2009年6月21日日曜日

110.大田区南久が原 益の湯

東急池上線 久が原駅の目と鼻の先に益の湯はある。

車で来たのでコインパーキングに駐車し、線路沿いにしばらく歩き正面へ。



ビル銭湯で階段を少し上がったところに入口がある。



ビルは斜めの柱もあり、耐震性がいいようにみえるがとても古い建物。



入口で下足入れを預け、中に入ると同時にセンサーに反応し「いらっしゃいませ」の機械音。フロントにはやたら無愛想な女性がいらっしゃる。まさかこのお方が女将さんではないだろうと思う。

休憩所は7人ほどはゆったり過ごせる大きさ。ビートたけしや細川たかしとご主人様と思われるお方の写真、貴花田・若花田の手形もある。
湯賃をお渡しし、左手の男湯へ。
脱衣場は天井低いが、入口の外にあった斜めの柱がこちらにもある。
体重計は赤い色のKEIHOKU HAKARI。年季の入ったアナログ式体重計だ。

パパっと服を脱ぎ浴室へ。
中は奥行きのある銭湯。
島カランは一列で外壁より8-8-8-9の構成。9のうち一つは立ちシャワーが兼ねられているカラン。
島カランのシャワーは一つ飛びにシャワーが設置され、あるものとないものが交互に並んでいる。浴槽に入る前に体をしっかり洗っているとお客が一人いらっしゃり、桶と椅子を激しく洗っている。そして自分の体は洗わずに浴槽へ向かっていった。ふろ椅子や桶の他に洗うべきものがあるだろう。浴槽への扉にも注意書きがしてあるのだが、守られていない。常連の様で他のお客とお話をされているが、他の常連客も気にならないのだろうか。

さて浴槽へ。
三つあり、白湯の広い浴槽と、黒湯の浴槽が二つ。
広い浴槽は深い座ジェット二基と浅い部分。湯温は42℃ほどで、少し塩素臭いがそんなには気にならない。お客は5人ほどなので少なく、ゆったりと浴槽を満喫できる。
立ちシャワーでクールダウンし、黒湯の方へ。
黒湯はぬる湯と熱めの湯という構成で浴槽が二つ。
ぬる湯の方は湯温が42℃ほど。
ミクロバイブラも噴出しており、湯温のぬるさもあり長湯が可能だ。
黒湯はさっぱりした感じでぬるぬる感はない。肌に柔らかい感触がある。
続いて熱めの湯へ。こちらはジェットの噴出なく静かな湯面。湯温は43℃ほどだ。
背景をこちらから仰ぎ見る。
チップタイル画で赤富士だ。
帆掛け船が二艘。湖に浮かんでいる。
大きさは壁一面というほどではないがその赴きあるたたずまいにしばし見とれてしまう。

そしてこちらは土日にサウナが無料で開放されている。
場所は通常銭湯の釜場への扉があるところにある。
くぐると奥にももう一枚扉があり、そこが釜場への扉であるようだ。
サウナは100℃近くあり、暗い照明の中ストイックに体をいじめることができる。砂時計完備、椅子に濡れタオルが敷いてあるので少し座るのに勇気がある。

そして立ちシャワーで水を浴びる。水風呂が黒湯であれば文句無しだが。

湯から上がりフロント前でしばし休憩。
他のお客が出たり入ったりする際にフロント業務についておられる女性を観察してみるが、テレビを凝視しており接客というものを全くやっていない。いらっしゃいませの声もなければありがとうございますの声も当然なく、笑顔までもが全くない。生きる屍のように接客をしている。なにか嫌なことでもあったのだろうか。
写真に写るご主人や女将さんの笑顔がとてもまぶしく映るのと同時に、時代の流れ・昭和の終焉を肌身に感じずにはいられない夜であった。


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