2009年7月20日月曜日

--.茨城県日立市弁天町 東湯

三連休、旅先の茨城は鹿島で銭湯を訪れた。
屋号は東湯。

遠く煙突は細く頼りなげに延びている。鉄の支え棒に支えられている煙突だ。

煙突は建物の奥に建っており、入口のある通りに回るとぼんやりと明かりが洩れている。この辺は9時を回ると人影もなく路地裏は街灯もない。

銭湯は一階建ての平屋構造。しかし表向きはビル銭湯のように角張っている。屋上?には掘っ立て小屋のような倉庫に使われているのか狭い部屋がある。



男湯、女湯で入口が別れており、左手の男湯に入ると中央部分にフロント。眼鏡の若女将さんがお座りになられていて、入口上のテレビを楽しんでいる。

いらっしゃいませの声は明瞭。湯賃は300円。かなり安く感じる。
脱衣場は当然のごとく天井低い。

外壁側全面が常連入浴セットが納められた棚。とにかくその量に驚かされる。どれにも埃は積もっておらず、いまも愛されている(必要とされている)銭湯と言える。
そして竹籠が多くあり、ロッカーはないので、皆籠をお使いになられている。
フロントからは衝立があり良くは見えないようになっているもののそこはかなりアバウト。衝立も手作りのようである。

体重計はアナログのkeihokuのもの。少し小さく赤い色をしている。
女湯との境にはちょっとした部屋があり、マッサージルームになっている。

さてパパッと服を脱ぎ浴室へ。浴室へのサッシがかなり建てつけ悪し。キリキリと音を立てつつ開け閉めをする。

浴室はこれがかなり独特の空間。
天井が低くフラットなのはわかるがコンクリート製でしかもシミが多く付き、かなりひなびている。むき出しの蛍光灯といい、天井だけを見ると古い刑事ドラマの取調室か、学校の教室か、もしくは拷問部屋のようだ。
中程から下はきれいな(普通の)タイル。

島カランは一列で外壁から6-4-4-5。シャワーは外壁寄りのみ。島カランには鏡なし。常連さんが外壁側にお二人。背中を流しあったりしているところからご高齢の親子か。

ここは遠慮しつつ女湯境へ。境の壁の上にはブロックが二段、積み増しされている。このブロックがまた天井のコンクリートとの調和を保っている。

カランはやけに低い位置。ケロリンの高さを辛うじてクリアしている。椅子も小さいものだし、自然と自分もかがみ気味の姿勢になる。

湯もぬるく噴出量は少なく、しかも湯口から出ないで横や下から漏れ出る。
しかしあまり気にならない。

鏡の下には広告スペース。
体をしっかり洗い、浴槽へ。

こちらには少し情緒があり二つある浴槽をまたぐ形で岩が設置され、湯が流れ込んできている。

浅く広い浴槽と深い浴槽。東京でもよく出会う構成。背景は・・もちろんない。こちらの銭湯に来たら湯に集中するべきである。
湯はとにかく柔らかく心地よい。
湯温はどちらも42℃ほど。浅い方には二穴ジェットが三ヶ所。外壁寄りのジェット一つはもはや虫の息。しかしそんなことは気にならない。

かつての繁盛ぶりを思いつつ、コンクリートがまだきれいな頃、賑やかな東湯をまぶたに投影する。その時間の過ごし方がとても楽しい。

湯から上がり、女将さんにご挨拶。また近くに来たときはぜひ立ち寄りたい、昭和を感じる味のある銭湯であった。


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