2009年9月20日日曜日

122.武蔵野市境 元の湯

久々の銭湯。今月は9月5日に新宿の金沢浴場に行ったのだが不定休日に運悪く当たり、その日は近くの東宝湯を訪れていた。

そして今日は武蔵野市の銭湯へ。
武蔵野市といえば近くの鶴の湯が先日廃業してしまっている。
昭和の香りを感じる事ができたいい銭湯であったのに惜しい限りである。

車で来たのでコインパーキングへ駐車。一日中30分100円の料金設定は良心的な価格である。
元の湯まで歩いて3分ほどだが、途中に「風呂なし4畳アパート、トイレ共同」といった感じの建物がある。

こういった所に住んでいると銭湯が近くにあるのは絶対条件だろう。
元の湯には専用の駐車場スペースもある。よくわからなかったのでコインパーキングに駐車してしまったが、日曜の夜に来て空きは十分にあるようなので専用駐車場を利用するといいだろう。

元の湯は唐破風の表向き。
迫力のある出で立ちだ。

少しイメージが違う気がするが、「健康ランド」と看板が出ている。







大きめの暖簾をくぐるとかさ入れと下足入れ。靴を入れ木札を取る。引戸から中に入ると番台から女将さんの声。上品そうなメガネの女将さんである。
湯賃をお支払いし、ロッカーへ。

脱衣場は天井高く、折り上げ式の格天井。板は艶はないが木の色が美しい。
庭もあり、縁側で一休みする事も可能。
他にぶら下がり健康機がある。
アナログ体重計はHOKUTOWのもの。マジックで第二元の湯と記されている。その昔はこちらは第二元の湯だったのか。それとも第二元の湯が廃業してこちらに託された代物か。答えは闇の中である。

パパッと服を脱ぎ浴室へ。
中はとても広い浴室である。そして背景の富士山の荒々しさ。
お客は5人ほど。島カラン二列で5-5-5-5-5。立ちシャワー二基。カランを確保し、体をしっかり洗う。大型銭湯なので音もゆっくり反響する。そしてゆったりとした時間が流れる。

カランはレバー式で古いもの。湯はぬるく、水は冷たくないがそのレバーのかちっかちっという音に趣を感じずにはいられない。

さて浴槽へ。
こちらは三槽式だ。まず一番広い浴槽は外壁側に「長寿の湯」と書かれ、その下には檻があり石に湯が当たり浴槽に流れ込んで来ている。
そして、ミクロバイブラに赤外線ライトが一基だ。

長寿の湯の石はかなりすり減っていてもうほとんどない。その近くの浴槽の底にはかけらがいくつか落ちている。手に取りいじってみるが、茶色い石で柔らかくぼろぼろと崩れる。湯が毎日当たるといずれすり減ってなくなってしまうだろう。

湯温は42℃ほど。
柔らかく心地の良い湯だ。なぜ二週間も銭湯に来なかったのか不思議に感じる。
ミクロバイブラは細かい気泡が勢いは少ないながらも体を包み込んでくれる。こちらで泡に包まれつつも背景を仰ぎ見る。

早川氏の富士である。「富士川 早川 20.8.6」と記載されている。
富士といっても青い富士でなく、かといって赤富士でもない。土色をしているので土富士と言った所か。女湯側は立つとかろうじて見えるが普通の色の青い富士である。全体的に荒く描かれている富士だが迫力は満点。晩年の早川氏の思いがこもった素晴らしい作品だ。

しかし女湯も男湯も富士というのはあまりないかもしれない。

続いて隣の座ジェットの浴槽へ。
二基あって、湯温は同じほど。勢いはそれほどでもないが、心地の良いひとときを過ごす。

そして女湯境側の深い浴槽は「ハーブ湯」となっている。
湯温はぬるめで41℃ほど。
じっくり温まり、立ちシャワーでクールダウン。こちらの水もやはりそれほど冷たくはないが、それはそれで良しとしよう。

湯から上がり、帰宅する事にする。
この付近は駐車場が多く、古い建物も多い。まとめて地上げされてマンション等になったりしないよう祈るばかりである。
また来たいと思う非常にいい銭湯であった。


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