2009年11月23日月曜日

136.武蔵野市緑町 武蔵野浴場

武蔵野市の銭湯、武蔵野浴場を訪れた。



正面には大型マンションがそびえ立っている。向かいに千鳥破風の銭湯。時代は違えどどちらも堂々としたものだ。
車で訪れたがすぐ隣に砂利道があり、駐車場への道となっている。月極の駐車場スペースが数十台あり、武蔵野浴場の駐車場は浴場に沿った形で二台置けるようになっている。



煙突が屋根の向こうに顔をのぞかせている。時間は5時頃。間もなく日が暮れる時間だ。



牛乳石鹸の暖簾を潜り、松竹錠の下足入れに靴を預ける。木札を手に取り右手の男湯へ。
引戸を開き、番台の親父さんに湯賃をお渡しする。
「遠くからいらっしゃったんですか」とお声を掛けて頂いた。
メガネの親父さんは落ち着いた佇まい。番台は低めであるが女湯側には布で目隠しがされており、番台からもよく見えないようになっている。

ロッカーは30ほど。島式ロッカーもあり低めなので上に載せて着替えをすることができる。
番台の正面にドリンクケースがあり、小さな金魚鉢二つにかわいらしい金魚が何匹か泳いでいる。番台から眺められるので大切にお飼いになられているみたいだ。

外壁側にコインランドリースペースがある。庭もあるがコインランドリーを増設したのか少し狭め。狭いが池もあり鯉もいる。岩に付いたコケを顔を出して突っついているのが見える。

アナログ体重計はKEIHOKUのもの。
柱時計はなくテレビが置かれている。大相撲中継だ。銭湯といえば野球に大相撲。ムードは次第に高まってくる。

天井は格天井であるが全面木材でなく梁の部分だけ。隅の処理も折上げ式ではない。
所々たわみがあり、昭和を長い事生きながらえて来た証拠といえる。床の木材も清潔ではあるがくたびれた状態だ。

島式ロッカーを確保しパパッと服を脱ぎ浴室へ。
第一印象は湯客が非常に多いこと。比較的お年寄りが多いようだが、みな女湯境、外壁側のカランを確保している。
島カランが一列。女湯境より7-6-6-5の構成。島カランにはシャワーがないので湯客はあまり腰掛けていない。
風呂椅子と桶を手に取り島カランへ。木の椅子が一つ、木桶が二つあるが誰も使っていない。壊してしまうと申し訳ないので皆控えているのかもしれない。

立ちシャワーが一基、もう一基打たせ湯形状のシャワーが一基外壁側に設置されているので、その近くのカランを確保した。これなら泡だらけになった状態でも気軽に立ちシャワーを利用できるというものである。

パパッと体を洗い、浴槽へ。
一槽、どんと大きな浴槽が眼前にある。ジェット二基、深風呂までもが一緒の浴槽となっている。
湯温は42℃ほど。非常に柔らかく肌に優しく浸透してくる湯である。広いので6人ほど同時に湯に使っていてもなんの不自由もない。足を伸ばし、体の節々を動かし疲れを取りながら、天井を見たり、背景を見たり、ひたすら無になり時をやり過ごしたりする。

天井は二段式。二段目は扇形に丸くなっている。背景は故早川氏の壮大なぶち抜き富士山。「20.4.3 戸田美浜 早川」と記載されている。
戸田といえば西伊豆、美しい光景である。やや荒さも感じてしまうが、細かい事も気にならない。所々ペンキが剥げて来ているのでもう先も長くないかもしれない。目に、記憶に、深く焼き付けておく。

湯から上がり脱衣場で一休み。
番台は女将さんにお代わりになられている。
いつまでも長く営業を続けてほしい番台銭湯である。サウナもあるのでまた訪れる時にはぜひ利用したい。
女性の方も、目隠しがあり番台からの目を気にせず入れるようになっているので迷わずにこちらをぜひ訪れて頂きたい。



外に出るとすでに暗くなっており、月も出ている。煙突のすぐ側に月が仲良く並んでいるのが見えた。銭湯の煙突に月、実にマッチする光景である。


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