2008年12月14日日曜日

56.世田谷区南烏山 第二千歳湯

日曜日。
クルマで銭湯へ向かう。
昼まで寝た上に一日ごろごろしているので疲れはないが、愛犬の散歩で少し体が冷えた。
しっかり温まろうと思う。

カーナビに第二千歳湯の住所を入力。
大体電話番号で検索するが、第二千歳湯は電話番号の登録がないのか検索してもヒットしなかった。住所は世田谷区南烏山3-11-26。
11-26・・・。「いいふろ」か。
電話番号の末尾が1126になっているのは見かけたことがあるが住所は初めて見た。

さて実際いい風呂ならいいが。

最寄りのコインパーキングに停め徒歩2分。路地裏にひっそりと第二千歳湯は佇んでいる。





















表は千鳥破風。左手に細い道路があり、そちらから浴室の窓が見える。おそらくこちら側が男湯だろう。

裏手には煙突と釜場。煙突は10メートルほどの高さでスパっと切られた竹のようになっている。短い。

薪を使っている訳ではないようだ。これでは煙たいと近所から苦情が来るだろうし、大体煙突の長さは23メートル以上と定められている。23メートルにしたところで昨今の高層マンションブームでは近所の苦情から逃れられそうもないが。

さて、正面から入り、下足入れに靴を預ける。
おしどりの下足入れ。かなり鄙びている。きれいではないもののとても味わいを感じる。














そして正面、番台裏のタイルは尾長鶏のもの。





















ポスターが貼られ全部は拝めないものの、傘入れなどが置かれて全く隠れてしまうよりはいいだろう。

左手の「殿方」と書かれた引戸から脱衣場へ。
親父さんは言葉少なではあるものの、はっきりと元気な接客。
常連客も何人かいるようだが、世間話はほどほどでとても気持ちがよい。

島ロッカーが斜めに置かれている。そして外壁側には木製の籐籠をそのまましまえる大型ロッカー。番号が大きくはっきりと描かれ、とてもレトロである。

四谷の蓬莱湯にもこの形の木製クラシカル大型ロッカーがあった。

これを利用したいが、一回目の利用ではおこがましい気がする。
今日のところは島ロッカーにしておこうか。

境壁の上に招き猫が薄汚れて鎮座している。
これまで何年もの間腰掛けてお客を招き続けて来たのだろう。思わず微笑んでしまう。
薄汚れたという表現が正しいかどうかは分からないが、全体的に白壁、天井、ロッカーとそんな色をしている。
長年かかって壁が徐々に色を鈍らせて来ているのだ。これはこれで時の重みを感じることができて心地が良い。

体重計はKEIHOKUのアナログ。
ローラーむき出しのマッサージチェアもどっかり腰を下ろしている。
サッシがあり、庭も見える。

壁には木曜日がラベンダー。日曜がじっこうの薬湯と書かれている。
今日は日曜日、じっこうの湯の日だ。少し得した気分である。

天井は高いが白塗り。格子状ではない。
品格は感じないが、古いながらも控えめな輝きを感じる。
何が何でも格天井がいいという訳ではない。安く仕上げたのかもしれないが、それでも立派な銭湯だ。悪くない。

パパッと服を脱ぎ、浴室へ。
正面には立派な背景の富士山。中島氏の作であろう。
広告が貼られる下部のスペースまでペンキ絵で塗られている。

さて、空きカランへ。
島カランが一列。
5-5-5-6。女湯境の6のうち一つはシャワーが抜けていてない。
女湯境の壁にはこれまた富士山。チップタイルで描かれている。
端から端までの長さ。右端には風車小屋もある。
どうやらタイル画のおかげかこの列に人気が集まっているようだ。

体を洗い、浴槽へ。
深風呂と浅風呂がある。
まずは浅風呂へ。やや茶色味がかったじっこうの湯。湯温は44℃ほどか。
バイブラがぼこぼこしており、ジェットは二基。
高めの設定だが湯が柔らかく熱さをあまり感じない。とても気持ちのよい湯だ。

立ちシャワーが一基ある。
こちらでクールダウンし、続いて深風呂へ。
全く泡の出ていない湯で、水面が穏やか。久々に静かな湯である。
よく見てもきれいな湯で、こちらのお客が皆しっかり体を洗い入っているのがよくわかる。
お客は8人ほど。
日曜日に6時くらい。多くもなく、少なくもないちょうどいい人数である気がする。

深風呂はやや熱い気もするが、どちらも中でつながっており、ほとんど湯温に変わりはない。
静かな水面に心も穏やかになるようである。
じっこうの香がまた、肌にも精神的にも癒される。

しっかり芯まで温まり、湯から上がる。
脱衣場ではビン牛乳130円をいただきながらベンチで一服。
この脱衣場は改めて昭和の香りをぷんぷん感じる。
古くさいが昭和を感じるくすみ方が素晴らしい。
しばしその空気の中に入り込んでしまう。

最寄りの松の湯は休業中。あちらもぜひ行ってみたいものだが。
日曜の夜、明日から始まる新しい一週間を迎える準備がしっかりできたように思う。
家から近いので是非また湯を楽しみに来たいと思う第二千歳湯であった。


大きな地図で見る

1 件のコメント:

大阪のやっさん さんのコメント...

高さが23mに決められているのはどういう理由でしょうか?
全国的なんでしょうか?