二つあり、窮屈に感じる。外側にサッシがありそこから外に出られる。庭はないけどリラックスできるスペースとなっている。
背中に大きく墨の入ったお方がいらっしゃり、近所の人だろうか3人でお話をされている。今日千駄ヶ谷で開催されている柔道の大会の話等をした後、墨の入ったお方が「じゃあまた今度」に対して「じゃあ後で持っていきます」と。

何を後で持っていくんだろうか。

ロッカーはSakuraIIの錠前。しかし中にはOshidoriもちらほら。古くなって故障したものをSakura錠に変えていっている模様。
体重計は家庭用。その他下町の銭湯らしさ、を感じるような一品は見当たらず。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
やはりマンション銭湯、浴室の天井は低いため、開放感はさほど感じられない。
湯煙が立ちこめ、温度も高めなので居心地はいい。
ただ塩素の匂いが鼻につく。すぐに気にならなくなったけど、換気効率が良くない構造なのかもしれない。

浴室外側から奥の壁にかけてL字型に展開している浴槽。それに対してカランは島2列。
□3−6□6ー8(□は島、ーは通路)の構成。

湯客は5人ほどでみなさん介護を必要とされないお元気な爺樣方。
カランを一つ確保しじっくりと身体を洗う。

浴槽は広く設備も豊富。
L時型に広がる浴槽の脱衣場側から、座ジェット2基(足下のみ深めの浴槽)、広い浴槽にはミクロバイブラ、電気風呂、水風呂、そして女湯境壁側の奥にサウナ室が設置されている。直径10cmほどの丸太が輪切りにされておりサウナ室の外側壁面にびっしり貼付けられている。さながらログハウスのようだ。

座ジェットから楽しむ事にする。
湯温は41℃ほど。湯に触れた感じは少しぴりっとする。
水枕も完備されているが、ややぬるめ。ジェットの勢い等優しい感じだ。
こちらの銭湯には背景等一切なく、入浴中はどこを眺めていればいいのかわからない。
とりあえず静かに瞼を閉じ、何も考えない事にする。

続いて広めの浴槽へ。バイブラの位置が中央部なので壁に寄りかかって休みながら浴びる事ができない。勢いも穏やかなもの。

電気風呂の力もかなり穏やかなので安心して深く腰掛ける事ができる。
水風呂には今回は入らず。
湯がぬるめなので、必要にならなかったのだ。またいつか来る時はサウナ室を利用し、水風呂も楽しむ事にしようと思う。

湯から上がりフロント前を抜ける。親父さんは携帯をいじっていた。
カレンダーを配ったりはしていないようだ。12月の頭で配り終わってしまったのかもしれない。

全体的にあまり覇気を感じない浴場。
その逆、気を張る事なく、のんびり落ち着ける銭湯ともいえる。

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2010年12月4日土曜日

168.渋谷区恵比寿 新橋湯

12月初めの土曜日、恵比寿の銭湯「新橋湯」を訪れた。

12月とはいえ日中は15℃以上あり、暖かい一日だった。18時頃から自転車で明治通りを恵比寿に向けて南下する。途中表参道ではイルミネーションのためいつもより多くの人通り、そして交通整理の警官たちも多い。当然クルマの通りも激しいのでぶつからないように気をつけながら恵比寿に向かう。

さかえ湯のある並木橋の前を過ぎ、改良湯を左に見ながらさらに先へ進む。
日も完全に暮れて寒くなってきた。ひざもつかれてくる。最近少し運動不足である。


新橋湯は新橋商店街の中にある。
入り口はコンクリートで高い壁になっているが、その上に少しばかり破風屋根が垣間見えている。左手にコインランドリー。牛乳石けんの暖簾があり、その先には傘立てと鏡(鏡に少し自分が映り込んでしまっている)。

下足入れの錠前は真新しいもので改装してからそう何年も経ってないのかなと思う。
60ほどの下足入れがあり、一番下の段は少し大きめの下足入れとなっている。
靴を預け、右手の男湯へ。

こちらは番台形式の銭湯。
親父さんは眼鏡で笑顔がお優しい。ご丁寧に接客をされている。
湯賃をお渡しし、ロッカーを一つ確保する。松竹錠。
外壁側にずらっと並んだロッカーと小さめの島ロッカーが一つ。床面積が広く感じられる。天井はやや高めで少しモダンな感じ。ふちの部分が二段になっているものの、十字に梁があり、おしゃれな雰囲気である。天井扇も備え付けられているが、12月だからか稼働はしていない。

お手洗いは入り口側にあるサッシを開けて縁側に出たところにある。
ちょっとした庭もあり、裸のまま縁側で涼んでいる方もいらっしゃったりする。
手洗いは清潔で一般家庭にあるような平均的なもの。

アナログ体重計もあり、メーカーはHOKUTOWである。
さてパパッと服を脱ぎ浴室へ。

天井高く二段式で、なぜか天井は1mほどの幅を持って水色、ピンク、緑と3色のストライプに色が変わっている。水色はよく銭湯の壁や天井で見られる色だが、ピンクや緑は違和感がある。ストライプなのは品川の記念湯で見られた記憶がある。

カランは女湯境の壁側から 7ー6□6ー6□ー(ーは通路、□は島)。外壁側はずらっと一列立ちシャワーが5基並んでいる為、カランはない。
6□6の島にはシャワーがないので、そちらは避けてシャワーのあるカランを確保。
身体をしっかりと洗い始める。
土曜日の6時半頃、湯客は8人ほどである。20代の若いお客から60歳ほどまで、バリエーションは広い。女湯側からは初め声が聴こえてきていたが、いずれ何の話し声も桶の音等も聴こえてこなくなった。

シャワーの湯温がかなり高めのため、必然的にカランの湯を桶に受け、それを何度か浴びる。シャワーのないカランを確保していたとしてもそんなに大きな違いはなかったかもしれない。

さて浴槽へ。
こちらは深い浴槽と広い浴槽、二つの構成。
しかし底で両浴槽はつながっているのでさほど湯温に違いはないと思われる。
まずは浅く広い浴槽から。
湯温は42℃ほど。ジェットが奥の壁2カ所から噴出している。なかなかの威力。 赤外線ライトも一基、赤く光っている。ジェット2基と赤外線ライトの位置がそれぞれ近めなので3人が同時に利用することはできないだろう。

しっかり温まったところで一旦湯から上がりクールダウン。
5基ある立ちシャワーはみな湯のようだ。水があればよかったかもしれない。

続いて深い浴槽へ。
こちらも湯温は変わらないが、底からバイブラが勢いよく噴出しており、深浴槽全体の湯の流れが激しい。
こちらで湯を味わいながら背景を拝む。
新橋湯の背景は竹やぶの壁紙。
幅2mくらいで同じ竹やぶの背景が繰り返しとなっている。
世田谷の銭湯にもこの背景があったし、時折見かけるものだ。

さて湯から上がる。
お客は常に8人ほどいらっしゃり、なかなか繁盛している様子。
銭湯はどうみても街に必要なエンターテイメントだ。
自分の住む街、商店街に銭湯がないなんて物足りないことこの上ない。

帰り際、新橋湯をぐるっと回ってみると、すぐ隣の新しいマンションの隙間から煙突を見ることができた。狭い中でなんとか煙りをなるべく空高くへ吐き出そうとしている。



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