2010年10月12日火曜日

166.渋谷区代々木 奥の湯

渋谷区銭湯、奥の湯を訪れた。

家から近いので自転車で向かう。南新宿駅は静かな駅前。夜中は特に静かでいくつかの飲み屋があるくらい。

駅の目の前に銭湯がある。改札を出て、路地に入り数メートル。10秒くらいだ。
今日は自転車で来ているのでそんなありがたみはないが、仕事帰りに寄ったりするのにはうってつけの銭湯だろう。


銭湯の目の前は駐車場。この通りには住宅が多く、夜は静か。
奥の湯の突き出し看板が渋く灯っている。


街灯と銭湯のマッチングが素晴らしい。
暖簾は垂れが短く、奥の傘入れが覗いている。


下足入れはSAKURAGのもの。
左手が男湯になっている。引き戸は自動扉で勢いよく開く。番台形式で女将さんがお座りになられている。
湯賃をお渡しするも控えめな接客。しかしその瞳の奥には優しさを感じる。
天井は高く、格子天井・・ではないが木枠の天井。
全体的に古い建築だ。
女湯境壁の上にある親柱は立派なもの。
親柱といえば清瀬市にある清の湯の女将さんが「この親柱はお父さんが木を切り倒して運んで来た」というお話を思い出す。その清の湯も寂しい事に廃業してしまったが。

島ロッカーが一つ。
鍵はSAKURAIII。入り口側のスペースが外にせり出す形になっていて、洗濯機と椅子が三つある。ドリンクケースにはパックのドリンクが充実している。
体重計はTANITA。腰までの高さのデジタル式だ。
女湯境の壁向こうには観葉植物の葉が見える。

ロッカーを一つ確保しパパッと服を脱ぐ。
浴室には湯客が5人ほど。3連休の最終日、夜9時頃である。
天井は高く二段式。白ペンキで綺麗に塗られている。塗り直して長い年月は経っていないようだ。床のタイルやカラン、壁なども清潔。開放感もあるしとても心地が良い空間だ。

カランは外壁側から7-5□5-6(-は通路、□は島)。
立ちシャワーが一基、女湯境側に備え付けられている。
カランの数は多いけど、横幅、背面の空間も十分にとられているので窮屈ではない。
カランを確保ししっかり体を洗う。

カランの湯はいいけど、水は少しぬるすぎるような気がする。
火照った体をクールダウンするのに時間がかかるかもしれない。

さて浴槽へ。
広く浅い浴槽と深い浴槽、二つの構成だが底の穴で両者は連結している。
まずは浅風呂から。
こちらには赤外線ライトとミクロバイブラ、そして座ジェット2基が設置されている。
湯温は43℃ほど。湯が固めなので少し熱く感じる。
ミクロバイブラの勢いはなかなか激しい。赤い赤外線の光と、勢いのあるミクロバイブラに包まれているとしばし時の流れを忘れさせてくれる。

座ジェットも楽しむ事にする。
浅い浴槽にある座ジェットなので足は前に伸ばす形になる。2センチほどの着座スペースがあるので少し座り心地はよい。

続いて深風呂へ。
湯温は変わらないが、ジェットなど全くなく、静かな湯面なので浅風呂よりむしろぬるいような気もする。しかし誰かが埋めたのかもしれないので確かな事はわからない。銭湯の湯温は常に変化しているのだ。

こちらから背景を拝む事にする。
奥の湯の背景はチップタイル。紫色から白に変化する何枚かのタイルがランダムに配置されている。
釜場への扉は木戸。
木戸であると浴室の雰囲気もいっそう高まるというものである。

さて湯から上がり脱衣場で牛乳パック(110円)を頂きながら一休み。
そんな中、親父さんが掃除機を掛け始める。
もう仕舞いの準備だろうか。
ややこちらも慌てた感じで銭湯を後にする。
脱衣場は掃除機で少々騒がしくなっているが表の通りは相変わらず静かである。
裏手に回り、煙突を見上げる事にする。


湯のマークのあたりですっぱり切り落とされた煙突。その昔は23mほどの高さまで延びていたのだろうか。燃料を変えながら、現代社会に対応するべく煙突の形を変えながら奥の湯は静かに息をし続けている。


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