2009年4月30日木曜日

96.大田区山王 第一京浜浴場

今日は大田区の銭湯へ。

地元の銭湯へは訪れていたものの、初めて行く銭湯は久しぶりである。
天気の良い休日。個人的には8連休の二日目だ。
8連休というといい響きだが、勤務日へのカウントダウンも同時に始まっている。混雑に巻き込まれ渋滞にはハマり時間を無駄にするような事なく、遠出もせず普段なかなか行けない近場に行き発見をして喜びを得る、そんなシンプルな休日をのんびりと楽しみたい所だ。

第一京浜浴場は環七通りのすぐ側。
第一京浜のすぐ側かと思わせる屋号だが、それはフェイクのようだ。

最寄りのパーキングメーターは一時間300円。
ぐるっと周囲を巡り、煙突を仰ぎ見る。とても使い古された感のある煙突だ。
やや斜めに傾いているようだ。そして上部は切り取られ、規定の高さがあるのかどうか、心持ち低いような気がする。



以前、三軒茶屋の八幡湯を訪れた際、番台にいた若旦那に「第一京浜浴場はうちと造りが似ているのでぜひ見に行って」と言われていたのでイメージはすでに形作られている。
徐々に近づき正面へ。



千鳥破風の出で立ち。そして左右には松の木が生えている。



番台の裏には傘立てが扇状に広がっている。下足入れに靴を預け、引戸から中へ。
男湯側は左手。引戸は常に開け放たれているようだ。

時間は16時50分頃、開店より50分が経過しお客が二人湯から上がっておりお帰りになられる所だ。女将さんとお話ししており、常連客と見える。

湯賃をお渡しし、番台を観察するが八幡湯のそれと確かに似ているようだ。番台後ろの「男湯」「女湯」の文字や番台の造りなど。詳細に覚えてはいないが、何となくそう感じる。

ロッカーは青と白で交互の蓋色になっている。
脱衣場は天井高く、折り上げ格天井。
庭は表より松の木が見えた所にある。立派な庭石がいくつかと池。しかし水は張られておらず白い石が敷き詰められている訳でもないので、単に枯れているだけか。

体重計はTANAKAのアナログ式。年季が入っている。
パパッと服を脱ぎ、浴室へ。

入るとまず塩素の匂いが鼻についた。
しかしすぐ慣れる。

時間が早い事もあり、さらに採光がよくとても明るい浴室。
ひなびた天井ではあるが日の高いうちにくると気分もいい。
天井は二段式のかまぼこ型。
ブルーではあるけれどもペンキが剥がれ、痛々しい雰囲気。しかしその積み重ねて来た歴史の重みを感じさせてくれる。

島カランは一列で6-5-5-5。女湯境にある5のカランのうち一つのシャワーはもぎ取られて使用できない。
お客は一人。その後、一人がいらっしゃったがみなご年配。

さて体をしっかりと洗い、浴槽へ。
浴槽は深いものと広く浅いものが二つ。しかし底でつながっているので湯温さほど変わらないか。

まずは広い浴槽へ。
二カ所から一穴式のジェットが噴出しており、水面にパイプが顔を出しそこからボコボコと湯が噴き出している。
外壁にはうたせ湯の設備があるが、ボタンもなく湯も出ておらず、機能していない。まさかセンサー式・・な訳はないと思う。ひょっとしたら女将さんがスイッチをここぞという時に押してくれるのかもしれない。しかし試す勇気も湧かず、他のお客もやられなかったのでわからずじまいである。

一穴式のジェットに背を預けつつ、湯を楽しむ。
湯温は43度ほど。塩素の匂いはすでにどうでも良くなっている。肌触りは柔らかいようである。

カランの水を浴びクールダウンした後、深風呂へ。
こちらは深い部分が44℃ほど。
角の部分が丸く背を当てるのにちょうど良い。
そして背景を眺めるが、こちらにはペンキ絵はなく下の1メートルくらいの高さまでチップタイル画が横一杯に広がっている。山脈があり、手前にはトレッキングをしている夫婦(未婚かもしれないが)。その先にテントが二棟。
ストーリーをいろいろと思い浮かべる事ができる絵である。
この夫婦のテントであるのだろうけど、それでも二棟あるのはおかしい。他の友達もいるのだろうか。それとも自分たちのテントでなく、他所の人のテントなのかもしれない。
そんな空想を楽しみながら体を芯まで温めた。

湯から上がり、庭を見ながらクールダウン。
女将さんは女湯側の常連さんと長話をしている。常にお客とお話をされているようである。もちろん引戸から外へ出る時にも気づかれず。一見さんの扱いなどこんなものか。

昭和にタイムスリップできるいい銭湯だ。天井が剥げ落ちているが清潔な銭湯。また来たいと思ういい銭湯だった。


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2 件のコメント:

田篠 幸司 さんのコメント...

残念ながら平成23年3月11日(金)の平成23年東北地方太平洋沖地震で煙突が折れたのに伴い3月13日(日)付で廃業になりました。又、昔ながらの銭湯が廃業になりました。残念なでなりません。周辺住宅の危険性や修繕費を考えると致し方ないことでしょう。尚この事故による怪我人はいません。

moriten さんのコメント...

浴場組合のHP(http://1010.or.jp/news/temp/newpage1.html)で私も廃業を知りました。残念でなりません。切ない思いで胸が苦しくなります・・。