2009年5月30日土曜日

104.大田区南千束 八幡浴場

金曜の夜。
一週間働いた疲れを銭湯で癒す。
サラリーマンにとってこれ以上のシチュエーションはない。

東京は一昨日から雨が降り続いており、地元の銭湯に行こうと思う。しかしあいにく一番近い用賀の藤の湯は金曜は定休日。

となると用賀の栄湯か上野毛の錦湯という事になる。
二子玉川の駅から上野毛に行こうかと思うが、駅に到着し、電光掲示板を見ると次に発車する大井町線は急行であったので大岡山の八幡浴場に行こうと決めた。

大岡山といえば東京工業大学。駅の上には東急病院があり、駅から出る事なく病院に行く事ができる。駅前にはしゃれたカフェテラスのようなものもできており、近代的な雰囲気がある。しかし少し歩けば商店街があり、大岡山浴場という銭湯もある。なかなか個性的ないい銭湯であった。

さて、東工大の脇を直進し、本屋を過ぎると左へ曲がる。トータルで6分ほど歩いただろうか。八幡浴場は路地裏にひっそりと佇んでいる。
2006年に改築されたという八幡浴場は表向きはモダンな感じとなっている。



下足を預け、中へ入ると番台を裏返した形でフロントがある。休憩所は横一列にベンチのような形で腰掛けるスペースがある。6人くらいは並んで座れるだろう。女の子二人とお母様がドリンクを飲みながらフロントの女将さんとお話されている。

テレビもあり、その台になっているのは古く、とても価値がありそうな箪笥。
全体的にとてもきれいである。ものに溢れている感じもなく、シンプルで清潔。観葉植物も所々にありさわやかなイメージを抱く。

女将さんに湯賃をお渡し。にこやかで人懐っこい接客をされる。常連さんとお話ししている様子を見ても、仕事を楽しんでやっているという感じだ。


さて男湯は左手。
脱衣場の天井は高く、格子ではないが平行に木材が何本か渡されている。白い天井。
庭があり、鉢植えがいくつか。休憩するスペースもあって縁側でのんびりできそうだ。畳のベンチもあり、しかも新しくきれいだ。体重計はTANAKAの比較的新しいアナログ式。

パパッと服を脱ぎ、浴室へ。
中も清潔。気持ちがよい。
二段式の高い天井。島カランは1列で4-5-5-5。立ちシャワーが一基。
お客は2人しかいらっしゃらない。今日は天気は悪いが金曜日だからもう少しいらっしゃってもいいような気がする。
しかし、いつもこの銭湯は金曜日が休みとの事。今日は金曜日だが、第5金曜日は営業されるようだ。それを知らない人が多いのかもしれない。

空いているのでカランを余裕で確保。桶は黄色いけど無地のもの。ケロリン桶より何ミリか小さい気がする。WAGURIの新しいカランは光り輝いている。
こちらの水は軟水で、泡立ちもいい。肌にトロトロと染み込んでいく。

さて、体もしっかり洗ったところで浴槽へ。
奥の壁に浴槽は並んでいるが外壁の隅は壁がせり出しており、外壁の少し手前に半個室のような形で設置されている。この浴槽は天井がさらに低く、実質三段式の天井といってもいいかもしれない。

この半個室浴槽はミクロバイブラ。窓はあるが目張りがされておりやや閉塞感がある。しかし開放的な他の部分と違い、こちらはこちらで落ち着く雰囲気はある。バイブラに体を揺すられながらしばし心地よい入浴時間を楽しむ。

この浴槽は広く、ジェットが噴出している奥壁のスペースにまで続いている。浅い浴槽ではあるが壁からジェットが噴出している。丸形ボディジェットもありはまり込んで体にジェットを浴びせる事ができる。こちらの広い浴槽は湯温が42℃ほど。軟水の浴槽だ。
そういえば、軟水の効能はどこにも書かれていない。軟水は何も知らなければいつまでも石鹸がついたままのようなトロトロした感じが気になって嫌な気分になるかもしれない。知っていればいいが、知らないお方の為にもひと言軟水に関して注意書きがあってもいいかもしれない。
なにもそういった触れ書きがないのもこの銭湯の良さの一つだが。

さて、立ちシャワーでクールダウンし、続いて深風呂の方へ。こちらは淡水と書かれている。軟水の反対は硬水かとばかり思っていたが、それは飲み水の世界の話かもしれない。淡水は「桃の葉湯」と書かれほんのり緑色をしている。座ジェットが二基あり、スイッチを押すとスタートする仕組み。
湯温は若干高めで43℃ほど。こちらで背景をじっくり眺めようと思う。
八幡浴場の背景はランダムチップタイルの夕陽。ヤシの木も見える。夕陽といえば世田谷用賀の栄湯を思い出す。あちらもランダムチップタイルであったから、ひょっとしたら同じ業者様かもしれない。

しっかりと温まり湯から上がる。
脱衣場はよく聞くと有線で昭和歌謡のような音楽が流れている。近くには大学もあるし、日によっては学生で賑わう時もあるだろう。そんなときは雰囲気も大きく変わってくるはず。
今日はお客も少なく、静かにゆっくり入浴する事ができた。たまにはにぎわいお客の声でやかましいほどの銭湯もいいかなとふと考える。

清潔で女将さんの人懐っこさが印象的な銭湯。大岡山周辺には銭湯も少なく、貴重である。八幡浴場、ぜひまた訪れたい銭湯の一つである。

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