2009年11月1日日曜日

132.三鷹市牟礼 神明湯

三鷹市の銭湯、神明湯を訪れた。
11月1日、今日は映画の日である。映画を一本、1000円で鑑賞して来た後(Michael Jackson's This is it、最高だった・・)、小雨もぱらつき始めた日曜の夕方、空は次第に闇に吸い込まれつつある。



そんな中、煙突からはもくもくと黒煙が。



そんな様子を目の当たりにすると、湯への熱い思いが沸々とたぎってくる。
目の前に駐車場3台分、コインランドリーも離れにある。駐車場はこの他にも歩いて50mほどの所にかなりのスペースがある(10台ほど駐車可能)。



目張りがしてあってどうにも建築の全貌は把握しようがない。
中に入り透明の扉の下足入れに靴を預ける。プラスチックの鍵を取り中へ。
フロントの前に休憩スペースが広がる形。
4人ほどが座れるL字型のソファ、そして日本シリーズ第二戦がテレビで流れている。
フロントには女性、若奥さんだろうか。声は小さいが丁寧な接客をされている。



牛乳石鹸の暖簾を潜り、男湯の脱衣場へ。

脱衣場は天井高く、格天井。折上式ではない。
アナログ体重計は「IUCHI SCALE」のレトロなもの。72くらいのロッカーが外壁側に広がり、中央部分には傷だらけの趣きある木の机と、長椅子二つ。その他に無駄なものは見当たらず。
庭へ通じるサッシがあり、何かなと覗いてみるとなんと露天へ通じる扉であった。これは脱衣場から直接露天へ行けるという事である(当たり前か)。

脱衣場には銭湯にしては最近の曲が流れている(Bump of Chickenなど)。フロントの若奥さんの趣味だろうか。まぁそれはさておき、パパッと服を脱ぎ浴室へ。

中は活気がある様相。10人ほどのお客がいらっしゃる。
天井高く、3段式の天井でペンキもきれいな状態で晴れやかな気分。
二段式の所から増築したのだろうか、と想像を膨らませる。

島カランは二列で、外壁より5-6-6-4-3-4。立ちシャワーは一基。横幅も広く、通路もゆったりで敷地が広いからこそかなう贅沢な空間だ。
お客も多いが、カランも多いので難なく場所を確保。体をしっかり洗う。

浴槽は3つ。
サウナ室が脱衣場寄りの女湯境にあり、その隣に水風呂がある。
奥壁には広い浴槽(座ジェット、檻、電気風呂)が一つと、外壁寄りに薬湯槽(ミクロバイブラ)が一つ。
そして脱衣場寄りに外の露天へと通じる扉がある。

まずは広い浴槽から。
檻の中に石があり、そこに湯が当たり浴槽に湯が流れ込んで来ている。特にガリウム石というような記述は見当たらないがありがたく湯を堪能する。薪で燃やされている湯のせいか、柔らかく心地のよい入浴感。湯温は42℃ほどだ。

電気風呂へ浴槽の中をそのまま移動し電気を浴びる。電気の力はやや強め。左右の電極の高さは高低に差がつけられており、腰に当てたりする事も可能だ。
座ジェットの浴槽へは歩いていけないが、湯が敷居の上を通過しているので湯温に変わりはない。ジェットは強めで水枕も完備。これが冷えていすぎる事もなく適度な温度を提供してくれる。

湯から一端上がり、水風呂でクールダウン。一人入ると一杯になるような小型浴槽であるが、オーバーフローした湯は排水口へと流れる仕組みとなっており、溢れる水を眺める楽しみもある。水温は21℃ほど。蛇口があるがひねってみても水は出ない。水が減ると自動的に給水されて一定の水量に保たれるようだ。

続いて外壁にある薬湯槽へ。本日ははちみつプロポリスの湯(と休憩スペースに書かれていた)。浴槽はバイブラでもあるのでボコボコと泡が噴出している。湯はやや甘い香りがする。こちらから背景を仰ぎ見ると立派な山脈が控えめながらに描かれている。「松原湖 21.8.14」と記されており、女湯境側には湖畔に建物も一軒見える。
繊細な岩の描き方、山脈の霞がかかった感じの筆致が丸山氏の作品である事を物語っている。こちらの柔らかい湯にふさわしい、身に染みいる作品である。

さて体も芯から温まり、水風呂でクールダウン。
続いて露天風呂へ。
いくつか置かれた灯篭から控えめに照らされる光の中で、ぼんやりと岩と湯が見て取れる。岩は丸形が主で、ごつごつした日本海の玄界灘のような岩はない。湯温は41℃ほど。泡は一切出ておらず、正面の道路もない裏手にある露天なので静かな空間だ。
小雨が肌を打ち、やや冷たく感じながらもそれが心地よい。
目張りが高い位置までしてあるので景色はもちろん見えないが、庭の草木、石が調和を持って配置されており見ていて飽きない。

脱衣場からもお客が出て来て一休みしていたり、皆が思い思いの時間を過ごす。これも広めの露天があればこそだ。

何度も水風呂や薬湯、そして露天を楽しみ湯から上がる。
休憩所では日本シリーズが続いている。今日は巨人が劣勢である。正面のフロントから若奥さんも眺めているがさほど興味はなさそう。いらっしゃるお客さんの為に仕方なくチャンネルを合わせているのかもしれない。



休憩スペースに薬湯の紹介板がある。



こちらは休憩スペースの眺め。

神明湯、充実した設備に柔らかい湯、露天の雰囲気は下手な旅館へ行く手間もなく味わえる最高の雰囲気である。車も訳なく駐車できるのでまた訪れたい銭湯の一つとなった。


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