2008年9月15日月曜日

9.小山 武蔵小山温泉清水湯

武蔵小山駅から徒歩5分ほど。

銭湯にしては立派なファサード。とても迫力がある。
暖簾をくぐり、小さな畳敷の腰掛けがある。
下足入れに下足を入れる。

中は立派なフロント、そして15人は腰掛けて休憩できるロビー。
テレビもあり、庭を見渡して休憩もできる。

これは素晴らしい。
今年(2008年)5月に改装オープンしたばかりとあってどこもがピカピカである。

券売機で入浴券を購入。
フロントのおばさんは元気そうである。
お客もたくさん入っているようですでにロビーだけで20人はいる。
活気があれば、接客にも気合いが入るというものだ。

今日は武蔵小山はお祭りが開催されていて、その夜という事もあってお客も多いのだと思う。
最も、このきれいさがあれば、お祭りだからという事もなく、混み合っていたのかもしれない。

脱衣場へ。
ロッカーは常連ロッカーが15ほど。
それ以外はもう十分すぎるほどにある。
ドライヤーも無料で、綿棒まで置いてある。
しかし人が多い。

脱衣場から浴室を覗いても、人がうじゃうじゃいる。
まぁ、仕方ない。
すぐ服を脱いで突入してみよう。
すぐに掛け湯専用のお湯が。
子供が丁寧に掛け湯をしている。
その右手にはサウナ室。テレビ付きだ。
奥に黒湯の大きめ浴槽。10人以上は入れるだろう。ジェットが三つ。
「電気の湯」もある。電極は一つだけ。
しかし人が多い。
すでに7人ほどこのスペースにいる。
サウナ室とその黒湯の間に水風呂がある。

黒湯に足を入れてみる。
温度は41℃ほど。じっくりのんびりつかってなんぼといった感じだ。

子供が多いが、みなマナーは良さそうだ。
兄弟で入りにきている子供は長男らしき男の子がよく弟を管理している。
静かに湯につかるように教えたりしている。

カランは20くらいか。
ここもほとんど埋まっている。
人がいなくても、物を置いて場所取りのような感じになっているため、空きを探しているおじいさんもいる。
こりゃ客の入りから言って場所取りはしてはいけない状態となっている。
ガラガラであれば、まぁいいかもしれないんだろうけど。

奥から引き戸で竹の生えているスペースへ。
すぐ左には黒湯の岩風呂。泡がよく出ている。
温度はやはり41℃。
階段を上がり、こちらには黄金の湯がある。
色は薄茶色で砂のような色をしている。
丸い浴槽となっており、こちらは少しぬるめ。40℃を切るくらいか。

源泉のため飲用禁止と書いてある。
そして湯船には人がやはりたくさんだ。
4人くらいでぎゅうぎゅうのところ、5人は入っている。
そこに子供が平気で突入してくる。
まぁ、活気があってよい銭湯だ。

すぐそばに寝そべって休憩できるサマーベッドのようなものがある。
全体的に落ち着いた和の雰囲気を醸し出しているのに、このサマーベッドだけは洋風だ。
竹製などはなかったのかな。
しかし、このイスは気持ちいい。
天井を見やりながらほてった体を癒す事ができる。
竹の葉がサラサラいうのを耳にしながら。
今日はちと人の声がうるさいが。

黄金の湯に本を持ち込んでいる人間がいる。
さすがにあれだけぬる湯であればそうしたくなる気持ちもわからないではない。
でも、銭湯に本を持ち込んでいる人間は初めてだ。

カランに行き、空いているところを見つけて体を洗う。
場所がなくぶらぶらしている人間もいる。

2年前に鈴鹿にF1を観に行ったのだが、そのときに立ち寄った銭湯(さつき温泉)はもっとすごく、カランが空くのに10人以上が終始並んでいる状態。湯船にはアカが浮き、排水がしきれずに床は水浸し。それでも次々と人間が入ってくる。そんな断末魔の状態だった。

それに比べれば(比べるなって)、何て事はない人の数だけど、これはすこし落ち着かないかな。

昔の銭湯ピークの頃であれば落ち着かない状態もあっただろう。
子供が入浴するということも大事な事だ。
将来、銭湯にまた子供を連れてこようと思ってくれるかもしれないから。
ならば、今日のような雰囲気は最高だろう。
子供が大人と入浴し、満足し帰っていく。
これが現代の理想的な銭湯スタイルなのかな。

湯から上がり、庭を眺めながらビール(500円)を一杯。
くぁ〜うまい。
人もたくさんいるが、活気もあり、古くささを感じない。
今を生きている銭湯と言ってよい。
失われつつある銭湯といった雰囲気が全くない。
この先何年もこの銭湯は武蔵小山で存在し続けるなと、自信を持って言えるような、そんなエネルギーあふれる銭湯だった。

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