2009年7月26日日曜日

113.目黒区上目黒 寿湯

目黒区の寿湯へ。

ここのところ天気が悪く雨が降る毎日だったが、今日は澄み渡る青空。
昼は庭の草むしりをして汗をかいた後で千駄ヶ谷の鶴の湯を訪れたので、本日二つ目の銭湯。







寿湯は千鳥破風の立派な趣。
左右にコインランドリーがある。
牛乳石鹸の暖簾をくぐると傘立てが正面にあり、左右に下足入れ。

右が男湯で、左が女湯。どうみても番台形式の銭湯のような入口であるが、事前調査ではフロントという事になっているはず・・。

自動ドアの戸から中へ。
すると脱衣場ではあるが番台は裏っ返しになっており、女将さんがお座りになられている。

脱衣場のお客達がやたらこちら側を眺めているなと感じるが、それもそのはず、入口の上にテレビがはめ込んである。番台形式の頃に物販品などを詰め込んでいた場所かもしれない。

脱衣場天井は高く、折上げられている格天井。艶のある深い茶色の天井だ。床は非常にきれいに磨き上げられている。島タイプのロッカーが二列あり、十分な数。
庭に縁側が見えるが、盆栽がある程度であとはコンクリートの壁。

女湯境にあるのは振子時計かなと思いきや、なぜかパタパタとめくれるタイプの時計。初めて見た。デジタルではなく、確かにアナログといえばアナログなので趣きを感じてしまう。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
中は大型銭湯。天井も高い。
島カランは一列だが、二列でも収まるであろう幅の広さ。
7-6-6-6。立ちシャワーは外壁側のカランの裏側に個室のように設置されている。

お客は5人ほど。土曜の夜にしては少し寂しいだろうか。大学生といった感じの若いお客が多い。
体をしっかり洗い浴槽へ。
ぬる湯と座ジェット、寝ジェットのある浴槽がある。
まずはぬる湯の方から。こちらはラベンダー&カモミールの湯となっている。
そして驚く事には外壁側に鯉の水槽が目線の位置にあるのである。中には6匹ほどの大きな真鯉。錦鯉もいる。水槽の幅よりも大きな鯉もいる。長い事こちらで生きているのであろう。小さめの鯉もいるし、上唇にイボの付いた鯉もいる。

ぬる湯の浴槽なのでじっくり温まりながら鯉と対話するかのように長湯ができる。
湯温は39.5℃のデジタル表示。

さて続いて寝ジェットへ。
こちらは42℃ほど。
浴槽が寝るには狭いので足が引っかかってしまうが、ヘリに載せれば伸びができる。
壁には天然鉱石 光明石の湯と書かれている。
隣の座ジェットは足も伸ばせるのでこちらの方が居心地はいいかもしれない。

座ジェットに浸かりながら、背景を確認する。
なんとこちらは故早川氏の背景。
平成20年7月3日とある。
一年ほど前の背景であるが、既に剥げて来ている部分がある。何か上塗りを塗るなどして保存などできないものかなと思ってしまう。

そのペンキ絵だが、女湯境に立派な富士山。
そして川が流れ、ゴルフ場のグリーンが手前にある。バンカーもあり、そしてなぜか白い犬が草陰から体を出している。
全体的に雑然とした感じを受けないでもないが、富士の青のグラデーションの美しさなどは早川氏ならでは。

そして女湯境壁にはタイル絵もある。
こちらは横一面に茅葺き屋根の民家がいくつか描かれている。
水車もあり、筆致は細かい。
素晴らしい作品だ。

鯉にペンキ絵にタイル絵。十分に楽しみ脱衣場へ。

壁に告知が書かれており、「衛生上の理由から29日より薬湯は終了とし、ブラックシリカの湯
をはじめますとの事」これは気になる。また近いうちに訪れる事にしよう。

さて帰る事にする。
今日は奥さんも一緒にいたので女湯側の感想を聞く。
タイル絵は男湯に比べ、一転豪華主義である。
首里城、金閣寺、五重塔が描かれていたとの事。そしてペンキ絵はやはり犬はいたとの事。
ゴルフ場はなかったとの事であるが、奥さんはその犬を人面犬となのではないかといっていたので、一度直接見てみたいものだ。

最近ペンキ絵といえば中島氏のものが多いので、早川氏のペンキ絵を見る事ができるのはそれだけで貴重である。


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