2009年3月22日日曜日

88.文京区白山 光楽湯

一週間ぶりの銭湯、今日は残念ながら今月限りで廃業が決定してしまっている文京区の光楽湯へ。

車で白山通りを進む。
夜、10時頃の到着。路地に数メートル、すぐ光楽湯に到着。
体育館のような建物の銭湯。裏側に煙突がそびえ立っているのが見える。
建物の正面は更地になっている。この銭湯が廃業した後は、やはりマンションにでもなってしまうのだろうか。
すぐ隣には高層マンション。コンクリートの狭間でとても窮屈そうだ。
暖簾をくぐり、下足入れに靴を預ける。
自動ドアの先にはフロント。広い休憩所が広がっているが、番台形式でいう脱衣場の女湯境に広く場所がとられている形。とても横幅が広い銭湯だ。

フロントの手前の壁に今月いっぱいで廃業する旨の貼り紙がされている。サウナは一足先の2月中に閉鎖となっているようだ。

フロントには丁寧な接客をされている女将さん。
88個目のスタンプをいただくと、次のスタンプノートをくれた。印刷する手間が省けた。感謝である。
今月いっぱいで閉めてしまうんですよとのこと。
知ってはいたけど、初めて訪れる分際で残念ですというのもおこがましいので、敢えてそうですかと一言お返しした。

右手が男湯。
休憩所の巨大さから脱衣場が狭いのだろうかと思いきやそうでもない。
天井は高いが白壁。
TANAKAのアナログ体重計があり、そして外壁側には庭がある。
サッシを開いてみると、そこにはカラの池が。立派な灯籠もあり、木も大きく育っている。こちらに満々と水が張られていた頃はさぞ美しかっただろう。鯉なども優雅に泳いでいた時期があったのかもしれない。時代の末端を垣間みてしまった瞬間である。少々切なくなった。
























パパっと服を脱ぎ浴室へ。
女湯境にサウナ室があるが電気は暗く、ひっそりしている。
島カランは一列で、6-6-8。立ちシャワーは一基だ。
お客は3人で、土曜の夜中にしては少し寂しいか。
天井はかまぼこ型。しかし外壁側1.5mほどはやや傾斜したフラットな天井。
面白い事に庭が浴槽から望めるように大きめな窓がついている。窓は汚れで透明度が低いが、その昔はニュー銭湯と言った形でリニューアルされた銭湯なんだろう。

カランを確保し、体を洗う。
それにしても静かな銭湯だ。女湯側からも音は聴こえて来ない。
今日は奥さんも一緒であるので、静かという事はうちの奥さんしか入浴していないのかもしれない。

では浴槽へ。
サウナ室に隣り合うように水風呂があり、あとは広く浅い浴槽と、深い浴槽の二つ。
まずは広い方だ。
こちらは静かな水面で、バイブラはなく、赤外線がぼぅっと赤い光を水中の壁から放っている。湯温は42℃ほど。いい湯である。肌触りが柔らかいので薪だろうか。地下水だろうか。すぐそばにマンションなので、薪ではないのかもしれない。

広い浴槽にはジェットも二基設置されている。
十分暖まったところで、立ちシャワーでクールダウン。
続いて、深い浴槽の方だ。
こちらには湯温が熱く設定されているので水を埋めないようにと書かれている。
湯温は43℃ほど。熱いと感じるほどの湯温ではない。
細かなジェットが噴出しており、壁には超音波水泡座風呂と書かれている。
実に細かい泡の湯。肌触りがさらさらと入浴感は最高。
浅い浴槽と水深が中程のところでつながっているものの、深さを利用して双方の湯温に変化をつけているようだ。

続いて水風呂でクールダウン。
湯温は20℃ほど。5人は入れそうなほどの広い水風呂だ。
何度か水風呂と浴槽を往復。サウナはないが、楽しめる浴槽群だ。
時計は学校の教室にあるようなものが、浴室の奥壁に設置されている。大体銭湯の浴室にある時計は脱衣場側の壁に備え付けられているものだが、こちらの銭湯は違う。

湯から上がり、フロントでフルーツ牛乳(120円)を頂く。
テレビもあり、ソファも6人ほどが腰掛けられるほどに広い。
なぜかピアノも壁際に置かれている。昔はこのピアノを弾く事もあったのだろうか。

「女湯側の脱衣場に掲げられている絵画」

奥さんが出てきて、女湯側の事を訪ねるが、お客は始めに1人いたが、その後その人がいなくなるとずっと一人だけだったとの事。
この辺にお住まいの住人たちは内風呂の利用が浸透しているようだ。
大きな浴槽で素晴らしいペンキ絵を眺めながら薪でわかした上質な湯を楽しむ、ということは自宅では実現できないはず。
なるべく新しい人たちに銭湯を楽しんでもらいたいと願う。

今月で光楽湯の営業は停止するが、心にはいつまでも残っている。
訪れてよかった感じる、素晴らしい銭湯だった。今月限りの廃業がとても残念でならない。




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