2010年1月24日日曜日

148.大田区中央 朝日湯

大田区の銭湯、朝日湯へ。
朝日湯は銭湯マップの大田区ページに二件記載されているが、そのうちの大田区千鳥町にある朝日湯はすでに廃業している。最初、間違えてこちらに向かってしまったが、該当する住所には真新しいマンションがある。住まう人が増えても銭湯がなくなってしまえばそこは私にとって寂しい街並となってしまう。

気を取り直し大田区中央にある朝日湯を目指す。
最寄り駅はどこになるだろうか。東海道本線の大森と蒲田のちょうど中央に位置している。車で訪れたが路地は狭くたどり着くのも一苦労。両手を広げた位の幅しかない路地裏が多くある地域である。

朝日湯の場合、すぐ裏手にコインパーキングがある。
車を駐車し、銭湯があると思われる方を向くと夜空に煙突が伸びている。



路地裏を歩いていくと煙突の根元からその全貌を仰ぎ見る事ができる。



銭湯裏が住宅になっていて、昭和の香りを感じる事ができる建築。
住宅密集地にある銭湯だが、それらの住宅は近代的なデザインの建築が多くなっており、こちらの銭湯の昭和の趣が少し鄙びた感を醸し出している。



切妻屋根で朝日湯の屋号が記されている。湯の音や湯客の話し声等は一切漏れ聴こえてこない。近くに来るまでは営業しているのかどうかも疑わしかった。



花王の銭湯浪漫暖簾。東京でよく見る暖簾よりもタレがやや長いと言える。
潜ると右手も左手も下足入れが側面に並ぶタイプでなく4mほど下足入れが手前側に並んでいる。カナリア錠で42番目の木札が抜き取られ、その他は1〜15あたりまではほとんど木札がない状態。42はひょっとしたら気を利かせて初めから抜いてしまっているのかもしれない。

番台裏のスペースには傘入れ。
こちらはTOKYOと書かれた錠前。



扉の向こう側では番台とお客の会話が聴こえてくる。
自動ドアと手書きの貼り紙が貼られた扉を抜け、番台にお座りになっている女将さんに湯賃をお渡し。お客との会話は楽しそうに続けられている。いろいろな銭湯を巡るのも楽しいが、常連客となって番頭さんと会話を楽しむのも憧れるものだ。早くそういった温もりを感じる銭湯に出会い、そこを定住の地としたい。

天井はさすがに高い。一面白い天井だ。女湯境の浴室側壁の上には柱時計が時を刻み、アナログの体重計もある(HOKUTOW)。こちらは残念ながら故障中の貼り紙。
外壁側には引戸から縁側に出る事ができる。厠は和式で清潔。田舎に帰った気分である。
庭は広く、建物から幅3mほどの空間をとりつつ、沿った形で植物等が植えられている。狭いながらも池がある。鯉等は見受けられないが暗いので正確な事はわからない。

さてロッカーへ。
島ロッカーが二つ。パパッと服を脱ぎ浴室へ。
こちらも当然天井が高い。二段式でペンキが剥げ落ちている部分が目立つ。青いペンキだが剥げている部分が多いと、つい塗り立ての頃の情景を自然と思い浮かべてしまう。

島カランは一列で女湯境側より7-4□4-5(□は島、-は通路)。立ちシャワーは一基ある。
湯客はお一人で、女湯側からは湯の音や桶の音も聴こえてこない。土曜の夜にしてはやや寂しいが、これが番台銭湯の現実かもしれない。
床のタイルが台形を四つ組み合わせたもので、それらが手裏剣のような模様を作り出している。全体的に古さは否めないが清潔。ペンキの剥げ落ち度と清潔さは必ずしも比例しない。
窓は閉まっているのだけれどすきま風が多いのか、浴室は寒さが厳しい。湯煙も少ないので早く湯船に浸かりたいところ。

しかしながら体をしっかりと洗い、湯へのたぎる思いをもったいぶるように心に押し込めてひたすら耐える。

さて浴槽へ。
こちらは深浅二浴槽型。
どちらも薬湯となっており、「ジッコウの湯」とヘルスケミカルの掲示がある。
まず広い方から。
外壁側に位置しており二穴ジェットが二カ所から噴出している。三カ所あるがうち一つは故障中。二カ所ある赤外線ライトはどちらも消灯。
湯温は43℃ほどでさすがにジッコウの湯は心地よい。香はほのかで色はうすめ。肌触りは若干固く感じるがジッコウのおかげでマイルド感はある。

続いて深い方へ。
こちらも湯温は変わらず。途中浅い浴槽で水を埋めるお客がいらっしゃった為、深い浴槽もつられて湯温が下がっている。こちらはバイブラもありボコボコと景気の良い状態。
背景を見るとペンキ絵があるが、天井に負けず劣らず激しく剥げ落ちている。早川氏の富士川で、女湯境にはぶち抜きの富士。
「平成十五年 三月十二日」と記載されている。ちなみにこの日付は私の誕生日である。誰にもこの喜びは伝わらないが、一人静かに人生における物事の連鎖を噛み締める。

湯から上がり、しばしクールダウン。
女将さんは女湯側の常連さんと番台を降りてじっくりお話しになられている。
時間は23:30頃。24時までの営業なのでまもなく店仕舞だ。
先ほどと同じように路地裏を抜けてコインパーキングを目指す。来るまでの冷えきった体、心にぽっかりと何か穴の空いた寂しい感じはどこへやら、火照った体と充実した気持ちに満たされて帰宅する事ができた。
鄙びてはいるが昭和の陰と陽、いい意味でわびしさを感じる事ができる銭湯。そういえば脱衣場にはぶら下がり健康機もあった。近くに住んだら毎日のように顔を出したい、そんな銭湯である。


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