2013年9月23日月曜日

178.杉並区下井草 井草湯

三連休の最終日。ふと思い立ち杉並区の井草湯へ。
数年前に訪れた時は休業日で外から見るだけだった。
印象的なのは四角い煙突と住宅街の中に茂る木々。

町の公民館のような表向き

手前に駐輪場と駐車場スペース。車は5台ほどは停められそうだが、自転車の数との兼ね合いもあるので3台くらいが妥当か。コインランドリーのスペースと自動販売機が3台。
引き戸を開け暖簾を潜るとすぐ正面にフロント。左右に下足入れがあり、右が男湯、左が女湯だ。
フロントには1〜2歳の赤ん坊を抱えておられるお方。おそらくご主人なのではないだろうかと思う。抱っこしている赤ん坊は将来の若旦那となるのであろうか。

ご挨拶をし、ロッカーキーを受け取る。
脱衣場に入ると広々としており中央にベンチ、テーブルなど。床はアメ色に輝く木板。外壁側と手前壁側にロッカーが並んでいる(総計55ある)。
天井はやや高いが宮作りではないのでそれほどでもない。
印象としてはとにかく清潔だ。清掃が行き届いている。ロッカーの上もピカピカである。
こうなるとトイレも気になるので行ってみるが、やはりきれいだった。新しくはないのだがよく手入れされている。気分がいい。

体重計はアナログ式のクラシカルなものでYAMATOのもの。
さて、パパッと服を脱ぎ浴室へ。

湯客は4人程。
天井は少し高いが一階建ての高さ。かまぼこ型で白ペンキは塗られてから数年も経っていないようである。
島カランが一列。外壁側からカランは6ー5□5ー5(□は島、ーは通路)。立ちシャワーが1基ある。横幅が広い銭湯である。外壁から島カランまでの通路幅が2メートル程はある。
外壁側の窓ガラスが少し開いているので外を覗くと灯籠がある。庭の痕跡か。今の建物の前は宮作り銭湯だった歴史もあるのかもしれない。

身体をしっかりと洗うと浴槽へ。
こちらの浴槽は外壁側に浅く広い浴槽、女湯境壁側に深風呂がある。
まずは浅風呂から。
こちらにはバイブラとジェットが備え付けられている。バイブラの付近には赤外線ライトもある。湯温は41℃程。ジェットは一穴式だが強さはまずまず。心地よい。
ジェットの付近の壁に穴が開いており湯が噴き出してくる演出もある。浴室にはジェットの音やバイブラの音などが響き渡り耳を飽きさせない。

さらには壁に浴場主から効能について記載された注意書きが記載されている。
所々字が読みづらい場所があるが、どうやら赤字で描かれた部分でその赤色が剥げ落ちてきているようだ。なんとか読み取ると「超音波」「気泡」といった文字のようだ。
とにかく身体には良い湯のようである。

浅風呂の外壁側にガラスのブロックタイルがはめ込まれているが、縦長の形をしておりなかなか珍しい。

しっかりと温まり、少しクールダウンした後で深風呂へ。
湯温は少し高めで42℃程。
深さはあるが一段目のせり出し部分が30cmくらいあるので腰掛けるのも楽であり踏み外しにくく安全。
さらにはバイブラもある。おかげでゆったり湯を楽しみながら背景を仰ぎ見る。
「本栖湖 25.8.2」と記載されている。
澄み渡る青空に雄大な富士。岩の書き方や全体的な丁寧な筆致を見ると早川氏の作だろう。
湖に浮かぶヨットの帆のグラデーションもしっかりと描かれている。

女湯からは子供と一緒に入る若い奥さんの声。子供が言う事を聞かず世話が大変な様子だ。
湯から上がるとベンチに腰掛け一休み。マンガ雑誌も豊富で火照った体を冷やす時間も楽しく過ごすことができる。

ご主人にロッカーキーを返却し、表へ出る。
自動販売機でチェリオを購入し帰路につく。静かな住宅街に清潔な銭湯。湯も柔らかく上質。車でも気軽に訪れる事ができる。雰囲気も良い。また訪れたい銭湯の一つとなった。


2013年5月1日水曜日

--.京都市南区 日の出湯

京都に行く用事があり、宿泊したホテルから一番近い銭湯へ向かう事にした。

ガイドブックにもよく登場する錦湯へ行きたいとも思っていたのだが、ホテルからの徒歩圏内となると大正湯か日の出湯。さらに地図を見て経路が覚えやすいという事もあり、日の出湯を目指す事にした。

21時頃、東寺通を進むと通りに面して看板が設置されているのが見える。


そこから路地に入り、10mほど進むと建物が現れる。




垂れの長い牛乳石けんの暖簾。
引戸を開くと下足を脱ぐスペース。
女将さんがこちら向きに立っているので湯賃をお渡し。
一見さんとわかったのかタオルと石けんは持ってきているのかと質問される。当然持ってきているので大丈夫ですよとお答え。
湯賃をお渡しし、手前壁側にあるおしどり錠の下足入れに下足を預ける。

籐籠と黄色のプラスチックの籠があり、そこに脱いだ服等を入れ、蓋付きのロッカーに入れる感じになっている。木製のロッカーは50。
こちらもおしどり錠だ。

天井は低めで格子になっており、ローラーむき出しのクラシカルなマッサージチェアや、アナログの体重計、女湯境壁の上には招き猫や「あす休み」のランプが置かれている。
小さな水槽もあり中にはめだか。どれを取っても懐かしい空気が漂っている。どれにも違和感を感じる事がない。

浴室と脱衣場の間にタイルのスペースがあり、蛇口も設置されている。タオルを洗ったりするスペースかと思われる。
ぱぱっと服を脱ぐと浴室へ。

浴室は天井低めで二段式。中央部分畳2畳分ほどが高くなっておりガラスがはめ込まれている。その前後にレンガ調の柱。
全体的に湯煙が満ちており、女湯境壁の奥側にサウナ室がある。しかし現在は稼働してない様子。老朽化が理由と注意書きに書かれている。

さてカランを一つ確保する事にする。
女湯境の壁側に湯船が寄せられており、カランは奥の壁と外側の壁側、島部分に19。島カランにはシャワーはなく、外壁側の中央のカランにも一つシャワーがない部分がある。

カランのレバーが逆三角形になっており、湯の方は低い位置に設置されている。押し心地は柔かく扱いやすい。湯を桶に溜め身体にかける。心地よい。
シャワーのレバーは右から左へぐるっとレバーを回すタイプ。しっかりと身体を洗う。

鏡のあるカランには広告も。うち一つに広告についての問い合わせ先が書かれており「鏡広告は関西通信まで」と記載されている。

湯客は4人ほど。男湯側は静かだが女湯の方からは常に話し声がしている。

さて浴槽を巡る事にする。
外壁側の脱衣場寄りに水風呂。壁についた虎の口から水が流れ込んでいる。
女湯境の壁側には浴槽が3つ、脱衣場寄りから電気風呂、浅風呂、深風呂、となっている。
まずは浅風呂から。
湯温は41℃程。ここにはジェット2機が設置されており、半円形の壁から湯が噴き出している。ジェットの勢いは控えめだが十分。
次は深風呂へ。
2段式になっており、1段目が20cmほどの幅で足を踏み外しそうになる。
一番深い部分に足を入れると湯面は腰の高さ程になる。湯は沸いた湯が流れ込んでくるので少し高め。42℃程。天井を見上げながらじっくりと湯を楽しむ。

続いて電気風呂へ。
電極は2カ所。一定でなくオンオフがランダムに切り替わっているようで少し戸惑う。
続いて水風呂へ。サウナは稼働していないが水風呂は湯を楽しむ上で貴重な存在。
深風呂と水風呂に交互に入る事で身体は芯から温まる。

脱衣場に上がると浴室と脱衣場の間、外側にある池を眺めながら一休み。
湯客は絶え間なく訪れ、活気がある様子。また近くに来た際はぜひ訪れたい銭湯となった。